****さあ、このライブレポートも最終章に突入!
泣いても笑ってもこれで最後だよ。
意外にもこのSTAブログを楽しみに読んでくれている嬉しい人達が多くいることを最近知ったよ。
励ましのメッセージも度々いただいています。
もちろんここに出演している対バンたちからも感謝の言葉をもらってもいるしね。
時には辛辣なことを語る輩もごく少数ではあるけどいたりして・・・・・・。
まあ、色々なことがあるけれども、すべての愛する仲間たちよ、共に「手を取り合って」とくとご覧あれ!!まずは時間を巻き戻して・・・・・****
3, 18:10~18:40
THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)
いよいよこのブログの主人公でもある、STAが堂々の降臨。
非常に程好くも美味しい時間帯。
頑固一徹結成から16年に渡ってシカゴを中心とした硬派なブラスロック一筋を基本コンセプトに掲げて、毎月ライブを敢行(もうじき通算190回を迎えます!我ながら驚異的な数字だ)。
活動拠点はバンド名が示すとおりに札幌なのですが、今回は2019年10月19日以来の小樽ゴールドストーンです。
まあ、小樽という坂の多い港町は、皆お気に入りなので毎月でもやりたいくらいなのですよ。
大所帯ゆえの宿命ではありますが、恒例ともなったメンバーの顔ぶれに今回も入れ替わりあり。
ご他聞に漏れず若干のパート変動もあります(6人が管楽器メンバー!凄まじいなあ・・・・・・)。
今回のSTAは話題が満載!
まずは超久しぶりに11人編成という大所帯が復活だ。
やっぱり吹き荒れるホーンセクションは圧巻だ。
playしている我々でさえ、圧倒されてしまう迫力。
そして小樽が誇るミユキ嬢が7年ぶりに復帰した。
今春のライブがコロナで流れていただけに遂に念願成就したよね。
やっぱりお祭り役を一手に担う彼女がいるといないとでは雲泥の差だ。
体調が万全ではなかったみたいだけど、全力で一生懸命に頑張る姿は感動的でさえあったよ。
そしてもう一人、STAマサとは同郷というよしみで10年来の付き合いでもあるマッツが合流したことです。
数えきれないくらいに対バンを組んできた仲なんだけど、不思議と一緒にプレイしたことはなかったのさ。
以前からSTAがライブごとにゲストを迎え入れていたことにミキティが触れて打診。
即座に意気投合して、STAスペシャルシンガーに至ったというんだから、運命とは面白いものですね。
やっと夢が実現した次第。
彼は驚いたことに、たった2度のリハのみでの本番という怖いもの知らず(膨大なるバージョンの音源を聞き比べながら独自のカタカナ歌詞カードを制作してアレンジを施すという離れ技をも披露したという超人。1曲入魂が彼のポリシー。ほぼ一か月をかけて相当に集中しながら頭と喉に叩き込んだ模様。ただひたすらに真面目なナイスガイだ)。
よほどの自信とやる気と高度なテクニックが備わっていなければ、こんな無謀な決断は下せないでしょう。
これで、またまたSTAのバリエーションの幅がグッと広がったよん!
御両人共に小樽音楽シーンの全てを見つめ続けてきた生き証人。
ジャンルこそ違えど、酸いも甘いも噛み分けた大御所。
さすがの超絶技巧派ゆえに短いリハーサル期間でも一切の不安要素なしで、一発目の音からエンジン全開でノリまくっています。
2人に「そうとう一人で鍛錬したんでしょう?」と尋ねてみたところ「真剣勝負!」と不敵な笑み。
案外、専門分野の活動から一旦距離を置いて、心身共にリフレッシュしたのが功を奏したのかもしれませんね。
とにもかくにも、頼もしい存在だ。
ドラムスも急遽STAで叩くことになったイーヤンだ(ジャパニーズ・ヘヴィーメタルのベテランバンド、サーベルタイガーの元メンバー)。
彼も7~8年ぶりのジョイント。
それでも短期間でよくもまあ、あれだけの厄介極まりないセットリストをお覚えてきたものだ。
絶対に楽々な表情でやってくれるものだと、信頼はしていたけどね。
とにかく記憶力が抜群で呑み込みも早い。機転もきくしセンスもパワーも衰え知らず。
何年ものブランクがあったそうなんだけど、かえって新鮮に響いたことでしょう。
元々ブラスロックやシカゴは大好きな男だけにね(1995年の札幌シカゴ公演を見たそうです。
当然マサも見た!!)
