英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋雑感 ~朝日杯将棋オープン戦~

2014-01-21 21:22:13 | 将棋
 本題に入る前に、ええと、お気づきになっていらっしゃる方もいるかもしれませんが、新年になって、毎日更新しています(1月4日は2本記事を書いていますね)。
 特に、今年の目標を立て更新しているわけではなく、何となくです。スポーツやスペシャルドラマが多く、それが終わったら、連続ドラマが始まってしまって、将棋に関しても書きたいことがたくさんあるので、結果的に毎日更新していると言うか、更新させられているというか……
 しかし、流石にここに来て、さすがに息切れ気味です。なので、気分転換とテンプレートを替えてみました。
 これがけっこう悩ましかったです。重視したのは、記事部分の幅です。これが長いと、一行が長くなって読みにくくなってしまいます。1行が視線の横への振り幅も大きくなります。1行が短い方が、視線を動かさずに読み続けることができます。
 ただでさえ分かりにくい内容と文章なので、せめて、見やすいレイアウトにしたいです。文字の背景は白っぽいものが良いです。私は色を何色も使うので、バックの色が強いと文字の色によっては見にくくなってしまいます。でも、あまり白が強いと目が疲れそうです。
 また、デザイン(絵柄)にはこだわらない方だと思いますが、季節とマッチしないものや、記事内容と合わないものは避けたいです。
上記の条件を満たしていて、≪これなら≫と変更してみたら、記事タイトルが小さくて選び直しも…
 と言う訳で、20以上のテンプレートを試すことになってしまい、時間とエネルギーを消費してしまいました。

 前置きが長くなってしまいました。

朝日杯将棋オープン戦
 昨日から本戦トーナメントが始まりました。
20日
1回戦
 ○渡辺 明二冠-阿部光瑠四段
  郷田真隆九段-村山慈明六段○
2回戦
 ○渡辺 明二冠-村山慈明六段

21日
1回戦
 ○羽生善治三冠-久保利明九段
  藤井 猛九段-三浦弘行九段○
2回戦
 ○羽生善治三冠-三浦弘行九段

ちなみに、
22日
森内俊之竜王・名人-佐々木勇気四段
谷川浩司九段-伊藤真吾五段
(両局の勝者による2回戦も行われる)
23日
屋敷伸之九段-大平武洋五段
豊島将之七段-菅井竜也五段
(両局の勝者による2回戦も行われる)


 毎日行われるのは嬉しいが、持ち時間40分の進行が早い将棋を同時対局というのは、勿体ない。私の棋力ではついていけない。もちろん、あとでゆっくり再現することはできるが、リアルタイムで観たい(もちろん、仕事中ではあるが)。
 それに、午後からは2回戦があるので、うっかりすると、その組み合わせから、1回戦の結果が判明してしまう危険性もある。
 また、40分の短時間とは言え、1日2局というのは対局者も大変なのではないだろうか。消耗もあるし、慌ただしい。1日に行うのは1回戦の2局だけにして、2回戦は日を改めて行ってほしい。

 本戦出場の16名の内訳は、A級(名人)は8人、B級1組2人、B級2組2人、C級1組2人、C級2組2人と意図的に振り分けられたような配分だ。
 実力者同士、実力者対新鋭、有望若手同士、実力者対くせ者と、バラエティ富んだ組み合わせだ。
 その中で、渡辺二冠、羽生三冠と弩級の二人が四強に進出。
 残り1、2回戦の注目は、森内竜王・名人は当然であるが、くせ者(と言ったら失礼だが)大平五段私は氏のことをかなり痛烈に批判していたが、やはり、早指し将棋は強い。一次予選では戸辺六段、二次予選では行方八段、中村太六段を吹っ飛ばしての本戦トーナメント進出。


 本記事の将棋雑感、本当は別の事項(「王将戦」「羽生三冠の対局相手の不思議な連続性」「最強戦」「女流名人位戦参加規定」のどれか)について書くつもりだったが、本記事に変更したのは、やはり羽生三冠が勝ったからである。
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『軍師官兵衛』 第3話「命の使い道」

2014-01-20 21:51:09 | ドラマ・映画
初恋の女性、おたつを失い、悲しみ、荒み、復讐心に駆られる官兵衛
父・職隆、祖父・重隆から説教を受け、旅に出て見聞を広め、人間的に大きくなる


 官兵衛の荒んだ心を表すイベントとして、櫛橋左京進の心無い言葉に掴み掛る官兵衛。番組サイトの人物相関図では、官兵衛に対して「反目」の関係が示されており、この関係は今後も続くらしいが、あまりな「憎まれ役」で気の毒。(信長の母・土田御前も、台詞が「お前は、鬼か」だけなので気の毒)

★父の教え(説教)
 怒りはまた喜ぶべく
 憤りはまた悦ぶべきも
 亡国はまた存ずべからず
 死者はまた生くべからず 
(「孫子」より)

………怒りや憤りが喜びに変わることはあっても、滅んだ国はもとに戻らず、死んだ者が生きかえることもない

「一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならぬ。死んだ者が再び生き返ることもない」
(いくら悲しんでも死んだ者は生き返らない。だから、一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならない)

★祖父の教え(説教)
 おたつの覚悟を官兵衛に伝える。
 怒りにまかせている官兵衛を諌め、さらに「戦って命を落とすなら、本望です」という官兵衛に
たわけっ!命を無駄に使うものではない!お前は命の使い方を分かっておらぬ

「あのおたつが、仇討を望んでいると思うか。
 官兵衛、お前はまだ若い。世の中を知らぬ。
 こんな小さな播磨が、世のすべてではないぞ。
 世界は広い。己が何を成すべきか、世の中を視て、よおく考えるんじゃ

そんな祖父の言葉を受けるかのように、
★堺への旅でいろいろ学ぶ
荒木村重との出会い
・戦が悲しみを生み。悲しみが、更に憎しみを生み、新たな戦を生む。戦のもたらす悲惨さや、戦の空しさを知る。
・生き生きとした堺の街を目にする。しかし、その堺の栄華は、戦の道具を売って得られたものだった。(金さえもらえば、誰にでも一撃で人を殺せる鉄砲を売る)
キリスト教の教えのひとつ「我が身を思うが如く、隣人を大切に思うのです。隣人を許し、自分のように慈しむのです。そうすれば、この世から争いはなくなるでしょう」

 戦の空しさ、戦によって栄華を築く堺、そして、今まで考えもしなかった異国のキリスト教の教え(考え方)を知り、世界の広さを知り、怒りにまかせて仇を討とうとした自分の小ささ、愚かさを知った官兵衛であったというお話。
 それと、次に記す竹中半兵衛や織田信長のエピソードも半兵衛、信長の人生観を上手に表現し、巧みな構成の一話だった。


☆竹中半兵衛の活躍と人間性
 稲葉山城主・斎藤龍興の家臣の身で、謀反を起こし、城を乗っ取った。
 しかし程なくして、半兵衛は美濃半国を与えるという信長の誘いを蹴り、追い落としたはずの主君にあっさり城を返してしまう

 この際、信長は半兵衛を
「利に釣られ、城を譲るなら、それも良し、だが、
 義に拘り、儂の誘いを断るなら、もっと面白い。
 義に生きる男など、この乱世、めったに居らぬ」

