英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

全日本総合バスケットボール選手権大会 女子決勝 トヨタ自動車 vs JX

2013-01-17 23:11:10 | スポーツ
女子決勝 トヨタ自動車 アンテロープス vs JX サンフラワーズ
 トヨタ自動車アンテロープスの快勝だった。

★JXの敗因
①間宮の負傷
 やはり、これが大きい。もちろん、間宮の負傷だけで勝てなくなるようなチームではない。しかし、このことがいろいろな面に影響を及ぼしたのは間違いない。
 第3Qから出場し、シュートを決めたり、彼女の存在だけで渡嘉敷のマークが甘くなり攻撃が回るようになったが、やはり完調ではないのだろう、徐々に動きが落ちていった。

②間宮の穴を埋める選手の不調とその起用法
 間宮が負傷する前の全日本でのスターティングメンバーは、岡本、吉田、木林、渡嘉敷、間宮であった。負傷後の準決勝、決勝は間宮と木林に替えて宮澤と大神を入れている。ポジション的には渡嘉敷を間宮の代わりにセンターに、渡嘉敷が務めていたパワーフォワードに宮澤を、木林のスモールフォワードのポジションに大神を当てた。
 吉田、大神、岡本はオフェンスは自在に役割を変えることも可能であろう。しかし、これは間宮が健在で、間宮、渡嘉敷が十分にゴール下を支配していることが条件での話だ。3人の能力をもってすれば、間宮不在でも何とかなるような気もするが、大神もコンディションが充分ではなかったようだ。
 さらに、ディフェンスにおいてはさらに、パワープレーで低身長の大神を突かれることもあった。なので、宮澤の起用は良いとしても、間宮不在でガードを3人起用したこのスタメンは疑問に感じる
 さらに、4分足らずで宮澤を木林にチェンジ、4分30秒で大神を寺田にチェンジしたのも疑問。今大会のスコア表を見る限り、木林、寺田は得点が少なく、特に寺田はプレイ時間も少ない。もっとも、スコアに現れない働きもあるし、得点に関しては、間宮、渡嘉敷、岡本とスコアラーが揃っているので得点が少ないということも考えられる。
 ただ、木林はプレーにむらがあり、素晴らしいプレーをする日もあるが、悪い時には凡ミスや無駄なファールが多い。寺田も調子がいいようには思えなかった。間宮の負傷と、リードをされているプレッシャーの中での十分に能力を発揮できなかったのかもしれない。
 となると、結果論になるが、経験は少ないけれどポテンシャルが高い宮澤で押し通す方がよかったように思う。宮澤のプレイタイムは4分弱だった(1Qで退いたまま)。体調が悪かったのだろうか。
 その他、劣勢時に使える選手が少ないのも大きい。ガードの新原やセンターの山田は強敵相手に劣勢を打開するには厳しい。こうなると、田中や内海が抜けたのが痛い。
 吉田のジャンプシュートが多かったのも、攻撃バリエーションの少なさの表れ。パスする相手が見出せず自分でシュートを打つしかないことが多かった。途中からは、吉田のシュートを最終オプションと決めていたようで、切羽詰まってのシュートではなかったことは評価したい。
 渡嘉敷と吉田のコンビネーション、岡本や吉田のドリブルイン、渡嘉敷の高さとパワーで踏みとどまったが、ゲームをリードするのは適わなかった。
 さらに、メンバーチェンジ(選手起用)も納得できない。劣勢の上、先に挙げた選手層の薄さもあるが、渡嘉敷、吉田、岡本がフル出場、木林27分間、大神19分間、間宮17分間、寺田10分、宮澤4分、糸井3分間で、4人が出場なしだった。
 苦しい状況で主力3人をベンチに下げにくかったのかもしれないが、休ませることも必要だし、ベンチからコートを見ることもプラスになるはずだ。それに、ベンチメンバーを競った状況で使うのは、チーム力の底上げにもなるし、ベンチメンバーを入れてのプレーも普段から準備すべきであろう。(間宮が健在な状況での、ベンチメンバーを入れてのプレーは想定してあったが、間宮の負傷は想定外であったとは言えるが)

★トヨタの勝因
①見事な対JXの秘策・守備面
 正直に言うと、よくわからなかったが、1回ごとにディフェンスシステムを切り替えていたようだ。吉田のジャンプシュートが多かったのも、ディフェンスが効いていたからであろう。

②見事な対JXの秘策・攻撃面
 これも想像であるが、栗原を中心に矢野、川原らに3ポイントシュートを打たせるフォーメーションを多数用意していたようだ。
 もともと3Pシュートを多投するチームだが、意識して3Pを打っていたように思う。成功率が高いので打ちやすいということもある。32本中15本成功されては、さすがのJXも意気を削がれてしまう。
 選手起用も見事で、7人を上手に使い分けていた。起用しなかった選手は8人とJXより多いが、フル出場の選手はいない。

③プレーヤーが個々の役割をしっかり果たした
 リードしても差を詰められても、それぞれのプレーヤーが自分の役割を果たし、集中力を切らさなかった。特に、池田、鈴木が自由に渡嘉敷にオフェンスリバウンドを取らせなかったことも大きかった。
 あと、勝負どころで、矢野が立ちはだかる渡嘉敷越しにフックシュートを決めたのが凄かった。

 今回は、間宮の負傷、大神の体調不調もあり、JXは敗れた。決勝ではトヨタがうまくいきすぎたという気もしている。
 Wリーグのプレイオフは一発勝負ではないので、作戦的にもJXは対応してくるであろう。また、間宮らも万全に仕上げてくるであろうし、3試合以上となれば総合力勝負となり、やはりJXの優位だと考える。
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『相棒 eleven』 第12話「オフレコ」

2013-01-17 10:50:52 | ドラマ・映画
 伊丹刑事が情報漏えい?
 国家的な情報操作?