近年はSTAも相変わらず紆余曲折色々とありましたが、アッキー加入で本格的なオーケストレーションサウンドやドラマチックなサウンドも盛り込み放題ですね。たまにはマサが無茶ぶりするけれども、心の底から加入おめでとう、と叫びたいくらいだ!
ファニーはスタジオで思わず「やっぱりキーボードがいるといいもんだなあ」とつぶやいていたくらいだもん。
アッキーもこの味を体験したら、もはや病み付きになること請け合いさ。 抜け出せないよん。
やる気満々だけに、大歓迎しますよ。STAの信者がまた一人増えた。
そのアッキーを含めてマッキー、エンちゃんは2度目のSTAライブだ。
7月の小樽・浅草橋屋外イベントでは強烈な突風に見舞われてスコアが暴れまくり、半分もプレイに専念できなかっただけにその反省も含めて今回はリベンジだ、と意気込んでいた!
室内だけに風の心配はいらないから、思う存分ライブに挑めるぞよ。
ざっとメンバーの詳細について触れてみますと・・・・マサ&イーヤンがド迫力のロックリズムセクションとして鉄壁なる屋台骨を支える。
小樽の矢沢永吉カバー「Y-PROJECT」を代表してミキティ&マッツ。
グルーヴのカリスマご意見番はニシやん。
小樽音楽界隈での女ボスとして燦然と君臨しているミユキ嬢。
ムードメーカーで売れっ子の人気者山ピー、実はミキティと由緒あるオーケストラグループに所属しているのだ。
男顔負けのテクニシャンはアッキー嬢。
久し振りの3管トランペットは巨匠のファニー、ラテン系フレイヴァーのエンちゃん、クールガイのマッキーという体制。
そうなのですよ・・・・
どいつもこいつも曲者揃いだけど、和気藹々と賑やかに進行しましたよ。
以前ならばSTAは大所帯の面倒くさいバンドとしてミキサー泣かせでちょっとは名を馳せていたんだけど、本当にこの頃はホーン在籍の大型バンドが当たり前のように増えましたねえ。
STA結成時には、ほとんどそんなバンドはいなかったんだけどなあ。
それはそれとしてブラスロックというジャンルを冠しているだけに、STAは恥ずかしいライブはできませんよ。
皆が皆、一人2人分の働きで意気揚々と乗り切りました。
この辺が現在のSTAの、臨機応変なる強みでもあります。
1人1人が経験豊富なだけに、誰が指示したわけでもなく堂々たるステージングを展開。
開演と同時に練習不足なんて不安要素は、遥か彼方に消し飛んでしまいましたよ。
これもホーン6管とアキ嬢のキーボードが大きな仕事をしてくれたおかげ。
それが大半を占めているのは誰が見ても明らかだ。
音楽に対し細部にわたって滅法うるさ型のマッツ氏でさえ「流動的な編成だという違和感が全くないほどの迫力!」と嬉しいコメントを述べていたほど。
もうこうなったらば期待に胸がワクワクときめくものです。
テンションマックス状態。
それはメンバー各自も同じ心境だっていうのだからこれまた面白い。
面倒なる垣根を軽く超越して、多方面の分野からSTAコンセプトに共感した奇跡の集合体がここに誕生したわけです。
さあ、どのような化学反応が勃発するか?!予測不可能。
はたまたどこに魔物が現れるか?!(残念ながらやっぱり出現してしまったさ・・・その事件の概要は後ほどに)
そこがまた音楽の魅力でもありますね。
そして特筆すべき点は、ほぼ毎月のように「フレンズ・ライブ」を開催してきた彦ちゃん。
これだけの規模にて長年運営してきたのですから、理屈抜きに頭の下がる思いです。
いろいろと苦労も多かった事とは思いますが、未来のスーパー・スター登竜門としての輝かしい足跡を確実に刻み続けています。
今後も益々プロデュース・ワークに手腕を発揮してくださいね(今回もマサは盟友と会話を交わしまして、久しぶりにグッと親しみが湧いてきました!)。
実を言いますとSTAが初めてゴールドストーンの舞台を踏んだのは「北運河の夜」なのです。
ずっと出演したいと思っていたのですが、何のツテもないため、マサ自ら直接電話を入れての交渉。
その際に親切丁寧に対応してくれたのがカウンター嬢スタッフのオンちゃん。
彼女共、それ以来の付き合いです。
今回もその時の事をお互いに思い出し、感慨深い想いにふけっていました。