と、評価。

 半兵衛の意図は、酒色に溺れた龍興を諌めるためであった。
 半兵衛の知略(信長が攻略に苦戦した稲葉山場を、たった17人で落とした)と人間性を表したエピソードであった。と同時に、信長の考え方を示すうまい脚本だった。


しかし、
「古びて世を成さず、腐りきったものすべてを叩き壊し、新たな世を創る。
 それがワシの義だ」
の言葉はいただけない。「義」の解釈を変えてしまっては、先の言葉の意味が壊れてしまった。

 それはともかく、このシーンで、信長は今話の官兵衛と対照的な言葉も言っていた。
 義理の父・斎藤道三が裏切られ殺された無念晴らして欲しいいうお濃の言葉を
「仇討などくだらぬ」と一蹴。


☆要らない微妙な出演者への配慮
①「命の使い道」というタイトルは、内容にピッタリ合致していない。
 父や祖父からの教えはいろいろあったが、その主軸は「戦の空しさを知り私怨で戦を起こす愚かさ、未知の世界の大きさに対して、私怨で動く自分の小ささ」である。
 「命の使い道」は祖父・重隆役の竜雷太の台詞である。この回で退場する氏への配慮か?
②脈絡もなく会合衆の今井が織田信長が鉄砲を買い入れたという情報を話し、「今のこの堺の栄華が、戦の道具を売ることによって成り立っているのは、何とも因果なものですな」と木下藤吉郎の言葉も伝える。
 本来なら、誰にでも鉄砲を売るという今井の態度から堺の栄華の裏にあるものを気づくべきである。これも、藤吉郎役の竹中直人氏への配慮では?と考えてしまう


☆ちょっとした疑問や感想
・「おたつは、私の腕の中で死んでいったのです。仇を討ってやらねば、おたつが……」
 と、官兵衛は悔やんでいた。自分の腕の中で死んでいったからこそ、官兵衛の悲しみは大きくなったが、おたつにとっては、官兵衛に看取られて死ねたことは救いだったのではないだろうか
・会合衆のひとり、今井宗久を演じた小西さんだが、隠れ里の忍者の棟梁にしか見えない。肌の色、黒いし。


【ストーリー】番組サイトより
 政略結婚の宴席を宿敵・赤松家が急襲し、官兵衛(岡田准一)はおたつ(南沢奈央)を失ってしまう。
 怒りと絶望のあまり復しゅう心にかられる官兵衛だったが、祖父・重隆(竜雷太)に「命の使い道を考えろ」と諭される。
 ふさぎこむ息子を見かねた職隆(もとたか・柴田恭兵)は、官兵衛を堺への旅に送り出す。その道中、官兵衛は荒木村重(田中哲司)という浪人に出会い、先進商業都市・堺を案内される。
 一方、美濃では信長(江口洋介)が攻めあぐねていた稲葉山城に異変が起きていた。稲葉山城主・斎藤龍興の家臣、竹中半兵衛(谷原章介)が謀反を起こし、城を乗っ取ったのだ。
 しかし程なくして、半兵衛は美濃半国を与えるという信長の誘いを蹴り、追い落としたはずの主君にあっさり城を返してしまう。
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将棋雑感 ~A級順位戦~

2014-01-19 21:10:36 | 将棋
A級順位戦 ~谷川九段がA級陥落(在籍連続32期)~
 開幕前から、≪今期は危ない≫と考えられていたが、2局残しての陥落が決定してしまうとは…。
 今期は、星のつぶし合いが激しく、羽生三冠、渡辺二冠、深浦九段以外は陥落の危険性があるという熾烈な残留争い。なので、苦戦が予想された谷川九段ではあるが、星を伸ばせなくても最終局で残留の可能性が残っていると読んでいた。
 しかし、谷川九段が1勝しか星を挙げられず、成績8位、9位に位置していた棋士たちが勝ち星を挙げてしまったので、谷川九段が逆転残留する可能性がなくなってしまった。会長職の多忙さは気の毒だが、序盤はそこそこ戦えていた将棋は多いが、中終盤で指し手を誤り、終盤失速する将棋が多かったのが寂しい。

 挑戦権争いは、7勝0敗の羽生三冠と5勝2敗の渡辺二冠に絞られた。マジック1の羽生三冠が圧倒的優位だが、羽生ファンとしては、残り2局を連敗し、渡辺二冠が連勝し、同率決戦で敗れるという可能性を考えてしまう。挑戦権を逃す確率としては1/32だが、渡辺二冠が連勝は絶対と考え「再戦の可能性」は1/4。そして再戦になってしまっては流れが悪すぎるので勝つ気がせず、“心配性の目”で見ると挑戦権を逃す確率は1/4となってしまう。
 できれば次に勝って決めてほしいと思うのは、「将棋界の一番長い日」の盛り上がりを考えない点で、将棋ファン失格なのかもしれない。

 7回戦終了時の成績は
7勝0敗……羽生(1位)
5勝2敗……渡辺(4位)
4勝3敗……深浦(7位)、行方(9位)
3勝4敗……郷田(3位)、屋敷(5位)、佐藤康(6位)、久保(10位)
2勝5敗……三浦(2位)
1勝6敗……谷川(8位)

 陥落は、三浦九段、久保九段、佐藤九段、屋敷九段、郷田九段の順に危ない。
 4勝の深浦九段と行方八段は順位が低いので、三浦九段が連勝した場合、他の3勝者の星によっては陥落の危険性はありそうだが、最終局に久保-三浦戦があるので陥落の可能性はない。
 3勝者は三浦九段が2位と順位が良いので、安泰ではない。しかし、順位の良い郷田九段は残り2局を連敗しても、4人がすべて郷田九段を上回る星の配分はなかなか生じないだろう。佐藤九段はあと1勝は加えておきたい。
 久保九段、三浦九段は苦しい立場。次局に勝てば屋敷九段や佐藤九段らが敗れると立場が逆転するが、最終局に久保-三浦戦があるので、どちらかが陥落者となる可能性はかなりある。
 

 8回戦の組み合わせは
▲羽生 善治三冠(7勝0敗)-△深浦 康市九段(4勝3敗)
▲渡辺 明 二冠(5勝2敗)-△三浦 弘行九段(2勝5敗)
△行方 尚史八段(4勝3敗)-▲谷川 浩司九段(1勝6敗)
△郷田 真隆九段(3勝4敗)-▲久保 利明九段(3勝4敗)
▲屋敷 伸之九段(3勝4敗)-△佐藤 康光九段(3勝4敗)

 羽生-深浦戦は、最近の実績や対局を考慮すると、羽生三冠の勝ち。
 渡辺-三浦戦は、三浦九段は今期は2連勝後5連敗。こういう場合、最終局まで連敗が続き、最終局は勝ち星を挙げるというパターンを踏襲するような気がする(←単なる私の思い込み)。矢内女流がA級から陥落した時もこんなパターンだったかなと思って確認したら、3連勝後6連敗だった。
 行方-谷川戦は、陥落が決定したことで、余計な雑念が消えた谷川九段の勝利。
 郷田-久保戦。この二人の対戦は星が偏る。現在は郷田九段が非常に分のいい時期。また、全体的にも郷田九段が対戦成績をリードしているので、郷田九段の勝ちと予想。
 屋敷-佐藤戦は、全く予測不能。順位戦先手の連勝が止まったとはいえ、屋敷九段の先手番の強さを根拠に、屋敷九段の勝ち。

