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Brugge Style
マカロンとハイヒール

昨日、めずらしくマカロンをおやつに出したら娘が「もえさん来てたの?」と言った、と。
日本に帰ってもうだいぶ経つのにもえさんは娘に特別綺麗なお菓子のイメージを残している、と教えてくれた。
ああ、なんとかわいらしいEちゃん。もえさんうれしい。
味はともかく潰れた月餅を見るたびにもえを思い出すとかよりいいじゃないですか。
わたしはこう見えていつもキラキラした格好をしているので、幼稚園や小学生女子にそういう意味では人気...人気ではないか。冷静になれよ(笑)...があるのだ。
そういえば同じく駐在中に仲良くしてくれた別の友だちから「私にはめずらしくハイヒールのきれいな靴をお玄関においていたら、娘が帰って来て「もえさん来てるの?」と言った」と聞いたこともあった。
これからわたしがおばあさんになっても、彼女等の記憶の中で「そういえばベルギーにマカロンとハイヒールの人いたなあ」として生きていたい。え、もう逝っていいって(笑)?
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ジェット・ストリーム

3月末に初夏のような日が続いた後、昨日まで冬に逆戻りだったのはジェット気流のせいだったそうだ。
ベルギーや英国ロンドン周辺は気流がぶつかるちょうどその位置にあり、低気圧がなかなか移動できないせいで灰色の空と薄ら寒い雨の日が続く時は続く(逆もまたしかり)...というハナシをラジオで聞いたのだ。
うむ、今まで知らなかった。単にベルギーや英国は呪われているのだと思っていた(笑)。
昨夜、英国へ転居して初めて「暑くて寝苦しい」という夜を体験した。
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カーディガンとガイドブック

話題のスポットや新しい店に積極的に行くタイプではないので、パリのガイドブックは持ち歩かない(つまり毎度行き慣れた同じところしか行かない)のだが、次回はぜひマンネリズムを打破しようとこのシリーズを。
このシリーズはブラッセル版も持っていて、車のグローブボックスに常備していた。
通常は行かない思いつかないようなスポットが何割か掲載されているのが楽しく、ブラッセルで時間が空いた時にふっと行ってみたり...
ちょっと意外性のある洒落たガイドブックなのだ。
例えばパリ2012版でパリのランドマークとして紹介されているのが
デフォンスの凱旋門
モンパルナス・タワー
ユネスコのヘッドクオーター
サクレクール寺院
ポンピドウ・センター
下2つは定番ランドマークとして比較的人気があるものの、エッフェル塔や凱旋門やルーブル美術館ではないのがミソなのである。他にも必見建築物として紹介されているものの筆頭が共産党ヘッドクオーター。渋い。
だからブルジョア的なものは載っていないのかと言えばそうではなく、ホテルとしてはロテルやロイヤル・モンソー、プラザアテネのバアその他が掲載されているし、友人がすすめてくれたレストラン、フレンチイも出ている。
と、昨日日本から届いた荷物に入っていたカーディガンがたまたま同じ色で、平凡な日常に一瞬にして色がついた。
6月のパリ行きコーデュネイトその1はこれで決まり。
去年買ったRoland Mouret の濃いデニム地加工のワンピースに合わせて着るつもり。
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パスポート