でも実のところ、マサは「北運河の夜」はゴールドストーンが主催しているものと思い込んでいたのです。
サワケンくんが企画運営していると知ったのは、かなり後のこと。
まあ、初ゴールドストーンの時は、リハに管楽器は新人アルト・サックスの若い女の子のみ。
トランペットもトロンボーンも欠席。
彼女は1人で本番も吹くものと思い込んじゃったらしいです。
で、ライブ直前にトロンボーンが出演不可能となり2管編成で乗り切った・・・という苦いお披露目でした。
今となったらこれはこれで笑い話なのですが、その時は全くもって冴えないゴールドストーン・デビューでした・・・・。
それだけにゴールド・ストーンに賭ける気合の入れ方はメンバー一同、言葉で言い表せないほど気迫に満ちたものでした。
「リメンバー・ゴールド・ストーン!」を旗印に掲げたい心境だ。
決して人数に頼ってはいけない、という教訓を胸に刻み付けました。
量よりも質がモノをいう。
どうですか!このアクティブなるフットワーク。
マサのシャツは去年から大ヒットを続けているアニメ「鬼滅の刃」に対するオマージュ。
主人公・竈門炭治郎デザインカラーのヒョウ柄バージョンって、こじつけなんだけど、これが思いのほかにバカ受けだったんだから世の中、訳が分からないものだ。
このたびのライブイベントはチャゲ&飛鳥カバーのターニングポイントを手始めに、妖艶なるセクシーシンガーをフューチャーした迦楼羅から、ご存じアンクルキャッツにジャパニーズ・ハードロック元祖の蝦夷紫、そしてオフコースのカバーでフルコースとバリエーションも豊富。
女性が占める割合がめちゃ高く気恥ずかしくて、あまりコミュニケーションは取れなかったけど、こういう雰囲気も中々に悪くはないものだね。
****MEMBER****
MASA・・・B VO
EN-CHAN・・・TP
McKEE・・・TP PER CHO
MIKITY・・・AS
FUNNY・・・TP
NISHIYAN・・・G
YAMAPY・・・TB
MIYUKI・・・TS
EYAN・・・DR
AKKY・・・KB
MATS・・・VO(SPECIAL GUEST///GET IT ON)
****SET LIST****
1,INTROCUCTION・・・CHICAGO
2,MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO
3,NOW MORE THAN EVER(愛は限りなく)・・・CHICAGO
4,SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO
5,VEHICLE・・・IDES OF MARCH
6,GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE
7,GETAWAY・・・CHICAGO
8,25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO
ステージにのぼったメンバー達。
大所帯だからポジションの確保だけでも一苦労。
でもセッティング表に事細かくマサが記載して提出済みだから全然安心。
マサ使用のワイヤレス2機(シュアーのヴォーカル用とレクサーのベース用)周波数、ギタリストはどのメーカーの設置アンプで弾くか、ホーンセクションの立ち位置とマイクスタンドや持参マイクの云々等々・・・・。
しかもミキサーSTAFFは以前にもSTAを担当していたので概ねは酸いも甘いも熟知しているのだ。
シュアーのワイヤレスシステム、キーボード、ホーンのマイクスタンドと順々に効率よく接続していく。
その素早き手際の良さといったらもう惚れ惚れするほどだ。
アッという間に準備万端整ったよ。
おいおい、ホーンセクションの6人は写真撮影する余裕ありかいな(BY山ピー・・・・笑)
予定よりも相当に早くスタンバイ完了。
特に一番もたつきやすいドラムセットに陣取るイーヤンはいつでもどこでも関心するくらいに素早い。
モニタースピーカー、アキちゃんのキーボード、エンちゃんのポジションは若干移動・・・。
ほぼ打ち合わせ通りに進行。
マサが一人一人から再度了解をとりスタッフへとアイコンタクト。
