カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

新型コロナ カンボジアの状況 4月4日 IMFが現金支援を評価

2022年04月04日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトしてきています。4月3日の保健省の発表によれば、死者は累計3054名(3月27日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万5747名(同286名増)となっています。治癒数は13万2068名(同655名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は283名、海外帰国・入国者の新規陽性は3名でした。
 カンボジアで初のオミクロン株の陽性者は昨年12月14日に確認されました。当初は海外からの帰国・入国者のみでしたが、1月8日にオミクロン株初の市中感染確認が発表され、その後市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降、ピークアウトの様相を示しています。4月4日発表で国内での市中感染は1万3953例(3月27日から283例増)が確認されているとしています。
 4月1日、日本政府は、カンボジアを含む106カ国について、感染症危険情報をレベル3の「渡航中止勧告」からレベル2の「不要不急の渡航はやめてください」に引き下げました。各国・地域における新規感染者数、ワクチン接種状況、感染症対策・医療体制、各種施策の状況等、各国・地域の実情を総合的に勘案したとしています。
 4月1日、国際通貨基金(IMF)は、「アジア途上国における所得ショックに脆弱な世帯:カンボジア・ネパール・ベトナムの事例」と題する報告書を発表しました。この中で、カンボジア政府が貧困・脆弱世帯向けに実施した現金支援について、非常にうまくいったと高く評価しました。現金支援は、2020年には、約71万世帯・約280万人を対象に実施され、最貧困世帯の所得の33%程度に相当する月平均45ドル程度が支給されました。新型コロナ前の10%程度から17・3%への悪化が予想されていた貧困率は、この現金支援によって、12.6%に留まったとしています。ただ、新型コロナの影響で新たな貧困層も増えており、特に貧困レベルに陥っている都市部のサービス産業従事者への支援が重要であると指摘しました。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。4月2日現在で、1483万302人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の92.7%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の102.7%に第1回接種を、99.2%に2回目を完了しています。また、世界に先駆けて、3歳~4歳児への接種を2月23日から開始しました。31万250人への第1回接種を完了しています。
 ブースター接種(3回目)も実施が進められ、4月2日現在797万9137人(うち成人591万636人)が接種を完了しています。1月3日以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行っており、121万2162人が接種を完了しています。更に、6歳~12歳についても2月21日から3回目接種が開始され、85万5673人が完了しています。また、オミクロン株対策の一環として、4回目の接種を1月14日から開始しました。4月2日現在で118万7583人が接種済です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペンのバタナック公園横。屋台が並んでランチ需要に応えています。3月21日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

IMFの発表
https://www.imf.org/en/Publications/WP/Issues/2022/04/01/Household-Vulnerability-to-Income-Shocks-in-Emerging-and-Developing-Asia-the-Case-of-515960


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H&M カンボジア1号店開店 イオン1号店に

2022年04月03日 | 生活環境
 3月18日、カンボジア初のH&M店舗がプノンペンのイオン1号店に開店しました。1階・2階をぶち抜いて作られた大型店舗です。開店直後の週末には、店内に入りきれず、外に行列ができるほどの賑わいだったそうです。日本等では、H&Mはファストファッションの有名ブランドとして、リーズナブルな価格でカジュアルな感じのお店ですが、カンボジア的には、価格はかなり高めと感じます。様々な洋服が販売されていますが、これから最も暑い時期となるカンボジアで冬物がたくさん売られているのは、何かデータに基づくものなのか、興味を覚えました。プノンペンのイオンモールは、日本では考えられない速度と頻度でテナントの入れ替えが行われていて、店内あちこちが工事中で、若い高度成長国であることを実感させられます。H&Mが今後カンボジアでどのようなポジションを占めていくのか、注目していきたいと思います。
(写真は、クメールタイムズ紙より)

H&Mカンボジア
https://web.facebook.com/hmcambodiaofficial/?ref=page_internal

冬物がたくさん売られていました。



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プノンペンも花の季節2022

2022年04月02日 | 社会・風土
 プノンペンは、花の季節を迎えています。ノロドム通りの並木の「プノンペン桜」も満開です。クメール語名は、トロバエク・プレイというそうですが、だれが呼んだか「プノンペン桜」という響きも大好きです。ロシア大通りのプルメリア(フランジパーニ)もきれいに咲き誇っています。ゴールデンシャワーという黄色い花も大変に美しく、プノンペンのあちこちで見られます(写真上)。

 新型コロナ問題で、大変な状況にある方も多いかと思います。「年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)」の詩がしみじみと感じられます。プノンペンできれいに咲き続ける花の写真で、少しでも皆様の気持ちに「ほっと一息」となれば幸甚です。

きれいに咲いたプノンペン桜



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アジア開発銀行報告書 東南アジア パンデミックからの回復

2022年04月01日 | 経済
 3月18日、アジア開発銀行(ADB)は、「東南アジア:パンデミックからの回復(Southeast Asia: Rising from the Pandemic)」と題する報告書を発表しました。東南アジア各国のパンデミックの現状、経済への影響、今後の展望や政策課題がまとめられた報告書です。東南アジア全体の状況の概観を分析し、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、東チモール、マレーシアの8カ国について、国別に分析しています。
 全体的には、今回のパンデミックにより、各国はより持続的な経済の建設が必要であると気づかされたとしています。特に社会保障の充実、競争力の強化、中小企業が重要であると指摘しました。保健の拡充が、労働参加率の向上や生産性の向上を通じて、経済成長に資するとの認識も示しました。また、観光部門の再構築によって、持続的・包括的開発を促進していく手法についても提言しています。
 カンボジアについては、ワクチン接種の進展に関し、同レベルの国々の中でも卓越した結果を出しているとして、高く評価しています。ワクチンの進展に支えられて、パンデミックの抑制、経済再開や越境移動の再開が可能になったとしています。しかし、カンボジアの主力産業である観光業、建設・不動産業、縫製品の輸出等は厳しい影響を受けました。その中で、農産品、自動車部品、電気部品、自転車等の縫製品以外の輸出が健闘した点を明るい兆しであると評価しています。この方向性を更に維持することによって、政府が目標としている耐久性が高く、多角化された経済を達成していくことが可能になると分析しています。

アジア開発銀行のサイト
https://www.adb.org/news/features/southeast-asia-rising-pandemic


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