 最終局は(カッコ内の勝敗は、8回戦の私の勝手な予想を加えた成績)
△羽生 善治三冠(8勝0敗・1位)-▲郷田 真隆九段(4勝4敗・3位)
△渡辺 明 二冠(6勝2敗・4位)-▲佐藤 康光九段(3勝5敗・6位)
△屋敷 伸之九段(4勝4敗・5位)-▲行方 尚史八段(4勝4敗・9位)
▲深浦 康市九段(4勝4敗・7位)-△谷川 浩司九段(1勝6敗・8位)
△久保 利明九段(3勝5敗・10位)-▲三浦 弘行九段(2勝6敗・2位)
 やはり、もう一人の陥落者は、久保-三浦戦の敗者となりそうだ。先述した勝手な思い込みのパターンを採用、更に、順位戦での瀬戸際の三浦九段の強さを考慮すると、久保九段陥落の予想となる。

 

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「久々の詰将棋」の解答

2014-01-18 21:30:31 | 詰将棋
1月7日の記事「久々の詰将棋」の解答です。


 この詰将棋、自分で取り上げておきながら変なのですが、思ったより奥が深い作品でした。
 初手からいろいろ紛れがあるのですが、まず、この詰将棋のテーマを説明します。

 まず▲3一角と打ってみます。普通は歩合いで、本作の場合も歩合いが最善です。


 この図を見て、詰将棋に慣れた方は「はは~ん、〝打ち歩詰めの打開”がテーマか」とピンと来るはずです。
 つまり、▲2二同角成△同銀と進むと

 ▲1四歩は「打ち歩詰めの禁」になってしまいます。
 打ち歩詰めの打開の一策として、「守備の駒を利かせる」があり、
 ▲3三飛成△同歩と捨てれば4一の角の利きが通り、▲1四歩と打つことができ、

 △同角に▲2四銀までの詰みが見えます。

 しかし、参考図で▲3三飛成には△同歩ではなく△同銀と取られると失敗します。

 正解は初手より▲3一角△2二歩の時、このタイミングで▲33飛成と捨てれば

 △同歩とするよりなく(銀はまだ1一に居る)、それから▲2二角成△同銀と進めれば▲1四歩と参考図2に戻り、


△同角に▲2四銀までの詰みとなります。


 詰手順、▲3一角△2二歩▲3三飛成△同歩▲2二角成△同銀▲1四歩△同角▲2四銀まで9手詰。


 この作品、「▲3三飛成」の飛車捨てをいつ入れるか、そのタイミングも大きなポイントです。
 初手に▲3三飛成とするのはどうでしょうか?以下△3三同歩に▲3一角と進み

 ここで△2二歩と合駒をすると、作為手順に戻り、詰みます。
 実は、この初手▲3三飛成はコメント欄でぴょん太さんとやり取りするまで1秒も考えませんでした。
 なので、「初手に▲3三飛成としても作為手順と同様に詰み、手順前後が成立してしまうのではないか?」と作者の中田先生を疑ってしまいました。
 しかし、初手▲3三飛成△3三同歩▲3一角には△2二桂が正解です。
 …と、これ以後の手順を解説する前に、正解手順の初手▲3一角に△2二桂と桂合いをした時の変化を考えてみましょう。

 歩合いの代わりに、桂合いをする狙いは、作為手順(▲3三飛成△同歩▲2二角成△同銀)のように進めた時、「1四に打つ歩がないぞ」です。
 なので、△2二桂合には▲同角成と取り、△同銀に


以下、▲2四銀△1四玉▲2六桂で詰みます。


 この手順を考えると、初手▲3三飛成△同歩▲3一飛に△2二桂合が最善手で不詰となるのが分かります。
 そうです、上記の変化と同じように、、△2二桂▲同角成△同銀▲2四銀△1四玉▲2六桂


 この時、2五の香が浮いているのです。



 あと、初図で3五の飛が邪魔駒と考え、初手▲3三飛成と邪魔駒消去し、△同歩に▲3五角と打つのも詰キストとしては浮かびます。これには、△2四歩と中合いの手筋があり、詰みません。

 さらに、初手▲2四角とし、△2二玉に▲4二角成とする手も有力です。これに△2三歩や中合い手筋の△2四歩とすると詰みます。
 △2三歩も△2四歩もほぼ同じように詰むので、ここでは△2四歩と中合いした場合を説明します。
 ▲4二角成に△2四歩に▲同香に△1三玉▲2三香成とすれば、単に△2三歩の変化に戻ります。
 以下△2三同玉▲2四銀△2二玉▲3三銀不成に△1三玉とする方が最善のようですが、持ち歩があるので▲1四歩と叩くことができ、結局△2三玉と逃げることになり、▲3二銀不成以下詰んでしまいます。
(詳しくは、「久々の詰将棋」のコメント欄をご覧ください)
 初手▲2四角△2二玉▲4二角成には△2三桂が最善です。


 △2三桂合に上記の手順、▲2三香成△同玉▲2四銀△2二玉▲3三銀不成に△1三玉の時

持ち駒が歩ではなく、桂馬なので詰みません。

 単純に「打ち歩詰打開の作品」と思ってご紹介したのですが、とんでもない「深い作品」でした。
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『相棒season12』 第12話「崖っぷちの女」

2014-01-17 19:45:45 | ドラマ・映画
崖っぷちの女……タイトルを観たときは、「瀬戸際に立たされた女性」かと思ったが、「崖」=「ビルの屋上の際(きわ)」という比喩はあるものの、まさにそのものであった。
 まあ、ある意味「瀬戸際」ではあったが、この女性が頑張った?おかげで、捜一コンビは右京にこき使われるは、享は肝を冷やしたり落ち込むはで、楽しませてくれた。やはり、右京と伊丹のコンビは面白い。

 この〝崖っぷちの女”雪絵であるが、その行動にはかなり強い違和感があった
 「犯人にされそうなうえ、大事な教え子のオーディションには立ち会えない。そのうえ、愛していた前田先生がいないのなら、生きていてもしょうがない」と、やけになって屋上から身を投げようとしたが、あまりにも衝動的で女子中学生のような行動である。とても38歳の女性とは思えない。しかも、教師(人を指導する立場)であるのに。
 愛する人を亡くしたことの悲しみと理解はできるが、≪自分をハメた人物(真犯人)が誰か?≫を知りたいだろうし、教え子のオーディションも気になるだろう。
 身の潔白を訴えるための行動と解釈はできるが、それなら、右京たちが動いて、徐々に音楽学校の裏の悪事が明らかになっているのに、崖っぷちで他人を拒み続けるのは不自然である。
 普通、右京ならこういった雪絵の行動に疑問を持ち、早い段階から雪江の真意を推理、確認しようとするはずだ。(モヤモヤはしていたようだが)

 ここで断っておきたいのは、「不自然な雪絵がおかしい」と批判しているのではなく、微妙に不自然な動きや行為をして、モヤモヤした違和感を抱かせる演出(脚本)が巧みだったということ。
 微妙な役どころの雪絵を演じた小島聖さんもうまい女優さんだと思った。