……何のことはない、次期首相候補の大臣の、政治家としても人間としても、その資質を問われる行為による茶番劇であった。


それにしても、前回の予告でも使用されたシーン、
「この事件の情報、ひょっとしたら俺からもれたのかも……」
伊丹刑事の切羽詰まった感が面白すぎ。(確か、以前もこのようなシーンがあったような気がする)

享「はいぃ?」(右京ふうに)
右京「おやおや」
  享と右京の返しも絶妙だった。


今回のテーマは、伊丹刑事の刑事としての信条と心情
★特命コンビに随行し、振り回される伊丹

・現場の料亭の裏木戸を伊丹が後を続いているのに閉められてしまう(右京が戸を開け、享が閉めるパターンが定着)
・鑑識の捜査資料のコピーを(勝手に)持ち出し、証拠品も自由に閲覧(米沢の協力)
・現場を(勝手に)自由に動き回る
・アポなしに議員に面会
・鑑識が検証済みの現場をしつこく捜索

★特命係の捜査を目の当たりにした伊丹の言葉
「自由だな」
「俺は、特命係だろうが何だろうが、利用できるものはすべて利用する。ただそれだけだ」
「情報が漏れたのが俺のせいなら、その責任を取らなきゃならない。刑事として当然だ」
「捜査一課なら本部をたたんで他のヤマに向かうところだ。でも、特命係ならもっと何か悪あがきするところじゃないんですか?」


★そして、最後の享への台詞
「今回のことでよぉく分かった。俺たち(捜査一課)はいつだって、縦割りの組織や決まりごとの中で汲々として働いている。なのに特命係ときたら、そんなことは一切お構いなしに、好き勝手やりたい放題だ。
 腹が立ってしょうがねぇんだ。…だがな、特命係なんて一切認めねぇ」
「カイト(享)、お前も心しておけ!特命係にいる限り、捜査一課に呼ばれることは、絶対にねえ」

 享に合コンを設定させたうえ、特命係に泣きつき助けてもらったというのに、この台詞(笑)

 おそらく、この伊丹の言葉は、
「特命係、右京とそして享を認めたうえで、自分は警察組織の捜査一課の一員として捜査するしかないが、特命係にはそんなしがらみにとらわれず捜査をして真実を追求して欲しい。
 享には、捜査一課なんてところには来ずに、今のお前のままでいろ!」

という意味だったのではないだろうか。
 享も、そういう伊丹の意志を漠然と感じたから、腹が立たなかったのだろう。

表のテーマとしては、
山根みちるの信念
 「葉村比呂臣という政治家はこの国に必要であり、いずれこの国の舵を取るべき重要な人物です。つまらない醜聞や流言で、いたずらにその価値を貶めるようなことは絶対あってはならない」
右京の反論
「真実を捻じ曲げてまで、守るべき信念など持つに値しない」


 それにしても、
リボンの紋章の星のマークの一つが、大臣が現場にいた決定的な証拠にだったとは!

合コンが始まる前の高揚感と 対照的な寂寥感と 黄昏ている米沢さんが 無茶苦茶悲しい!


【ストーリー】公式サイトより
 米沢(六角精児)、伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、そして角田(山西惇)は、享(成宮寛貴)の計らいで、悦子(真飛聖)のCA仲間ら友人たちと合コンをすることに。とはいうものの、享を捜査一課に引っ張ってもらうために“貸し”を作ろうという悦子の作戦なのだが…。
 合コンなのにまったく話がかみ合わない雰囲気の中、一番合コンに乗り気でなかった伊丹とみちる(ともさかりえ)がいい雰囲気に。2人は合コン終了後、店をかえてもう一杯飲みに行くことに…。

 翌日、デイリー東和という夕刊紙に岸倉治美議員(滝沢涼子)の秘書が不審死した事件の捜査情報がスッパ抜かれた。捜査一課が前日につかんだばかりの情報でマスコミが知るはずもない。刑事部が騒然となる中、青ざめた伊丹は右京(水谷豊)と享がいる特命係へ。享にみちるは何者だったか問い詰めるが、悦子の知り合いの知り合いで何者なのかはわからないという。
 伊丹は右京に前夜、みちるという女性に捜査情報を口にしたかもしれないと吐露する。だが具体的にどこまでなにを話したか記憶にないという。自分が捜査情報を漏らしたはずはないのだが、その証明をして欲しいと依頼しに来たのだった。

 合コンから端を発した“情報漏えい事件”は、やがて国家を揺るがす一大事件へと発展し…!?

ゲスト: ともさかりえ
脚本:戸田山雅司
監督:近藤一彦
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『ハンチョウ6 警視庁安積班』 第1話

2013-01-16 21:27:03 | ドラマ・映画
 前シリーズにリニューアルし、今回は「東京スカイツリーのお膝元、押上地区へと舞台を移して活躍」するそうだ。
 サイトのあらすじに、「「分署」新設に動いた川口刑事部長(里見浩太朗)の想いは果たされるのか!?」とあるが、前シリーズでも刑事部長の思惑を引っ張り続けたが、その真相はそれほどたいそうなことではなかった。
 意味深な要素をちらつかせ、視聴者の関心を引く小細工はいい加減にしてほしい。第4シリーズでは、シリーズ開始直後に安積が狙撃されるシーンを入れたが、その真相はやはり大したことはなかった。
 一応、刑事ものなのでチェックしたら、ドラマのイントロに過ぎず、バスジャックの真相は全く不明。次週、この事件の真相がわかったら視聴終了。

【ストーリー】番組サイトより
警視庁初の試みであるモデルケースとして新設された「警視庁押上警察分署」に、それぞれの約半年間を経た安積(佐々木蔵之介)たち4人が再び集められた。 それぞれが再会を懐かしむのも束の間、事件は起こる。安積班は今まで培ったチームワークで犯人を捕らえ連行しようとするその前に、「警察はケガ人にも手錠を掛けるのか?」と、1人の町医者が立ちはだかった。その医師とは近隣の住民から「赤ひげ先生」と、慕われ、押上で「水沢医院」を開業する医師・水沢圭次郎(橋爪功)だ。

