石橋女流の対局放棄騒動が勃発してから半年以上が過ぎた。LPSAが謝罪し、渡部愛さんの女流3級が認められ、将棋連盟とLPSA間の雪解けの気配が感じられるようになった。
【ブログ内、関連記事】
『残念な対局放棄』(2013年1月31日記事)
『LPSA声明「日本将棋連盟による女流棋戦からの排除行為について」について』(2013年5月17日記事)
『LPSA、ようやく謝罪したが……』(2013年6月23日記事)
とは言え、LPSAの謝罪表明「株式会社マイナビ様への謝罪」は、その表題を見ても明らかのように、マイナビに対してのみの謝罪であり、その内容も、対局放棄に及んだことの言い訳と最低限の謝罪としか感じられないものだった。
【引用】
「この判断と行動(対局放棄など)については、拙速かつ一方的であった、現段階において結果として間違っていたものと考えるに至り、今ここに「契約違反があった」という弊協会としての主張は取り下げさせていただきます。
これに起因した一連の記者会見や、1月30日の準決勝対局の放棄、適切ではなかった書面の送付かつ公開など、長年将棋界を支援して下さってきた株式会社マイナビ様への礼を失した対応により、多大なご迷惑と不快の念を与えましたことを、謹んでお詫び申し上げます。」【引用 終】
この記事以後、LPSAの動きを注視したが、表に現れる将棋連盟の謝罪、また、将棋ファンへの説明はなかった。
動きがあったのは、7月12日。連盟が「LPSA、渡部愛さんへの対応について」を公表した。
特例として渡部さんの女流3級を認め、女流棋士3級の資格を得る条件として現状の研修会C1クラス到達のほか、女流プロ公式戦でアマチュアが規定の成績をおさめた場合にもその資格を認めることを検討していることを表明した。
また、これに加え、「連盟が2月22日記者会見で発表した『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』の項目に関して、発表通り1年間の処分を継続。なお、対局放棄の再発防止策を講じないなど、今回の件に対し、日本女子プロ将棋協会の誠意ある行動が認められない場合、さらなる期間延長をする」と明示した。
これに呼応してLPSAは、7月16日、「ご心配とご迷惑をおかけした皆様へ」(ご報告)を表明。
しかし、表題の「ご報告」とあるように、
「先般来の一連の事態に対し、長きに渡り将棋界を応援して下さっているファンの皆様、多くのご関係の皆様にご心配をお掛け致しておりますことに、心よりお詫び申し上げます」(引用)
と、謝罪の文はあるものの、渡部愛さん問題の一応の決着と感謝の意、本人のコメント(謝辞)、さらに、今後のLPSAの決意表明が主たるもので、「対局放棄」の謝罪は全くなかった。
いかなる理由があろうとも(今回の場合、理由の正当性も怪しい)、その行為が誤ったものであるなら、その謝罪と償いはしなければならない。しかし、LPSAは償いどころか謝罪も行わない。
普通に考えて、棋士にあるまじき「対局放棄」をしたなら、何らかの処分を下すのが真っ当な組織であろう。さらに、対局放棄に続く記者会見や文書表明など名誉棄損とされても仕方がない行為を行ったことに対する「おとしまえ」も付けていない。
「対局放棄」に関しては、上記の『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』ことで、決着したと考えているのかもしれないが、それでも、「出場停止」という処分を下すのが組織というものだろう。ましてやLPSAは公益社団法人である。
結局、「今回の一連の騒動に関して、棋士・石橋幸緒も、組織・LPSAも謝罪・粛清するほどの行為は行っておらず、この騒動によって、渡辺愛さんの女流棋士の身分と、今後の女流棋士の待遇改善を勝ち取ったと考えている」と判断せざるを得ない。
実は、今回の記事の動機は、将棋連盟の現在の石橋女流の扱いについてですが、ここまでで力尽きてしまったので、例によって「その2」に持ちこさせていただきます。
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『LPSA声明「日本将棋連盟による女流棋戦からの排除行為について」について』(2013年5月17日記事)
『LPSA、ようやく謝罪したが……』(2013年6月23日記事)
とは言え、LPSAの謝罪表明「株式会社マイナビ様への謝罪」は、その表題を見ても明らかのように、マイナビに対してのみの謝罪であり、その内容も、対局放棄に及んだことの言い訳と最低限の謝罪としか感じられないものだった。
【引用】
「この判断と行動(対局放棄など)については、拙速かつ一方的であった、現段階において結果として間違っていたものと考えるに至り、今ここに「契約違反があった」という弊協会としての主張は取り下げさせていただきます。
これに起因した一連の記者会見や、1月30日の準決勝対局の放棄、適切ではなかった書面の送付かつ公開など、長年将棋界を支援して下さってきた株式会社マイナビ様への礼を失した対応により、多大なご迷惑と不快の念を与えましたことを、謹んでお詫び申し上げます。」【引用 終】
この記事以後、LPSAの動きを注視したが、表に現れる将棋連盟の謝罪、また、将棋ファンへの説明はなかった。
動きがあったのは、7月12日。連盟が「LPSA、渡部愛さんへの対応について」を公表した。
特例として渡部さんの女流3級を認め、女流棋士3級の資格を得る条件として現状の研修会C1クラス到達のほか、女流プロ公式戦でアマチュアが規定の成績をおさめた場合にもその資格を認めることを検討していることを表明した。
また、これに加え、「連盟が2月22日記者会見で発表した『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』の項目に関して、発表通り1年間の処分を継続。なお、対局放棄の再発防止策を講じないなど、今回の件に対し、日本女子プロ将棋協会の誠意ある行動が認められない場合、さらなる期間延長をする」と明示した。
これに呼応してLPSAは、7月16日、「ご心配とご迷惑をおかけした皆様へ」(ご報告)を表明。
しかし、表題の「ご報告」とあるように、
「先般来の一連の事態に対し、長きに渡り将棋界を応援して下さっているファンの皆様、多くのご関係の皆様にご心配をお掛け致しておりますことに、心よりお詫び申し上げます」(引用)
と、謝罪の文はあるものの、渡部愛さん問題の一応の決着と感謝の意、本人のコメント(謝辞)、さらに、今後のLPSAの決意表明が主たるもので、「対局放棄」の謝罪は全くなかった。
いかなる理由があろうとも(今回の場合、理由の正当性も怪しい)、その行為が誤ったものであるなら、その謝罪と償いはしなければならない。しかし、LPSAは償いどころか謝罪も行わない。
普通に考えて、棋士にあるまじき「対局放棄」をしたなら、何らかの処分を下すのが真っ当な組織であろう。さらに、対局放棄に続く記者会見や文書表明など名誉棄損とされても仕方がない行為を行ったことに対する「おとしまえ」も付けていない。
「対局放棄」に関しては、上記の『連盟は、石橋幸緒女流四段を、連盟の主催する棋戦における出場者として一切の推薦をしない』ことで、決着したと考えているのかもしれないが、それでも、「出場停止」という処分を下すのが組織というものだろう。ましてやLPSAは公益社団法人である。
結局、「今回の一連の騒動に関して、棋士・石橋幸緒も、組織・LPSAも謝罪・粛清するほどの行為は行っておらず、この騒動によって、渡辺愛さんの女流棋士の身分と、今後の女流棋士の待遇改善を勝ち取ったと考えている」と判断せざるを得ない。
実は、今回の記事の動機は、将棋連盟の現在の石橋女流の扱いについてですが、ここまでで力尽きてしまったので、例によって「その2」に持ちこさせていただきます。