2016,11,13(SUN)
白石区の「ピグスティ」にて。
本格的な冬の到来も目前に迫っていますが、ここのところ寒暖の差が激しく体調を崩しがちな日々が続いております。
何をさておいてもやっぱり健康が第一。
元気な体がなければ何も行動に移せませんからね。STAのメンバー達も練習はもちろんのこと、その辺もバッチリと管理しつつ11月のライブを迎えることとなりました。
天候も良好、場所は超久しぶりの「ピグスティ」
いつ以来の出演になるのだろうか・・・・?
12号線と環状通りがクロスした所に位置するこの会場はJR白石駅にも近くて、素晴らしい環境のハコです。
ここは元々「白石会館」という映画館だったので、ようく見渡してみると、そこかしこに往年の面影が点在しています。
ロビー正面にある受付カウンター。
階段を降りる途中の頭上中央に燦然と掲げられた「白石会館」のミニプレートが神々しい。
左手には楽屋控え室。
この部屋はかつて映写室だったのです。
だから壁には穴が数個残っていて、そこから映写機がフイルムを回してスクリーンに映像を送っていたんですね(もちろん穴は現在塞いであります)。まさに「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界そのまま。
ホール内はイスを取り外した映画館という感じ。
横幅のある高いステージ、広々としたアリーナと申し分のないシチュエーション。
照明なんかも綺麗でハデハデにカラフルなんですよ。
飲料用自動販売機には懐かしき「ガラナ」「ドクター・ペッパー」なんかも売っていて昭和テイストがぷんぷん。
練習用スタジオも完備されています。
さて、午後4時からリハーサル開始なので、早めに到着したのに、もうすでにバンドマン達が楽屋入りしていて賑やか!
パーキングも満車です。
タイム・テーブルにしたがって各バンド20分の持ち時間内でセッティングとリハーサルを順次こなしていきます。
今回は全4バンドの出演。
それぞれに個性的なサウンドを聞かせてくれそうで個人的に楽しみにしていますよ。
ここのところライブイベントといえば膨大な数のバンドが出演、長尺な時間を費やして行われるのが常だったから、たまにはこのようなコンパクトでタイトな流れも、ほど良いペースでこなせるし、観客もじっくりと見聞きできるしで、熱気維持の意味でも好条件だと思いますよ。
当然、実力のあるバンドが集結しての話ですが。
楽屋、ロビー、地下通路、ホール内とミュージシャン達でごった返しています。全4バンドといっても大所帯が2バンドいるので実質的には8バンド位の空気感(笑)。
なにせゆったりスペースゆえに、リラックスした気分に皆が浸れるんだよね。
オキノ店長とチャーミングな女性スタッフ2人が持ち場で忙しく動き回ってくれます。
特にオキノくんはたった一人でミキサー、照明、セッティング等をこなしています。
ミュージシャンらの無理難題にもクールに対応してくれる頼もしきナイスガイ。
凄い!頭の下がる思いだよ。
STA以外ピグスティ初出演のバンドばかりで(STAメンバーも初体験が半分の人数)、皆新鮮なのかあちこちに興味津々。
STAも集結できたメンバー7人で綿密な打ち合わせ。
マサがリハーサルの時間内に演奏できる2曲を決めて全員に伝達。本番さながらに図太い音を轟かせてみました。
モニターの返しバランス以外は、ほとんどこれといった問題もなく各自で最終チェック。
オキノくんもSTAには手馴れたもので、マサのワイヤレス2機にも即座に対応してくれて安心です。
廊下でウォーミング・アップをする者、ストレッチを欠かさない者、ずっと真剣な表情でスコアとニラメッコしている者、タイバンと歓談をしている者と様々。
正直な話、年末が近づきつつある昨今、この日も札幌&小樽のあちこちでライブが行われています。
その上、国民的アイドル「嵐」が11、12、13日の3日間を札幌ドームでコンサートだっていうんだから参ります。
日本中から熱狂的なファン16万人が見に来るというんですからビックリ。
よって集客に多少の不安があったのですが、いざフタを開けてみると入場者がドンドンやってきて拍手、歓声が絶え間なく送られるという和気藹々のライブ・イベントとなりました。
PM6:00 OPEN
BGMはオキノくんのお気に入り「クラッシュ」から!
