なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

顔真卿

2019年02月05日 | 
の展覧会へ。平日行ったのに大変な人だかり・・・・・。顔真卿の祭姪文稿は観覧まで30分待ち。土日だったらえらいことだった・・・・。

 王義之の「蘭亭序」は以前も観たことがあるが、蘭亭序については、今あるもの全てがコピーで、王義之真筆は存在していない。に対して祭姪文稿は直筆が大切に伝えられて今日に至る。王義之の真筆が存在していない理由は、時の皇帝が、自分の墓に全部一緒に埋めちゃったからなんですけどね。中国の皇帝って、ほんと、何考えとるんだあんた、という事を軽くやるから・・・・。

 今回は、祭姪文稿だけじゃなく、古今東西の名筆が一堂に会する、というとんでもない展覧会で、観るのは大変でした・・・・。見に来てた人も、日本人だけじゃなくて、中国台湾韓国あたりの「漢字文化圏」の人多し。子供連れの方も結構いたのでびっくり。そうか、本国でも滅多に観られない、ましてや、全部集合に近い、これほどの規模の展覧会となるとね・・・・。日本人はただ見るだけになっちゃいますけど、中国の人は読んで「理解」もできるだろうし、見方が全然違ってくるだろう。

 観ると、墨&紙というシンプルな道具のすごみを感じますね。千年前に書かれたものが、今、書かれたもののように生々しい。筆のかすれとか、筆圧とかが具体的に分かるから。墨・筆・紙は廃れちゃまずいな。

 で、千年以上前の漢字をちゃんと読める、というのも驚きが。楷書だと、きっちり分かる。というか、今の文字と同じじゃんと思ったら、いわゆる「明朝体」という印刷字体は顔真卿の書いた楷書を手本として編み出されたものだという。え~~そうなの??そうか、中国の時々の皇帝が、「王義之」だ「顔真卿」だ、とやったのは、標準的な字体を決めて、それで国全体の字体を統一してどの書類をどこに持ってっても読んで理解できる、書いて伝えることができる、ようにした、という「情報伝達のしやすさ」も狙ったんでしょうね。

 今だって、着々と新字体は編み出されてますよね。渋谷で話題になってた「ガムテープ字体」とかね。情報伝達が字の一番の役割だから。

 ということで、かなり面白かった。漢字文化圏でよかったなあ、と思う。
コメント
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