2月25日、大浦湾にさらに1隻のサンドコンパクション工法(SCP)作業船が入ったという連絡が入った。送られてきた写真を見ると、狭い作業区域に計6隻ものSCP作業船が密集している。
(2月25日に送られてきた写真。6隻のSCP作業船が密集している(K.Nさん撮影))
日本では海面下65mまでのSCP工法の実績しかなく、70mまでの地盤改良ができるSCP作業船はない。そのため防衛局は、ケーソン護岸工の特記仕様書で、作業船を70m級に改造するための費用を負担するとしている。
・「シュワブ(R5)C1護岸新設等工事」 3隻のSCP作業船の70m級への改造
・「シュワブ(R5)C3護岸新設等工事」 2隻のSCP作業船の船体補強(砂撒船(トレミー船)の改造も)
・「シュワブ(R5)係船機能付護岸新設等工事」 1隻のSCP作業船の船体補強
2018年に防衛局が作成した資料では、6隻のSCP作業船を改造するためには約20億円もの費用を要するとされていた(この問題については2月8日のブログ参照)。何故、民間の作業船の改造のために巨額の公費負担ができるのか、とても納得できない。
たとえば不動テトラ社は、すでに2018年、第30不動丸を70m級に改造した(同社ホームページ参照)。防衛局の見積りでは、同船の70m級への改造には約3億円を要するとされていた。所有船の性能改造はそれぞれの会社が独自に行うのが当然であり、政府が負担するものではない。
昨年7月11日、土砂全協の防衛省交渉でこの問題を追及した。防衛省は、「作業船の改造を国が負担した事例はある」と回答したので、どういう事例かと聞くと、「辺野古の事業でも資材を陸揚げするために使っている船を接岸しやすいよう改造した」とのことだった。軽微な改造にすぎず、比較にはならない。
第3回技術検討会資料では、日本には15隻のSCP作業船がある。どの会社の作業船を公費で改造するのかをどうして決めるのか? 公平性・競争性が全く担保されていない。特定の企業への高額の便宜供与ではないか?