世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

目手術

2017年04月12日 | 100の力
手術室に入って一瞬ドキッとした。

真ん中にブルーのシートがあり、若い女性看護師さんたちが5人、ずらりと並んでいる。

シートの頭側には先生が手術服に身を包んで待っていた。

まるで映画のセットのようで、

何か相当な外科手術がこれから行われる雰囲気を漂わせていた。


確かに不安はあった。

眼だけに、見えなくなったらどうしよう、と。

大丈夫かな、ここは。

この手術ができる眼科は熊本には3か所しかない。


部屋の中央のリクライニングの椅子に寝かされ、

左目だけ残して顔全体にマスクが掛けられる。

何種類もの目薬と目の麻酔がさされる。

アー、来なければよかったと、後悔の念が浮かぶももう手遅れだ。


鋭い光が当てられる。

何か太陽光線のような、宇宙からの光のような錯覚を覚える。

お医者さんと看護師のやり取りがはっきり聞こえる。

瞼は機械で大きくあけられているので、目をつぶるわけにもいかず、

まぶしさに耐えながら丸い光を見続けた。


手術前の説明では、眼球の奥に3本の針を刺すという。

どんだけ痛いんだろうと思ったが、目の奥に少し圧迫を感じるほどで、

まだ我慢できる範囲だった。


光の横に黒い棒のような線が見て取れる。

恐らく眼球の奥に刺された針なのだろう。

軽いモーター音が時折耳元で唸りだす。

そのたびに、眼球の奥を何かがうごめくのを感じて、

ボクの不安を煽る。

同時に右腕に巻いた血圧計が3分おきくらいにボクの二の腕を締め付ける。


やがて、宇宙の光が消え、視界が真っ暗になった。

同時に強烈な恐怖がボクの脳裏を襲う。

このまま片眼が見えなくなるのではないだろうか。

もし今、ここで停電したらどうなるのだろうか。

そういえば、昨年の大地震からあと3日でちょうど一年目を迎える。

それに、ここ数日震度3や2の地震が数回立て続けに起きている。

ここでまた大きな地震が起きたら……。


不安でボクの身体はカチカチになっていた。

肩に力が入り、手が汗ばむ。

あとで聞いたら、血圧が220まで上がっていたそうだ。


約40分かかって手術は終わった。


      術後の痛々しい姿

網膜にかぶさっていた膜が除去されたことを医者は伝えてくれた。

そして眼球の奥を4針縫いましたという説明。

糸は一か月くらいで自然と溶けますから、と。


それにしても、空恐ろしい手術だった。

眼球の奥に針(?)を3本も入れて、4針も縫うのだから。


まだ、今日は大きな眼帯をしていて、全く見えない。

1,2だった視力が0,3まで落ちていたのだ。



さて視力はどこまで戻るのか。

不安でもあり、期待も高まる。


実はここは日帰り手術ですむところなのだ。

入院施設はこの病院にはない。

家に帰ってもいいというが、数日通院が必要になる。

だが、小一時間もかけて車で毎日往復するわけにはいかない。


ということで、約200mほど離れた提携先の病院に数日お世話になることに。

ただ、体に異常がない、というか至って元気なだけに退屈でたまらない。

さてどうして過ごそうか。

花見でも繰り出そうか。


     保護眼鏡を付けて繰り出しました

悪巧みばかりが先行する。

4月11日(火)のつぶやき

2017年04月12日 | ライフスタイル