英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋雑感 ~A級順位戦~

2014-01-19 21:10:36 | 将棋
A級順位戦 ~谷川九段がA級陥落(在籍連続32期)~
 開幕前から、≪今期は危ない≫と考えられていたが、2局残しての陥落が決定してしまうとは…。
 今期は、星のつぶし合いが激しく、羽生三冠、渡辺二冠、深浦九段以外は陥落の危険性があるという熾烈な残留争い。なので、苦戦が予想された谷川九段ではあるが、星を伸ばせなくても最終局で残留の可能性が残っていると読んでいた。
 しかし、谷川九段が1勝しか星を挙げられず、成績8位、9位に位置していた棋士たちが勝ち星を挙げてしまったので、谷川九段が逆転残留する可能性がなくなってしまった。会長職の多忙さは気の毒だが、序盤はそこそこ戦えていた将棋は多いが、中終盤で指し手を誤り、終盤失速する将棋が多かったのが寂しい。

 挑戦権争いは、7勝0敗の羽生三冠と5勝2敗の渡辺二冠に絞られた。マジック1の羽生三冠が圧倒的優位だが、羽生ファンとしては、残り2局を連敗し、渡辺二冠が連勝し、同率決戦で敗れるという可能性を考えてしまう。挑戦権を逃す確率としては1/32だが、渡辺二冠が連勝は絶対と考え「再戦の可能性」は1/4。そして再戦になってしまっては流れが悪すぎるので勝つ気がせず、“心配性の目”で見ると挑戦権を逃す確率は1/4となってしまう。
 できれば次に勝って決めてほしいと思うのは、「将棋界の一番長い日」の盛り上がりを考えない点で、将棋ファン失格なのかもしれない。

 7回戦終了時の成績は
7勝0敗……羽生(1位)
5勝2敗……渡辺(4位)
4勝3敗……深浦(7位)、行方(9位)
3勝4敗……郷田(3位)、屋敷(5位)、佐藤康(6位)、久保(10位)
2勝5敗……三浦(2位)
1勝6敗……谷川(8位)

 陥落は、三浦九段、久保九段、佐藤九段、屋敷九段、郷田九段の順に危ない。
 4勝の深浦九段と行方八段は順位が低いので、三浦九段が連勝した場合、他の3勝者の星によっては陥落の危険性はありそうだが、最終局に久保-三浦戦があるので陥落の可能性はない。
 3勝者は三浦九段が2位と順位が良いので、安泰ではない。しかし、順位の良い郷田九段は残り2局を連敗しても、4人がすべて郷田九段を上回る星の配分はなかなか生じないだろう。佐藤九段はあと1勝は加えておきたい。
 久保九段、三浦九段は苦しい立場。次局に勝てば屋敷九段や佐藤九段らが敗れると立場が逆転するが、最終局に久保-三浦戦があるので、どちらかが陥落者となる可能性はかなりある。
 

 8回戦の組み合わせは
▲羽生 善治三冠(7勝0敗)-△深浦 康市九段(4勝3敗)
▲渡辺 明 二冠(5勝2敗)-△三浦 弘行九段(2勝5敗)
△行方 尚史八段(4勝3敗)-▲谷川 浩司九段(1勝6敗)
△郷田 真隆九段(3勝4敗)-▲久保 利明九段(3勝4敗)
▲屋敷 伸之九段(3勝4敗)-△佐藤 康光九段(3勝4敗)

 羽生-深浦戦は、最近の実績や対局を考慮すると、羽生三冠の勝ち。
 渡辺-三浦戦は、三浦九段は今期は2連勝後5連敗。こういう場合、最終局まで連敗が続き、最終局は勝ち星を挙げるというパターンを踏襲するような気がする(←単なる私の思い込み)。矢内女流がA級から陥落した時もこんなパターンだったかなと思って確認したら、3連勝後6連敗だった。
 行方-谷川戦は、陥落が決定したことで、余計な雑念が消えた谷川九段の勝利。
 郷田-久保戦。この二人の対戦は星が偏る。現在は郷田九段が非常に分のいい時期。また、全体的にも郷田九段が対戦成績をリードしているので、郷田九段の勝ちと予想。
 屋敷-佐藤戦は、全く予測不能。順位戦先手の連勝が止まったとはいえ、屋敷九段の先手番の強さを根拠に、屋敷九段の勝ち。

 最終局は(カッコ内の勝敗は、8回戦の私の勝手な予想を加えた成績)
△羽生 善治三冠(8勝0敗・1位)-▲郷田 真隆九段(4勝4敗・3位)
△渡辺 明 二冠(6勝2敗・4位)-▲佐藤 康光九段(3勝5敗・6位)
△屋敷 伸之九段(4勝4敗・5位)-▲行方 尚史八段(4勝4敗・9位)
▲深浦 康市九段(4勝4敗・7位)-△谷川 浩司九段(1勝6敗・8位)
△久保 利明九段(3勝5敗・10位)-▲三浦 弘行九段(2勝6敗・2位)
 やはり、もう一人の陥落者は、久保-三浦戦の敗者となりそうだ。先述した勝手な思い込みのパターンを採用、更に、順位戦での瀬戸際の三浦九段の強さを考慮すると、久保九段陥落の予想となる。

 

コメント (13)
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