英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒 eleven』 第13話「幸福な王子」

2013-01-24 21:10:44 | ドラマ・映画
 今回のストーリーのモチーフになった童話の邦題は『幸福の王子』。本によっては『幸福な王子』と題しているものもあるようである。
 今回の相棒のサブタイトルは『幸福王子』となっている。右京たちも『幸福な王子』と訳していた。
童話の内容からすると『幸福の王子』の方が合致している気がするが、『イル プリンチぺ フェリーチェ』を正確に訳すと『幸福な王子』なのだろうか?文法的な問題、あるいは感覚的な問題で、深い意味はないのかもしれない。
 容疑者の野間が、その幸福な王子のごとく「他人の幸せが私の幸せ」という考えを実行していて(有望な人物に出資する)、富豪であるが現金はない状況。そんな状況の中、死期が近いので娘が相続税を払えないというきゅちに追い込まれることが予想でき、投資した金について債権放棄をして相続税を減らす手段を採っていた。
 被害者の濱田は、野間から5000万円もの借金をしていたにもかかわらず、野間が下手に出ているのを良いことに、増長した態度をとったので殺されてしまったわけなのだが、実際に手を下したのは、野間の支援により成功した坂本であった。
 しかし、野間にしろ坂本にしろ、かっとして人を突き落す人物ではないように思えた。このように今回の話は、あちこちで話に粗さが感じられたが、今回の魅せどころはこの『幸福な王子』のモチーフと、妻が好きな童話の彫刻が庭の雨ざらしになる場所に置かれていた真意が、妻の病室から彫刻が見えるようにした野間の愛情ゆえだったということであった。

 その他の魅せどころとしては
ついに登場、陣川君!である。

 相変わらず思い込みの激しさと惚れっぽさであった。
 右京のイメージとしては「二枚目なのに、ちょっと何か抜けてる人」(享の評価でもある)で、新相棒の候補として、まるで思いつかない人物だったようである。
 新相棒として享が選ばれたことへの、陣川のやっかみと悔しがり方は面白かったが、せっかく登場した割には、右京と享を振り回すパワーはなく、存在感は薄かった。
 唯一光ったのは、
「お父さんのことを、そういうふうに悪く言うもんじゃないよ。
 白いパンツにブルージャケット着てる人に、悪い人はいないんだから」

という台詞ぐらいだった。
 「あずみも自分を好いている」という思い込みは、いったいどこから来るのか。粘着性はないのでストーカーにはならないと思うが、彼を落としすぎである。

 逆に、享を持ち上げすぎている。
 すでに右京の相棒としてそつなく行動しすぎで、若さゆえの先走りもないし、経験や知識のなさも未熟さもあまり感じられない。
変な表現だが、呼吸が「あうん」過ぎ。

 先にストーリーに粗さを感じたと述べたが、その最たるものは、コーヒーカップに残された唾液が野間のモノであるかをDNA鑑定するのに、野間が渡した封書を都合良く秘書が落とし、それを都合よく右京たちが拾い、雑用で整理していた切手を陣川を介して、たまたま享が持っていた。
 しかも、廊下で拾った封書を「まるで調べてくれっと言っているようなものじゃあありませんか」と右京が言い、「(切手を)都合よく持ってますねえ」と言って、都合のよい展開を茶化してごまかしている。

 母を一人で死なせたという思い(先入観)から、父の気持ちが理解できないでいたあずみが、彫刻の置き場所の真意が理解できたというのも都合よすぎに感じる。
 母とは親密に過ごしていたので、母の様子から夫婦間の愛情があったことは感じられたはずだと思う。

 不出来なストーリーだったように思う。

【ストーリー】番組サイトより
 特命係の部屋に陣川(原田龍二)がやってきた。が、あいにく右京(水谷豊)は留守。応対する享(成宮寛貴)を見て露骨に不機嫌になる陣川だが、享にはなにがなにやら訳がわからない。

 そのころ右京はアートイベント企画会社社長・濱田(佐々木研)の殺害現場にいた。倉庫を調べると、高値がつけられるであろう作家の作品が5点なくなっていることが判明。社員の証言から濱田が借金をしていた添野(森岡弘一郎)という人物が浮上する。

 享は悦子(真飛聖)の知り合いのあずみ(足立梨花)の自宅へ。自宅の庭から消えた彫刻を探してほしいという依頼を受けてのものだが、なぜか陣川も同行。あずみから話を聞いた享は他部署へ連絡しようとするが、陣川が自ら探すと勝手に約束してしまう。どうやら例によってあずみに一目ぼれしてしまったらしい…。

 消えた彫刻に秘められた謎とは?

ゲスト:原田龍二 足立梨花 山下規介
脚本 :徳永富彦
監督 :近藤一彦
コメント (2)
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