それではミキサーの指示にしたがいサウンドチェック。
ホーン隊が順々に音出し。
これが各メンバーのプレイだけで場が和んできちゃった。
それぞれに持ちネタがあって個性がよく出ているのだ。
セクシーで官能的なソロ、アニメソング、競馬のファンファーレ、映画のテーマまで飛び出した。
ベース、ギター、ボーカルとどんどん音がまとまっていく。
全てが万全な態勢に。
それでは遠慮なくいくぜい!
まずはアキ嬢がプログレッシブでスペイシーなシンセサイザーサウンドで、一種独特なる異空間を作り上げる
(彼女は何でも受け入れてくれるから調子にのったマサは無理難題をしょっちょう投げかけるんだけど、それら全てを軽くその場で仕上げてくれるんだよね。
その手腕は大袈裟ではなくゴッドハンドの如しだ!頼もしい。
このミステリアスなるSEも事前にスタジオで膨大なるシンセ内蔵音源からじっくりと時間をかけてセレクトしたもの)。
もう各自は本編へのプレイが待ちきれないというご様子。
マサがすかさずニシヤンらに手拍子でテンポのメッセージを送ると、それに便乗するかたちで歯切れのよいギターコードミュートカッティング、剃刀のごとき小刻みなハイハットで応える。
マサは大股開きでふてぶてしく会場中をゆっくりと見渡しながら、頃合いを見計らい会場後方から落ち着き払った声で華々しくナレーションを告げる。
「ハーイ!たいへん長らくお待たせいたしました。
いよいよはじまりますよ!
今か今かとお待ちかねの皆さん。そうですよね。
これから極上のステージをお届けして参りますよ。
もはやお馴染みの大所帯バンドが登場。
小樽のビッグイベントに今年も我々はやって来ました!
北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!
ド迫力ホーンセクションの熱きサウンドを心ゆくまでドップリとご堪能ください!
メンバー一同この日この時この瞬間を心待ちにしていました!
それではヨロシク!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」
ジャストなタイミングで「オーケー!1・2・3~!!」(思い切りミキサーがリバーブを深めにかけてくれたよ!)
波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。
猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。
さすが、この人数だけに勢いが桁違い。
プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。
普段はクールなイーヤンもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに変身するのです。
その上、3年前の4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が相当に感動的だったらしくて、今だに刺激を受けている御様子。
如実にドラミングの随所にそのダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!
イントロの爆音が飛び出した途端に、観客達がいっせいにステージ方向を注視しはじめた。
その中には、団扇やホイッスルを持った常連組が参戦。
手拍子や写真撮影にと勤しんでいます。
皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリとあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。
もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。
メンバー一同が愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。
不思議と飽きがこないのさ。
その中でもこの日ほど迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!
