Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2012年12月30日~2013年1月2日 八ヶ岳・赤岳、厳冬期山行

2013年01月05日 | 山登りの記録
年末年始の山行には、八ヶ岳主峰界隈を選んだ。
直前になるまで予定が立たなかったので、メンバーは
Mr.Dash、ともちゃん、IM川さん、ノブちゃんの4名のみである。

美濃戸の赤岳山荘→行者小屋→地蔵ノ頭→天望荘→赤岳ピストン→
横岳→硫黄岳→赤岳鉱泉→美濃戸の周回コースを計画した。

30日、降り続く雨の中、奈良を出発。
雨は強いまま、日暮れの赤岳山荘に着いた。路面の雪が流れてしまい、
なんとチェーンを装着することなく、到着できた。
小屋にいつも現れるカモシカの姿は見なかったが、あとで小屋のおばさんに
聞くと、夕方には来ていたそうだ。



豪華な夕食を済ませ、買出ししておいたアルコールをゆっくり楽しみながら、
明日の行程を再度、頭に入れておく。大部屋に我々4人だけだったので
宴会も気兼ねなくできた。

31日。今日で激動の2012年も終わりか・・・という感慨も湧かぬまま、
身支度を整えて出発。
年末ずっと激務だったので、ややお疲れ気味。ペースとしてはまずまず
であるが、身体が重く感じて仕方ない。



南沢ルートは、高巻きが何度かあり面倒だが、沢沿いの旧道はどうなって
いるのだろうか。



2時間半で行者小屋に着く。
ここで甘くしたコーヒー(400円)を飲んで、これからの急登に備えた。

アイゼンを着け、手袋も3重の重登山用に替え、バラクラバをかぶり
地蔵尾根へ。風はそれほど感じなかったが、上空を見ると結構、吹いている。



それにしても、この坂はキツい。雪の質は悪くはないが、キツい。
調子が出ないなと思っていたが、実感に反し、メンバーをどんどん
引き離してしまい、登っては待ち、登っては待ちの繰り返し。



地蔵ノ頭に着く。お地蔵さんは凍てついており、顔に大きなエビのしっぽが
付いていたが、もはや取れなかった。ここでメンバーの到着を待ち、
天望荘に入ったのは昼過ぎの頃だった。

気力があれば今日のうちに赤岳ピークに登ってもよいのだが、
ピーク部は真っ白な雪雲に隠れ、今、登っても意味はないように思えた。
ぬくぬくとした小屋に吸い込まれ、そのまま外に出る気がなくなった。

夕刻、地蔵尾根で身動きが取れなくなった人が出たとかで、
黄色とオレンジ色のヤッケを着た山岳救助隊の人たちが何やら動いていた。

大晦日の山小屋は、いろいろ趣向を凝らしてくれる。
天望荘では、酒が飲み放題、ジャンケン大会でいろんなプレゼントが当たる、
さらに年越し蕎麦まで出るとあって、夜は愉しい時間になる。

偶然、知った顔を見つけた。大阪府山岳連盟の重鎮さん、Mご夫妻で、
ここ15年来、毎年大晦日に天望荘に泊まっておられるという。
奥さんは、Mr.Dashが大阪府山岳連盟の認定する登山インストラクターの
検定を受けた時の試験官であり、その後も講習会等でお目にかかっている。

M夫妻からは、興味深いお話をいろいろお聞きすることができた。
また、ご夫妻の知り合いのHさんというパワフルな女性も紹介して頂いた。

1日。お目当てはご来光。



天気予報は晴れだったので期待していたが、ご覧のありさま。残念。
気温はマイナス20度。これはいいが、風速が22mというから、
なかなか大変だ。
IM川さんも残念そうだし、ちょっと悩んだが、横岳のトラバースは断念して、
今日は赤岳にピストンするだけで、そのまま下山し、行者小屋経由、
予約してある赤岳鉱泉に回ることにした。

小屋では、頂上付近で200m滑落して低体温症になっている人がいる
との情報が入り、またも体格のよい山岳救助隊のメンバーが身支度を
整えていた。テレビではあちこちの山の遭難を伝えているが、
このあたりの話は報道されなかった。



赤岳への登りは、烈風との戦いだ。
顔に叩き付ける、身を切るような寒風でともちゃんの頬は赤黒くなっていた。
油断すると、足を取られそうになる。モンブランの方が楽だったな。



赤岳頂上山荘は氷の彫刻のようになっていた。



山頂! 眺めは殆どなし。
とにかく寒いので、写真を数カット撮っただけでさっさと下りる。

赤岳から下り始めると、青空が少し覗いた(冒頭写真)。しかし、風は相変わらずだ。



そのまま、昨日昇ってきた地蔵尾根を下りる。
雪が少し増えたようで、非常に下りやすくなっていた。
2年前の5月、ノブちゃんをアンザイレンして文三郎尾根を下りたが、
経験を積んだノブちゃんは、今回は力強い足取りで自力で下りてくる。



行者小屋、中山展望台を経て、昼前には赤岳鉱泉に着いた。
綺麗な、大きな小屋だ。ちょっと奮発して、個室を頼んだ。

小屋で、さぁこれからくつろごうと思い、ノブちゃんとIM川さんに
コーヒーを作ってよとお願いして自炊場に向かったとき、
昨夜、一緒に愉しくお話ししたHさんと再会。
M夫妻はそのまま下山し、Hさんはここへは独りで来られたという。



これから独りで飲もうと思っていたとのことで、それならと、談話室を
占領して早速の宴会となった。
小屋で買った赤白のワイン、Hさんが提供してくれたジョニ黒が
瞬く間に消費された。

Hさんは、海外登山や国内のクライミング経験も豊富で、
共通する話題も多かった。ご自宅が大阪ということなので、
帰りはMr.Dashのクルマで拾って帰ることにした。



小屋の窓から、夕日に映える山並みを撮ることができた。
残念ながら真っ赤に染まろうかという瞬間、太陽が翳った。

夕食は豪勢に、ステーキが出た。
今回の山行はろくに歩かず、食っちゃ飲みで、きっと太ったに違いない。



2日。赤岳鉱泉のアイスキャンデーに別れを告げ、北沢ルートで
下山する。



沢の流れは赤い。上流に鉱泉があることを物語る。
ナメが銀世界といいコントラストをなしていて美しかった。

林道に出てからはアイスバーンになっていて却って、ノーアイゼンの
我々にとっては大変滑りやすかった。
皆、何度か足を取られながら、もとの駐車地になんとかたどり着いた。
Hさんはずっとアイゼンを履いていたので悠然と歩かれていた。

帰りに、「樅の湯」に寄って久々の風呂を愉しんだ。
樅の湯は、天望荘でMさんがお勧めだと言っておられたので寄ってみたのだが、
500円という安さと、露天風呂もある広さがいい。これはお得だ。
すっかり温まって、やっと山の感覚から浮き世に戻った気がした。

さあ、2013年は、どんな山の出会い、山の楽しみが待っているのだろう。

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