チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

今、辺野古新基地建設阻止のために問われる沖縄県の毅然とした対応 --- 当面の4つの課題

2020年03月19日 | 沖縄日記・辺野古

 辺野古新基地建設事業反対運動はいよいよ重大な局面を迎えようとしている。 県民の現場への結集が何よりも必要だが、同時に県の毅然とした対応が今、何よりも求められている。

 県は次のような課題に直面している。

 

1.この4月にも、防衛局から地盤改良工事等の設計概要変更申請が提出される。⇒ 県は、変更申請を受理せず、地質調査のやり直しを命じるべき!

 防衛局が、地盤改良工事とそれに伴う工法変更を行うためには、沖縄県知事に設計概要変更申請を提出し、承認を受けなければならない。しかし、この間のブログでも説明してきたように、国が「非常に硬い」と言っていた大浦湾の海面下70m以深にも軟弱地盤が続いていることが明かになり、このままではケーソン護岸が崩壊する恐れがあるとまで言われている。地盤調査データの隠蔽や虚偽説明が行われていたことも明らかになった。

 防衛局は現状のままでは、設計概要変更申請を提出してはならない。まず、大浦湾最深部でのボーリング調査をやり直して地盤強度の詳細なデータを得てから出直すべきである。

 沖縄県は、このまま変更申請が提出された場合、受理してはならない。大浦湾の地盤調査をやり直しを命じるべきである。

 

2.埋立承認撤回をめぐる関与取消訴訟の最高裁判決が出る(3月26日)

 一昨年8月、沖縄県は埋立承認を撤回したが、国は、行政不服審査法を濫用して県の撤回を取消してしまった。県は、それに対して2つの裁判を提訴している。そのうち、関与取消訴訟の最高裁判決が3月26日に出される。

 弁論が開かれていないため、県が敗訴(却下)する公算が高いと言われている。しかし、県の埋立承認撤回が違法だという判決ではなく、国地方係争委の裁決に対して県が提訴することができないという判決が予想される。

 それでも最高裁判決で県が敗訴すると、国はかさにかかって事業を強行しようとするだろう。知事は昨年12月の県議会で「最高裁判決を尊重する」と答弁した。その意味は不明だが、「あらゆる手段で辺野古新基地建設を阻止する」という知事の姿勢が、最高裁判決で後退することのないよう望む他ない。

 

3.保留を続けてきたサンゴ類の移植のための特別採捕許可申請の扱い。農林水産大臣の「是正の指示」への対応

   最高裁で敗訴した場合、まず問題となるのはサンゴ類移植のための特別採捕許可申請への対応である。

 埋立予定地内には、7万8460群体もの移植対象のサンゴ類が確認されている。地盤改良工事実施前に移植しなければならないが、そのためには、沖縄県漁業調整規則に基づき、知事の特別採捕許可が必要となる。
 防衛局は昨年、3万9590群体のサンゴ類の移植のために県に特別採捕許可申請を提出した。県は、2018年8月の県の埋立承認撤回を国土交通大臣が行政不服審査法を濫用して取り消したことを不服として、現在、2件の訴訟(関与取消訴訟と抗告訴訟)を争っている。そのため県は昨年7月、「埋立承認を前提とする沖縄防衛局長からの各種申請等は、当該訴訟の最終判断までは処分等を行わない」という方針をとった。防衛局は今もサンゴ類の移植ができない状態が続いている。

 最高裁判決の後も県は判断保留という方針を続けるべきである。関与取消訴訟で県が敗訴したとしても、それは県の埋立承認撤回が違法だとされたのではなく、裁判で争えなかったということにすぎない。県は、抗告訴訟が決着するまでは判断保留という方針を撤回する必要はない。

 また、まもなく設計概要変更申請が出されるが、知事は不許可とするはずだ。その場合、工事は頓挫することとなる。サンゴ類の特別採捕許可申請はひとまず撤回するのが当然だろう。

 この問題については、農林水産大臣が「承認せよ」という「是正の指示」を行っている。サンゴの移植のための特別採捕許可は、知事が個々の申請内容を審査して判断するものであり、国の露骨な地方自治への介入と言わざるを得ない。知事の毅然とした対応を見せてほしい。

 

4.本部塩川港、琉球セメント安和桟橋からの海上土砂搬送のペースをあげようとうする動きへの毅然とした対応

 ここ数日のブログでも説明してきたが、辺野古への土砂海上搬送を続ける業者から本部塩川港へのベルトコンベア設置(港湾施設用地使用許可申請)、琉球セメント安和旧桟橋の許可更新(公共用財産使用許可)の申請が県に提出されている。

 詳細は、ここ数日のブログを参照してほしいが、これらが許可されると辺野古への土砂海上搬送のペースが大幅に増えてしまう。県の毅然とした対応が今、何よりも求められている。

 昨日から県民広場でこれらの申請を不許可とするよう求める県民のスタンディングが始まった。23日(月)からも連日、続けられるという。26日には沖縄平和市民連絡会の県交渉も予定されている。県民の強い声を知事に届けたい。

 2年前に那覇空港埋立の際に使用された巨大なベルトコンベア(豊見城・Aさん撮影)

 今も、本部塩川港の一角に置かれたままのベルトコンベア。メンテナンス作業が続けられている。しかし、この設置にも県の港湾施設用地使用許可が必要なはずであるがどうなっているのか? (2020.3.19 本部町Tさん撮影) 

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