英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season15 第3話「人生のお会計」

2016-10-27 17:33:03 | ドラマ・映画
突っ込み処はあるけれど、ストーリーの核がしっかりしていて、意外性もあり、面白かった

余命宣告を受けた谷中(石井正則)は、人生の最後に“今まで、したくてもできなかったこと”をやろうと考える
       …………………………………「人のために生きよう」


その具体案が「山本の代わりに田島に復讐」というのが方向違いではあるが、
死を考え、人生を考え、生きる意味を考えた
・今までこれと言って何も為しえていなかった自分の人生
・娘を失った悲しみで、苦しんで生きてきた山本
・人の人生を狂わせておいて、のうのうと生きている田島 
         
・死ぬことはそれほど重要じゃない。どう生きるかが問題だ

そして………「殺すことで苦しめるのではなく、苦しみの中で生きる罰」を与えようとした
      …………………田島に自分を殺させ、殺人犯としての人生を歩ませる

 結局、右京に計画を阻止されたが(冠城は振り回されただけ)、
 山本にゆすられた田島が山本を殺害しており、谷中の思いとは違う形ではあるが「田島を殺人犯として苦しい人生を歩ませる」ことになった。


『相棒』の犯人の中には、誤解から殺人を犯してしまうパターンなど、「ラストシーンで“何てこったい!”という思いに突き落とされる」ことがが多い。
今回の谷中もそのパターンではあるが、不幸度は小さい。計画通りに命を失うよりは遥かに良さそう。


その上、図らずも、これまでの人生では得られなかった体験ができた。
・シャンペンタワーなどの豪遊(一晩で500万円)
・入れ墨を彫る
・拳銃を手に入れ、人に恐怖を味あわせる

しかし、「大きな散財」「公衆浴場には入れなくなる」「銃刀法違反」(ついでに「家宅侵入」「拉致誘拐」)という大きな副作用も。

ラストシーンでは、思いのほか経過(検査の数値)がよく、奇跡の回復の可能性が出てきた(これって、誤診?)


谷中の破れかぶれ的思い切りの良い行動や、死ぬことではなく生きることに価値観を感じた考察、他人に迷惑を掛けないというポリシー、良く練られた復讐手段や実行計画、皮肉な経過や結末など面白かった。

【細かいツッコミ】
・「素直に白状したら“まっすぐ帰る”と言ったじゃないか!」という組長に対して、“暇か課長”は「俺はそんなこと言っていないよ」ととぼけたが、「言ったのは冠城だよ」というセリフも欲しかった。さらに、冠城が立ち去る際、「では、お先に。まっすぐ帰ります」というセリフも欲しかった。


【その他のツッコミや疑問点】
・山本の身の上を聞き、代わりに復讐すると告げた直後に、山本が具体的に殺害手段を尋ねるのは、唐突。
・山本に田島の住所を教えたのは軽率
・田島が山本を殺害しゆすり取られたお金を持ち去る際、普通は銀行の封筒ごと持っていくのでは?

・山本がゆすり取ったお金を仏壇に供え拝んだのは、わざと背中を見せ、山本が殺害するよう誘ったのでは?
・田島が拉致された直後の田島邸だが、鑑識の人数多過ぎ
・谷中の熱意に負け、拳銃を売り渡した暴力団がやや気の毒(一度は追い返しているし)
・谷中が拳銃を持っていないことを知りつつ、場面を煽って、田島の自白を引き出していた。右京の白々しさが素晴らしい(笑)
・今後の生き方を問う余命宣告を受けた谷中に対して、「したくても出来なかったことをするとか」と横を向いて面倒くさそうに答えた医師の態度が冷たい
・崖があまりにも絶景で、行きたくなった
・過去に山本の娘さんが飛び降りているので、右京の説得はやや疑問
・谷中の落としたハンカチが、崖から落ちそうで落ちないのが気になった

 
【ストーリー】番組サイトより

殺人犯は余命宣告を受けた保険の営業マン!?
亘は“理想の上司”伊丹に弟子入りを志願


ある日、谷中(石井正則)という保険会社の落ちこぼれ営業マンが、医師から余命いくばくもないと告げられる。谷中は突然の宣告に戸惑いながらも、孤独な身の上をかんがみて、「今までしたくても出来なかったことをやろう」と思い立つ。そんな折、営業でたまたま飛び込んだアパートで、山本(十貫寺梅軒)という年配の男性が、自殺しようとしている現場に出くわす。行き掛かり上、自殺を思いとどまらせた谷中は山本から、娘を死に追いやった男に復讐したいものの、行方が分からないため人生に絶望したという話を聞く。

それから三週間後、山本が自室で殺害されているのが発見された。亘(反町隆史)は、どういう風の吹き回しか、「勉強させてほしい」と伊丹(川原和久)に取り入り、その事件の捜査を“見学”することに。一方、独自に動き始めた右京(水谷豊)は、被害者の仏壇に谷中の名刺が置いてあったことが気になり、勤務先の保険会社を訪ねる。するとそこに伊丹たちが乗り込んでくる。山本は最近、谷中の勧めで保険に入っており、受取人が谷中になっていたため、事情聴取で連行するという。ところが、その後、谷中に確かなアリバイがあることが分かり、一課は疑いを抱きながらも解放せざるをえない状況に。その頃、右京は、山本の娘が10年前、田島(渋江譲二)という男に貢ぐために横領事件を起こし、自殺したという情報を掴んでいた。一旦は捜査一課に帯同していた亘だったが、今回の殺人事件と田島の繋がりが気になり、右京と共に田島が勤めていたホストクラブに足を運ぶ。すると、数日前に谷中が田島のことを聞きに店を訪れ、なぜか数百万円もの大金を散財していたことが分かる。


10年前の女性の自殺と現代の保険金殺人に繋がりが!?
余命宣告を受けた落ちこぼれ営業マンの暴走の理由とは?
右京と亘がそれぞれの視点から奇妙な保険金殺人に挑む!

ゲスト:石井正則

脚本:櫻井智也
監督:兼﨑涼介
コメント (6)
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