水沢と警察の間に何があったのか? は今のところ謎だが、凶悪犯を逮捕するためなら多少の犠牲はかまわないと、組織を盾に正義を振りかざす態度が気に入らないと、安積班へも難癖をつけてくる、ある意味厄介な下町のオヤジ医師だ。この件でも、後に安積班は手痛いしっぺ返しを食らうことになるのだが、このときはまだ誰も知る由はなかった…。 新天地となる「押上分署」で安積班を待ち受ける事件とは? そして「分署」新設に動いた川口刑事部長(里見浩太朗)の想いは果たされるのか!?
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『ビブリア古書堂の事件手帖』 第1話

2013-01-15 21:32:42 | ドラマ・映画
 初回を観ての第一印象は、上から目線ではあるが「悪くはない」。今後の展開に興味があり次週からも観ようと思う。
 古書店の雰囲気も趣があり、街の風景も風情がある。ドラマの見せ方が『鍵のかかった部屋』を思い出させるなと思ったら、スタッフが同じらしい。

 「悪くはない」という低評価が前提のような感想は、やはり、キャストに疑問を感じていたからである。
 巷では「原作のイメージを壊す」「“ゴリ押し”が『月9』のヒロインというのが許せない」「主演&助演の演技力に疑問を感じる」という意見。
 放送後の世間の評価も気になったので、「Yahoo!テレビ」のみんなの感想を閲覧。5つ星が18%、4つ星が9%、3つ星が10%、2つ星が13%、1つ星が50%だった。

 こういう欄には批判票の方が集まりやすいと考えても、散々なデータと言える。やはり「イメージが合わない」「むかついた」「演技が下手」というのが主な批判意見。ドラマを見始めて拒絶反応を起こしてしまう方が多いようだ。
 肯定派は、私が冒頭に挙げた感想のような方が多かった。原作未読者が多いようだが、中にはs原作と別物と割り切っている人もいた。
 あと、「原作のイメージと合わないと叩くのなら、観なければいい」という意見もあった。もっとものような気がするが、好きなもののイメージを壊されるのは耐えられないという気持ちもよくわかる。ドラマ制作サイドも、原作を尊重してほしい。ヒロインの妹が弟になっていたのも、どうなのだろう?

 ヒロインの剛力さんだが、正直言って「かなり嫌い」である。かわいくないとは言わないが、そのかわいさ度とテレビの露出度がマッチしていない気がする。たくさんのCMに起用されているので、「また出てる」という感情がどんどん増幅されてしまった。
 原作は未読だが注目していた(ドラマ化を期待していた)だけに、ヒロインが彼女と知り、非常にがっかりしたのも事実だ。
 それでも、キャストが嫌いというだけで観ないのは、勿体ないし、レビュアーの名が廃るので(誰がレビュアーだ?)、できるだけ先入観を排除して観ることにした。ヒロインが彼女とは思わないように補正して観たので、ストレスはたまったが、抱いた感想が冒頭のモノ。
 番組サイトにアップされていたインタビューで
「髪が長くて色が白いという原作のイメージとは違うかもしれませんが、そこは私なりの新しい栞子で挑めたらいいなと思っています。私も原作を読んでファンになりましたので、ファンや原作者の方にも「ドラマの栞子もいいよね」と言っていただけるように頑張りたいと思っています」
という彼女の意欲は十分に感じられた。原作とは違うかもしれないが雰囲気は出ていたと思う。
 また、「栞子は普段は内向的で人と話すのが苦手なんですが、すごく本が好きで本のことになると目がキラキラしはじめて、いきいきとしゃべるんです。とはいえ、感情をはっきり表に出したり、声を出して笑ったりすることはないので、その辺の微妙なさじ加減を意識しながら役を作っていけたらいいと思っています」
 とも語っていたが、今回は相方になる大輔の出生の秘密に関することだったので、キラキラするわけにはいかなかったので、今のところヒロインに魅力は感じられなかった。若干、演技が一辺倒で浅い気がしたが、今後、こなれてくるのかが注目である。
 ヒロインと同様に、大輔役のAKIRA氏も不安視されていた。棒読みという批判もあるようだが、味があったように思えた(原作のイメージとどうなのかは分からない)。
 演技はともかく、大輔は本を読むと気分が悪くなるということらしいが、この「本」というのは「小説」限定なのだろうか?そうでないと、教科書や解説書も読めないし、日常生活に支障が出そうと、そこが気になって仕方がなかった。

 『月9』云々については、私は『月9』については何の思い入れもないというか、『月9』の恋愛ドラマは完全パスだったので、『HERO』、『ガリレオ』『鍵のかかった部屋』や今回のドラマは歓迎だ。(『東京DOGS』、『ラッキーセブン』は………)


 初回のストーリーは、二人のキャラ紹介の意味合いが濃く、やや退屈に感じた。内容も祖母の過ち?だったし。
 次回以降に期待したい。
 

【ストーリー】番組サイトより
 「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子(剛力彩芽)のもとに、古書の査定をしてほしいと五浦大輔(AKIRA)がやってくる。大輔が持ち込んだのは、亡くなった祖母の蔵書『夏目漱石全集』で、その『第八巻 それから』に「夏目漱石」と署名があったため、サインが本物なら高く売れるのでは、と期待した母・恵理(松坂慶子)から頼まれたものだった。
 本を手にじっと考え込んだ栞子は、やがてサインは偽物だと言った。しびれを切らした大輔は礼を言い立ち去ろうとするが、栞子はサインを書いたのは祖母自身としか考えられない、と話す。唐突な話に、証拠はあるのかと尋ねた大輔に、栞子は祖母にまつわる驚くべき推論を展開していく。
 後日、「ビブリア古書堂」を訪ねた大輔は、恵理に確認した結果、栞子の推論が事実だったと話す。本を見ただけでなぜそこまでわかるのか、と興奮気味の大輔に、栞子は困惑し言葉を濁す。
 その数日後、栞子と再会した大輔は再び「ビブリア古書堂」へやってくる。そこで、自分は本を読むと気分が悪くなる体質だと明かすが、栞子は大輔にこの店で働いてみないか、と言った。古書店の人間に必要なのは、本の内容ではなく市場価値の知識だと説く栞子。迷いながらも大輔は、その申し出を受けることに。
 翌日、大輔が「ビブリア古書堂」にいると、志田肇(高橋克実)がやってきた。志田は荷物をカウンターに置くと、栞子に小山清の『落ち穂拾ひ』が盗まれたと言った。それを聞いた栞子は…。
コメント (4)
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2013 春の高校バレー