 ただ、雪絵が飛び降りた理由は説得力に欠ける
「何故あなたみたいな生徒思いの先生と、前田みたいな男が、そんな関係に?
 何か、弱みでも握られていたんじゃぁ?」
という享の言葉がきっかけで、享に身をあずけようとしていた雪絵が、後ずさりして、
「あなたには分からないわよ。
 最初から死ぬつもりだったの。
 これで思い残すことなく、前田先生の許へ行ける、さようなら」
という言葉を残して、飛び降りてしまう。

 雪江の言動を振り返ると、彼を失った悲しみよりも、身の潔白が第一だったように思える。
 しかし、最後の言葉だけ、取って付けたような“彼を失った悲しみ”を言及している。

 となると、右京が言うように、飛び降りたのは前田を愛していたことをダメを押す行動のように思うと納得はできる。
 でも、男女の愛なんて合理的なものではなく、享は何も雪絵の愛を疑っていったわけではないように思える。何も飛び降りなくてもと思うのだが……

 まあ、彼女が飛び降りたのは、「右京に真相を気づかせるため」、「享を落ち込ませるため」、「視聴者をどきっとさせるため」なのであろう。
 それにしても、(不謹慎な表現だとは思うが)見事な背面落下だった。


 彼女の決死の行動は、「カネの為」であったが、それは、教え子を留学させる資金が欲しかった。
 ただ、教え子の為というよりは、自分の名声や自己満足の為だったようだ。

 それはともかく、理事長が金の隠し場所を変えていたり、金の在り処を白状してしまう可能性も大きい。自分は学校の悪事に加担していないのだから、普通に事情を説明した方が得策ではないのだろうか?
 大麻を利用して前田に近づいたというのも無理がある。

 疑問がもう一つ
 風間から「そいつ(共犯者)の別荘の裏に埋めてあるらしい」ということを聞いていて、右京によって共犯者が暴かれた。しかし、雪絵がピンポイントで金の入ったトランクを掘り当てるというのは、ちょっと…… 

 とは言え、冒頭で書いたように、彼女のおかげで、伊丹が大活躍(こき使われた)。
 それに、出番は短いが、内村刑事部長と角田課長が魅せてくれた

「万が一の時は…責任を取る………もちろん、お前(中園参事官)がだ」(by内村)


「すいません、ありがとうございます。いやいや、課長が暇で助かりました」(by芹沢)
「だから、暇じゃねえって言ってんだよぉ!」(by暇か課長)




【ストーリー】番組サイトより
 享(成宮寛貴)が所轄署に遺留品を返却しに行くと署の屋上から飛び降りようとする女性を発見! 享は女性の説得に屋上へと走る。飛び降りようとしていたのは音楽学校の講師・雪絵(小島聖)で2日前に殺害された同僚・前田の最重要容疑者として取り調べられるはずだったが隙を見て屋上に逃げ込み自殺をほのめかしているのだ。雪絵は屋上の淵に立ちながら、駆け付けた享に無実を訴え続けている。

 報告を受けた右京(水谷豊)は雪絵が勤める音楽学校で半年前に男性講師が自殺していたことを突き止める。今回の事件とどう関係しているのか…。

 右京は享が説得を続けている間、伊丹(川原和久)らと前田殺害事件の真犯人を探し出そうと行動を開始するのだが、事件は意外な結末へと導かれていく!

ゲスト:小島聖

脚本:金井寛
監督:近藤一彦
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ドラマ雑感 『緊急取調室』と『隠蔽捜査』

2014-01-16 21:15:36 | ドラマ・映画
文字通り、「雑な感想」ということで……

『緊急取調室』
捜査一課の専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」に配属された有希子が、
一癖も二癖もあるベテラン男性取調官たちに囲まれ、
一筋縄ではいかない犯人との“言葉と心理戦による駆け引き”を行いながら、
事件の裏に隠された真実を追求していく。
という設定(番組サイトより)。

 主演が天海祐希で、一癖も二癖もあるベテラン取調官が、大杉漣、小日向文世、でんでん、更に、そのチームの頭(管理官)が田中哲司、また、刑事部長に草刈正雄、捜査一課に篠井英介、鈴木浩介、速水もこみちと、速水以外、味のあるオジサン連中がいっぱい。

 面白そうだが、天海祐希とおじさんトリオ(大杉、小日向、でんでん)が良さを打ち消しあってしまっている。伯父さんトリオもなかなかの面子で、それぞれの味(見せ場)が必要、もちろん、天海もキャラが強い。すべてが個性を発揮すると空中分解してしまうので、お互いが少し引いて、お互いを立てている。
 それなら、主演なしで、オジサン連中が対抗したり協力したりして事件を解決していった方が面白い気がする。
 天海主役なら、ダメ刑事の鈴木と速水を徹底的にシバキながら事件解決した方が爽快感がある。


 初回の残念な点は、既に犯人のネタがほとんど割れていると思われたのに、更に取り調べをした。まだ、何か犯人が隠していること(もう一つ、爆弾を仕掛けてあるなど)があるのかと思ったが、犯人の心情を明らかにしただけ。
拍子抜けもいいところで、しかも、泣き落とし。

 番組サイトによると
有希子たちの冴えわたる頭脳と話術を駆使した取り調べに、
必死に抗いながらも、マル裸にされていく被疑者たち。
この息詰まる攻防戦に、あなたはどこまで耐えられる…!?
ということらしい。
 しかし、犯人の心を丸裸にするより、事件を解決する方メインであるべきである。

 メイン現場が取調室というのも、少々鬱陶しいかも。犯人と取調官の腹の探り合い、心理戦はコクがあるとは思うが、それがメインで毎回だとなると………



『隠蔽捜査』
 民放の連続ドラマ初主演となる杉本哲太が、信念を貫くエリート警察官僚・竜崎伸也警察庁長官官房総務課長を、そして竜崎と相反し人当たりがよく、ものわかりのいい男・伊丹俊太郎警視庁刑事部長を古田新太が演じる。
 物語は「全ての責任は俺がとる!」とばかりに階級や上下の面子に一切こだわらず信念を突き通す東大卒キャリア・竜崎と、本音と建前を使い分け、周囲を気遣い物事全てにおいて柔軟な対応をとる私大卒キャリア・伊丹の関係を軸に、警察内の権力闘争、人間関係、そして家庭の問題を多彩なキャストで描く異色の警察ミステリー。

 共演にはアクの強い個性派刑事・戸高善信に安田顕、竜崎の妻・冴子役に鈴木砂羽、そしてドラマのオリジナルキャラクターで竜崎と伊丹の同期、出世競争では彼らを一歩リードしている上條貴仁役に生瀬勝久ほか豪華な顔ぶれとなっている。
事件解決の謎解きとスリル、そして警察内部の対立と闘争をダイナミックに、。
(番組サイトより)

 こちらも、癖のあるオジサンがいっぱい
 警察官僚や刑事たちが、それぞれの正義感や欲望がぶつかり絡み合う重厚なストーリーだ。
 杉本演じる警察官僚・竜崎の厳格なまでの正義感、まじめさに共感。それだけに、自分の息子がヘロインに手を出してしまうという心の重荷が辛すぎる。
 「痛快に描く異色の警察ミステリー」といううたい文句だが、疑いたくなる初回だった。

