Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2008年10月4日(土)台高・東ノ川シオカラ谷で、今年の沢登りのラストを飾る!

2008年10月06日 | 沢登りの記録
目立った残暑もなかった今年、そろそろ沢登りも寒くなってきた。
そこで、今シーズンのフィナーレをシオカラ谷で飾ることとした。
メンバーは、Mr.Dash、ともちゃん、イエティ、Y井カメラマン、
IM川さん。うちの山岳部の中でも選りすぐりのツワモノパーティである。

大台ケ原駐車場で身支度を整え、AM8:30出発。気温11度。結構、寒い。
周遊道をシオカラ谷吊橋に向かう。橋を渡り、「通行止」の看板がある。
ヤブが深そうなので、「通行止」ルートは避けて、ここは5分ほど周遊道を
先に進み、滝見尾根を地形上、忠実に下ることにした。薄い踏み跡もあり、
問題ない。ほどなく、さっき分けた「通行止」ルートと合流。

しばらくはミニピークを忠実に、やがて下り始める。


9:50、途中の岩峰から、中ノ滝(245m)、西ノ滝(150m)が
見事に見渡せる。それにしても、ものすごい迫力だ。
自分が住んでいる奈良県に、こんなエゲツない大自然があるとは!

たいへん滑りやすい急峻な坂道を、両脇のササを束ねて持ちながら下る。

古いフィックスロープに助けられながらグングン下りる。
最後にちょっと谷底への下り口を誤ったが、少し戻り、右側に、斜めになった
大岩に沿って下ると川床に出た。10:40。

眼前に、西ノ滝が轟いている。右に目線をやると、中ノ滝が、これまた長い長い水の軌跡を
描いている。滝見尾根は予想以上に急峻で足場が悪く疲れたが、これを見られただけでも
一苦労の価値はある。

目指すシオカラ谷は、大岩がゴロゴロしている。10:55、遡行開始。

いきなりの鎖場をこなし、早速、足を思いっきり上げて、乏しいホールドを狙う。
ボルダリングみたいだ。幸い、この沢の岩の質はフリクションがよく効く。
両腕に力を込めてエイッと上がる。この苦労は、かなり上流まで続くことになる。
ともちゃんは、ホールドの距離が合わず、ずっと苦戦していた。

最初の6m滝2本はウオームアップ程度。ただ、水が冷たいので極力、流芯は避ける。


3段18mは事前情報に基づき右を高巻く。フィックスロープを見つけたが、
足場が悪い。Mr.Dashがフリーで登り、持参した10mお助け紐を張る。
続く2条4mも、ちょっと工夫が要ったので、このあたりで、予想以上に時間が
かかってしまった。
イエティは、この時点で、明るいうちに遡行完了できるか不安になったそうだ。
確かに、この時点で12:20。食事とする。

「午後の部」も、相変わらずスケールの大きな登攀が続く。真夏であれば、もう少し
水に突っ込めて、多少、簡単になることだろう。


右にルンゼを見送ると、目の前に高さ300mはあろうかという大岩壁・千石が
立ちふさがる。これはもう、壮観としか言いようがない。
13mの滝の左側をフリーで登る。
イエティが「木曽駒の西横川に似てますね」と振り返る。確かに、いわれてみれば。

斜瀑10mは、暑いころなら直登したいが、今日は右岸を巻く。
上に連瀑帯がシグザグに続いているのが見え、嬉しくなる。
ここも巧妙に流芯を避けつつ登る。上部のナメ20mは、Mr.Dashと
IM川さんは左岸をへつり気味に登ったが、ホールドが小さく、微妙。
あとの3人は流れを中央突破。この方が数段簡単とのこと。
ちっ、最初からそうすればよかった。


この上が、高倉滝15m。中央突破できるそうだが、かなり濡れるので、
イエティと相談したが、今日はおとなしく左岸を高巻きすることにした。
この巻きは、ササのヤブコギで、後半、思ったより高く巻かされる。

沢に舞い戻る。美しい釜の向こうに3m幅広滝が待ち構える。
泳いで、中央突破するのが一番楽そう。だが今日はもう濡れたくない。
右岸の微妙なテラスをトラバースすることにした。
途中まではさほど難しくないが、最後の最後が微妙。落ちたら大変そう。

それを予め読んで、10mお助けでMr.Dashがフィックスを張る。
2回目の沢登り、IM川さんは、フィックスザイルをダブルカラビナで
抜けるのは初めての様子だが、ともちゃんやY井カメラマンがしっかり
コーチしてくれている。後続を気にせず、心おきなくルート工作に専念でき、
たいへんありがたい。


そして、ついに東ノ滝(25m)に到着。15:40。
さっき中ノ滝、東ノ滝を見たばかりなので、スケール感が鈍っていて、
なんだか登れそうな気もするが、それは幻。

ガイド本では、少し戻ってから左岸の滝見道に出て高巻きするとのことだったが、
Y井カメラマンが逆の右岸のルンゼに取り付く。確かに、これはいい感じだ。
ルンゼはすぐ上で2つの谷に分かれていて、左は細い滝になっている。
右の谷をとって、樹木を頼りに右の斜面を登ると、ちょうど東ノ滝の落ち口
近くのナメに躍り出た。


ネットの情報では、下り口で懸垂下降を強いられたパーティもあるようだが、
何の苦もなく川床へ。Y井カメラマンの地形把握・推理力は、南紀の高巻きの
時にも感心したが、たいしたものである。


簡単な斜瀑、120mの長いナメは、今日のご褒美と言わんばかりの絶景。
紅葉が始まりかけている沢は、本当にキレイだ。
酔いしれていたら、シオカラ谷の吊り橋が見えた。
結構、疲れていることに改めて気づいた。右腕がパンプしかかっていた。


ハイカーはもういない。吊り橋に並んで座って記念写真。16:10。
お互い、充実した笑顔。この瞬間が好きだ。

最初の入渓時を除いて、思えば今日は、休憩らしい休憩をとっていない。
おやつを食べて、ガチンコ勝負を振り返る。

17:00ちょうど、大台ケ原駐車場に到着。自販機で買った暖かい缶コーヒーが
こんなに美味いとは!

橿原の極楽湯で暖まり、遅い夕食。
やはりハードな山行だったのか、眠気が襲ってきた。高松在住のY井カメラマンを、
登美ヶ丘の実家に送る元気もなく、彼は連泊になるが、我が家に泊まってもらった。

久々に”遡行した”という実感。
沢登りは、2度目以降は難易度が格段に落ちるものだ。やはり初めての沢は、
実際のレベル以上に、登り甲斐がある。




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