2013-01-14 22:02:22 | スポーツ
 13日は忙しい日でした。連休の中日(なかび)は仕事が忙しいはずなのですが、それほどではありませんでした。では、何が忙しかったのかと言いますと、テレビです。特にスポーツ中継が多く、都道府県対抗女子駅伝、春の高校バレー決勝、全日本総合バスケットボール選手権・女子決勝、ラグビー大学選手権決勝、大相撲初場所初日と盛りだくさん(ラグビーと相撲は観ません)。また、NHK杯将棋トーナメント3回戦・中村太地六段×渡辺竜王戦、大河ドラマ『八重の桜』、韓国大河ドラマ『イ・サン』の最終回とこれまた大変。

 春の高校バレーが2011年より3月から1月に改変されたため、余計1月のスポーツイベントが賑やかになった。今回、1月5日に1回戦、6日に2回戦、7日に3回戦と準々決勝が行われ、4日休んで12日に準決勝、13日に決勝という日程だった。
 学校の授業や父母などの応援団、大会運営者の都合を考えると、この日程の方が良いのかもしれないが、試合が3日連戦となる3日目に3回戦と準々決勝の連戦はきびしいのではないだろうか?
 抽選なので仕方がないが、強豪が偏るトーナメントの組み合わせだった。第1シードは東九州龍谷(前大会優勝・5連覇中)、第2シードは川崎橘(高校総体優勝)、第3シードは氷上(前大会準優勝)、第4シードは鹿児島女(高校総体準優勝)と各ゾーンに振り分けられたが、国体優勝で優勝候補筆頭の九州文化学園、国体準優勝の誠英、前大会3位の下北沢成徳、その他上位常連の古川学園、共栄学園(高校総体3位)、京都橘、超高校級アタッカー古賀紗理那を擁する熊本信愛女、ユース代表セッター山川愛里がトスを上げる文京学院大女などが1回戦から登場するノーシード。
(第5シードが細田学園という情報はあるが、だい6~8シードは不明だが、おそらくシード校は2回戦からと考えられるので、上記の強豪チームはノーシードであろう)

 抽選の悪戯、疑問のシード選定もあり、有力チームがつぶし合う展開だった。
 まず、2回戦で第3シードの氷上が古川学園に、第4シードの鹿児島女が文京学院大女に敗れた。古川学園は3回戦に共栄学園に勝ったが準々決勝で熊本信愛女に敗れた。文京学院大女も3回戦は都市大塩尻に勝ったが、準々決勝で柏井に敗れ姿を消した。
 3回戦では6連覇を狙う東九州龍谷が京都橘に敗れ、その京都橘も誠英に敗れた。また同じく3回戦では、第2シードで総体覇者の川崎橘と優勝候補筆頭の国体覇者の九州文化学園が激突し九州文化が準々決勝に歩を進めたが、下北沢成徳に敗れた。

【女子準々決勝】
誠英(山口)2(25-18、19-25、27-25)1 京都橘(京都)
柏井(千葉)2(25-22、16-25、25-23)1 文京学院大女(東京)
熊本信愛女(熊本)2(25-20、25-23)0 古川学園(宮城)
下北沢成徳(東京)2(25-23、19-25、25-22)1 九州文化学園(長崎)

 結局、準決勝はノーシード(と思われる)誠英×柏井、下北沢成徳×熊本信愛女子の対戦となった。しかも、この4校の中に第1~第4シードを破ったチームはいない。

 放送時間が少なく、特に熱戦や東九州龍谷が敗れるなど動きが大きかった3回戦・準々決勝が行われた3日目が1時間の放送枠だったのは残念。準決勝もほぼ1試合だけ、しかもカットありだったのも残念。せめて、余分な要素を減らして、1分でも多く試合を中継して欲しい。(余分な要素については、察してください)

 その準決勝の下北沢成徳×熊本信愛女子は大熱戦だった。成徳は準々決勝の九州文化学園とも大熱戦を繰り広げていたが、それに勝るとも劣らない内容だった。
 下北沢成徳は昨年の大竹ほどの大エースはいないが、小笹を中心に他の4選手の誰もが攻撃力がある。またサーブも強力。
 一方の熊本信愛女は超高校級アタッカー古賀紗理那を軸にまとまりの良いチーム。
 第1セットは、成徳の厚みのある攻撃に信愛は的が絞れずずるずる押し切られた。エース古賀も不発気味。このまま成徳の圧勝かと思われた。
 第2セットは接戦となったが、中盤に入り成徳がリードした時点で、やはり成徳の勝ちかと思われたが、メンバーの奮闘する中、古賀が当たり出し、相乗効果で他の選手も働き、接戦をものにした。
 第3、第4セットは中継はカットされたが、第3セットを成徳、第4セットを信愛がやや一方的に取り、最終セットにもつれ込んだ。(第4セット序盤は成徳ペースだったらしい)
 最終セットも一進一退の展開。しかし、中盤からこの日大活躍の辺野喜が爆発。6-7から3連続ポイントで9-7と逆転。勢いをつかんだ成徳が15-9で押し切った。

下北沢成徳(東京)3(25-18、23-25、25-13、15-25、15-9)2 熊本信愛女(熊本)


 もう一試合の準決勝は
誠英(山口)3(25-22、25-12、25-23)0 柏井(千葉)

