幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

ソニー復活のワケは「働き方」にあった?「配属ガチャ」とは真逆の驚きの人事制度とは ”やはり経営は人なのか?”

2024-09-22 10:06:36 | 社会

 売上高約13兆円、営業利益約1兆2000億円(2023年度決算)と、ここ数年、ソニーグループの躍進が著しい。テレビ事業の赤字から一時期どん底に沈んだソニーは、なぜ復活できたのか? ゲーム、音楽、映画といったエンタテインメント事業が伸長して売上高の6割を占めるようになったのもその一因だが、その根っこにはソニーの「働き方」がある。「配属ガチャ」のデメリットが言われて久しいが、これとは真逆の人事を貫いてきたのがソニーだ。ソニーを40年以上取材し、このほど『ソニー 最高の働き方』を刊行した経済ジャーナリストの片山修氏がソニーの人事の肝を明らかにする。 

● 配属ガチャで離職する 若手社員も少なくない  
 「配属ガチャ」――。新卒社員の多くは、入社後の配属先に不安を持つ。やりたくない仕事をやらされるかもしれない。パワハラ上司のいる部署に配属されるかもしれない。配属先が、自分の希望や意思に関係なく運次第で決まってしまう。そのことをコインを入れてレバーを回せばランダムにカプセルが出てくる玩具になぞらえ、皮肉を込めて表現した言葉が「配属ガチャ」だ。  希望とは異なる部署に配属された新卒社員の中には、離職を選択する人も少なくない。離職までいかなくても、モチベーションや生産性の低下は避けられない。企業にとっては大損失だ。  なぜミスマッチが起きるのか。若い世代は、自分の価値観を大事にする。価値観が合わなかったり、居心地が悪いと感じた仕事には距離を置く。やりたくない仕事を我慢して続けるのは苦手だ。また、幅広い業務をこなすゼネラリストより、早く専門性を磨きたいという意識が強い。会社が敷いたレールに乗るのではなく、キャリアパスやライフスタイルを自分で選び取り、成長実感を得たいと考えているのだ。  しかし、年功序列や終身雇用にしばられた日本の雇用慣行は、こうした若い世代の価値観に対応できていない。ミスマッチの最大の原因だ。  これまでの日本の会社は、会社の求める人材像に沿って社員を採用し、そのキャリア構築も企業が担っていた。社員もキャリア構築を企業に任せることが普通だった。しかし、年功序列や終身雇用は大きく崩れた。就職した会社で定年まで働けるとは限らない。会社の辞令にしたがって配属された部署で仕事をこなす会社任せのキャリア構築は限界にきている。キャリア構築を会社に委ねることはむしろリスクでさえある。

 その結果というべきか、日本企業の社員と企業の信頼の強さを表すエンゲージメントスコアは、世界の最低レベルだ。つまり、会社に対する愛着、信頼、貢献意識を持つ社員の割合が極端に低い。社員がキャリア構築を主体的に管理できないことが理由の1つではないか。  若い世代は、年配の人たちの働き方を見て、ああいう働き方はやっていけないと思い始めたのだ。このままでは、若い世代の離職は止まりそうもない。 

