今年は時間に余裕がなくて、やっとなめこ採りに来れたのがこの日だった。例年ならなめこ採りの最盛期なのだが、今年はいつもより気温の下がりが早かったし、山では雨が降っていたから、きっと早くからなめこは出ているだろうと思っていたのだ。
予告編でも書いた通り、当日は朝から雨がポツポツと降っていたけれど、きのこ採りに雨は関係ない、との悪ノリでやってきた。けれど、2時間以上かけて到着した山の登り口では、雨は土砂降りになっていた。
流石に山に入って行く気になれず、1時間ほど時間を潰したが、結局、「ちょっと、小降りになってきたんじゃない?」と自分に言い聞かせて、レインウェアやスパッツ、そして雨除けの麦藁帽子を被り登り始めた。
これまでなら、なめこがそこそこ出ている沢沿いの急斜面を登った辺りには、なめこの姿はほとんど無くて、幼菌が出かかった木が幾つか見つかっただけだった。それから、驚いたのは誰かがなめこを既に収穫した痕跡が残っていたことだった。いよいよ、競争相手が出現したということなのだろう。
仕方なく、山をさらに奥に入って行くと斜面に突き出た立ち枯れのミズナラになめこが幾つか出ていた。数は少ないがなめこがそのまま残っていることは、この先には人は入っていないということを示している。
案の定・・・・
でも、残念なことに古い。
食べられそうな所を採集するが・・・・
テンションは上がらない・・・・
さらに探して歩くと・・・・
沢の上に突きだした木の根元から・・・・出ていた。
このなめこも数は多いけれど、古いなぁ・・・・
結局の所、雨は降り続いていて、でも山の斜面を登ったり、下ったりで汗をかいているので、レインウェアの下も上もビショビショ。おまけに登山靴も山で履き潰したものを履いているので、防水も効かず全身びしょ濡れ状態なのだ。そこそこ、なめこは採れたから危険を冒して更に登ってなめこを探すことは止めた。友人も肩を痛めているので、我々二人は今回は妙に大人だ。
下る。。。
しかし、下る途中で友人は谷を挟んだ対岸の斜面に見つけてしまう。となると、行くしかないでしょ。思い思いのルートで急斜面を降り、対岸へ。俺は近道をして急斜面を下るが、二度足を滑らせて、両手で斜面の細い木を掴んだまま、バンザイ状態になってしまった。
結局、最後は掴まる所が見つからず、地面を掘って木の根を掴みながら倒木に到着した。
この日、初めて出会った状態の良いなめこの出た倒木だった。
この倒木から出ているなめこを採って、二人のザックは十分に重くなった。あとは怪我をしないように山を下るだけだ。
斜面を見上げる。
見降ろす。
一度、高度を上げてから沢の斜面を登って、比較的なだらかな斜面を下ることにした。
なめこが入ってザックが重くなって、重心が高くなりバランスを取るのがちょっと厄介だ。
何とか無事に車まで辿りつき、目星をつけておいた、麓の屋根のある東屋で遅い昼飯を食べた。
味噌仕立てのきのこの汁
なめこを中心に、途中で採って来たクリタケも放り込んだ。
ビールを飲みながら調理。
きのこ汁
それから、昨日、自宅近くで採ったホンシメジは焼いて食べる。
こんがりと焼き目がついて、美味そう・・・・
もうこれでお腹一杯なのだが、まだきのこが沢山あるから・・・・、ラーメンを作ることにした。その調理時間に・・・・
ブナ林の紅葉。晴れて日が射していたらどんなに綺麗だっただろうか。眩しいほどに輝いていただろうに。
美味い。。。
それから、後片付けをして山を降りた。
途中、雨は小降りになることはあったけれど、結局、自宅に帰りつくまで降り続いた。帰宅後には収穫したなめこの下調理が待っている。