英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『八重の桜』 第4話 「妖霊星」

2013-01-27 22:24:38 | ドラマ・映画
 西郷頼母の必死の訴えと松平容保(綾野剛)の理解によって、覚馬の禁足も解かれ、西洋砲術指南役、蘭学所教授に復職するとともに、軍事取調役と大砲頭取に抜擢された。
 早くから覚馬の才を認めていた林権助も後押ししたようで、さらに勘定方・樋口の娘・うらとの婚礼も行われた。


 国の動きも緊迫度を増す。
水戸の一橋慶喜を推す徳川斉昭の一橋派 対 紀州の徳川慶福(後の徳川家茂)を推す井伊直弼の紀州派

 薩摩藩・島津斉彬の命で西郷吉之助を遣い、京の有力公家を抱き込むなど一橋派が有利に進めていたが、突如として井伊直弼が大老に就任。時代は春嶽の思惑とは反対に動き始めた。……というナレーションで事態は急変。なんで?

井伊直弼が独断で日米修好通商条約を締結
どういう意図で日米修好通商条約に固執するのか?
 まず、慶喜の追及を13代将軍・家定の不快(体調不良)とかわし、
 「清に侵攻する英・仏を恐れて米との和親を進めた」と徳川斉昭ら水戸家・尾張家に釈明し、違勅調印の件の非を詫びる意思を示したが、「押しかけ登城はご法度」の件を持ち出し「重いご処分覚悟で御登城された割にはさしたるお話でもござりませんでしたな」と反撃。

徳川斉昭…謹慎、松平春嶽…隠居謹慎、一橋慶喜…登城停止の処分が下され、政治の表舞台から排除された。
 そして、反直弼派の動きを抑えるため安政の大獄が始まった。

国を思う人々、それぞれの思い
島津斉彬(一橋派)「門閥に囚われず、有為の人材を登用してこそ国は強うなれる。わしはその望みを一橋慶喜公に託しておる」……薩摩の人間は優れており、薩摩藩こそ国政を取り仕切るべき

松平春嶽(一橋派)「あなた様(慶喜)がお世継ぎとなれば、我らの手で幕政改革が一気に進みましょうぞ」……国政をわが手で行いたい

勝麟太郎(中立派?)「どなたがお世継ぎとなられても、天下のことは公明正大。公然と議せられるべきと存じます」……まさに公明正大。覚馬と気が合いそう。

そして、井伊直弼(紀州派)
「物事の筋目は通さねばなりませぬ。御家紋であろうと、法に背けば処分を受ける。その秩序が国を治めるのです」
「そもそも、鎖国などは幕府が定めた措法にござる。天下の政は幕府が執り行うものと、調停よりご一任いただいておるのですぞ。
 臨機応変の判断を誤り、国を滅ぼしては、却って不忠となります。無断調印の咎めは我が身一身に背負えば済むこと」
「命を捨てる覚悟なくては、国事に当たれませぬ」
………誰であろうと、法を守り、法によって律されるものである。命を懸けて国を守るかくごである。素晴らしいことを言っているようであるが、「臨機応変」に法を解釈しているだけに思える。無断調印よりも押しかけ登城の方が罪が重いのか?処分が早いのか?……そして、安政の大獄が始まった。

 なぜ、直弼が大老に就任できたのか?
 無断調印や御三家を処分できたのは、大老職の権力ゆえなのか?
 直弼が米との条約調印に固執した理由は?


 ……慶喜とのやり取りで将軍・家定が直弼の傀儡であること、容保とのやりとりで直弼の信条や覚悟は理解できたが、もう少し深く描いてほしかった。
 主人公が会津にいるので仕方がないとも言える。前作は京(朝廷)と神戸(福原)の世界だけ描けばよかったが(あとは広島と福岡と鎌倉)、今回は国全体とヒロイン周辺を描かなければならないので難しい。


 さて、そのヒロイン周辺だが、
うら(長谷川京子)、登場!
「“西向いてろ”と言われれば、一年でも西向いているような女子」で、
 貞淑で内助の功に努める“良い嫁”“良くできた嫁”、「やをたてず、黙って夫と姑に従うのが女の道」という教えに則った“嫁の鏡”であった。

 その女の道と対極にいる八重には「嫁に行くって、つまんねえことだな」と。


柔の尚之助 剛の覚馬
 覚馬は慎重派(完璧主義者)であるが、「剛直」「短気」の一面も強いのは、先週の通り。
 「柔の尚之助」については、意識して描かれているかは不明だが、そういう印象を受ける。
 黒船乗り込み計画の際、会津の蘭学所開設前に押しかけるなど猛進タイプではあるが、「居候」という肩身の狭い身分も意に介さず、覚馬禁足の折りも深刻にならず、飄々としている。
 今回、覚馬の祝儀の際にも、士官の件がうまくいかないことを詫びる八重に対し、
「身分や立場など、どうでもよいのです。ここにいれば、私のやりたいことができる。それで充分です」
 尚之助の行動の素は、「好奇心」のような気がする。


【ストーリー】番組サイトより
 1858(安政5)年、西郷頼母(西田敏行)の松平容保(綾野剛)への働きかけが実り、覚馬(西島秀俊)の禁足が解かれ、八重(綾瀬はるか)もわがことのように喜ぶ。さらに、尚之助(長谷川博己)の教授方就任もかない、覚馬はうら(長谷川京子)をめとることになった。
 一方、幕政では大老になった井伊直弼(榎木孝明)が、水戸藩主・徳川斉昭(伊吹吾郎)ら一橋派に無断で日米修好通商条約を締結。激怒した斉昭らは井伊のもとへ押しかけるが…。
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