マサはトップ出演のバンド「Chagateen」のメンバー達とロック談義で大盛り上がり。
3人共、20代の若者なのに妙にウマがあって時の経つのも忘れちゃうほど。
札幌ロックシーンの未来は明るいね。頼もしい限りだ。
共通の趣味となれば世代なんか全く問題なし!を身をもって実証しちゃいました。
彼等のリハーサルを見たマサが「グランジ系だね。ニルヴァーナが好きなの?」と尋ねると大喜びしてくれたのです。
つっぱったミュージシャンならば「俺等は俺等の音で勝負!何者でもない!!」と言い放つところだけど、素直な感情で接してくれた。そこからベースマンのシモくんは「ザ・バンドが好きなんです!」と告白。これは渋いところをつくね。
リーダーのチバくんはお父さんがジェフ・ベック、ディオ、レインボーを札幌で見たとのことで、彼は何も知らないままに、そのバンド音源を聞かせてもらい衝撃を受けた!(特にレインボーの3&4枚目)羨ましいくらいに恵まれた環境で洋楽の洗礼を受けたギタリスト。
その他にもいっぱい語らいました。ほんの一部を紹介すると・・・・ジミー・ペイジ、ニューヨーク・ドールズ、ストラングラーズ、セックス・ピストルズ、ARB、ラモーンズ、ポリス、イングヴェイ・マルムスティーン、スティーヴ・ヴァイ、ウィルコ・ジョンソン、ディブ・リー・ロス、ミッシェルガン・エレファント、ローリング・ストーンズ・・・・ETC。
彼等の出演時間をマサが心配するほど白熱。
3人共、涼しい顔してニコニコしていましたがね。チャガティーンの友人たちもやってきてスタンバイ・オーケーです!
PM6:30~6:55「CHAGATEEN」
当初出演を予定していたバンドがキャンセルとなり、そこの友人バンドが急遽エントリーとなりました。
バンド名は「お茶と紅茶」のスペルをロック風に遊んで命名したとのこと。
先ほどまでの人懐っこい顔からロッカーにスィッチ・オンして豹変。
この日唯一全曲骨太のオリジナルを披露してくれたバンド。
ロックバンド編成では最小人数の3人はドラム、ベース、ギターで構成。
1曲目はノイジーなインストウルメンタル。
これはSEを兼ねての効果音的役割を担っています。期待がいやが上にも高まります。
佇まいが硬派一直線でひじょうに潔い。
白いフェンダーUSAのジャズベース(ローズ指板)を、極限にまで低く構えて重低音を唸らせるシモくんが長い髪を振り乱しての熱演。
そのまま「LOST MY TOOTH」に突入(メンバーの歯についての話題が曲作りの発想だったんだとか)。
ブロンド・カラー・フェンダー・ギターのテレキャスター(メイプル指板)を豪快に掻き毟るチバくんはクールなポーカー・フェイス。
札幌のニルヴァーナ、カート・コヴァーンだね。
メンバー全員が黒を基調としたラフなイデタチなのもコダワリ。
ストレートなパンク・ロックが爽快。
「MIDNIGHT」もコンパクトにまとめあげられたロックンロール。
全曲極限まで贅肉をそぎ落とした構成なので1曲1曲が淡々と短く進行。
これこそ忘れかけていたロック初期の衝動といえるのではないでしょうか。
まあ彼等の世代ならばガレージ・ロックとでも表現したほうが手っ取り早いかも。
4曲目の「TAXI」では荒々しいビートに呼応するかのごとく照明も過激に点滅を繰り返す。
若さ溢れる攻撃的爆音はよりエネルギッシュに展開。
迫力も増す一方。
アヴァンギャルドなギター・ソロに観客は金縛り状態。
ギターのチバくん、チューニングを済ませて5曲目の「1,2,3,4」では上着を脱ぎ捨てて白Tシャツ姿に。大股開きプレイ・スタイルで決めまくる。
ギター・アンプは備え付けマーシャル・ヘッドにメサ・ブギーのスピーカーというへヴィーな2段積みセット。
ソウイチロウ君はバックで躍動感漲るドラミングで肝となる屋台骨を支え続けています。
全身全霊魂込めて動き回るたびに飛び散る汗、汗、汗・・・・・。
「I STILL FEEL LIKE YOU,BUT I DON'T KNOW ABOUT YOU」という長いタイトルを冠したこの曲ではチバくん、バスドラムに勢いよく足を乗せてコード・ストローク。
光速なる刻みが鬼気迫るほどに過激。
ソウイチロウくんはスネアを中心にタム、フロアタムまでまんべんなくバランスよく一打一打を丁寧に、シンバルの乱れ打ちを交えつつ叩きつける。
ピグスティ備え付けのベースアンプ・ヘッドはレイニー、スピーカーはアンペグというコンビネーション。ここから飛び出す音壁は言葉で表現するのが難しいくらいのいぶし銀のようなウネリ。
ラストソングはまだタイトルがついていないということで、仮で「NEW SONG」と名乗らせていただきます!と説明付き。
さすが若いだけあってヴァイタリティーは規格外。
最後の最後まで一瞬たりともだれることなく一気に全力疾走のテンションを維持したライブを展開。
いやはやなんとも天晴れだ。
今話題のボブ・ディランのごとくMC無し。
ただひたすら演奏し続けるというコンセプトを終始貫徹。
ステージを降りた3人はまた開演前のニコヤカなる青年たちに戻っていて「これからライブを観させていただきます!」と丁重に挨拶までしにきてくれました。
お疲れさん!!
