英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season14 第8話「最終回の奇跡」

2015-12-10 21:59:49 | ドラマ・映画
漫画のシーンと、殺人の現場の様子が酷似していた………
        ………漫画で殺人を予言したのだろうか?


 面白いシチュエーションだ。
そのまま単純に考えれば、「咲良が殺人を予言した」となる
しかし、偶然や奇跡と考えなければ、
漫画のシーン通りに殺人を行えるのは、編集長、編集者、漫画家・咲良、その姉・ますみの4人。
    ……誰が犯人なのか……………
        ………………その誰でもなかった


①最初に疑われたのは、犯行時刻にアリバイがなったことが発覚した編集長。
②しかし、編集長は不倫相手に呼び出されており、アリバイが成立。
③その不倫相手が、漫画家邸から女性が出ていくのを目撃。
④咲良は足が不自由なので、犯行可能なのは姉のますみということになる
⑤咲良の足は治っていること、漫画を姉が手伝っていることが判明→咲良が犯人か?
⑥3年前の転落事件の際、最終回の原稿が持ち去られていたことが判明。
 →犯行は持ち去られた原稿を見た者なら、犯行は可能である
⑦ネットにアップされた画像の中に、漫画と同じアングルのモノがあり、それをアップしたモノが怪しい。
 →犯人は3年前は咲良と衝突しけがを負わせたマネジメント会社の社員だった

 下記の捜査や推理を積み重ねて、上記のように事件が解明されていく相棒らしい展開だった。 

咲良にまつわる謎や判明した事実
1.ファンを大事にしていた
2.心機一転すると、サインを一新
3.筆致はデビュー当時に戻っていた
4.3年前の転落事故で意識不明となり、その後遺症で足が不自由で車いす生活
5.漫画の創作作業に追われ続け、更に、原田(被害者)の金儲けに利用されていた
6.確かな姉の画力
7.車いす生活とカーペットの矛盾
8.被害者の手に血が付いていなかった点が、原稿と一致しなかった

 
 もう一つのテーマ
芸術家の創作欲


「これを書いたのは、あたしじゃぁありません、神様です」(ドラマの序盤の咲良の言葉)
「紙に向かうと、イメージが降ってくる」(姉が右京に説明した咲良の執筆の様子)  しかし、これらは視聴者に向けて“殺人の予言”を匂わせる為の台詞のように感じた。
 実際は「神は細部に宿る」というのが咲良の信条で、ラストシーンに3年間も拘り続け、ほんの細部ではあるが、修正し、満足できたという、創作欲に溢れ、努力を惜しまない創作家であった

 さらに、致命的な怪我を負わせた桜岡に対し、
「あの転落事故のおかげで、“まだ書きたい。もっと書きたい”という気持ちに気づくことができた」
「あの事故があったから、今度の最後の場面が書けた。指先の血、小さな違いですが、私には重要なことです……“神は細部に宿る”
「あなたのおかげで、いい最終回が描けました。これから、もっと凄いモノを描きます。ありがとう」

 咲良にとって、名声や著作権や金儲け(原田の悪行)はどうでもよかったんだね。


☆大きな疑問
 確かに画力や筆致は大きな要素で、思うように描けないのは、咲良にとっては辛いことだが、ファンにとっては未完の最終回を観たい。ストーリーの方が重要な気がする。
 また、原田が拘った“描くことができなくなった悲劇の天才漫画家”の価値より、漫画を描く“漫画家咲良”の方が価値があり、≪咲良の漫画を読みたい≫というのが一番の気持ちではないだろうか?



☆多少の疑問
・高校時代の咲良と、漫画家・咲良のイメージが一致しない
・咲良の特異性を強調させるためなのだろうか、姉が妹を公の場以外でも“先生”と呼ぶのは不自然。

☆余計な感想
 殺人は許されないが、被害者・原田は「漫画家・箱崎咲良に取りついた寄生虫」(by編集長)ぶりが酷いので、犯人・桜岡に対し、≪でかした!≫と思ってしまった。


【ストーリー】番組サイトより
大怪我から復帰した女流漫画家が殺人事件を予言!?
最終回のラストシーンに未来の出来事が描かれていた!

 人気漫画家・箱崎咲良(玄理)のマネジメントを担当する会社の社長・原田(内田健介)が、刺殺される事件が発生。現場は特徴的な建物付近の階段で、遺体の近くには花びらが散らばっていた。
 警察が到着する前に、その様子を複数の一般人がスマホで撮影しており、SNSに多数の現場写真がアップされるという騒動も起こる。そんな中、咲良の人気漫画を掲載する漫画雑誌編集部が、発売前である最終回のラストシーンと原田の遺体写真が、まったく同じ状況であることを公表。事件があったとき、咲良は編集部の人間によって缶詰状態でまさに最終回を執筆中だったといい、「天才漫画家が殺人事件を予言した」と触れ回った。
 咲良の大ファンである米沢(六角精児)は、咲良に疑いの目が向けられることを避けるため、特命係に捜査を依頼。事件に興味を持った右京(水谷豊)は、亘(反町隆史)と共に咲良を訪ねると、彼女は3年前の事故から車椅子生活で、姉のますみ(原田佳奈)のサポートで生活していた。

 天才漫画家はなぜ殺人を“予言”することができたのか?
 伝説的な人気漫画の最終回をめぐる愛憎とは…!?
 右京と亘が予言殺人に秘められた謎を解き明かす!

ゲスト:玄理 原田佳奈

脚本:藤井清美
監督:池澤辰也
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