 重苦しいストーリーだが、古田演じる伊丹刑事部長が一見軽いが芯の通った男っぷりの良さを発揮している。
 面白そうだが、重苦しさが増しそうだと視聴を断念するかもしれない。
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『福家警部補の挨拶』 第1話「失われた灯」

2014-01-15 21:45:44 | ドラマ・映画
古畑任三郎、コロンボタイプの推理ドラマ
犯行をあらかじめ視聴者に見せておき、犯人の工作の矛盾を突き、追いつめていく、言わば逆算型推理ドラマ


 実は、苦手なタイプのドラマである。
・逆算型なので、犯人のトリックを考える楽しみがない
・犯人のミス、犯行の証拠を見つけるのが、逆算型の醍醐味だが、考える間もなく、主人公の刑事が指摘してしまう。後出しジャンケン的なものがあったり、視聴者に提示されていても、ドラマ序盤にさっと流してしまう見せ方なので、≪そう言えば、そうだな≫と思うだけのことが多い
・犯行を見せられるため、私の場合、犯人に感情移入してしまい、刑事によって追い詰められていく感情を抱いてしまう
・しかも、その刑事はたいがい変人で、意識的、あるいは無意識に、犯人の気持ちを逆なでるような行為や発言をし、ジワジワいたぶるように疑問や質問をぶつけてくる
・その変人ぶりや無頓着さや自分勝手な行動は、犯人だけでなく、同僚の刑事や上司までも被害を受けることが多い


 なので、私にとって、逆算型推理ドラマの大きな要素として、
Ⅰ主人公の魅力度
Ⅱ犯人を追いつめる決定打(証拠、推理)の鮮やかさ

となってくる。
 Ⅱさえ鮮やかならば、それまでのフラストレーションも一気に晴れる(けっこう単純である)


さて、このドラマの主人公・福家警部補はどうなのか?

番組サイトの紹介文によると……
福家警部補は完全にまわりからは浮いている人間ながら、推理する能力は並外れていて、鋭い観察力で他の人間は気づかない事件解決の糸口を見つけることが出来ます。疑問を感じたら上司の言うことも聞かず、トコトン追求。特徴は「あともう一つだけ聞きたいことが…」としつこく相手に詰め寄ること。そんな不思議な美女
………………らしい。『鍵のかかった部屋』の芹沢だと「はっきり訊けよ!さっさと訊けよ!一度に訊けよ!」と叫ぶのではないだろうか?
 やはり、古畑タイプの洞察力としつこさを持っているらしい(まあ、これがないと、「逆算型推理ドラマ」は成立しない)
 さらに、引っ掛かりを感じるのが、「疑問を感じたら上司の言うことも聞かず」という点。嫌いなタイプだ。

 実際にドラマを観た印象は、
 紹介文通りの推理、洞察力の持ち主で、上司の言うことを聞かず、同僚を振り回すキャラ。会話の「あと一つだけ聞きたいことが」はもちろん、コロンボ、古畑タイプだが、話し方(犯人への突っ込み方)は、NHKの『実験刑事トトリ』の都鳥を思い出す。
 他の特徴は、美人だが自分の身なりや持ち物には無頓着。警察手帳を提示するのにも、バッグの中を引っ掻き回さないと出てこない(これを何回も見せられるのは嫌かな)。
 今のところ、推理力・洞察力以外には魅力を感じない。


その洞察力・推理力は?
なかなか鋭く、細かいことまで突っ込んでくる。
①ノートパソコンのバッテリーに関する疑問(外でノートパソコンを使用することが多いので、毎日充電する習慣があるのに、拉致監禁されていたのに、バッテリー切れ寸前だった)
②藤堂が事件担当でない自分(福家)のことを、最初から意識し、名前も覚えていたこと
③藤堂は拳銃を突きつけられ別荘に入ったはずなのに、誘拐犯である三室の靴の後ろに藤堂の靴がある
④車の泥跳ねが多すぎる
⑤留守電メッセージが消されていたのに、消去ボタンに指紋がなかった
⑥殺される前の三室の不可解な行動(誘拐をテーマにしたドラマをレンタルしたり、勝負服を調達しようとした)
⑦袖が長い服を着ていた三室の手首に血痕がたくさん付いていた(三室は腕を上げ、命乞いをしていたのでは)

 これらの疑問から、藤堂が2つの殺人事件の犯人だと睨み、
 旧友であり親友であった曽根のことを調べ、「藤堂のデビュー作は曽根の作品で盗作だった」という事実、また、そのことで辻が藤堂を脅迫していたということを突き止める。
 しかし、決定的な証拠はない……

 上記の洞察、推理は面白かった。特に、⑦は感心した。しかし、三室が棒のような凶器を振り上げた瞬間に撃ったという仮定も成り立つ。
 藤堂が実行した完全犯罪もなかなかよく出来ていた。
 さらに、決定的な証拠を提示できずに、一旦引き上げるのも、メリハリがあってよい。

 そして、決定的な証拠
「辻が酒を飲むに使っていたと証言したカップ(杯)は、実は燭台の一部で殺害される30分前には燭台として存在しており、そのカップが単独で存在していたのを見ることができるのは、辻と彼を殺した犯人しかいない」
というモノだった。かなり爽快感のある決定的証拠だと思った。


 しかし、それに至る経過に無理がある。
 焼け残ったものの写真を見せ、「見覚えのあるものはあるか」と訊くのは、少し唐突に思えた。
 なので、藤堂に「どうしてそんなことを訊くのか?」と尋ねさせ、「あなたが辻と話していたことを確認したかった」とか納得させてほしかった。
 さらに、「決定的な証拠となる壊れた燭台がなぜか金庫に入っていた」という重大ポイントをぼやかし過ぎ(隠していた)のは、フェアじゃない。
 それと、この決定的な証拠を唐突に思いついたのかと思ったが、藤堂の所から去る際に動揺した秘書がカップを割ってしまったことがヒントになったみたいだが、分かりにくい。カップを落として割るのがあまりにもわざとらしいうえ、「あぁ割れちゃった」という台詞もさらにわざとらしかったので、それに気を取られてしまった。

【その他の感想】
・冒頭の導入部、リンドバーグの息子の誘拐が、狂言云々という件は要らない 
・殺された辻は、骨董品で酒を飲んだり、骨董品のある場所でたばこを吸うのは、骨董屋としてどうなのか?
 (まあ、ろくでもない奴なので)


 推理ドラマとしては面白いと思う。
 しかし、やはり「逆算推理タイプ」ゆえのストレスを感じる。
 それを払拭する「決定的証拠」ではあったが、若干、強引。
 ヒロインがもっと魅力的だと助かる。う~ん、微妙なところだ。
 この際、魅力的ではないが千秋に主人公をやってもらって、ちんちくりんな風体で「ぷー」や「ぷんぷん」とか、とぼけた演技をしてはどうか?