 これで決勝は、下北沢成徳×誠英となった。
 この顔合わせと言うと、2002年の決勝、下北沢成徳(当時の校名は成徳学園)の大山加奈と誠英(当時の校名は三田尻女子)の栗原恵の激闘が思い出される。(成徳が3-1で勝ち、優勝)
 今回のチームカラーは攻撃の成徳対守備の誠英。
 第1セットは成徳が押し気味に進め、25-21で押し切る。
 第2セットの戦いは熾烈を極めた。互いに主導権を与えず、競り合ったまま終盤へ。
 しかし、中盤は誠英がペースをつかみ、20-16とリード。成徳が奮起し22-22と追いつく。そのままデュースに突入。そこからも一歩も譲らず得点は30点台に。そこから、成徳が渾身のブロックで3連続得点で第2セットをもぎ取った。
 ここで誠英は気落ちするかと思ったが、へこたれず誠英ペースで進む。ところが終盤になると成徳が根性を発揮する。
 17-20からエース小笹がブロックを弾き飛ばす(ブロックアウト)、18-20。
 ピンチサーバーの森田がサーブミス、18-21。
 見ごたえあるラリーの末、誠英の決めに出たスパイクがわずかにアウト、19-21。
 ネットインサーブも誠英はきれいにセッターに返したがスパイクをふかしてしまい、20-21。
 タイムアウトを取った誠英だが、ミスを続け22-21と逆転を許す。再び、タイムアウト。
 強烈なサーブ(連続の失点はこのサーブに起因しているようだ)をセッターに返し、何とかスパイクで返す。ラリーの後、近藤が気迫のスパイクを決め、22-22。
 この次の一点が勝負だった。サーブは誠英で有利なのは成徳だったが、サーブレシーブがやや乱れ、主導権は誠英が握った。しかし、誠英のスパイクを4本拾い、1本はブロックで跳ね返す。このラリー中、成徳も2本スパイクを打つが、誠英も好レシーブで譲らない……誠英の6本目のスパイクを辺野喜が渾身のブロックを決め、23-22。
 結局、25-23でこのセットももぎ取り、勝利。優勝!

下北沢成徳(東京)3(25-21、33-31、25-23)0 誠英(山口)


 今大会、あるいはここ数年、心を震わせる試合が多い。
 特に目につくのは、リベロを中心としたレシーブ力のアップ。神がかり的なリベロのレシーブを何度も目撃した(ワンプレー中に何度も超美技でラリーをつなぐ)。忠実なブロックフォロー。そして、つなぎのプレーがレベルアップしている。好レシーブをトスにつなげる。崩れながらもトスを上げる。乱れたトスをしっかり打ち切る。ラリーの密度、質が高いのである。
 監督も素敵だ。男子優勝の星城の監督は、タイムアウトを取るだけで、チームの輪の中には入らず一切を選手たちに任せていた。
 誠英の監督は、エンドラインぎりぎりのサーブを拾ったリベロに対して「もちろん今のは入っていた」としっかりプレーを認める。
 また、「やられるときはいつも同じようにやられるだけ」「何回も勝負の神様が宿題を出してくれているのといっしょや。でも、まずはサーブカット」と精神的なアドバイスと技術的な指示をうまく織り交ぜる。プレー中に控え選手に相手の攻撃パターンをカードやボードを表示させ分析もしていた。
 ちなみに、選手を怒るだけの名門校は今回は予選で敗れていた。

 本当は、もっともっと熱戦の模様を書き記したいが、時間と筆力が足りない(バスケットのJX-トヨタ自動車戦も書きたい)。だれか、書いてくれないかな。それと、どなたか素晴らしい記事を書かれているブログをご存知でしたら教えて下さい。
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『八重の桜』 第2話 「やむにやまれぬ心」

2013-01-13 19:06:32 | ドラマ・映画
鉄砲を撃つ覚悟
鉄砲を撃つ理由


 鉄砲を撃つことは命を絶つこと、奪うことだ
 女子には女子の仕事がある。男女の役目を超えてまで鉄砲を撃つ理由があるのか?


八重の両親は頭ごなしに八重を叱るのではなく、諭す。


 黒船に乗ってみたいという思いに囚われた覚馬であったが、失敗したときのことを考え脱藩や家との絶縁を考える。意外と慎重。
 その間に寅次郎が密航を企てるが失敗。
「すぐに戻る」は「戻らないこと」である。
   寅次郎の密航失敗により象山は蟄居に処された。

 象山の蟄居により会津に帰った覚馬が八重と再会。
 八重は「綾瀬はるか」へと成長していた!
 覚馬が象山に弟子入りし黒船を目撃したのが1853年で八重は8歳。象山が蟄居となったのが1854年の秋で、その後しばらくして、覚馬は会津に帰ったのが1856年秋。覚馬との再会時の八重は10歳か11歳。
 いきなり綾瀬はるかが登場したので、一気に年月が10年ほどたったのかと思ったが、綾瀬はるかの姿を拝見しつつ「この娘はまだ少女」と思い込まなければならないようだ。男勝りの力持ちも、八重が超早熟だったからと思うことにしよう。


 結局、両親の問いの答を出さぬまま(まだ11歳なので仕方がないか)、砲術の思いは「やむにやまれなかった」ようで、その八重の気持ちや努力も父親は知っていた。
 覚馬は八重の思いを認めた。

 もう少し、子役(鈴木梨央)のままでよかったように思う。
 あと、八重の構える重心がゆらゆら上下に揺れるのが気になった。

【ストーリー】番組サイトより
 八重(綾瀬はるか)の兄・覚馬(西島秀俊)は、佐久間象山(奥田瑛二)の塾で会津藩に先んじて西洋の技術を貪欲に習得していく他藩の動きを知り、焦っていた。そのころ会津では、八重が両親から砲術への思いを断つよう厳しく諭されていた。
 そんな折、吉田寅次郎(=松陰・小栗旬)がアメリカへの密航を企て、象山がそれをそそのかしたとして捕縛される事件が勃発。仕方なく会津へ戻った覚馬は、大きな米俵を持ち上げて男と競争に興じる八重(綾瀬はるか)の姿を見て驚く。さらに、八重が砲術の知識を深く習得していることを知った覚馬は胸を打たれ、思いを断ち切らなかった八重に砲術の手ほどきするのだった。
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『科捜研の女』第12シリーズ 第1話 2時間スペシャル