BGM「ロンドン・コーリング(クラッシュ)」
PM7:10~7:40
セカンド・アクト「アンクルキャッツ」とSTAはもう何度タイバンを組んだことだろうか?
一番同じステージを共にしたバンド仲間だとおもいますよ。
ここしばらくは連続してライブ共演が続きます。
この日の彼等は4人編成。初めて妖艶なるボーカルのフミオくんがいないということで、これはこれで話題騒然な出来事。
でもセットリストはお馴染みの洋邦楽ミックス・オン・パレード。
先月から加入の可愛いユキちゃんが、センターフロントでボーカルとキーボードを担当します。
バックの3人はいつものベテランによるメンツ。
1曲目はサブリナで「スレイブ・イン・スター」
初々しきユキちゃんに合わせて、彼女の歌う曲は全てが女性シンガーのカヴァー。だから違和感もなくスムーズにこちらへ響いてきます。
この辺の配慮が心憎いばかり。
チャガティーンのヤングパワーから一転して、アダルトなグルーブを醸しだしています。
リーダー、フクさんによるハーモニクス&アーミングを多用した華麗なるギター・ソロの最中にユキちゃんはドリンク・タイム(笑)。
ユキちゃんのMC「皆さん、こんばんは!今日世間一般では休日ですが、私先ほどまで仕事をしていました。急いで着替えを済ませて電車に乗ってここへやってきました。本当ですよ(笑)。皆さんは休みの日は何していますか?私はさっきサンドイッチ食べていました!それでは歌います。次の曲・・・丸の内サディスティック!(東京事変)」
ベースのササくんがいつものアイバニーズ・ベースではなく、ミュージックマン・スティングレイを持っているではないかあ!
しかもナチュラルカラー(ローズ指板)。ん!?乙!!帝國ゆるゆる団のマサキヨ大尉と楽器がかぶるなあ!!相当な刺激を受けて購入したのか?
力が入ってるね(アイバニーズはスペアになったのだそうです)。
まだ手にしてそんなに経過していないのか、ピックガードにはシールとビニールが貼られたまま。
パールのドラム・セットを的確に叩く込むヤスくんとのコンビネーションもバッチリで、嬉々としてベースプレイ。
さすがにいい音してるよ。
3曲目の定番「ああ、無情」でもササくんのベース・ソロが唸りをあげています。とっても嬉しそうで微笑ましい。
ツボを心得たフクさんによるワウペダルも抑え気味に踏み込んで、ユキ嬢を前面にフューチャー。ちなみに水色ボディーのギター・メーカーはCOOL Zというマニア泣かせなブランド(メイプル指板)。鮮やかな色彩だね。使用アンプは会場備え付けのローランドJC-120。
フミオくんとは一味違う感触の女性ボーカルによるこの曲・・・・あ!オリジナルが元々女性かあ!このバンドの売りは鉄壁のバック陣とシンガーとの絶妙なるコントラスト。
卓越した男女シンガー2人を時と場合に応じ、交互に交えてのライブ三昧なんて贅沢過ぎます。
観客から「面白い話をして!」との要望。
ユキ嬢「私は無地の服しか着ないのですが、先日初めて色付きのスカートを買いました。
でも上にあわせる服がない・・・・あ!もうすぐ給料日!すごい楽しみにしています。それしかない。お金の事しか面白い話は。野口英世さん・・・・」
すかさずフクさんがMCに乱入「ボーカルはユキちゃんプッシー・キャットでした(おいおい・・・・)アンクルキャッツはオッサンばかりだからね」
徹底した開き直りのポリシーが潔い。
新たなシチュエーションで「ラフ・ボーイ(ZZ TOP)」
大御所アメリカン・ブギーロック・トリオからパワーバラード・カヴァーの登場だ。
ここでのみユキ嬢はキーボード・プレイヤーに変身(ローランドJUNO-Di使用)して、フクさんがリード・ボーカル担当。
マサにとって琴線を震わすこのセレクションには心底泣かされました。
9月のホットタイム・ライブでアンクルキャッツがサンタナの「ホールド・オン」を演奏してくれた時も痺れましたが、今回もそれに負けないくらいの感動を与えてくれたのです。
思いっきりタメの効いたブルージーなギター・トーンとシンプルな構成のアレンジ。
朴訥すぎるくらいのアンサンブルがたまりませんね。
これで全員が髭面にサングラス姿なら完璧だ(笑)。
再びユキ嬢のボーカルに戻りまして東京事変「閃光少女」
イントロなしから、いきなりボーカルに入るので音とれなくて演奏やり直し・・・・・まあこのあたりはご愛嬌ということでね。
