英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2013 春の高校バレー

2013-01-14 22:02:22 | スポーツ
 13日は忙しい日でした。連休の中日(なかび)は仕事が忙しいはずなのですが、それほどではありませんでした。では、何が忙しかったのかと言いますと、テレビです。特にスポーツ中継が多く、都道府県対抗女子駅伝、春の高校バレー決勝、全日本総合バスケットボール選手権・女子決勝、ラグビー大学選手権決勝、大相撲初場所初日と盛りだくさん(ラグビーと相撲は観ません)。また、NHK杯将棋トーナメント3回戦・中村太地六段×渡辺竜王戦、大河ドラマ『八重の桜』、韓国大河ドラマ『イ・サン』の最終回とこれまた大変。

 春の高校バレーが2011年より3月から1月に改変されたため、余計1月のスポーツイベントが賑やかになった。今回、1月5日に1回戦、6日に2回戦、7日に3回戦と準々決勝が行われ、4日休んで12日に準決勝、13日に決勝という日程だった。
 学校の授業や父母などの応援団、大会運営者の都合を考えると、この日程の方が良いのかもしれないが、試合が3日連戦となる3日目に3回戦と準々決勝の連戦はきびしいのではないだろうか?
 抽選なので仕方がないが、強豪が偏るトーナメントの組み合わせだった。第1シードは東九州龍谷(前大会優勝・5連覇中)、第2シードは川崎橘(高校総体優勝)、第3シードは氷上(前大会準優勝)、第4シードは鹿児島女(高校総体準優勝)と各ゾーンに振り分けられたが、国体優勝で優勝候補筆頭の九州文化学園、国体準優勝の誠英、前大会3位の下北沢成徳、その他上位常連の古川学園、共栄学園(高校総体3位)、京都橘、超高校級アタッカー古賀紗理那を擁する熊本信愛女、ユース代表セッター山川愛里がトスを上げる文京学院大女などが1回戦から登場するノーシード。
(第5シードが細田学園という情報はあるが、だい6~8シードは不明だが、おそらくシード校は2回戦からと考えられるので、上記の強豪チームはノーシードであろう)

 抽選の悪戯、疑問のシード選定もあり、有力チームがつぶし合う展開だった。
 まず、2回戦で第3シードの氷上が古川学園に、第4シードの鹿児島女が文京学院大女に敗れた。古川学園は3回戦に共栄学園に勝ったが準々決勝で熊本信愛女に敗れた。文京学院大女も3回戦は都市大塩尻に勝ったが、準々決勝で柏井に敗れ姿を消した。
 3回戦では6連覇を狙う東九州龍谷が京都橘に敗れ、その京都橘も誠英に敗れた。また同じく3回戦では、第2シードで総体覇者の川崎橘と優勝候補筆頭の国体覇者の九州文化学園が激突し九州文化が準々決勝に歩を進めたが、下北沢成徳に敗れた。

【女子準々決勝】
誠英(山口)2(25-18、19-25、27-25)1 京都橘(京都)
柏井(千葉)2(25-22、16-25、25-23)1 文京学院大女(東京)
熊本信愛女(熊本)2(25-20、25-23)0 古川学園(宮城)
下北沢成徳(東京)2(25-23、19-25、25-22)1 九州文化学園(長崎)

 結局、準決勝はノーシード(と思われる)誠英×柏井、下北沢成徳×熊本信愛女子の対戦となった。しかも、この4校の中に第1~第4シードを破ったチームはいない。

 放送時間が少なく、特に熱戦や東九州龍谷が敗れるなど動きが大きかった3回戦・準々決勝が行われた3日目が1時間の放送枠だったのは残念。準決勝もほぼ1試合だけ、しかもカットありだったのも残念。せめて、余分な要素を減らして、1分でも多く試合を中継して欲しい。(余分な要素については、察してください)

 その準決勝の下北沢成徳×熊本信愛女子は大熱戦だった。成徳は準々決勝の九州文化学園とも大熱戦を繰り広げていたが、それに勝るとも劣らない内容だった。
 下北沢成徳は昨年の大竹ほどの大エースはいないが、小笹を中心に他の4選手の誰もが攻撃力がある。またサーブも強力。
 一方の熊本信愛女は超高校級アタッカー古賀紗理那を軸にまとまりの良いチーム。
 第1セットは、成徳の厚みのある攻撃に信愛は的が絞れずずるずる押し切られた。エース古賀も不発気味。このまま成徳の圧勝かと思われた。
 第2セットは接戦となったが、中盤に入り成徳がリードした時点で、やはり成徳の勝ちかと思われたが、メンバーの奮闘する中、古賀が当たり出し、相乗効果で他の選手も働き、接戦をものにした。
 第3、第4セットは中継はカットされたが、第3セットを成徳、第4セットを信愛がやや一方的に取り、最終セットにもつれ込んだ。(第4セット序盤は成徳ペースだったらしい)
 最終セットも一進一退の展開。しかし、中盤からこの日大活躍の辺野喜が爆発。6-7から3連続ポイントで9-7と逆転。勢いをつかんだ成徳が15-9で押し切った。

