Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

「遠き雪嶺」谷甲州著(角川文庫)を読みました

2006年12月17日 | 山に関する本やマンガ
久しぶりに、谷甲州さんの作品を読んだ。今回は原稿用紙900枚の超大作、「遠き雪嶺(上・下)」である。
昭和11年、立教大学山岳部が、わが国初のヒマラヤ処女峰(ナンダ・コート)の登頂に成功した物語である。なんでも、取材・構想に10年を費やしたというから、これは気合の入り方が違う。

あのマナスル登頂にも深く関与されたわが国山岳界の偉人であり、当時の立教大学隊長の堀田弥一氏ご本人への取材をもとに、事実を踏まえた小説である。著者本人が「あくまでもフィクションであって、事実とは微妙に異なる部分もある」と書かれているように、少々の脚色はあったのだろうが、山に造詣が深い谷甲州さんの手にかかると、登場人物がみんな、イキイキと人間くさくなる。これが、「単なる記録」ではなく、「小説」として成立した勝因であろう。通勤の電車の中で、手に汗を握りながら、活字にかじりつくように読めてしまった。

ストーリーは、ここにまとめるのは野暮なので、皆さん、気合入れて読みましょう。親しい知り合いには貸しますヨ(絶対返せよ!)。

Mr.Dashは、ひとつのストーリーでこれほど大量の原稿を書いたことがない。ところで学生時代、文学部の端くれとして、3ヶ月で300枚書いたこともあったが、これは論文2本と、短編小説100枚(これも授業の一環)の合計であった。ライターの真似事を初めてからも、1編800字×約40本というのが最高である。まったく、本物のプロというの只者ではない。会社員をやっている限り、”本物”にはなれそうにない。

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