カンボジア経済

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チェンマイ・イニシアティブを改革へ

2017年01月11日 | 経済
 新聞報道によりますと、日本やカンボジアを含むアジア各国は、金融危機の際に多国間でドルを融通する「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」を改革する方向で検討しているとのことです。「チェンマイ・イニシアティブ」は1997年のアジア通貨危機を踏まえ、日本・中国・韓国とASEAN10か国が整備してきたもので、外国為替市場の急激な動揺を防止するために、国際的な協調を基に為替介入等を実施するための外貨融通の枠組みです。
 CMIMの資金規模は全体で2400億ドル(約28兆円)ですが、このうち各国の合意だけで貸し出せる比率(IMFデリンク割合)は全体の30%(720億ドル)であり、残り70%は国際通貨基金(IMF)が協調支援を決定することを条件として融通できることとなっています。IMFの支援決定については、アジア通貨危機の際に、大きな問題もあったと指摘され、各国の信頼度が必ずしも高くないこともあり、加盟各国の合意だけで融通できる割合を引き上げるべきだとの意見が大勢を占めているとのことです。このため、IMFデリンク割合を現在の30%から40%に引き上げる方向で検討されているとのことです。なお、IMFデリンク部分の判断に当っては、各国が協同して設置したASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が、各国の状況を精査した結果を活用することとしています。
 カンボジアについては、貢献額は2.4億ドル(約280億円)ですが、引出可能総額は、その5倍の12億ドル(約1400億円)となっています。高度にドル化したカンボジア経済にとって、外貨準備額に加えて、このような国際的な外貨融通制度があることは、万一の場合の備えばかりでなく、平常時でも信頼度の向上やリスクの低減の効果も高いものと見られ、米国の利上げに伴うドル高が見込まれる昨今において、今回の改革が果たす効果が期待されます。

ブログ「カンボジア経済」2014年7月25日「チェンマイ・イニシアティブの規模を倍増」
http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/34420d8c0d8befea6a0ec512022ca4ab


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