大山 三の沢
川床から三の沢に移り、さあ、どこから山に入ろうか・・・・。取り敢えず、登山道を歩いて登ってゆくが、[この先、崖崩れのため登山禁止]の看板が立っているだけで、登っていってもカラカラの山が続くだけ・・・・。
どうも、こっちの山は乾燥しきっているようだ。それならば、以前に少しだけ散策したことのある三の沢の沢沿いを歩いてみようと思った。大山の沢とは砂の川だ。大雨でも降ったら水が流れるのだろうか・・・・。沢の上の歩きやすい道?を登ってゆく。見渡す限り、山の木々はすっかり葉を落としていて、明るい。道の脇にときおり倒木が横たわっているが・・・・
オツネンタケモドキ
たいしたものは見つからなかった。しばらく歩くと、視界が開けてきた。
冠雪の大山
大山とは見る角度によって随分と姿を変える山だな・・・・。地図が頭に入っていないので、これまで見てきたいろいろな角度からの大山の姿が理解できていない。でも、良い山だな・・・。
ホソバノヤマハハコ
夏には沢山の白い花をつけていたが、今はそのまま、ドライフラワーになってしまったのか。これから、間もなく雪が積もり、地面に倒れて土に還るのだろう。
ダイセンクワガタ?
辺りの景色はさらに開けてきた。沢・・・砂の川の河原にはポツポツと見覚えのある葉をつけた草が見える。これはダイセンクワガタじゃないか・・・・
途中、大山の写真を三脚を立てて撮っている人に出会ったきり、誰にも会わなかったが、前方から人の声が聞こえてきた。やがて2人の姿が現れ、顔を合わせることになった。山を登った帰りのようだ。登山靴にスパッツ、ザック、ちょっとアイゼンの姿も見える。それでも、柄のついたものをもっているので、様子を聞いてみた。
今日は天気が良いので山に登ってきたとのこと。真正面に見える山から降りて来たところらしい。何でも毎週、大山に通って遊んでいるのだという。山登り、山野草、きのこ採り、渓流釣り・・・・、何でもできるのが大仙の魅力だという。その後、今年のきのこ採りの話などしていると、随分、長話になってしまった。誰もいない山の中で、知らない人に出会って長話・・・・、なんか、ウマが合うというのか、同類というのか・・・・
それじゃ、きのこはどこを探せばいいの?とかいろいろと話をしているうちに、「どこから来られたのですか?」と伺うと、1人は福山、もう1人の方は地元という。「福山は両親が住んでいて、大山の帰りによく行きますよ」と返事をすると・・・、「ひょっとして、ブログやってないですか?」と聞かれた。「はぁ、やってますが・・・」と答えながら・・・・、思い出した時に「ヨックモックです」と言われた。そうそう、川床から矢筈に行ったときのブログにコメントしてくれた人だ・・・・。
世間は狭いもんですね・・・などと、さらに長話の後、この先、もう少し登ると景色のよい所に着くから、そこまで行って戻ったら良いですよと教えてくれる。礼を言って別れ、また、上り始めた。
落葉のブナ林
良いところというのは、最後の砂防ダムのさらに上。涸沢を小さくしたような場所があるとのことだ。最後のダムのロープをつかんで登り着いたところ・・・・
三の沢の天辺
ようやく着いた・・・・。辺りの景色を眺め、写真を撮り・・・・。ずっとここに居たいところだが、夕暮れも近い・・・・。この季節、この時間には考えられないほど暖かい、心地よい気分だが・・・・、戻らなければならないな。来た方を眺める。
けっこう歩いてきたな。急がなければ・・・・
つづく。