● 「自分のキャリアは自分で築く」を 創業以来、貫くソニー  
 ここに、例外がある。ソニーグループだ。  ソニーには、「自分のキャリアは自分で築く」という不文律がある。会社が一方的に社員のキャリアを決める「配属ガチャ」とは、一線を画す。  まず、新卒採用は、職種コースごとに採用を行う「コース別採用」だ。入社後は、社員一人ひとりが主体性を持ってキャリアを構築するための多様な選択肢が用意されている。そこに根づくのは、社員と会社の対等な関係性である。  ソニーは創業以来、会社と社員の対等な関係を大切にしてきた。創業者の1人の井深大が起草した「設立趣意書」には、「一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き個人の技能を最大限度に発揮せしむ」とある。  
 もう1人の創業者の盛田昭夫が新入社員に語り続けてきたのが次の言葉だ。  「ソニーに入ったことをもし後悔することがあったら、すぐに会社を辞めたまえ。人生は一度しかないんだ。そして、本当にソニーで働くと決めた以上は、お互いに責任がある。あなたがたもいつか人生が終わるそのときに、ソニーで過ごして悔いはなかったとしてほしい」  
 その盛田が1966年につくったのが、「社内募集制度」だ。自ら手をあげて希望する部署やポストに応募できる仕組みで、マッチングが成立したら3カ月以内に異動が決定する。すでに累計8000人以上がこのプログラムで異動している。  自律的なキャリア構築は、「配属ガチャ」の末路のやらされ感とは真逆だ。社員は自らの責任で働く場を選び、そこから得た学びや人とのつながりによって自分のキャリアをつくっていく。自分らしさを押し殺して求められる役割に応えるのではなく、自分のキャリアを自分の意思でつかみとるのだ。やりがいとモチベーションはおのずと高まる。 

● 個人と会社が 互いに高め合う関係を築く  
 ここへきて空前の好業績を上げているソニーだが、かつて2000年代にはどん底を経験した。04年度にテレビ事業が赤字に転落し、08年度から14年度の7年間の連結純損失の累計は1兆円を超えた。  求められたのは、復活に向けた新たな挑戦だった。事業ポートフォリオの大胆な組み替えを行い、リソースのシフト、スキルのシフト、マインドのシフトに取り組んだ。同時に、創業以来、受け継がれてきた個人と会社の関係性をいま一度、結び直した。  新たに打ち出したのは、個人と会社が緊張感を持って互いに高め合う関係である。その関係性の上に立ってつくられたのが、本来の担当業務を続けながら、業務時間の一部を別の仕事に充てられる「キャリアプラス制度」、仕事を通じて高評価を獲得した社員にフリーエージェント(FA)権が与えられる「社内FA制度」、社員自らプロフィールを登録し、必要とするスキルや経験が合致した場合に求人中の職場や人事から声がかかる「キャリアリンク制度」――である。  これらの制度は、異動を促すためにあるのではない。社員の自律的なキャリア選択を支援するのが目的だ。先ほど紹介した創業者の2人、井深と盛田の理念を具体化した制度といえる。  賃金制度も変えた。「ジョブグレード制度」を導入し、仕事の役割に応じて賃金を払う制度に移行した。年功序列的要素、属人的要素は払拭された。  2021年4月のソニーグループ発足にあたっては、人事フィロソフィー「Special You, Diverse Sony」を定めた。「主役はあなた、多様性こそがソニーの競争力」という意味である。  現在のソニーを牽引するのは、自らの意思でプロジェクトを立ち上げ、さまざまな部署からメンバーが集まって誕生した事業だ。多様な個の集まりが、独創性ある商品やサービスをつくりだしている。  彼らの肉声と息づかいを拾いながらまとめたのが、『ソニー 最高の働き方』(朝日新聞出版刊)である。一人ひとりがやりたい仕事に挑戦し、果敢に人生を切り拓いていく。会社はチャレンジする個人を後押しする。そこには、個人と会社の幸福な関係性がある

感想
 人が頑張れる仕組み、そして頑張ったらそれ相当の評価がされる仕組みが大きいのでしょう。
 盛田氏の言葉はその通りですね。
よく、「異動したい」と上司に言うと、「今の職場で頑張って成果を出してから」という場合がありますが、今の職場で頑張れないから言っているのです。
 ただ、転職と同じで、転職を繰り返してどんどん厳しくなる人もいます。
 自分の人生をどうしたいかですから、居ると決めたらそこで頑張ることなのでしょう。
 また出たらその職場で頑張ることなのでしょう。
 ブラック企業、ブラック職場もありますが、隣の芝生は青く見えがちです。
言えることは、心身を壊してまでその仕事に拘らないことだと思います。