2013-01-12 12:22:43 | ドラマ・映画
 立て籠もり現場では特殊装置を使って活躍する
 事件後、検死を行う(芝管理官(戸田 菜穂)にも突っ込まれていたが)
 風丘教授(若村麻由美)をもこき使う
 犯人逮捕現場にも立ち会う

 ますます、マルチでスーパーな榊マリコ(沢口靖子)である。
 マリコの活躍と芝管理官の個性を際立たせるための脚本だった。


 現場の下見や共犯の東(柳下大)も現場に配備し、銃も調達したにもかかわらず、電話中の被害者の目の前に現れて射殺せざるを得なくなった(計画では飛び降り自殺に偽装する)。
 逃走も失敗し立て籠もったが、立て籠もるより逃げる方がはるかに容易だったはず。強引に立て籠もらせ、抵抗し射殺されてしまったのも、マリコの活躍と芝管理官の「冤罪は怖いが、それを恐れて手をこまねいている間に次の被害者が出ることの方が怖い」という信念を表すための設定だったように感じる。
 現場のビルで国際会議を行う云々というのも、何かこじ付けっぽかった。

 科捜研の科学装置などもどんどん進化している。しかし、その分、科捜研の職人技を感じることは少なくなってきている。
 今回の2時間スペシャルは、科学捜査・検証もふんだんに行われていたが、芝管理官の捜査信条を示したかったためなのか、淡々と捜査が進んでいく。科捜研が物証やデータなどを検証する際、疑問に感じ悩むといったシーンがほとんどなかったように思う。

 ここ数年、『科学捜査刑事・マリコ』となってきている。

【ストーリー】番組サイトより
 ある夜、京都市内のビルに、銃を持った犯人が立てこもる事件が起きた。榊マリコ(沢口靖子)たち科捜研のメンバーも現場に急行する。
 現場では、来週からこのビルに入居予定だった企業の社長・湯川達明(柴田善行)が一人で残業していたという。ビル管理会社の東勇司(柳下大)らによれば、犯人は防犯カメラに映らずに最上階に侵入していた。つまり犯人はビル内部の事情に詳しい可能性があった。
 マリコたちはレーザー盗聴器とサーモグラフィの設置を提案、現場内部の様子を探る作業に取りかかる。盗聴器からは「…湯川」「殺した…」という不穏な言葉を断片的に聴き取ることができたが、複数の犯人が会話しているのか、単独犯が電話で話しているのかがわからない。また、サーモグラフィで映し出された人物の一人の皮膚温度がかなり低下しており、非常に危険な状態と判明。マリコは、すぐ救出をと訴える。
 佐久間刑事部長(田中健)は、人質の位置すら確認できない中での突入は危険すぎると躊躇するが、最終的には郷田警備部長(高杉亘)が佐伯本部長(西田健)の許可を得て、銃器対策部隊の小隊長・鷲頭新(蟹江一平)らを現場に突入させた。直後、「そんなッ…」という鷲頭の押し殺した声が無線から聞こえるが、その瞬間、銃声が響き渡り、マリコたちは息を飲んだ…。
 マリコたちが現場に飛び込むと、湯川社長と犯人らしき人物が倒れていた。解剖と現場検証の結果、湯川は犯人によって撃たれたことがわかるが、犯人は銃器対策部隊の隊員に手を撃たれた直後、鷲頭が腹部を撃ち、致命傷を与えていたことがわかる。土門刑事(内藤剛志)は、急所を外して撃つことができなかったのかと鷲頭の行動に疑問を持つ。
 犯人の身元につながるものは見つからず素性がわからない。ただ犯人が使っていた携帯電話の履歴は消されていたものの、マリコたちは犯人が現場から東京在住の吉井孝子(大寶智子)という女に電話をかけていたことを突き止める。
 警視庁から京都府警に異動してきた管理官・芝美紀江(戸田菜穂)は、孝子を重要参考人として任意同行すべきと主張。佐伯らは「警視庁の管轄から被疑者を移動して事件と無関係だったら冤罪だと騒がれる」と渋るが、美紀江は「冤罪を恐れて捜査を止める気ですか?」と上層部にくってかかり、その美紀江の強硬な姿勢に、マリコたちは驚く…。
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「山口百恵」考 その2

2013-01-10 21:50:59 | 芸能
歌のうまさには、2つの要素があって、
1.音程やリズムが正確、声量がある、音域が広いなど、いわゆる歌唱力と言われるもの
2.その歌の意味や気持ちを伝える力、表現力
   と私は考えている。

 もちろん、両方兼ね備えている方が良い。山口百恵の場合は、1はプロとしては疑問符を打ちたくなる人も多いであろう。特に、初期のころはアイドルとして忙しく、収録やレッスンの時間も取れなかったと思われ、ベスト盤を聴くと半音以上はずれている個所も時折見られる。
 それでも、彼女の歌が愛されているのは、曲が素晴らしいこともあるが、2が秀でているからであろう。
 それについては、デビューから印象に残っている曲について振り返る過程で、追々語っていきたい。