【ストーリー】番組サイトより
 人気脚本家、藤堂昌也(反町隆史)は、三室勘司(小林且弥)を呼び出して自分の別荘へ。三室は、藤堂に頼まれた拳銃とロープを用意していた。藤堂は三室に誘拐犯の役を与えると役作りを始める。しかし、しばらくすると、藤堂は三室に睡眠薬を飲ませて眠らせてしまう。三室が眠っている間に、藤堂は自分の事務所に電話。事務員の大城加奈子(水崎綾女)が出ると、三室に読ませて録音した脅迫文を再生した。

 次に藤堂は骨董商の辻伸彦(有薗芳記)の家へ。藤堂は辻から古い原稿の取引を持ちかけられていた。原稿は藤堂の脚本家としてのキャリアを脅かすもの。藤堂は応じるそぶりをして辻を殺し、家に火をつけて別荘に戻る。
 その頃、藤堂の事務所には石松和夫警部(稲垣吾郎)ら警官たちが詰めていた。そこに、また脅迫電話が入る。大城は声の主が三室だと気づいた。

 電話を終えた藤堂は三室を起こす。全ては辻殺害を完全犯罪にするための策略だった。仕上げは三室を消すこと。それを知った三室は逆上して藤堂に襲いかかった。もみ合いの中、藤堂の撃った銃弾が三室を貫く。直後、警官たちが突入するが、傷だらけの藤堂が誘拐されていたことを疑うものはいなかった。

 ただ1人、福家警部補(檀れい)を除いては…。福家は石松から辻の放火殺人事件の担当を命じられていたのだが、なぜか藤堂の誘拐事件を調べ始める。福家は鑑識係の二岡友成(柄本時生)に車を出させて、藤堂の別荘へと向かった。

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『軍師官兵衛』 第2話「忘れえぬ初恋」

2014-01-14 21:06:15 | ドラマ・映画
やはり薄味。
尾張編は要らないので、播磨編を濃くして欲しい。

「軍師」ということで、竹中半兵衛、それに軍略に長けた「人たらし」秀吉とも絡めたいという意図は分かるが、官兵衛を描くことを蔑ろにしては本末転倒である。
 それに「おまえはおにか~?!」という信長と信行(信勝)の確執は、さっぱりわからない。

★今話のテーマであったと思われる「人質」
 いわ(官兵衛の母)、お紺、おたつ、官兵衛は、皆、「人質」と見ることができる。
 立場や境遇に違いはあり、感じ方も人それぞれ。「人質であっても、不幸とは限らない」らしい。
 おたつは、“身分の違い”で官兵衛をあきらめると言っていたが、官兵衛よりもっと身分違いのところに嫁ぐ状況でそう言っても、説得力はない。
 それに、やたら台詞に「人質」という言葉が出てきた。


 初陣で、戦の怖さに震える官兵衛を描写したのは良かった。しかし、戦で人の命が奪われる不条理さに対する官兵衛の思いを語ってほしかった。(大河で表現し尽くされたテーマであり、ここで語ってしまうと、「軍師 官兵衛」を描く足枷となってしまう可能性もある)


【ストーリー】番組サイトより
 元服した官兵衛(岡田准一)は、主君・小寺政職(まさもと・片岡鶴太郎)の近習となり、初陣の時を迎えた。敵の陽動作戦を見抜き勝利した官兵衛に、農民あがりの栗山善助(濱田岳)という青年が突然、仕官を願い出る。
宿敵・赤松家の脅威が去らぬなか、黒田家と同盟国との間に政略結婚の話が持ちあがり、官兵衛の幼なじみ・おたつ(南沢奈央)が花嫁に選ばれる。お互い憎からず思いながら引き裂かれてしまう官兵衛とおたつ。
 しかし、万感の思いでおたつを見送った官兵衛のもとに、宿敵・赤松が兵を挙げて室津城に向かったとの知らせが入る。そのころ、室津城ではおたつの婚礼が行われていた。
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全日本総合バスケット 女子決勝「JX-ENEOS×トヨタ自動車」

2014-01-13 17:35:07 | スポーツ
 昨年と同じカードの決勝戦となった。昨年は間宮の故障と疑問のベンチ采配もあり、トヨタが快勝している(もちろん、トヨタのプレーは素晴らしかった)。

 立ちあがり、JXはトヨタのゾーンディフェンスに手を焼きながらも、わずかな隙をついて、吉田、渡嘉敷、間宮(6点)がシュートを決める。この試合も、間宮と渡嘉敷のミドルシュートはタッチが良い。
 それと、ライン際に追い詰められた大沼からパスを受けた吉田が着地前にゴール脇の間宮にアシストパス。ほぼフリーの間宮が難なくショットを決めた。このプレー、吉田が大沼の方に駆け寄るが、この時吉田は大沼の方を観たままで、吉田の視野に間宮が入るかどうかの位置にいた。にもかかわらず、ジャンプ中にパスを受け空中で間宮にトスのようなパスを送る。吉田ならではのプレーだった。
 対するトヨタは、シュートが不正確で川原のフリースローによる2点だけで、試合開始4分20秒で10-2と嫌な雰囲気。
 この後、川原、鈴木がシュートを決めるが、この間、間宮のミドルショットが好調で、7分経過して16-6と10点の差がついた。
 しかし、点差はついているが、完全にJXがゲームを支配しているのではなく、間宮らの個人の能力で得点しているだけで、JXのオフェンスは機能していない。逆にトヨタのオフェンスの方が形になっているが、シュートミスが多く、その結果、点差が開いただけである。
 第1Q終盤、トヨタのディフェンスに手を焼き、得点も停滞気味。
 トヨタも相変わらずシュート確率は悪いが、それでも途中から入った矢野がうまくゲームを作りシュートも決め、第1Qは18-13の5点差まで詰めた。
 トヨタのフィールドゴールの成功率が低いのは、ディフェンスにかなりのパワーを注いでいる影響かもしれない。その分、ディフェンスのプレッシャーは強く、パスの受け手に対する寄り付きも素早かった。JXのターンオーバー5がそれを物語っている(トヨタは3)。
 トヨタの誤算は、3Pシュートが1/9と悪過ぎた点か。激しいディフェンスの影響かもしれないが、準決勝の富士通戦も3/17と17.6%と低く、3Pシュートは不調なのかもしれない。