音域も広いボーカルラインは椎名林檎の真骨頂。
ひじょうに歌いこなすが難しいクセのあるポップ・ナンバー。
でも頑張って貫き通しましたよ。
「最後の曲です!アン・ルイスで六本木心中!!よろしくお願いします!!!」
一番耳に馴染み深いこの曲は、女性によるジャパニーズ歌謡ロック・チューンの元祖みたいなポジションに位置するもの。
締めくくりに、ハードロック調なテイストをもってくるあたりの計算高さは参考になります。
ベース・アンプのトラブルも多少ありましたが程なく解消して、エンディングの強引過ぎるくらいなリフレインも華々しくてボルテージ・アップ
「ありがとうございました!アンクルキャッツでした!!」
PM 7:50~8:20
トリ前に登場は「岩見沢トロピカル商会」
この日最多人数を誇る17人組(!!!!)ラテンバンド。
STAはどこに出演しても人数の多さで目立っているのですが、今回ばかりはさすがに負けました・・・・なんたってSTAの倍以上の編成なのですから・・・・。今までのタイバン人数では文句なしの一番。
リーダーは「エミリオ」こと名物男ミヤッチ(マサはそう呼ぶ)。彼のライフワークともいえるこのバンドは10年の活動歴を誇ります(メンバーはSTA同様に流動的。大所帯の悲しき宿命ですな)。
その辺の事情もあってか、お祭り的イベントに借り出されたりと、通常のライブにはほとんどといっていいくらいに現れません。
紋別などの遠方から駆けつける者もいたり、掛け持ち多数の売れっ子も抱えていますしね。
全5曲をカルロス菅野(per)と高橋ゲタ夫(bass)らが牽引する熱帯jazz楽団からセレクション。
スコアの準備だけでもそうとうな手間がかかっているでしょうね。お疲れさまです。
この日の出演決定に至る経緯も奇跡に近いものがあります。念入りに連絡をとり続けたマサとミヤッチ。お互いブラス系列バンドを率いているということで、いつかタイバンを組もう!との願いが熱く交わされてついにここで実現の運びとなります。
ラテンとロックのご対面。共通項はブラスセクションだ。
よってメンバーの中には以前からの懐かしき知り合いがたくさん在籍していました。
AS1オカッチ、AS2ジュン、TS1ミヤッチ、TS2ヒロコ、BSヒビノ嬢、TP1ユースケ、TP2チャッキー、TP3ドラゴン、TP4アカネ、TB1ヒロリン、TB2ウミ、BTBキクチ氏、PFアヤネ、BASSタニキュン、DRドンチャン、PER1アッキー、PER2ニッシー・・・・以上・・・ふう~~・・・・この人数にしてギター・レス、そしてインストウルメンタル。
当日になって知ったのですが、オカッチやウミくんなど往年のSTAメンバーだった者も在籍していました。ジュンまで加わっているしね(笑)。
ファニーも以前は在籍していたそうですよ。
歌姫ヒロリンの「味噌田楽」元トランペッターだったユースケもここのメンバーだったんだね。
「地下室とシャンパン」のヒロコ嬢もかなり前から顔見知りでしたが、遂にその勇姿を拝ませてもらいました。
結局は内輪の連中総動員のイベントとなったんだね。
マサとミヤッチ、そしてピグスティーのオキノくんと何度も打ち合わせした結果、ホーンセクションのみステージの下に陣取ってライブを敢行する予定だったのですが、リハーサルで試みて結局、全員が上に上がる事に。
もちろん芋洗い状態必至。
人数プラス譜面台が乱立するわけですから。
でもオキノ君の機転で事無きを得て、すっぽりとおさまり何のトラブルもなく本番をこなせたのです。
思ったほどセッティングに時間もかからず(ミヤッチは恐縮していたけど・・・)、詰め掛けた応援団からの拍手に迎えられてミヤッチ第一声「こんばんは~!。時間があまりないのでいきます!!1曲目はSEPTEMBER!(EW&Fから)」
キーボードによるイントロから発せられるメガトン級のブラス・サウンドといったら腰を抜かしそうなくらい。
チャガティーンのメンバー達は「ジェームス・ブラウンのバックバンドみたい!」と終始釘付け。
ホーンにばかり目がいきがちではありますが、バックの演奏隊も安定感抜群。
さすがにラテン系らしくパーカッションの音色が全体を南国ムード一色に染め上げてくれます。
ソロ・パートに入ると、ステージ前方左右に立てられたマイクに歩み寄ってプレイヤーが吹き鳴らします。とっても絵になるし、かっこよくてお洒落。
オカッチがアルト・サックスで歌メロを奏でます。