 デビュー曲『としごろ』、その後の『青い果実』『禁じられた遊び』『春風のいたずら』『ひと夏の経験』『ちっぽけな感傷』までの時期はその1で語っていて重複するが、乙女の純潔とそれを捨てても構わないという危うさをテーマにしていて、当時の私は引き気味で距離を取っていた。しかし、深く考えると、いやらしさを感じさせずに、この世界観を表現できるのは彼女しかいない気がする。
 桜田淳子もよく似た世界観のように感じられるが、桜田淳子は同世代の異性への気持ち、山口百恵は年上の男性への背伸びをした気持ちで、淳子はさわやかな風の陽、百恵は翳りのある陰である。
 この時期の名曲は『ひと夏の経験』。乙女の純潔をささげる覚悟と、その正反対の軽快で清々しさを感じさせる旋律が、不思議なほどマッチしている。
 この次の曲の『ちっぽけな感傷』はそれまでの路線(「青い性路線」と呼ばれていたらしい)を継承していたが、その次の曲『冬の色』は、心の奥にしまい込んだ恋心が滲み出してくる名曲であった。曲調もしっとりしていたということもあるが、彼女自身、大人の女性の階段を上り始めたという印象を感じさせていた。もしかしたら、この時期、彼女は映画初主演『伊豆の踊子』を演じており、この経験が大きかったのかもしれない。
 次の曲『湖の決心』も同様なテーマの曲。冒頭に「運命を信じますか そしてそれに従いますか 私は私は あなたに従います」という台詞があった。私は台詞入りの曲は好きではない。しかも、この台詞はあまりにも相手に委ねすぎで、男性ファン受けを狙ったのではないかと感じられ、大きな減点対象だった。今考えると、百恵さんにこんなセリフを言われたら昇天してしまいそうなくらい嬉しい。このころは私もまだ子供であった。
 それはともかく、曲そのものはいいと思うが、「ひとつだけ教えて下さい 倖せになれるでしょうか」というように、やや内容がストレートであった。
 『夏ひらく青春』は一転して動きのある曲。「ぱぱぱぱぱぱぱぱ ぱらぱ~」というイントロから始まり「ひとつ結ぶ ひとつひらく 恋という名前の夏の花  ひとつ結ぶ ひとつひらく めくるめく光の中で」と畳み掛けるような冒頭。その後もアップテンポな曲調で押し通す、桜田淳子が歌っても不思議ではない弾けた一曲だった。大好きな曲である。(以下続く)
コメント (4)
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将棋界(順位戦)の歪み その5「棋界全体の実力分布(年度成績~概況~)」

2013-01-09 23:03:19 | 将棋
『将棋界(順位戦)の歪み その4「棋界全体の実力分布(通算成績~下位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その3「棋界全体の実力分布(通算成績~上位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その2「昇級争いにおける対戦相手の分析とC級2組の実力分布の偏り」』
『将棋界(順位戦)の歪み その1「菅井悲劇をもたらした棋界の現状」』の続きです。

今回からは単年度成績について考えてみたいと思います。

 成績の指標として「勝率」が考えられるが、棋士の場合、勝率と実力のシンクロ率はそれほど高くない。今までも述べてきたが、上位棋士の場合は本戦から登場するので強敵ばかりと対局することになる。タイトル戦に登場となると負け星が増えるのが必然である。もちろん、ストレート勝ちすれば勝率はアップするが、その相手が羽生三冠や渡辺竜王となると、それが至難の業であることに反論の余地はないであろう。
 逆に若手の有望株となると、一次予選からなので自然と勝率は高くなる。なので、上位棋士と下位棋士との勝率を同列に並べて比較するのは妥当とは言えない

 勝数の方が棋士の実力を反映すると言える。もちろん、上位棋士が勝ち星を挙げるのが難しいことには変わりはないので、勝数も実力をきちんと反映しているとは言えないが、勝率ほど負数(負け星)が足を引っ張らない点で信用度が高い。
 実は普通の棋士は年間の負数にそれほど差が出ない。トーナメント戦の場合、タイトルに挑戦しない限り必ず1敗する。挑戦者リーグ戦がある棋戦の場合は負数が増えるが、リーグ入りできる棋士は限られている。なので、王位、王座、棋王、王将、棋聖、朝日杯、NHK杯、銀河で各1敗で計8敗。竜王戦はランキング戦、昇級者決定戦、残留決定戦(クラスによってはない)とあるので1~3敗。新人王、日本シリーズ、大和証券杯、加古川戦は参加棋士に制限があり不確定要素がある。
 フリークラスの属する棋士は順位戦がなく、参加制限のある棋戦への参加はまずないと思われるので、9~11敗と考えられる(年度をまたぐ棋戦によって上下することもある)。
 順位戦参加棋士は負数に幅が生じるが、順位戦指し分け棋士で14~16敗、若手棋士だと新人王、加古川戦で負数が増える可能性がある。
 各棋戦で8敗、竜王戦で3敗、順位戦を10戦全敗し、若手棋士だとプラス2敗すると計23敗となる。これが最大なので、年度成績で20敗近くしている棋士は逆にどこかで活躍(タイトル戦登場やリーグ入り)していると考えてよいかもしれない。もちろん、活躍しているのだから勝数も多い。そういう意味で対局数も活躍度の尺度になる。
 それでも、活躍や実力の尺度として負数を考慮するのは、やはり適切ではない。本当に強い棋士はあまり負けない。負数が増えるということはどこかで痛い目(タイトル失冠や挑戦失敗、リーグ戦で負けが込む)にあっているはずだ。(以下続く)
 
