7月6日(金)は早朝、那覇を発ち、本部町役場へ。午前9時から、本部町島ぐるみ会議の3名、山城博治さんらと一緒に、平良町長と面談した。
まず、問題となったのは、「1日にダンプ160台」という防衛局の約束が踏みにじられていることだった。
2017年11月、防衛局は、本部塩川港から辺野古への石材海上搬送を始めるにあたって地元住民への説明会を開き、「ダンプトラックは1日に160台」と約束した。しかし現在では、多い時は1000台を超えるダンプトラックが塩川港に入っており、当時の約束は全く無視されてしまっている。
私たちは本部塩川港の現状を説明し、「本部町は岸壁使用許可を出しているが、1日に160台という約束を守らせること。それができないというのなら許可を出さないこと」と訴えた。
この「1日に160台」という約束は、2017年の地元説明会で防衛局が配布した文書に記載されている。この説明会には町の担当者も出席していたが、町長は、「この文書を見たのは初めてです」とのことだった。そして、「本部塩川港は一部の事務は県から移譲を受けているが、管理者はあくまでも知事。本部町は知事の意思決定に基づいて管理している」という説明に終始した。
私たちは、「6月15日、19日、この問題について、沖縄県知事公室長、土木建築部長と話し合ったが、県は、本部町に委譲した岸壁使用許可・荷捌地使用許可については県は口を出せないと言っている」、「それでも、部長らは、『今後、本部町とも協議し、どのような対応が可能か、検討していきたい』と回答した。今後、県から本部町に話が来るはずだが、その際には、本部町としても防衛局に約束を守らせるよう求めてほしい」と訴えた。町長は、「県から話があれば、しっかり相談していきたい」と約束した。
(本部町平良町長(左から2人目)への申入れ)
また、国道449号の粉じん問題についても訴えた。
「私たちが、一昨年に県議会に出していた、国道449号の粉じん等の環境調査の実施を求める陳情が本年3月、県議会で全会一致で採択されました。しかし県環境部は『環境調査は実施しない』という態度を取り続けています。本部町からも、県に対して協力して環境調査を実施しよう申し入れていただきたい。」
この点について平良町長は次のように前向きに答えてくれた。
「本部町もずっと以前から、観光地として、粉じんの問題については気がかりしてきた。たびたび、県にも話をしてきたいきさつがある。改めて観光立町として、この粉じんの問題について、県に話をしていきたい。」
今後の進展を期待したい。
また、関連して、降雨時に本部塩川港、安和桟橋に土砂が搬送されていることから、ダンプトラックの荷台から濁水が流れ落ちていることが問題となった。この濁水は海を汚濁し、乾燥すれば粉じんとなって舞い上がる。
町長もダンプトラックの荷台から濁水が流れ落ちている写真にはさすがに驚いた様子だった。「これらの写真は国道を管理している県の北部土木事務所にも渡されたのですか」と確認したうえで、「本部町も北部土木事務所と、こういう実態をどう改善させるかの議論を深めていきたい」と約束した。
この点については、「北部土木事務所は我々の訴えにより、本部塩川港のベルトコンベア設置許可の際に、『時間雨量が5mmを超えるという予報が出た場合は、搬送を中止する』と業者に約束させている。本部町の岸壁使用許可でも同様の許可条件を付けるよう検討してください」ともお願いした。
これらの具体的な内容については、今後、本部町の港湾管理担当者と話し合っていく。
私たちの申入れに対して気さくに面談に応じ、前向きの答弁をしていただいた平良町長には感謝している。