そこからキーボード・ソロ(YAMAHA使用)、次いでトランペット・ソロ。
メンバー達の隙間を縫うように前後入れ替わりのプレイ。
ミヤッチは常に中央で全体の指揮を担います。
序盤に戻って再びオカッチによるアルト・サックス歌メロヘ。
万雷の拍手が鳴り止みません。
2曲目はスティーヴィー・ワンダーからで「I WISH(回想)」
STAもゴヘイバンドもレパートリーに加えている楽曲ではありますが、熱帯JAZZ楽団の大胆なアレンジとゴージャスなる音圧も聞き応え満点。
本来ならばベースによるメイン・リフではじまるところを、ここではいきなり力強いドラム・フィルからオリジナル本編佳境に入った後半部分の熱きパートから開始。
ベースがビシッとシンの通ったラインで忠実に牽引。
使用ベースは比較的新し目のMOONジャズ・シェイプなんだけど、かなり弾きこんだ形跡あり(エボニー指板)。コア材にバルトリーニPUマウント。ゴールド・パーツ仕様。
ホーン隊全員がリズムにのせて楽器を上下に激しく動かす様は壮観。
女性トランペッターが男顔負けなソロを終えると観客のみならず、メンバー達からも温かい拍手が沸き起こる。
ミヤッチ「喋るのが苦手なのでしゃべりません!」と、間髪入れずここで冷やかしが入る「けっこう喋ってるじゃない!」
「頑張りました!(笑)では次の曲、・・・え!?デュノデルソラー・・・デノジュオソラ・・・あれ?(言い直す)」
正解は「DUENO DEL SOLAR」(熱帯ジャズ楽団のオリジナル)
この曲でもパーカッションがほど良いアクセントを散りばめていますね。
まるでBS&Tにサンタナ・フレイヴァーを施したかのような親しみの持てる曲。
ブラス&ジャズ&ラテンのビッグバンドなんてそうそう拝む機会などないですからね。
特に中間部分のコンガが濃厚に迫り来る様はアフリカン・ビートの王道を貫いていて快感。
バス・トロンボーンによるソロでは(プロの方だそうですよ)エビちゃんも参考になったのでは。
ミヤッチは「イエー!」と右拳を誇らしげに高々と掲げました。
汗かきアッキーを紹介します。
本当にバケツの水をかぶったように全身びしょ濡れでの熱演だ。
「アッキー、水飲み、ハイ!ハイ!ハイ!」観客たちからのせられてアッキーもペットボトルのミネラル・ウォーターがぶ飲みパフォーマンス。
ミヤッチしつこくも「喋るの下手なのでしゃべりません(きっぱり!)。人数が多いのでメンバー紹介もしません!次の曲は皆さんも知っていると思います。一緒に叫んでください!じゃあやりますか、TEQUILA !!」
ノリの良いリズムの繰り返しと、サビのタイトルがコール&レスポンスに最適なオールディーズのスタンダード。
オリジナルはザ・チャンプスが1958年に発表したインストウルメンタルで歌詞は「テキーラ」のみ。これを全員で必ずぶちかますのが暗黙のお約束。
ここではキーボードによるノリノリなダンサンブル・リズム・イントロから、バリトン・サックスの女性奏者がメイン・リフを担当。
いかしてるね!わかっちゃいるけど、やはり「テキーラ!」の連発。
ミッキー・マウスの服を着た女性トランペッターが切り裂くようなソロ、そして遂に出た!ミヤッチ親分満を持しての凄まじきテナー・サックス・ソロだ!!
「緊張しますね・・・・実はもう最後の曲なんですよ・・・ごめんなさい。皆もう体の限界・・・・」「聞こえないぞ~~!!」ここでキーン!とハウリング
「誰か太ってる人いるからハウッたんだよ~~!(笑)。シェリル・リンのGOT TO BE REAL!!」
バンドは両手を振り上げて手拍子を要求。
即、観客も反応しつつもアリーナ中、ディスコ・フィーヴァーだ!
最後の最後は前方左右に分かれたテナー・サックス奏者がソロで対決。ミヤッチ&ヒロコ嬢が火花散る攻防。
タイプの異なるテクニックで一歩も譲らない御両人はフィナーレで合同ソロ。
持ちうる限りの熱きエナジーで完全燃焼したようだ。
ミヤッチ、神妙な顔でマイクに向かって・・・・「次はSTAさんです!」
PM8:30~9:00
トリは「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)」
全員が野郎ばかりのメンバーになってから早や4ヶ月。
8人編成の猛者共も益々息があってきましたよ。
ニュー・フェイスのセッキー2発目ライブ・スタートだ!
