Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2020年11月26日(木) [京都北山]井ノ口山、幹周り18mを超える伏状台杉を観に行く!

2020年11月27日 | 山登りの記録
■メイン写真
幹周り18mを超える、井ノ口山の伏状台杉


京都北山の奥地に残る、府下(というか、おそらく全国的にも)最大級の伏状台杉を
久しぶりに観に行ってきた。相変わらずの迫力に、生命力と悠久の時の流れを感じた。
しかし、2年前の台風の爪痕は、ここでも深刻で、貴重な伏状台杉群も、軽微とはいいがたい
ようなダメージを受けていた。
アプローチの際も、倒木を越えたりくぐったりの連続で、余計な体力を使った。



渡渉して対岸の廃棄林道に取り付く。



倒木がいっぱい。以前はルンルンの道だったのに。ジャングル探検のようだ。



登るにつれ、大きな杉が出てくる。ワクワク感が高まってくる。



2本の枝が上でつながっている杉。



京都市の登録天然記念物に指定されている「花脊のダイスギ」。
ひときわ大きな過ぎに圧倒される。
しかしこれでも、この日のメインディッシュに及ばないサイズなのだ。

ちなみに台杉というのは、積雪などにより幹が出ても垂れ下ってしまい、地面についた
ところから根が出てくることで、根回りが大きく、幹がたくさんある土台ができあがった
スギのことで気象条件が厳しかった芦生周辺でよく見られることから、アシウスギとも
呼ばれる。また、花背峠以南では台杉化せず、すっくと一本立ちすることから「表杉」、
花背峠以北から日本海側にかけての台杉を「裏杉」とも呼ぶ。



人が回り込むと、スギの大きさがよく分かる。



パッと目につかない場所に立つ説明板。このスギもろとも、知る人ぞ知る場所にある。

いったん、丹波広域基幹林道に出て、車道歩きを楽しむ(楽しむのか?)。
この道は、京丹波町下山から京都市左京区花脊大布施町の山間部を結ぶ全長65.4kmの林道だ。
貴重な自然の中を通すということで論争の末、作るだけ作ったが、結果、やっぱり自然保護の
声も無視できなかったか、一般車は許可なしでは通れないという、いろいろあった林道だ。

鍋谷峠を過ぎて、私有地で通行止めの井ノ口林道が分岐するあたりから尾根筋を登る。



尾根には、ぽつぽつと巨大杉が出現し始める。倒木も多くなり、巻いたり、越えたり、
くぐったり。



落雷を受けたのだろうか。真っ黒に焦げて、2本の大枝が倒れ、主幹に穴が開いたスギ。
盆栽のように、うろの間から新たな命が。



2本仲良く寄り添うスギも。



隣の巨杉が倒れ、空手チョップ受けた状態が誠に痛痛しい。
これ、何とかならないか。
このあたり、林床に下草はほとんどなく、土壌が露出している。
シカの糞を多く見かけるが、草を全部食ってしまったのだろう。
そして、雨が降ると土壌はなすすべもなく流失してしまい、根が倒れやすくなる。



鍋谷山へ続くジャンクションピークで昼食を摂ったあと、右へ下る。
左側はブナやカエデの林である。



クリタケかな? この樹にいっぱい生えていた。



三角点がある井ノ口山は、ピークではなく、尾根上の単なる斜面。
変なこともあるものだ。



そしてたどりついた巨杉群落。柵に囲まれて保護されている。
左側が倒壊してダメージを受けていたが、威容は健在。



柵を外を周回できる。
横から眺める。蛸入道のようだ。



遊歩道の両側に、異様な形のスギ。



裏側に回り込むと、また違った圧倒感がある。
屋久杉と単純比較はできないだろうが、どれほどの樹齢があるのだろうか。

ひとしきり眺めていたが、小雨がポツポツ降ってきた。
仕方がないのでカッパを着て、下山することにした。
幸い、雨は強くなることはなく、足元が濡れて大変になる前に里に下りることができた。

もともと、私有地の林道が使えないなど、アクセスが難しい井ノ口山だが、
それをかいくぐってアクセスするルートも、台風被害の後、倒木で歩きにくくなった。
長年、人の手が及ばなかった場所にあったスギたちが、改めて、「静かにしておいて」と
人間の訪問を拒んでいるような気がした。

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