出井川

2012年08月21日 | 
板橋区には、泉町と清水町という
水にちなんだ地名が隣り合わせの場所がある。

泉町には出井の泉公園に湧水があって
暗渠となっていた出井川を埋め立てる計画が有ったものの
掘り起こしてみたらまだ水がわいていたので
公園として保存することになりましたという井戸が残っている。

この辺一帯は、現在の首都高5号線ラインを底とした谷になっていて
蓮根あたりで開けた平地から新河岸川にそそぐ川が幾本か流れていた。

今でも前野町あたりの崖から水が流れ出るのが確認されている。

そういえば小学校の頃、体育の授業か何かで
学校の裏山のような所へみんなで行ったことがあって
当時はまだコンクリートなどで固められていない状態の崖が、
湿っていた記憶がうっすらと残っている。
(引越しの時に集合写真が見つかって、土が湿っているから黒っぽく写っている)
この崖は、まだ残っているらしい。(前野町、淑徳の校地の北側)

このあたりの流れは、出井川の支流の前野川で、
本流の方は泉町の出井の泉なのだが
途中、見次公園の池がある。
ここは、戦後に掘られた池なので、直接的な水源ではないが
ここも赤羽台地と前野町の台地に挟まれた場所なので
新たに供給されている水も多いのだと思う。

さらに南東に向かうと泉町なのだが
出井の泉以外にも水はあちらこちらから流れていたらしく
更に都心よりには清水町という地名の場所が有る。

清水稲荷神社という神社があって、ここは水の神様が祀られていることから
古くから湧水の多い土地であったことと
それに感謝する人々が集落を作っていたことがわかる。

現在、神社自体の住所は宮本町という、神社に由来する地名になっているが
かつては清水町であった。
我が家の先祖は戦前までこの地で運送屋をやっていて
そこで生まれた私の祖父の長男(つまり、私の母の長兄)は
生地にちなんで「清水」(きよみ)と名付けられた。

井戸から湧き出るから出井川。
泉があるから泉町。
清水町で生まれた伯父、清水。
米問屋だから米山。(祖母の実家である)

土地の名前とか人の名前って案外、そんなものなのである。
コメント
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