(24日、住民監査請求の陳述の場が持たれた。)
10月24日(水)も、午前5時半に家を出て普天間基地の大山ゲートに向かった。午前6時に大山ゲート着。まだ薄暗いが、もう米兵たちの車が続いている。
今日も、Tさんが米軍の車を止めようと、基地に続く道路でノロノロ運転をされていた。私も経験があるが、大勢の警察官が窓をドンドンと叩く中、一人で車をノロノロと走らせるのは、かなりの気力がいるものだ。Tさんはもう何度もこの行動をされているのだが、基地機能をなんとかマヒさせようというTさんの頑張りには感心する。
今日は、午後から識名トンネル問題監査請求の陳述があるので、その準備のため、一足先に小山ゲートを離れた。
私たちは、沖縄県政史上最大の不祥事と言われている識名トンネル虚偽契約問題について住民監査請求を行っていたが、10月24日、陳述の場が持たれた。この2週間ほど、毎日の大山、野蒿ゲート通いの傍ら、ひたすら陳述書の作成に追われてきたものだ。
Oさん、Mさんと私の3人が陳述。県当局からは、当間参事監、末吉道路街路課長、田端財政課長らが陳述した。午後1時10分から始まった陳述は、午後5時半まで続いた。さすがに疲れたが、これでともかくやるべきことは全てやった。後は、監査委員の毅然とした勧告を期待したい。
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この問題については、以前のブログ(2012.9.6)で次のように書いているので再録する。
「現在、沖縄県政史上最大の不祥事と言われているのが、この識名トンネルの虚偽契約問題だ。沖縄県は、2006年12月、識名トンネル新設工事を大成建設共同企業体(以下、「大成JV})に発注した。しかし、この入札には、本土の大手ゼネコンのほとんどが殺到し、厳しいたたき合いとなった。結局、大成JVの受注額は、設計価格の47.2%というとんでもない低額だった。当時の県議会でも、「こんな低価格で大丈夫か? いくら競争といっても異常だ」などと追及されている。
工事着工後、多くの追加費用が必要となった。本来なら、増額の変更設計は、当初の入札率を乗じて決められる。しかし、大成JVは、増額分について当初の入札率を乗じることを拒否。県は、やむなく、追加費用分を別途に大成JVに6件の随意契約(ほぼ100%の率)として発注したという形式をとった。すでに施工済みの工事を新たに施工したかのように装った虚偽の契約を締結してその費用をねん出したのである。
識名トンネル工事は国庫補助事業であったが、県は、この虚偽契約分についても国庫補助金を申請、補助金が交付された。その後、国の会計検査で虚偽契約が発覚、県は、国の求めにより5億7千万円を国庫に返還せざるを得なくなったのである。しかも、国は、その後、国庫補助金を不正に受給したとして補助金適正化法違反と、さらに虚偽公文書作成・行使罪で、県職員(氏名不詳)を警察に刑事告発した。
国庫補助金を受けた公共土木工事、私の30年以上の市役所生活のかなりの部分は、こうした公共工事を担当していた。国の会計検査を控え、徹夜で工事の設計書等のチェックを続けたことを思い出す。そうした立場から、この識名トンネルの問題についても、当初から強い関心を持っていた。放置することもできず、公文書公開請求で関係資料を取り寄せたが、あまりのひどい不正行為には唖然とするほかなかった。
一番の問題は、県の職員の不正行為によって命じられた国庫補助金の返還のために、何故、県民の税金を支出しなければならないのかということだ。不正行為を行った県職員、また、不当利得を得た大成JVらがそれを負担しなければならないのは当然だろう。住民監査請求、そして住民訴訟で争えば、勝訴する可能性はきわめて強いと思われる。
そしてやはり問われるのは、仲井真知事の関与の問題だ。知事は、9月7日、オスプレイ配備反対の9.9県民大会への不参加を表明し、多くの県民の怒りを買っている。目取真俊さんは、彼のブログで、知事の不参加の理由について、「一括交付金など予算面の配慮で政府と裏取引をしたか、識名トンネル問題で政府に弱みを握られ、縮み上がってでもいるのだろう。」と書かれている。(今年、6月21日の週刊文春も、「仲井真知事のカネと女」という記事で、識名トンネル問題に触れ、仲井真知事と大成建設社長の個人的な関係を指摘している。 )
なんとかさらに資料を集め、この問題を追及していきたい。」