今月、岩波書店から辺野古新基地建設事業に関する2つの出版物が刊行される。この1ヶ月間、原稿書きに追われ、てんてこ舞いの毎日だったが、いずれもやっと校了した。
まず、雑誌『世界』の10月号。ここに「マヨネーズなみの地盤の上に軍事基地?」というタイトルで軟弱地盤問題について書かせてもらった。今週末にも発売となる。
もう一つは、岩波のブックレット。上の「新刊案内」にもあるように、『辺野古に基地はつくれない』と題して、今までの経過や問題点などを一通りまとめた。当初は9月5日刊行の予定だったが、翁長知事の急逝等で内容を一部変更したため、刊行は9月25日頃になる。
岩波ブックレット『辺野古に基地は造れない』 目次
1.新基地建設事業はどのように進められてきたか
●準備作業の大幅な遅れ(2014年1月~2015年10月)
●翁長知事の埋立承認「取消し」と県の敗訴(2015年10月~2016年12月)
●工事再開から現在まで(2017年1月~2018年7月)
●翁長知事の埋立承認「撤回」表明と急逝
2.辺野古新基地建設事業の建設工事とはどのようなものか
●工事の概要
●大幅に変更された工事の施行順序
●辺野古側での埋立開始の問題点
3.事業の帰趨を握る知事の権限
●埋立承認の「撤回」---知事が持つ最大の権限
●公有水面埋立法に基づく設計概要変更申請の承認権
●埋立承認の際の留意事項に基づく知事との協議事項、知事の承認権
●サンゴ類の移植のための特別採捕許可権限
●海底地形改変行為のための岩礁破砕許可権限
●赤土等流出防止条例に基づく知事協議
●県外からの埋立土砂搬入に関する土砂条例
4.あいつぐ違法・違反行為 ---防衛局の事業の問題点
●設計概要変更申請を行なわない公有水面埋立法違反
●埋立承認の際の留意事項違反---実施設計・環境保全対策の事前協議が行なわれていない
●辺野古側からの埋立開始の手続がされていない---施工順序の無断変更
●護岸造成用石材の海上搬送、K9護岸からの陸揚げは環境保全図書の変更
●サンゴ類の移植をしないままの工事強行
●海草・藻場、ウミボッス(海藻)の移植も行なわれていない
●工事によるジュゴンへの影響---「個体C」が消息不明
●工事施行区域に沿ったフロート敷設の問題点し
●巻き上がる粉塵と白濁する海---石材が洗浄されていない
●岩礁破砕許可を得ないままの海底地形改変行為---県漁業調整規則違反
●違法ダンプトラック問題---市民らが沖縄県警に告発
●市民らの表現の場を奪い、危険にさらす工事用ゲート前の占用問題
●「海上警備業務」の相次ぐ不祥事---問われる防衛局の責任
●「御用機関」となった環境監視等委員会
5.八方塞がりに陥った防衛局---知事の権限で工事は頓挫する
●大浦湾には活断層が---直下型地震や津波の恐れ
●マヨネーズのような軟弱地盤---埋立承認「撤回」の最大の事由
●飛行場周辺には高さ制限問題---新基地の立地条件そのものが問われている
●米軍に那覇空港を提供しなければ普天間は返還されない!
●県外からの埋立用土砂搬入の問題点---特定外来生物の駆除ができない
●名護市長は代わったがなおも多くの課題---美謝川の切替え問題
●諦めを拒み、工事を頓挫させる