暗転したステージ上では場慣れしたメンバー達がポジション固め。
シンが「テンポを着実にキープね!」とジャスチャーを交えて声かけした時には,全員から笑いがもれます。
セッティング中、観客がだれないように、マサがこれからはじまるSTAの自己紹介とメッセージを猛烈アピール。
今か今かと気のはやるせっかちな観客は,じれて歓声を上げ、その瞬間を待っています。
マサがメンバー各自に最後のサイン。
準備万端整ったところで、マサが正面奥のオキノくんへアイコンタクト!
BGMストップと同時に衝撃のブラス・ロック・ワールド幕開けです!!
***SET LIST***
1、INTRODUCTION・・・CHICAGO
2、LONELINESS IS JUST A WORD(孤独なんて唯の言葉)・・・CHICAGO
3、LOWDOWN・・・CHICAGO
4、SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO
5、MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO
6、FREE(自由になりたい)・・・CHICAGO
7、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO
===ENCORE===
8、PICK UP THE PEACES・・・AVERAGE WHITE BAND
***MEMBER***
MASA・・・B VO CHO
SEKKIE・・・DR
JUN・・・AS CHO
NOBU・・・G
SHIN・・・KB VO CHO
FUNNY・・・TP
KUNI・・・TP VO CHO PER
EBI-CHAN・・・TB
静かにかつ不気味にノブがギターでカッティング。徐々に熱を帯びてきた頃合いを見計らってマサが先ほどまでのステージ・トークからブラスロック・モードにスィッチ・オン!バンド名を盛大にコール。
「ウィー・アー・ブラスロックバンド!ザ・サッポロ・トランジット・オーソリティー!!1・2・3~YEAH!!」
火蓋が切られた。「イントロダクション」で波状攻撃開始。
セット・リストが示しているように、本編全曲が激烈なるシカゴ初期のカバーで占められています。
セッキーの右手中指2箇所骨折は今だに完治していませんが、そんな事全然感じさせないほどのパワフル&的確なるドラミングがボトムを常に支えています。
先月のセッキーSTA初ライブはお披露目程度のレベルでしたが、今回は別人のような貫禄さえ漲らせています。
ようし!こうなったら俺たちも遠慮なく突進だ!
観客は早くも度肝を抜かれています。
「プログレですね」「あれだけ物凄い難解な構成を、よく余裕の表情でプレイできますね」などいつもこのオープニングでは、コメントを頂戴しています。
紆余曲折、血と汗と涙のディシプリンを経て、この曲もここまでこなせるようになりました。
だからといってなめてかかって気を抜くと、軽く足元をすくわれるほどの落とし穴が点在しているから、何年経ってもテンション・マックスで望まなければいけないじゃじゃ馬ナンバー。
「チャガティーン」のメンバー達もこの曲に衝撃を受けた口で、ノブやマサに「かっこよかったです!」と感動を伝えにライブ後、わざわざ尋ねて来てくれました。
ミヤッチも「一聴しただけで、難しいのがよくわかる・・・」ともらしていたしね(笑)。
とにかくセッキーの成長にはメンバー達も目を見張るものがあります。
次々に登場する難関もなんのその軽々と突破。
スムーズに乗り越えていくではないですか。
変拍子パートも楽勝。テンポも格段に正確さを増し、ブレイクのタイミングもバッチリ。
静寂の美学に彩を添えるクニのウィンドウ・チャイム。
エビちゃん、入魂のトロンボーン・ソロでは年齢から想像もつかないくらいの熟練フレーズが轟き渡る。
バトンを受け取ったファニーは、高らかに愁いを含んだトランペット・ソロで美しきファンファーレ風メロディを奏でます。
ジュンもブラス・アンサンブルの一員ながら、常にセッキーとアクセントの間合いを計ります。
ハードな場面展開に突入したら、ノブの出番。
ジミ・ヘンドリクスばりの唸りをあげてグラインドするフィンガリングで意思表示。
マサはバッキングでもフィンガーボード上を指が激しく上下するほどに加熱気味のアクション。
もうこのあたりから観客はピョンピョン飛び跳ねたり、体をくねらせたりで、すっかりSTAの虜。
この日は出演者に管楽器奏者が多い事もあって、会場のあちこちからステージヘ注がれる視線がいつも以上に真剣。
ダイレクトなリアクションが伝わってくるのでSTAも気合が入るというもの。
セッキーとどめのドラム・ソロで、遂にエクスタシーへ達した感あり。
