(高江・住民の会として沖縄県環境保全課への申入れ)
7月29日(月)の朝、高江の住民の会として、沖縄県環境保全課に、防衛局に対して、赤土流出防止条例にもとづき、今年度のヘリパッド工事を中止するよう申入れよという要望書を提出し、交渉の場を持ちました。金曜日の夕刻、県から話し合いに応じるという連絡が入り、急な設定でしたが、住民の会、そして支援者を含め、20名近い方々が集まられました。
今年度のヘリパッドは、急峻な崖のすぐ上の森林を全面伐採して造成するというもので、崖が崩落する恐れが強く非常に危険であること。また、ヘリパッドの路体部の盛土材に、昨年の工事で掘削した赤土をそのまま流用するのは、十分な締め固めができず、やはり危険であることなどを指摘しました。
しかし、環境保全課長は、「条例の範囲では、防衛局にそのような指示はできない。場所、工法は防衛局が適切に判断されるものだ。」と逃げの姿勢に終始しました。
ところが、1時間ほどの交渉が終わり解散した直後、高江の現地から緊急の電話が入ったのです。「中でチェーンソーの音がする。伐採が始まっているようだ。」という連絡でした。もう7~8人しか残っていなかったのですが、あわてて環境保全課に戻り、課長らへの抗議行動を行いました。
我々の強い要求に、課長はやむなく防衛局に電話を入れ、今朝の作業内容を確認しました。防衛局は、「枝打ち」を始めたことを認めました。「枝打ち」といっても、それは「伐採」であることは明らかです。課長は、「住民の会から伐採をしないよう要請がある。しばらく伐採は待ってほしい。」と言ったのですが、防衛局は、「伐採は赤土条例の規制の対象外だから、県の指導は受けない。これからも伐採を続ける。」と課長の要請をはねつけてしまったのです。
また、従来、防衛局が新しい作業に入る際は、事前に県に連絡するということになっていました。今日の伐採については県への連絡がなく、課長は、その点についても問題にしたのですが、防衛局は、「それは県の要望にすぎず、約束ではなかった」と開き直ってしまったのです。
我々からは、防衛局にこんなに馬鹿にされて、赤土流出を防止しなければならない県の主体性はどうなるのか。毅然とした対応をせよ、と抗議を続け、結局、午後1時過ぎまで交渉を続けました。
最終的には、県として、防衛局に対して、今年度のヘリパッドの場所は危険であり再考を求めるという文書を出せと要求し、「条例の範囲ではできない」と拒否し続けていた課長がやっと、「皆さんの要望を踏まえ、上司とも協議する。」と答えたので、今日の抗議行動を終えました。
それにしても、ぐったりと疲れた4時間半でした。
ともかく、高江では、今年度の工事のための森林伐採が始まったのです。これ以上の自然破壊、住民の生活破壊をストップさせるために、現地での抗議行動にぜひ、ご参加ください。