下北沢成徳(東京)3(25-18、23-25、25-13、15-25、15-9)2 熊本信愛女(熊本)


 もう一試合の準決勝は
誠英(山口)3(25-22、25-12、25-23)0 柏井(千葉)

 これで決勝は、下北沢成徳×誠英となった。
 この顔合わせと言うと、2002年の決勝、下北沢成徳(当時の校名は成徳学園)の大山加奈と誠英(当時の校名は三田尻女子)の栗原恵の激闘が思い出される。(成徳が3-1で勝ち、優勝)
 今回のチームカラーは攻撃の成徳対守備の誠英。
 第1セットは成徳が押し気味に進め、25-21で押し切る。
 第2セットの戦いは熾烈を極めた。互いに主導権を与えず、競り合ったまま終盤へ。
 しかし、中盤は誠英がペースをつかみ、20-16とリード。成徳が奮起し22-22と追いつく。そのままデュースに突入。そこからも一歩も譲らず得点は30点台に。そこから、成徳が渾身のブロックで3連続得点で第2セットをもぎ取った。
 ここで誠英は気落ちするかと思ったが、へこたれず誠英ペースで進む。ところが終盤になると成徳が根性を発揮する。
 17-20からエース小笹がブロックを弾き飛ばす(ブロックアウト)、18-20。
 ピンチサーバーの森田がサーブミス、18-21。
 見ごたえあるラリーの末、誠英の決めに出たスパイクがわずかにアウト、19-21。
 ネットインサーブも誠英はきれいにセッターに返したがスパイクをふかしてしまい、20-21。
 タイムアウトを取った誠英だが、ミスを続け22-21と逆転を許す。再び、タイムアウト。
 強烈なサーブ(連続の失点はこのサーブに起因しているようだ)をセッターに返し、何とかスパイクで返す。ラリーの後、近藤が気迫のスパイクを決め、22-22。
 この次の一点が勝負だった。サーブは誠英で有利なのは成徳だったが、サーブレシーブがやや乱れ、主導権は誠英が握った。しかし、誠英のスパイクを4本拾い、1本はブロックで跳ね返す。このラリー中、成徳も2本スパイクを打つが、誠英も好レシーブで譲らない……誠英の6本目のスパイクを辺野喜が渾身のブロックを決め、23-22。
 結局、25-23でこのセットももぎ取り、勝利。優勝!

下北沢成徳(東京)3(25-21、33-31、25-23)0 誠英(山口)


 今大会、あるいはここ数年、心を震わせる試合が多い。
 特に目につくのは、リベロを中心としたレシーブ力のアップ。神がかり的なリベロのレシーブを何度も目撃した(ワンプレー中に何度も超美技でラリーをつなぐ)。忠実なブロックフォロー。そして、つなぎのプレーがレベルアップしている。好レシーブをトスにつなげる。崩れながらもトスを上げる。乱れたトスをしっかり打ち切る。ラリーの密度、質が高いのである。
 監督も素敵だ。男子優勝の星城の監督は、タイムアウトを取るだけで、チームの輪の中には入らず一切を選手たちに任せていた。
 誠英の監督は、エンドラインぎりぎりのサーブを拾ったリベロに対して「もちろん今のは入っていた」としっかりプレーを認める。
 また、「やられるときはいつも同じようにやられるだけ」「何回も勝負の神様が宿題を出してくれているのといっしょや。でも、まずはサーブカット」と精神的なアドバイスと技術的な指示をうまく織り交ぜる。プレー中に控え選手に相手の攻撃パターンをカードやボードを表示させ分析もしていた。
 ちなみに、選手を怒るだけの名門校は今回は予選で敗れていた。

 本当は、もっともっと熱戦の模様を書き記したいが、時間と筆力が足りない(バスケットのJX-トヨタ自動車戦も書きたい)。だれか、書いてくれないかな。それと、どなたか素晴らしい記事を書かれているブログをご存知でしたら教えて下さい。
コメント (2)
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