出色の出来と自画自賛。
しかしメンバー全員あの少ないリハ期間で、よくもまあここまでガッチリと固めたものだ。
各自は多くを語らないけれどね。
モニター・スピーカーに左足を乗せて、マサが野獣のごとく吠える。
(実は最初のこのポージングで貼り付けていた虎の巻がビリビリに破れてしまった。
そこのところはどうにかこうにか切り抜けたけどね)
ニシヤンはアグレッシブなアクションを巻き起こす。
計算されつくした独特なるシャープな音色のギターが、イーヤンのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく(このギターは謎多き怪しいメーカーの貴重なる高級品。
コンディションも良好な光沢を放っていますが本人は詳細を決して語らず・・・・)
看板ともいえる6管によるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。
舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。
後方サイドからは、ドラムが遠慮なしに音壁を構築しながらの進撃展開。
会場をまるごと覆いつくすかのような、キーボードの音色。
なんという高揚感であろうか。
鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。
さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??
さあ、第一関門の地獄にガッシリと突入だ。
7月の反省点は見事にクリア。
手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。
デリケートなシンバルが奏でる残響音の余韻で幻想的なトーンを漂わせる。
切り込み隊長はいきなり山ピーちゃんによる、やや食い気味なトロンボーン・ソロ。
彼は若干のブランクがあったから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。
大した度胸の持ち主だ。
さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成し得る技。
何事もなかったかのように涼しく振舞っていたよ(アキ嬢による縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。
ここが山ピーちゃんの凄いところ。
なんと自宅に宿題として持ち帰り3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを、極上のエモーショナル・ラインで纏め上げてきて披露したのだ!!
能あるタカは爪隠す!と、昔の人はうまいことを言ったモノだ。
ねえ、山ピー君よ!(2回目のスタジオリハ前にブレイク部分による拍数の謎を解明するべく独自でスコアを探しだしてきて見事に解明したのだそうですよ。
すさまじき探求心。
余談ながら山ピーはこの日、旭川から直接小樽入りしたのだよ。)
水先案内人に扮したアキちゃんはオルガンからピアノにチェンジして橋渡し。
マサによる流麗なる美しきオクターブベースに導かれての場面転換。
マサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのイーヤンが猛然と先導しつつ、お次は伊達男ファニーによるトランペット・ソロだ!
安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもクールにヒットしてニンマリ。
バッキングによる強弱のサポートも効果覿面で・・・・・ホーン・セクションの音色が揺らめく中、鳥肌が立ちっぱなしだ。
もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。
なにやら恐ろしいくらいに物凄いことがステージで起こっているぞ・・・てな感じでかぶりついている。
西やんは臨機応変、歪みからコーラスサウンドまでコンスタントに幅広く音色をエフェクターで器用に切り替える(ここはスタジオリハ時に取り決めたこと)。
そして第3の男、西やんのワイルドなギターが火を噴いた。
イーヤンに「もっともっとテンポアップを!」とジェスチャーで煽り続ける。
ホーン隊もサッと花道を作ることを決して忘れない。
映画「十戒」での海が割れるシーンを彷彿とさせるくらいに神々しい。
いきなり過激なハーモニクスを導入部分に最前列へ一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにエキセントリック(と後方に陣取っていたアキちゃんが評していたよ)。
序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを再現。
へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。
音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。
身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。
チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。
あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。
そして遂にテリー・キャスのギター・ソロをほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?
ビブラート、グリッサンドに至るまでね。
極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるイーヤンが、力漲る究極の稲妻フィルインで拍手喝采。
サンキュー!