エンディングでも例のマサ右手グルグル回転、ホーン隊ヒステリック・ロングトーンで引っ張りつつもジャンプ一閃合図で終了。
これで掴みはオーケー。
緊迫感から開放されてマサ「イエー!改めましてザ・サッポロ・トランジット・オーソリティです。皆さん、楽しんでますか!」「HEY!WAO~~!!」の雄叫び。
「早いもので最後のバンドです。いつもSTAはスタッフ泣かせの大所帯バンドなのですが、前に登場した岩見沢トロピカル商会はなんとSTAの倍以上の編成。さすがに人数では負けちゃってますが、頑固一徹ブラスロック街道一直線に突き進んで12年、最後まで楽しんでいってください!!ネクスト・ナンバー・・・・ロンリネス・イズ・ジャスト・ア・ワード・・・・・」
セッキーが一番危惧していたこの曲のマイルス・デイヴィス調イントロ。
本番に強いと豪語するだけあって重量感に満ち溢れたビートが噛み合って切れ味抜群。
このコアなシカゴ風ファスト・ジャズ・ワルツは一部の隙もないほどに突き進むマニア受け必至ソング。
マサからシンがボーカルを託されて、ソウルフルな喉を聞かせてくれた後には、ハモンド・オルガン・ソロを滑らかなタッチで弾きまくり。
メドレーの3曲目も懐かしきシカゴⅢからのシングル・ヒット曲で「ロウダウン」
これを1番は英語、2番は日本語で歌うマサ。
キーがメチャクチャに高い。クニがガッチリと随所にコーラス&トランペット&パーカッションとせわしなく絡んできてくれてグレード・アップに貢献。
数年前にシカゴ自身が日本の音楽業界の方から、この曲を是非とも取り上げて欲しい!とリクエストされてトライしたけれども断念したといわれるもの。
変態的なコード進行とリズムが入り乱れているのに、不思議とハード・ポップに仕上がっているという妙に癖になりそうな曲。
「みんな、シカゴ知ってる?」「イエー!!」「そうか、そうか。ここまではちょっとコアでレアなこだわりソングばかりだったから、お次はシカゴ初のミリオンに輝いた曲をやります。これなら誰でも知っているでしょう。日曜日なのに土曜日の曲をやるというのも乙なもの。サタディ・イン・ザ・パーク!」
阿吽の呼吸でシンが寸分たがわぬシンコペーション・アタックで軽快なピアノ・イントロを弾き出します。
会場中の表情がぱっと華やいでくるんだよね。
マサのメロディアスなベースラインに導かれてホーンの優しい音色、コーラスとのコンビネーションが冴え渡っています。
日を重ねるごとにハーモニーも絶妙な光を放ちつつあるし、プレイする我々も自然と笑みがこぼれてきます。
リズム・チェンジのサビ・パート移行も中々な風格で聞かせどころ。
「次はまたまたシカゴ初期のヒット曲。壮大なる7楽章からなる組曲から残念ながら時間の関係上、第一楽章のみをお届けしたいと思います。邦題はぼくらに微笑みを・・・・メイク・ミー・スマイル!!」
セッキーによる4カウントから王道のシカゴならではのドラマティック・ホーン・セクションが一丸となって吹き荒れる。
リハーサル時に演奏した際には不安定な要素をぬぐえなかったけど、いざ本番ともなれば、猪突猛進、怒涛の様相を呈していておもわずニヤリ。
とにかく燃費の悪いSTAのこと。スタミナ消耗でレッドゾーン振り切れ寸前の極限に達しかけていても、ただひたすらに突き抜けるのです。
最年少のエビちゃんでもこの場面が一番地獄だったらしい・・・・。
クニいわくSTA版「虎の穴」をかいくぐった者のみが達成できる極限ナンバー。
残酷すぎるほどにキツイ曲だけれども、メンバー全員やりがいのある曲だとも自負しております。
次回は組曲全パートへ快進撃だ!
熱気でむせ返る余韻をひきずりつつ、お次もシカゴの脳天直下型ロックをお見舞いしようと意気込んでいたところ、事故勃発・・・・・。
あまりにも強烈なドラミングに耐え切れなくなったのか、スネアのスナッピー紐が断裂してしまったのだ!
「おお!何てことだ・・・スネアが壊れてしまったぜ!」「えええ!!???・・・・」
機転を効かせてスネア・チェンジの間マサによるトークショーで時間稼ぎ。
「長い間、ライブ活動していると皆ならわかるだろうけど、色々あるよね。これもライブの醍醐味さ。
ステージには魔物が潜んでいるのです。練習の時はパーフェクトでも本番では予期しなかったことが起こるもの。
ピグスティではないけれど、他のライブハウスで1曲目にいきなりバスドラム・ヘッドが破れた!なんてこともあったね。
そうそう、これ皆、聞いてよ。うちのドラマー、今右手中指を2箇所骨折しています!」「えええ!!??骨折!!!」
「まだ加入してからライブ2回目のワイルド・ドラマー、セッキーに拍手!!」パチパチパチ!
セッキーは大声援に応えて立ち上がり中指を立てる!