 第2Qに入ると、トヨタは更にJXのバックコートからマークを強くしてプレッシャーを強め、JXはボール運びに苦労するシーンが多くなり、ターンオーバーが増える。うまくいっていないという焦りからか、ファールも増え2分48秒に間宮が2つ目のファールでベンチに下がる。また、フリースローで4点を与え、3分40秒では20-19と1点差に。さらに、スローインからボールを受けた吉田がディフェンスからの圧力にパスミスのターンオーバー。そこで、矢野が再度にジャンプしながらシュートを決めついに逆転。
 しかし、JXも岡本が3Pシュートを試み、リバウンドを木林が取りシュートを決め、22-21とすかさず逆転。このプレーは、少し前のタイムアウトで、佐藤ヘッドコーチが岡本に「お前がシュートを打たないと、攻撃の幅がなくなる。外してもリバウンドを取るから、打て」と注意。(珍しく良いことを言う)
 この後、渡嘉敷がブロックショット、矢野が吉田の甘いパスをカット、鬼頭(トヨタ)のペネトレイトを阻止など、互いのディフェンスがオフェンスを封じる。
 そして、吉田がペイントエリアに位置する宮澤にパス、宮澤からセンターのスリーポイントライン付近にいる渡嘉敷にパス。インサイドアウトのパス受けた渡嘉敷がやや遠かったがジャンプショットを決めた。久々の良いオフェンスができ、精神的に落ち着けたのではないだろうか。
 勝負どころと見たトヨタがタイムアウトを取ったが、この機に、JXは吉田に替え新原を起用
 ここまで吉田は要所に好アシストやシュートを決めていたが、パスも雑でターンオーバー4つと、トヨタのディフェンスに手を焼いている。本来の動きではない。辛そうな表情や、歩く際、足を引きずるシーンもあった。
 とは言え、この時間(4分16秒)でゲームの要の吉田を下げるのは相当の英断だ。やはり、吉田の体調が相当悪いのか。
 新原は、解説者やアナウンサーは評価していたが、私の評価は低い。これまでも何度も述べてきたが、ドリブルのスピードはあるが、一直線でパスする余裕もなく、もともと視野が狭い。私見だが、前でドリブルを突き過ぎるので、ボールが体から離れ気味となり、方向転換する余裕もない。また、ボールの位置が前方にあるので、どうしても視線が正面に固定されてしまう。
 そんな新原なので、パスワーク、ボールキープもあまり期待はできない。それでも、多少の得点のビハインドは覚悟して、吉田の消耗を避けたのは、正しい判断であろう。
 ゲーム再開後、森が宮澤の甘いマークをかわしてシュートを決め、24-23と1点差。
 この後、バックコートからボールを運ぼうとする新原にプレッシャーをかける。苦し紛れの新原が縦パス。それをあと一歩でカットできたが、辛くもJXボールでアウトオブバウンド。このパスカットが成功していたら、逆転もあり得たし、吉田をコートに戻さざるを得なかったかもしれない。
 スローイン後、強引にゴールしたにドリブルインした渡嘉敷がファールを貰い(微妙な判定)、2投フリースローを決め3点差。この辺りの攻防がひとつの大きなポイントだった。
 両チームとも攻めあぐみが続いた後、何とかディフェンスをかいくぐり、インサイドアウトのパスが岡本に渡り、3Pシュートを岡本が決める(岡本初得点、6分10秒)。トヨタも川原がすかさず3Pシュートを決め返し、29-26の3点差に。
 このあと、JXは新原のシュートが外れ、木林がダブルチームを受けトラベリングとオフェンスを失敗するが、トヨタのオフェンスを防いだ。ここで、吉田がコートに復帰(7分30秒)。吉田を3分以上休ませて、点差も維持できたのは望外の出来だった。
 この後、岡本(3Pシュート)、宮澤(2本)がシュートを決め、トヨタは栗原、栗原、鬼頭(イージーシュートだった)が外れ、36-26と10点差がついてしまった(残り43秒)。
 鬼頭がシュートを決めたものの、終了間際に岡本に3Pシュートを決められ39-28と11点差で終了。

 JXかなり苦しい展開だったがよくしのいだ。第2Qは岡本の3Pが復活したのと、宮澤が良い働きをしていた。
 トヨタはゲームを支配していたが、シュートミスが多すぎたのが痛かった。


 第3Qもトヨタのディフェンスが良く、ボール保持者への寄り付きが厳しくJXは2連続でターンオーバー。しかし、トヨタもシュートを決められず、1分30秒、両チーム無得点。ここで、吉田がフリースローライン付近でフリーの渡嘉敷にパス。これを渡嘉敷が落ち着いてジャンプシュートを沈め均衡を破る。
 ゲームが動き出すかと思われたが、トヨタは栗原のフリースロー2本、JXも渡嘉敷のドライブを決めた2点だけで、互いにターンオーバーを繰り返す。第3Q4分30秒を経過して、このQの得点は4-2のロースコア。JXはこの3Qここまで5ターンオーバー(吉田はこのゲームここまで5ターンオーバー)、トヨタも4ターンオーバー、フィールドゴール0/6と散々。
 ようやく4分42秒、速攻で栗原が決め、このQ、初フィールドゴール。
 しかし、ゲームの流れは変わらない。JXはターンオーバーを繰り返し、トヨタはシュートが決まらない。
 ただ、JXが苦しみながらも間宮、吉田がシュートを決めるのに対し、トヨタのシュートは不調のまま。
 結局、52-34、28点差で第3Q終了。この3Qは13-6、トヨタはJXに9ターンオーバーを強いたものの、2/16、12.5%のフィールドゴール成功率ではどうしようもない。

 第4Q、開始早々、池田(トヨタ)がターンオーバー、吉田が難なくジャンプシュートを決め20点差。これで、≪決まりかな≫と思ったが、JXもそう思ってしまった(佐藤ヘッドコーチにもやや笑み)のか、プレーが甘くなってしまった。
 ディフェンスが甘くなり、容易にパスを通させたり、シュートへのプレッシャーも弱くなり、トヨタに得点を許し、開始2分ちょっとで56-43と13点差に迫られる。
 そして、バックコートからのボール運びを狙われ、渡嘉敷がパスカットをされる。渡嘉敷はすかさず寄り付き、大沼とふたりでダブルチーム。シチュエーション的にはJXボールになるはずだったが、焦った渡嘉敷が腕を使って池田を抱え込むようにしてしまった。
 これをファールに取られ、渡嘉敷4ファール。
 13点差に迫られたうえ、渡嘉敷のファールトラブル。通常のベンチなら、ここでタイムアウトだ。気を落ち着かせ、今後の指示を与えるべきではないのだろうか?
 しかし、タイムを取らずにゲームを進行させる。一旦、相手のオフェンスは森の3Pが外れたが、JXも渡嘉敷がミドルショットを外し、その折り返しの攻撃で川原に3Pを決められてしまう(10点差)。
 あわててタイムアウトを取るが、遅い!
 ただ、ここでの指示は的確。「吉田、渡嘉敷、間宮に頼って、他の二人のポジションの選手が何もしていないこと」を指摘。「もっと外から打って、ディフェンスを拡散させろ(ペイントでの攻撃はその後)」と。(渡嘉敷と宮澤をチェンジ)
 タイムアウト後、指示通り岡本が3Pシュートを放つが外れる。
 4分28秒、栗原が3Pシュートを決め、56-49、ついに7点差。しかも、時間は充分ある。さらに、吉田がボールを運べずターンオーバー。大ピンチだ。
 しかし、トヨタも川原がターンオーバー。
 ここでJXは大沼に替えて新原を起用。得点力は落ちるが、とにかくフロントコートにボールを運び、シュートまで持ち込みたいというのが狙いだろう。
 しかし、その狙いも、岡本の強めのパスを吉田が受け損ないターンオーバー(記録は岡本のTO)。暗雲立ち込めるJX、堪らず渡嘉敷をコートに戻す。
 トヨタのオフェンス、しかし、久手堅がゴール下へ通したパスが強すぎてターンオーバー。救われたJXだが、渡嘉敷のシュートは池田ら二人がかりで抑え込まれ、ボールを保持した川原に素早く吉田がボールを押さえ、ジャンプボールシチュエーションに(JXボール)。
 次にどちらが得点するかで、勝利の女神がどちらの方を向くかが決まりそう。
 JXは吉田が3Pシュートを放つが、リングを跳ねる。リバンドを取った久手堅がそのままドリブル。吉田もマークするが、久手堅が抜け出しレイアップシュート。決まったかに見えたが、入らない。比較的イージーシュートで、これを外したのは残念。
 トヨタは気を取り直し、ボールにプレス気味に当たる。しかし、それをかいくぐって、吉田がレイアップを決め、9点差。
 残り5分、気落ちする必要は全くない。栗原がドリブルでゴールに切れ込む。これをマークしていた渡嘉敷が思わずファール。渡嘉敷、退場。
 栗原が2本ともフリースローを決め、再び7点差。
 バックコートで新原が挟まれるが、何とかパスを出す。これを間宮がジャンプシュートを決める。
 トヨタはコーナーで待つ栗原にペイントから森がパス、これをジャンプシュートを放つが、パスが流れた分だけ難しく、外してしまう。このリバウンドを吉田が飛び込んでキャッチ。
 相変わらず、トヨタのプレスは強いが、これをかいくぐって吉田がほぼフリーの間宮にパス。間宮が決め、62-51の9点差(残り4分9秒)。
 徐々にペースを取り戻すJX。トヨタも川原が2P、3P、池田2Pシュートを決めるが、JXも宮澤、間宮(新原のアシスト)が得点を挙げる。
 残り2分19秒で、新原がフリースロー1本目を決め、67-58。2本目を外してしまったが、新原が自らキャッチ。ところが、これを保持できず、トヨタに奪われてしまう。まだ、2分以上残っており、予断は許さない。
 しかし、ここをJXがよく守り、川原が追い込まれパスミス。この時点で、残り1分44秒。
 ここでJXは落ち着いて攻撃し、吉田がフリースローを得て、2本とも沈めて69-58、11点差。残り1分26秒、勝負あったの感。

