江戸初期に編纂された笑い話の収録本で、『醒睡笑』 という書物があります。
安楽庵策伝和尚が編者として集めた本で、後に落語ネタになった話も多いそうです。
その中から。
京都に日蓮宗の寺と浄土宗の寺が道をはさんで向かい合わせにあった。
この寺同士がものすごく仲が悪くて、お互いに悪口を言い合っている。
悪口を言うだけでは気がすまなくなって、日蓮宗のお坊さんたちは、法然と名付けた犬を飼っていじめた。
「法然のバカ」 などと言って、みんなでこづき回す。
すると、浄土宗の寺のお坊さんは、何くそと日蓮と名づけた犬を飼っていじめ始めた。
ある日、犬の日蓮と犬の法然が道でばったり出くわして、大ゲンカをしだした。
そうしたら、日蓮宗のお坊さんたちが 「法然頑張れ」 、浄土宗のほうは 「日蓮頑張れ」 と応援しちゃった。
そのうち、はっと気がついて、お互い反目を止めたそうです。 という笑い話。
こうした笑いの精神こそが、今の世界に必要ではないか、との筆者のコメント。 今の世相を考えれば、同様の感想を持ちますね。
『憲法九条を世界遺産に』
太田光氏と中沢新一氏の共著からの抜粋でした。
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