 参考のため、昨年度の成績ランキングを挙げておきます。

2012年3月30日対局分まで(3月1日~4月1日の期間は30局以上のみ表示)
勝率ランキング         勝数ランキング
1 中村 太地 0.851 40- 7     1 羽生 善治 44
2 渡辺 明  0.765 39-12    1 豊島 将之 44
3 橋本 崇載 0.744 29-10    3 中村 太地 40
4 菅井 竜也 0.735 36-13    4 渡辺 明   39
5 豊島 将之 0.733 44-16    5 菅井 竜也 36
6 船江 恒平 0.727 32-12    6 糸谷 哲郎 35
7 阿部健治郎 0.700 28-12    7 広瀬 章人 32
8 羽生 善治 0.698 44-19    7 船江 恒平 32
9 佐藤 天彦 0.694 25-11    7 大石 直嗣 32
10 大石 直嗣 0.681 32-15   10 永瀬 拓矢 31
11 飯塚 祐紀 0.677 21-10   11 牧野 光則 30
12 永瀬 拓矢 0.674 31-15   12 郷田 真隆 29
13 北浜 健介 0.667 20-10   12 橋本 崇載 29
13 伊藤 真吾 0.667 20-10   14 稲葉 陽  28
15 阿久津主税 0.658 25-13   14 阿部 健治郎28
16 広瀬 章人 0.653 32-17   16 深浦 康市 27
17 稲葉 陽   0.651 28-15   16 戸辺 誠  27
18 佐々木勇気 0.650 26-14   18 佐々木勇気 26
19 横山 泰明 0.649 24-13   19 阿久津主税 25
20 糸谷 哲郎 0.648 35-19   19 佐藤 天彦 25
                      19 村山 慈明 25
                     19 遠山 雄亮 25
                     19 阿部 光瑠 25

対局数ランキング
1 羽生 善治 63
2 豊島 将之 60
3 糸谷 哲郎 54
4 渡辺 明 51
5 広瀬 章人 49
5 菅井 竜也 49
7 牧野 光則 48
8 久保 利明 47
8 郷田 真隆 47
8 深浦 康市 47
8 中村 太地 47
8 大石 直嗣 47
13 永瀬 拓矢 46
14 丸山 忠久 45
14 村山 慈明 45
16 三浦 弘行 44
16 船江 恒平 44
18 佐藤 康光 43
18 戸辺 誠 43
18 稲葉 陽 43
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「山口百恵」考 その1

2013-01-08 22:29:10 | 芸能
流行のドレス着ているマネキン人形
動かない大きな目が泣いてるみたい
ショウウィンドウを鏡にあなたはいつでも気取って
自分の姿だけ見つめているのよ ん~…悲しいわ


 さて、この一節を見て、「ああっ、あの歌か!」とピンときた方は、私と気が合いそうです(笑)




 山口百恵さんの『美・サイレント』(作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童)の2番の歌詞の出だしの部分です。
 1番も素敵なのですが、ネタが割れてしまいやすいと思ったのと、「流行のドレス着ているマネキン人形 動かない大きな目が泣いてるみたい」…この詩、感性にしびれ、こちらを引用しました。

 私にとって百恵さんは、少女の面影を残しつつ色気が馨しい大人の女性、そして、やや翳りがあり芯の強さを感じました。


 山口百恵は当時、森昌子、桜田淳子と共に「中三トリオ」として、人気を博していたが、デビュー曲の『としごろ』はパッとしなかった。歌唱力は森昌子に遠く及ばず、アイドル性は太陽のように明るく輝く桜田淳子に比べると、月のような静かな光だった。声もやや低く、雰囲気も翳りがあり、アイドルには向いていないんじゃないかと感じさせるほど。純真な乙女というイメージだった。
 それが2曲目『青い果実』で、いきなり「あなたが望むなら私何をされてもいいわ~♪」と来たものだから、腰が砕けそうになった。
 いや、私もまだ子供で、その歌詞が示す内容はおぼろげにしかわからなかったが、なんとなく大変な歌詞をうたっているのではないかと怖れに似たようなものを感じた。
 イメージチェンジが功を奏したのか、人気が上がり、この後も『禁じられた遊び』『春風のいたずら』『ひと夏の経験』『ちっぽけな感傷』と危険な歌を次々にヒットさせた。私はそんな彼女に嫌悪に似たものを感じ距離を置いた(って、全く一方的な話ですね)。
 しかし、その中でも『ひと夏の経験』は内容はきわどくても「あなたに女の子の一番大切な~ものをあげるわ」というフレーズが胸に響いた。それにメロディが素晴らしかった。
 
 距離を置いた理由は、そういう危険な感覚を抱いていたということが大きかったが、もう一つ理由がある。それは、彼女の楽曲にはテーマ(アピール点)があって、強烈なフレーズやメロディをサビや出だしに持ってくることが多い。
 たとえば、『禁じられた遊び』では出だしが「怖くない あ、あん、あん 怖くない あなたとだったら 何でもできる~」と、当時、いや今でも「あ、あん、あん」が許せない。
 その他、『横須賀ストーリー』も出だしで「これっきり、これっきり、これっきりぃ~ですか~」、『プレイバック Part2』では、サビで「バカにしないでよっ! そっちのせいよ」、『絶体絶命』では「はっきり片を付けてよ! はっきり片を付けてよ! はっきり片を付けてよ!……やってられないわ」など、強烈過ぎてのめり込めないものを感じた。(山口百恵のファンになったのは彼女の引退後だった)

 さて、ようやく冒頭の『美・サイレント』に辿り着いた。この『美・サイレント』も企画性が際立った楽曲で、サビの部分の4文字伏字は注目度を上げるための小細工に思え、その前の「美・サイレント、美・サイレント、美・サイレント、美・サイレント」のリフレインの音感も字面も受け入れ難い感じがして、彼女のファンになった後でも、この曲だけは遠ざけていた。
 しかし、恥ずかしながら、最近になってようやくこの曲の素晴らしさに気が付いた。半年ほど前に、『GOLDEN☆BEST 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション』を購入したが、その中に引退後に編集し直した『美・サイレント (リアレンジ)』を聞いたとき、心がしびれた。その時に初めてこの曲の歌詞に耳を傾けた。
 阿木さん、素晴らしい!(でも、原曲の方のサビの部分は今でも好きじゃないです)

 話は後戻りするが、私が彼女のファンになったのは、彼女の引退してかなり経ってから。それまでは、先述した乙女の純潔を売り物にする歌詞の内容や強烈なサビに加えて、彼女の歌唱力に大いに疑問を持っていた。
 ところが、ある時、彼女は歌が非常にうまいことに気が付いた……

『山口百恵 考』その2に続きます。(後日、本タイトルを『その1』に変更します)
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