いつもは沈着冷静なるイーヤンもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。
大歓声が沸く中で、すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。
いくつもの修羅場を潜り抜けてきたからこその、説得力漲る支柱だ。
エンディングにおけるベルトーンも、アキちゃん渾身の1音を筆頭にニシヤンへと見事な連携で繋がった。
更にはミキティ嬢からホーンセクションへと渡る流れへ。
ここで繰り出した西やん入魂のピッキングがジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。
これぞまさしくロックの原石。
いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。
マサが右手を頭上に掲げてピート・タウンジェント風にグルグルと何度も素早く回転。
メンバー達と呼吸合わせて、雷鳴のような怒涛の連打をスリリングに交えてジャンプ一閃フィニッシュ。
以前、ASの女傑ミキティいわく「マサと西やんは何かにとりつかれているようだった」とのコメントを述べていました。
ところで先述のステージに潜む魔物はいやらしく出没していたのだ。
マサがスタッフに手渡していたボーカル用ワイヤレス受信機。
いつもながら邪魔にならない機材の上に設置されるのだけど、今回は何故だかマサの足元に。
しかも電源プラグもご丁寧に並べてね。
これがゴツンゴツンとブーツに当たる。
で、結局はコンセントから抜け落ちてしまった。
ボーカルが出なくなったので慌ててマサはプラグを差し込む。
これがブカブカの差込口・・・・ああ、あれじゃあちょっとあたっただけで抜けちゃうよ・・・・(´;ω;`)
棒立ちのベーシストならば何のトラブルも起きなんだけどね。
そんな生やさしいことでは解決できないくらいに強烈だった。
恐ろしい・・・・・
瞬時に対応したから、全然ノープロブレムだったけどね(笑)
その悲惨な光景に我慢ができなくなったマサは、その鬱憤をそれからのステージングに注ぎ込んだ。
あちこちのお客さん達から「大変だったねえ・・・」と同情のコメントをいただきました。
ありがたいことだね。
涙が出てちゃう(アタックNO、1風)
マサはMCも兼任。
「え~唐突ではありますが、アニメ鬼滅の刃の人気が凄まじいですね。
というわけで、今日の俺のシャツは竈門炭治郎カラーのヒョウ柄ヴァージョンです。」
これが思いのほかバカ受けしてこっちがビックリ。
追い打ちをかけるように麗しのアッキーちゃんが、タイミングを見計らってシンセによる秘密兵器で拍手と歓声を演出する。
「いやいや、単なるこじつけなんだけどね(笑)
そんなわけでして・・・・・ハハハハハ!!
HEY!!改めまして、the sapporo transit authorityです!
こんにちは!!
WOW!!!(ここでドラムとギターが効果音を発したんだけど、アキちゃんが再びシンセで大歓声を演出した。
我ながらビックリしたよ。ダチョウ倶楽部ではないけど・・・・聞いてないよ~!
でもこういうの素敵さ。もっとドンドンとやってね!!)
おお!!でもこういう風にあまり煽っちゃあいけないんだよね。
まあ、俺らは、なんでもウエルカムだからね。
こんな調子で・・・・・ええっと・・・・大丈夫かあ??
ステージには魔物が潜んでいるってね、よく言うんだ。いくらスタジオで念入りにリハを行っていても本番ではこういうことがおきるんだなあ。
去年から今年にかけてあちこちのイベントが立て続けに中止なんだよね。
今年も、世の中は相変わらず不穏な状況が続いています。
やっと最近、明るい兆しが見えてきたけどね。
我々どこでやっても浮きまくりのバンドだけど、知っている人は知っている、知らない人はぶっ飛んじゃうくらいに頑固一徹ブラスロックで16年間突き進んできました。
今日は素晴らしいニューフェイスや懐かしいメンバー、衝撃のゲストなどが加わって11人編成で元気いっぱいに暴れまくりたいと思います。
残り時間の最後まで思いっきり楽しんでいってください、よろしく~!!
NEXT NUNBER・・・・ALLRIGHT?ALLRIGHT??MAKE ME SMILE !!!!」
(1・2・3・4!)
