かねてより行ってみたかった、立山新湯と、ザラ峠越え。
メンバーは、Mr.Dash、ともちゃん、F山さん、Y井氏、イエティ、
K菅クン、T橋クンという、精鋭部隊である。
ワタスゲ群落の美しい湿原帯を抜け、某所より急斜面を下って湯川谷に降り立つ。
そこは砂防工事が100年来、続けられているという現場である。
砂防堰堤を作っては破壊されての繰り返しなのか、まさに立山地獄の延長、
リアルな賽の河原だ。
新田次郎の「剱岳・点の記」に登場する柴崎芳太郎がたどり、さらに昔、
戦国武将・佐々成政が越えたというザラ峠への廃道をたどりたい旨、
現場の方に交渉し、自己責任かつ作業に迷惑をかけないとの条件で、
特別に通して頂けることとなった。地獄に仏、感謝感謝。
沢筋を、ひたすら詰める。ルート取りの都合で、Mr.Dash一人が
右岸、それ以外のメンバーが左岸を遡ることになってしまった。
左岸は、随所に大きな岩が立ちはだかっている。イエティが先頭に立って
メンバーをリードしてくれている。
こちらは右岸で、河原も広く、たやすく歩いていたので、ともちゃんは、
機会を見つけてこちらに渡渉したいと思っていたようだ。
Mr.Dashも、一人きりでは寂しいので、そのうち対岸に渡りたいと思っていた。
やがて、崩壊した古い石積みの堰堤に出くわす。雨がパラつき始め、
慌てて雨具を着る。
続く立派な堰堤で、とうとうMr.Dashは行き詰った。
既に、あとの6人は左岸を遥か高巻いており、姿が見えない。
右岸の高巻きは、見たところ不可能だ。
やむなく登山靴のまま、浅瀬を選んで渡渉。
堰堤下の急崖を草の根をつかんで登ると、イエティの姿が見えた。
案外、たやすく合流できた。
高巻き道には、時折、古い捨て縄が残っており、それをたどって行くと、
沢筋に下りるどころか、ぐんぐん高度を上げていく。
既に17:00を回っており、体力も限界に近づいていた。
最後のフィックスロープをたぐると、温泉の湧く池にたどり着いた。
新湯の源泉である。いろいろな資料によると、泉温60-70度。池の直径は30mとも
言われるが、湯気越しに見た感じは、もう少し小さそうである。
その昔、トパーズを採取していたという。
イエティが、ぜひ湯に手を触れたいと言っていたが、唯一、下りられそうな
所にマムシがのさばっていた。疲れで、追い払う気力もなく退散。
沢への下降ルートを探す途中、イエティがスリップして一同、肝を冷やした。
ルートは、結局ともちゃんが発見して、念のためザイルで補助して沢筋に
下り立った。が、最後の最後に2度の渡渉を余儀なくされ、全員、
靴を濡らして、立山新湯の滝壺にたどり着いた。18:00であった。
明るいうちにテントを張ってから、代わる代わる入浴。
さきほどの池から、20mほどの高さの滝が流れ落ちており、滝壺がちょうど
いい具合の温度になっているのだ。
夕食後、焚き火をしながら、湯に入りつつ飲む酒の味は格別であった。
天頂付近に覗く星空も素晴らしく、天の川がハッキリ見えた。
誰かが、流れ星を見たと歓声。苦労してここまで来た甲斐があったというものだ。
天国のようなひとときであった。
イエティが担いでくれた、1リットル缶に入った「菊水」は、瞬く間に
みんなの胃袋に流れていった。
メンバーは、Mr.Dash、ともちゃん、F山さん、Y井氏、イエティ、
K菅クン、T橋クンという、精鋭部隊である。
ワタスゲ群落の美しい湿原帯を抜け、某所より急斜面を下って湯川谷に降り立つ。
そこは砂防工事が100年来、続けられているという現場である。
砂防堰堤を作っては破壊されての繰り返しなのか、まさに立山地獄の延長、
リアルな賽の河原だ。
新田次郎の「剱岳・点の記」に登場する柴崎芳太郎がたどり、さらに昔、
戦国武将・佐々成政が越えたというザラ峠への廃道をたどりたい旨、
現場の方に交渉し、自己責任かつ作業に迷惑をかけないとの条件で、
特別に通して頂けることとなった。地獄に仏、感謝感謝。
沢筋を、ひたすら詰める。ルート取りの都合で、Mr.Dash一人が
右岸、それ以外のメンバーが左岸を遡ることになってしまった。
左岸は、随所に大きな岩が立ちはだかっている。イエティが先頭に立って
メンバーをリードしてくれている。
こちらは右岸で、河原も広く、たやすく歩いていたので、ともちゃんは、
機会を見つけてこちらに渡渉したいと思っていたようだ。
Mr.Dashも、一人きりでは寂しいので、そのうち対岸に渡りたいと思っていた。
やがて、崩壊した古い石積みの堰堤に出くわす。雨がパラつき始め、
慌てて雨具を着る。
続く立派な堰堤で、とうとうMr.Dashは行き詰った。
既に、あとの6人は左岸を遥か高巻いており、姿が見えない。
右岸の高巻きは、見たところ不可能だ。
やむなく登山靴のまま、浅瀬を選んで渡渉。
堰堤下の急崖を草の根をつかんで登ると、イエティの姿が見えた。
案外、たやすく合流できた。
高巻き道には、時折、古い捨て縄が残っており、それをたどって行くと、
沢筋に下りるどころか、ぐんぐん高度を上げていく。
既に17:00を回っており、体力も限界に近づいていた。
最後のフィックスロープをたぐると、温泉の湧く池にたどり着いた。
新湯の源泉である。いろいろな資料によると、泉温60-70度。池の直径は30mとも
言われるが、湯気越しに見た感じは、もう少し小さそうである。
その昔、トパーズを採取していたという。
イエティが、ぜひ湯に手を触れたいと言っていたが、唯一、下りられそうな
所にマムシがのさばっていた。疲れで、追い払う気力もなく退散。
沢への下降ルートを探す途中、イエティがスリップして一同、肝を冷やした。
ルートは、結局ともちゃんが発見して、念のためザイルで補助して沢筋に
下り立った。が、最後の最後に2度の渡渉を余儀なくされ、全員、
靴を濡らして、立山新湯の滝壺にたどり着いた。18:00であった。
明るいうちにテントを張ってから、代わる代わる入浴。
さきほどの池から、20mほどの高さの滝が流れ落ちており、滝壺がちょうど
いい具合の温度になっているのだ。
夕食後、焚き火をしながら、湯に入りつつ飲む酒の味は格別であった。
天頂付近に覗く星空も素晴らしく、天の川がハッキリ見えた。
誰かが、流れ星を見たと歓声。苦労してここまで来た甲斐があったというものだ。
天国のようなひとときであった。
イエティが担いでくれた、1リットル缶に入った「菊水」は、瞬く間に
みんなの胃袋に流れていった。