![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/85/378ba89f82cf30353d66efb7d562ce93.jpg)
10日の朝をテントで迎えた。
地面がやや斜めになっていたので、なんとなく熟睡できなかった。
しかし、時間的には十分、休息できた。
既に朝風呂を楽しんでいるメンバーもいる。
今日は沢筋をひたすら詰め、ザラ峠に出る予定だ。
昨夜、ずっと焚き火にかざしていたはずの靴は殆ど乾いていなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/6c/d5046f05d062e518059783f02f59f70b.jpg)
しかし、出発するや否や、沢の渡渉を何度も強いられたので、
実際には何も困ることはなかった。
水量が減ってきたら、今度は眼前にスノーブリッジが広がった。
どう見ても雪渓は痩せており、踏み抜かないか心配だ。
軽アイゼンを装着する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/7a/c64dd8aca83b656a01d8d7cc626aed4f.jpg)
イエティを先頭に、アンザイレンしてMr.Dashが続く。
彼が雪をもし踏み抜いたら、Mr.Dashはただちに後方に重心を振り、
ビレイしなくてはならない。
静かな緊張感の中、端を通らないよう、じわじわと進む。
他のメンバーが、後に続く。
濡れた登山靴に、雪の冷たさがじかに伝わった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/5b/1dc6105573a1fc9d20a2d687bcdd82c4.jpg)
雪渓を抜けると、あとはガラガラの浮石帯が上まで続く。
さすがザラ峠の名に恥じない、すべて浮き石でできた斜面だ。
草付きに沿うと、若干なりとも地盤が安定している。
互いに20m以上距離を保ちながら、じわじわと登るしかない。
一歩、足を前に出せば7割方、崩れて戻される。これも立山地獄の一つか。
やがて、背の低いダケカンバやミネザクラの枝にすがりながらの
登高となる。足元は相変わらず崩れることおびただしい。
初めはポツリポツリだった雨が、昼過ぎには本降りになってきた。
雨具をまとい、昼食も満足に取れないまま、ひたすら登る。つらい行程だ。
いよいよ標高差にして最後の50m程度となる。
ここで、厳密なザラ峠から、枝沢を1本、北にそれたのに気づく。
しかし、ここで隣の赤い谷筋に移動するのはかなりのアルバイトを
強いられそうだ。
登るべき標高がやや増えるが、構わず登りきろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/a2/ab6856c22c5f4fae91e98dbe7dde1d58.jpg)
ハイマツ帯が目の前に立ちはだかるが、もう、稜線を歩く登山者も見える距離。
強引に、ハイマツの海を泳ぐ。
漕ぐのに慣れないメンバーは、かなり苦労をしており、先頭を行くMr.Dashとの
距離がみるみる開いていく。
稜線で休憩していたハイカーが、我々を見つけて、かなり驚いた様子。
ルートを間違え、さまよったしまったと思ったらしいが、
「いや、分かってますよ」と応える。
ともかく、ようやく14:00、格闘すること7時間で、稜線の一般登山道に
出ることができた。メンバー全員で喜び合い、健闘を称えあった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/83/572d7d0fb963ed19a4f3f1e7e850d16b.jpg)
こういう瞬間が好きで、仲間との登山はやめられないし、
こういう瞬間を共有するごとに、仲間は、よりかけがえのない存在になっていく。
元々、今日は一の越山荘まで頑張る計画であったが、既に予定時間を2時間も
オーバーしており、体力の余裕もない。
ゴールとは逆方向ではあるが、このまま最寄りの五色ヶ原山荘に転がり込んだ。
予約をしていなかったことで、小屋の兄ちゃんはかなり迷惑そうだったが、
「山小屋ですから」と言い放って部屋割りを決めてくれた。
一の越山荘にキャンセルをしたいと言うと、大雨の中、立山カルデラが見える
所まで戻り、ドコモのケータイで勝手に連絡してくれという。
小屋の衛星電話で連絡をお願いできないかとお願いするが、
「非常事態以外はダメです」とすげない。
おまけに濡れ鼠なのに、乾燥室には雨具とザックカバーしか入れてはいけないと言う。
さらには、風呂に入るなら10分以内で済ませろと、なかなか手厳しい。
しかし、これはこれで、一昔前の山小屋にタイムスリップしたようで、
懐かしい思いがした。