ジャスト・タイミングから、マサによる軽快な4カウントが即座に空間を打ち破る。
この曲もドテッパラに炸裂する一撃が狂おしいくらいに激しく、やはりイントロが常に豹変、それでいてごり押し感なくスッキリとスマートにまとまっているところがやたらと発揮されていて痺れます。
実はね、この曲、小樽でSTAがライブのたび、会場にいる外国人の方達から「MAKE ME SMILE !」とリクエストされていたのですよ。
あちらサイドのほうにめっぽうウケがいいみたい。(この日は残念ながらいなかったけど・・・・)
でもいろいろとややこしい事情があってしばらくお蔵入りしていたんだけど、最近はめでたくそれも解除されて徐々に日の目をみてきたというわけ。
でも再度取り組むからにはグレードアップは常識。
みっともない不協和音も晴れて排除され、STA流の果てしなき無き王道ともいえるパーフェクトな曲になったよね。
めでたしだ。
最近のS・T・Aはけっこう、こいつに馴染んできたよ(山ピーちゃんにとっては鬼門かな!?だってトロンボーン・プレイヤーが作った曲だからね)。
この曲でもリード・ボーカルはマサ。
最近トライ中なんだよ。苦労しました。
マサはユラユラと腰振りダンスで観客を誘惑?挑発??。
は、ここでも、相変わらず虎視眈々と大奮闘。
血沸き、肉踊る現象とはまさにこのこと。
各メンバー達は多方面の分野にまたがって八面六臂のフル稼働。
ダンディーなエンちゃんは、なかなか堂に入ったプレイスタイルで男ならではの色香をタップリと漂わせて吹き込む。
真横で負けじとマッキーもハイノートヒッター。これにはミキティ、毎度のごとく戦慄を覚えるのだとか。
6管という編成だけでも贅沢すぎるのに、ご両人とも全くタイプの異なるプレイヤーゆえに面白い化学反応がしょっちゅう勃発するものだからたまらないよ。
ホーンによるバッキングは疾走感の塊のようなブラスロック代名詞をはかる。
エンディングではニシヤンによるトリッキーなる16フュージョン仕込みの速射砲ピッキング・ギター・ソロ(アキちゃんが特に好きなところ)。
ニシヤンのギター音って大きいんだけど、ちっとも耳障りだったりうるさく感じたりしないんだよね。
これってやっぱり巧みなる音作りだ。
ブラス隊による緻密に構築されたアレンジの妙が、更なる完成度と緊張感を増幅させつつも第1楽章を終了(本来ならば全部で7楽章なのだ)。
フェイドアウト部分は入念にスタジオで打ち合わせたとおり、メドレーで第7楽章へ連結。
ああ・・・・こういうタイプの曲を演奏するたびにコーラスとパーカッションプレイヤーが欲しいよう・・・・・と、しみじみ心から思うよ。
最終楽章は1分少々の「愛は限りなく」だ。
初めて聞いた人達ならば誰もが口々に「なんじゃ、こりゃあ!!」と思わず驚愕の雄叫びをあげちゃう拷問のような、それでいて癖になるアート・ロック。
地響きのごときボトムサウンドを打ち砕くようなイーヤンのフィルインでメインテーマに戻り、想像もつかないくらいのマーチへ一丸となって渾身のプレイ。
気を抜く暇を全く与えてくれない、ひじょうにやりがいのある曲。
最後の1音に到達して終えると、観客達は一瞬我を忘れていたのか無反応状態。
一息入れてから拍手が。
どこからともなく「おいおい、なんまら難しそうだなあ・・・・」という声が聞こえてきた。そうなのです、難しいのですよ(笑)。
大役をこなしきった清々しきメンバー達の満足そうな表情がどことなく誇らしげだ。
だってまともに演奏できるメンバーが、過去に全然いなかったものでね・・・・。
****ここまでが前半戦。スタミナの配分が大変さ。
ちょっと目測を誤ると、どうやったって身が持たない。
マサによる2度目のMCが始まる。でもそれはPART,2のライブレポートまでお預けさ!!****