英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2024年度NHK杯将棋トーナメント1回戦 西山女流三冠-木村九段 その3

2024-06-29 09:27:15 | 将棋
「その1」「その2」

 後手から角馬交換を迫られたところ。
 先手としては、せっかくの馬なので交換は避けたいが、▲6三馬や▲7二馬だと△6六とと引かれて後手が盤石となる(△6六とは銀取りであるが、それよりも次の△5六とが無茶苦茶大きい)
 なので、西山女流は▲4四同馬と応じ、△同銀に▲6七飛とと金を消去する。
 これで、中央の折衝は一応一段落。先手の主張点は3歩得と飛車の働きだが、7六の銀が遊び駒か標的になる可能性が大。さらに、後手の穴熊に対して先手の"桂なし高美濃”と玉の薄さが気になる。しかも、手番は後手。
 ここで後手に有効な手がなければいいのだが……

 △4五銀!▲同歩△5五桂!

 一瞬、駒損になるが、飛車金両取り!これが痛そう。藤井九段もこの両取りをずっと懸念していた。
 以下、▲5七飛△4七桂成▲同銀で第8図。

 いいように先手がやられたようだが、この図になってみると後手が良いのは間違いないが、思いのほか難しい。
 ▲4七同銀と銀で取ったのが、形は乱れるがしぶとい手だった。
 上記の手順で、厳密に言うと△4七桂成と金を取る前に△5九歩成を利かせておく方が良かった。これに▲同飛なら△7七角と打つ手が入りそう(ゼロ手で7七に角が設置)。▲5九同金と取るのは大きな利かされとなる(第8図で△5九歩成に▲同金としたのと同じ)
 とは言え、第8図以下、△3五歩と突いた手が急所にを突いたように見え(実際は"やや後手よし”程度)木村九段が勝ちそうな気配。
 対して西山女流三冠は▲4四桂。局後、西山女流は「▲4四桂と打てて手ごたえを感じた」旨の言葉を発していたが、おそらく、悪手(▲5三飛成または▲3五同歩が良かった)。
 ▲4四桂に木村九段は△3六歩と取り込み▲3八歩と西山女流三冠が受けた第9図。


 木村九段の次の一手が問題だった。(続く

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