我々としては、風呂にも入れて、屋根のあるところで布団で寝られることだけで
幸せなのであった。この日は、夕食の後、酒も飲まずに泥のように眠った。
地面がやや斜めになっていたので、なんとなく熟睡できなかった。
しかし、時間的には十分、休息できた。
既に朝風呂を楽しんでいるメンバーもいる。
今日は沢筋をひたすら詰め、ザラ峠に出る予定だ。
昨夜、ずっと焚き火にかざしていたはずの靴は殆ど乾いていなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/6c/d5046f05d062e518059783f02f59f70b.jpg)
しかし、出発するや否や、沢の渡渉を何度も強いられたので、
実際には何も困ることはなかった。
水量が減ってきたら、今度は眼前にスノーブリッジが広がった。
どう見ても雪渓は痩せており、踏み抜かないか心配だ。
軽アイゼンを装着する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/7a/c64dd8aca83b656a01d8d7cc626aed4f.jpg)
イエティを先頭に、アンザイレンしてMr.Dashが続く。
彼が雪をもし踏み抜いたら、Mr.Dashはただちに後方に重心を振り、
ビレイしなくてはならない。
静かな緊張感の中、端を通らないよう、じわじわと進む。
他のメンバーが、後に続く。
濡れた登山靴に、雪の冷たさがじかに伝わった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/5b/1dc6105573a1fc9d20a2d687bcdd82c4.jpg)
雪渓を抜けると、あとはガラガラの浮石帯が上まで続く。
さすがザラ峠の名に恥じない、すべて浮き石でできた斜面だ。
草付きに沿うと、若干なりとも地盤が安定している。
互いに20m以上距離を保ちながら、じわじわと登るしかない。
一歩、足を前に出せば7割方、崩れて戻される。これも立山地獄の一つか。
やがて、背の低いダケカンバやミネザクラの枝にすがりながらの
登高となる。足元は相変わらず崩れることおびただしい。
初めはポツリポツリだった雨が、昼過ぎには本降りになってきた。
雨具をまとい、昼食も満足に取れないまま、ひたすら登る。つらい行程だ。
いよいよ標高差にして最後の50m程度となる。
ここで、厳密なザラ峠から、枝沢を1本、北にそれたのに気づく。
しかし、ここで隣の赤い谷筋に移動するのはかなりのアルバイトを
強いられそうだ。
登るべき標高がやや増えるが、構わず登りきろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/a2/ab6856c22c5f4fae91e98dbe7dde1d58.jpg)
ハイマツ帯が目の前に立ちはだかるが、もう、稜線を歩く登山者も見える距離。
強引に、ハイマツの海を泳ぐ。
漕ぐのに慣れないメンバーは、かなり苦労をしており、先頭を行くMr.Dashとの
距離がみるみる開いていく。
稜線で休憩していたハイカーが、我々を見つけて、かなり驚いた様子。
ルートを間違え、さまよったしまったと思ったらしいが、
「いや、分かってますよ」と応える。
ともかく、ようやく14:00、格闘すること7時間で、稜線の一般登山道に
出ることができた。メンバー全員で喜び合い、健闘を称えあった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/83/572d7d0fb963ed19a4f3f1e7e850d16b.jpg)
こういう瞬間が好きで、仲間との登山はやめられないし、
こういう瞬間を共有するごとに、仲間は、よりかけがえのない存在になっていく。
元々、今日は一の越山荘まで頑張る計画であったが、既に予定時間を2時間も
オーバーしており、体力の余裕もない。
ゴールとは逆方向ではあるが、このまま最寄りの五色ヶ原山荘に転がり込んだ。
予約をしていなかったことで、小屋の兄ちゃんはかなり迷惑そうだったが、
「山小屋ですから」と言い放って部屋割りを決めてくれた。
一の越山荘にキャンセルをしたいと言うと、大雨の中、立山カルデラが見える
所まで戻り、ドコモのケータイで勝手に連絡してくれという。
小屋の衛星電話で連絡をお願いできないかとお願いするが、
「非常事態以外はダメです」とすげない。
おまけに濡れ鼠なのに、乾燥室には雨具とザックカバーしか入れてはいけないと言う。
さらには、風呂に入るなら10分以内で済ませろと、なかなか手厳しい。
しかし、これはこれで、一昔前の山小屋にタイムスリップしたようで、
懐かしい思いがした。
我々としては、風呂にも入れて、屋根のあるところで布団で寝られることだけで
幸せなのであった。この日は、夕食の後、酒も飲まずに泥のように眠った。