今すぐにでも魔女がほうきにまたがるようにさっと愛車に乗ってドーバー海峡を越えたい気持ちだ。
レジデンスカードについて不思議なのは、パスポートを2011年11月末に提出した後、カード発行年月日が2012年2月於リバプールになっているにもかかわらず、手元に戻って来たのが5月19日であることだ。
つまり審査は11月末から2月初めにかけておこなわれ、2月の中旬には5年間の滞在許可は降りていたということ。それなのにわたしがパスポートを受け取ったのが5月中旬すぎ。
2月から5月までのきっちり3ヶ月間、当局はいったい何をしていたのだろう。
この期間中に申請を取り下げたり、犯罪を起こしたり、そういう申請者側の気持ちの変化でも待っているのだろうか。
ひょっとしてわたしはこっそりMIBに監視されていたのだろうか?
借家だからと断っているのに屋根を張り替えないかと何度もやって来るセールスマンや、わたしの歯を何が何でも抜いたほうがいいと主張した歯医者の正体は何だったのだろうか?
分からない。
当局のすることはまさにカフカの「城」そのものなのである。
...
国外旅行ができそうなまとまった娘の学校の休暇は6月2日の土曜日からの一週間のハーフタームで、女王のジュビリー騒ぎから逃げるためベルギーとフランスへ行くつもり...
ベルギーにおいてはもうすでに一番古い友だちになってしまったH嬢に会ったり、夜中のブルージュをレストラン帰りに散策したり、パリで美しいものや人や食べ物を玩味しつくしたい...
想像するだけでも健康になりそうだ。
その休暇中の不安要素は、学校の学年末試験がもうはや来週から始まり、ハーフタームをはさんでなお続くことである。お休み中は遊ばず勉強せよ、という無言の圧力。
ただでさえ科目が多く、例えば語学だけで5科目(英語、ラテン語、フランス語、ドイツ語、スペイン語)X3種類、それなのに娘が今寝食を忘れるほど夢中しているのはレゴでキャンディの自動販売機を作りそれに改良を加え続けることなのだ。
彼女が、一週間のお休み中に試験勉強のことは忘れて思い切り遊ぶ為にはどうすればいいか熟考して実践してくれるように祈る。
...いや、祈るだけではすまされない。言っても仕様がないことは分かっているけれどガミガミ言う。
ガミガミは祈りのようなものかもしれない。
「城」のKもガミガミ文句ばっかり言ってたし。
5年後このレジデンスカードが切れる頃は英国に住まなくてもいいように事情が変化していることを切に祈る。
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sweet dreams are made of this
高校生のとき、アニー・レノックス(あれはユーリズミックス時代)の大大大ファンだった。
わたしが女子校の高校生だった頃は、ジャパンを筆頭にデュラン・デュランやカルチャー・クラブなどのニューロマンティック系が流行りに流行り、校則で所持禁止の漫画「エイトビート・ギャグ」をこっそり閲覧しては突っ込みを競い、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」を日本語に訳したまえと若い英国人聖職者に強要して赤面させたり(ええ、立派なセクハラですね)、そういうことをしてはゲラゲラ笑って楽しんでいた時期で、ひっきょう、英国は少女達の憧れの国だった。
そういうことを思い出すと、今自分が英国に住んでいるのは感慨深い。
そんな中でわたしは美形の男性ミュージシャンよりもアニーが一番好きだった。超仲良しだったMを始め、アニーファンは少なくなかった(Mはストッキング着脱時に手袋をはめるような人で、また大変な美人だった)。
「sweet dreams are made of this... この 'this' って何?」
「この場合は漠然と”これ”でいいんちゃう?」
「でも何なん?何を指してるんやと思う?」
「すべて、ちゃうかな」
「でもすべてちゃうやん、限定的に”これ”やん」
「いや、だからー、何かが腑に落ちて確信してそれで「ああーそうかー」とか思う瞬間あるやん?そういうことのすべて」
「あーそうかー。 ...あっ?これや!これなんや!」
楽しい時代だった(笑)。
去年、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館でアニー・レノックスの展覧会をしていた期間はちょうどベルギー英国間移動の諸作業真っ最中、わたしには珍しく常にドタバタの日々が続き、そしてついに行けなかった...
ユーロスターの車内誌に展覧会の様子と彼女へのインタビューが掲載されているのをぎりぎり歯がみしながら読んだのを覚えている。
“When I perform I create a sort of exaggerated persona that serves the song”
(パフォーマンスをする時、私はその曲に仕える大げさなペルソナを創るのです)
ああ、アニー...
パスポート、つまりは「旅」のことを考えただけでこんなに寄り道をしてしまった。
そうなのだ、11月の末から英国イミグレーション当局に取り上げられていたパスポートが戻ってくるという情報が入ったのだ。
先週、弁護士から「ビザ審査は終了しているので、後1週間から10日で手元に届くだろう」と連絡が来た時にわたしが一番にしたのはカリブ海の小さな島(セント・バーソロミューに行きたい)のホテルを探し、カミュの「転落」の主人公クラマンスが酒場でしゃべる旅の話を思い出し、Sweet Dreams を口ずさみしたことだった。
I travel the world and the seven seas...
ここからアニーに繋がるわけです(笑)。
あれ、でもおかしいな、あの連絡からすでに一週間経ってる(笑)。
手元に現物を見るまではハナシはハナシで100パーセントアテにしてはいけない、というのはヨーロッパ在住の重要な心構えなのだが。早まったかな?
わたしのステイタスは、英国に自由に出入りし滞在就労の自由があるEU市民の家族としてで、この身分から英国のレジデンスカードを取得するのは今の時点で6ヶ月から1年かかるらしいと在英日本大使館から聞かされていた。で、ちょうどぴったり6ヶ月かかった。
この間、何度夫に「英国なんか住みたくないし、パスポート返してもらって。わたしはもう出て行く」と言っただろう。
これでわたしは晴れて七つの海を旅することができるのだ!
まだパスポート現物は見ていないが(笑)。
夢は「これ」でできているのです。
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