「丁寧な挨拶はいいから、早く準備して!(笑)」
とまあ、笑いに包まれている中でセットアップ。
「お待たせ!残すところ2曲を全力疾走で突っ走ります。フリー!!」
セッキーによるアグレッシブなるスティック・ワークが爆発。
腰をやや落とし気味で、リズム・セクションの相棒マサが不敵にベースを構えたまま、ステージ前方へ身を乗り出して豪快無比「1・2・3・4~!!」
全パートが火傷しそうな位にせめぎあう中で、凄まじきリフが繰り出される。
すっかり観衆の頭のヒューズはスパーク。
シンのボーカルに対してマサのハイトーン、クニによるドスの効いたアドリブ・ヴォイスとが三位一体となってひしめきあう中、中間部分の変則ユニゾンへ。
勝負どころだ!とばかりに力技で凌いだ。
余力もわずかとなってきた頃、エンディングの残響音を全員が延々と引っ張る。
マサの口から「いよいよラストです!極上のミッドナイト・ソングで締めくくりたいと思います!!25OR6TO4!!!」
気合十分のノブがギターでダウン・ピッキング。
コードとコードの間合いに全員が「HEY!HEY!」と腕を天井に向けて突き上げる。
この光景もおなじみとなってきました。
マサはクルクル回ったり、モニターを乗り越えたり、またいだりとせわしくステップ、スキップを踏み続ける。
途中でケーブルに足がとられて転倒しそうになったけれども、なんとか踏みとどまった。クニも横に移動中、自分のコードが足にもつれていたね(笑)。
アドレナリン噴出状態のまま、マサはフロントからせり出したスペースに両膝付いてど根性仰け反りボーカル。
立ち上がっても、悪ノリしてジュンと向き合いお互いに飛び蹴りの応酬。
ベースを激しく振り回したり、アンプに駆け寄りもたれかかったりしながら所狭しと練り歩き、バスドラムに左足をのせてセッキーと2人笑みを浮かべる。
ノブ、ここぞとばかりに中央へゆっくりと移動しながらギター・ソロにて終焉の狼煙をあげる。
いつもよりややソロは長めで、縦横無尽にフレット上をフィンガリングで滑らせています。
これはノブがのってきた証。
シンもバランスを考慮しながら冷静に、ここぞというスペースへ効果的コードを導入。今のSTAメンバー達はすこぶるライブを満喫しているようで連帯感も意思の疎通もバッチリ。
最後の最後ではマサのベースギターが頭上に持ち上げられて振り下ろしたのを目印に、全員同時情け無用のゴリ押し激音!!マサはベースギターを肩から外してモニターに擦りつけ、それでも飽き足らないのか、今度は会場めがけてベース・マシンガン撃ちまくり(笑)。
ノリのいい客はもがき苦しみながらも、バタバタとのた打ち回る・・・・。
「ありがとう!STAでした~!!」
これだけではまだまだ満たされないのか、欲求不満のアンコール、アンコール。
「おお!嬉しいね。じゃあ正真正銘のお別れソングは、ストレートでグルーヴィーなインストウルメンタルでいこうか!?
キャンディー・ダルファーのカヴァーでも有名な曲・・・」「おおおお!!!!」
「オリジナルはアヴェレージ・ホワイト・バンド。ホワイト・ファンクの代表的ヒット曲。タイトルはなんて言ったっけ・・・?」
「ピピ・・・ピ・・ピック・・ピピ・・・」「ん?何々・・・?PPAP」(大爆笑)
「正解!ピック・アップ・ザ・ピーセス!ゴー!!」
ノブが切り込み隊長とばかりに爽やかなナチュラル・トーンでコードを弾きだした途端に会場はファンキー・スペースに豹変。
皆、大好きな曲だったようで喜びをビートにあわせて全身全霊で表現。ツボにはまったようで狙いは的中。
セット・リスト中一番練習回数の少ない曲なんだけど、セッキーが得意とする跳ねリズム、そしてジュンが長らく熱望していただけあってまとまりがすこぶるご機嫌。
ジュン渾身のアルト・サックス・ソロでは、エキサイトしたミヤッチが思わず正面まで駆け寄ってきちゃいました。
「サンキュー!今日はこんなにたくさんの皆さんに盛り上げてもらえてシアワセです。ピグスティ最高!
スタッフのオキノくんにも温かい拍手をよろしく!!皆、帰りは気をつけて帰ってね。また会いましょう!バイバイ!!」「バイバイ!」「バイバイ!!」「バ~イバイ!!」(笑)
これで全てが満たされたかな?皆、いい顔しているね。心地よい疲労感と達成感だ。
またここに必ず戻ってくるからね!!
very special thanks to・・・hitomi&subaru&miyatch&rieーchan(no,9)&okatch&chagateen(tiba,shimo,souitirou)&mr,okino&stuff&shiroishikaikan&dr,pepper&guarana&gum&barley tea!!