 結局、69-61でJXが勝利。昨年の雪辱を果たした。

 JXは吉田、渡嘉敷、間宮が要所で頑張ったのと、新原が苦しみながらもボールを運び、吉田をフォローしたのが勝因。選手起用、タイムアウトの取り方には疑問があったが、新原起用はベンチのヒットだった。
 今後の不安材料は、吉田以外にポイントガードがいない点。岡本がシュート以外で進歩が求められる。また、大沼(木林)がオフェンスとして機能していない問題点を感じた。

 トヨタはプレスディフェンスでゲームを支配したが、シュート確率が低すぎた。
 消耗の激しいディフェンスであったが、バランスよく選手を交代してカバーをしたベンチワークは見事であった。
 ワンサイドになってしまいそうなところも、キレずに挽回したのは見事であった。7点差に迫った時に、あと一押しができなかったのが惜しい。これは小さい差なのか、それとも大きな差なのか……

 おそらくWリーグはJXとトヨタの決戦になるであろう。確かにJXは強いが、トヨタも対抗できる実力はある。今後も楽しみなWリーグだ。


【追伸】
・中村のポテンシャルは高そうで、吉田とのコンビも観てみたい。
・大神は中国リーグらしいが、中継では全く触れられなかった。何があったのだろう?
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全日本総合バスケット 女子準決勝「JX-ENEOS×三菱電機」

2014-01-12 18:32:48 | スポーツ
 ゲーム開始4分30秒、8-8の同点。拮抗したプレイと言うより、互いにターンオーバー、シュートミスなどがあり、相手の守備に手を焼いている感じ。
 JXは吉田のパスとシューターたちと呼吸がずれている。ゲーム開始2分の時点で、腰を曲げ両手を膝にやり上半身を支える吉田、早くも汗をかき、体調が良くないように見える。ボールを持ってもすぐパスをだし、いつものように自らが相手ディフェンスを崩してアシストするような動きはない。
 その中で、渡嘉敷、間宮の両エースは動きが良い。渡嘉敷はスティール1、ここまで2得点。間宮はさらによく、王のシュートを2本ブロック、6得点。
 一方の三菱は、王を中心に攻撃を組み立て、王は5得点、他は池谷の3ポイントシュート。王は間宮にシュートブロックを2本されたが、めげずにゴール下を攻めた。この奮闘が間宮のファールを誘い、4分30秒の時点で、間宮が2つ目のファールを犯し、ベンチに下がる(宮澤がインコート)。間宮も体が動き過ぎて、王の動きに過敏に反応してしまったファールであった。
 吉田の体調不良(に見える)、間宮のファールトラブルと、JXに暗雲が立ち込めかけた。
 この次のプレーが、ゲームのポイントだった。
 JXのオフェンス、岡本の3Pシュート、大沼、岡本のシュート、さらに岡本の3Pシュートがすべて外れたが、全て、渡嘉敷2本、吉田2本、オフェンスリバウンドを取り、5本目のシュートでついに成功(渡嘉敷)。
 このあと、三菱はJXディフェンスを攻略できず、24秒オーバータイムなどターンオーバーを重ねてしまう。この間、渡嘉敷が更に2本のシュートを決め、6点差に。渡嘉敷は、ゴールしただけでなく、シュートタッチが良く、やや離れたミドルシュートも決める。
 吉田もここが勝負どころと思ったのか、先のオフェンスリバウンドの他、この後、アシスト4、ミドルシュート1、スティールも1とスパーク。
 第1Qは20-13で終了。間宮がベンチに下がった後は、渡嘉敷が王をマークしてよく守り、2点に抑えた(第1Q、王は計7点)。
 渡嘉敷だけでなく、JXのディフェンスは良かった。ボールへのプレッシャーが強く、パスコースも限定し、パスカットも何本かあり、パスが通ったとしても寄付きが速く、三菱に攻撃をさせなかった。

 この流れは、第2Qに入るとさらに顕著になり、一方的なJXペースとなり、前半残り約2分には45-17(この間25-4)とダブルスコア以上の大差となってしまった。
 JXはファールトラブルの間宮を4分30秒まで温存し、投入時には渡嘉敷をベンチに下げ、吉田も6分20秒でベンチに下げる余裕(新原がイン)。吉田は4アシスト(計9アシスト)と相応の活躍をみせたが、動きをセーブ気味。
 前半残り2分からは、吉田、渡嘉敷抜きと言うことと、三菱も立て直してきており、9連続得点(JX0点)と45-26と若干盛り返して終了。
 JXはやや集中力を欠いたこともあるが、ゲームメイクできるのが吉田だけなのが不安材料だ(今期、大神は中国リーグ)。新原はボールキープ力が不安で、ややディフェンダーが引き気味の時のドリブルインシュートはあるものの、途中でプレーを変更する臨機応変さはない。岡本もシュート力はあるが、シューティングガードタイプだ。
 吉田以外にポイントガードがいないことが、一番の不安材料だが、渡嘉敷、間宮がいるので(宮澤も両エースの補助として十分機能)、どちらかにボールを委ねれば何とかなってしまうので、弱点にはならないのかもしれない。

 後半、三菱はオールコートマンツーマンでプレッシャーを強くし、リバウンドもがんばり、ゲームを支配する。第3Q2分45秒まで8連続ポイントで45-34と、第2Q終盤から、17連続ポイントで11点差に迫る。
 ここで吉田がペネトレイトからレイアップシュートを決め、流れを止める。三菱も池谷が3Pシュートを決め(ここまで14点)、10点差に詰め寄る。この後、木林がシュートを決め49-37。
 この次のプレー(得点)がゲームの行方を決定づけた。
 宮元の3Pシュートが外れたが王がリバウンド、更に王がシュート、しかしこれも外れ、三菱の渡邉がリバウンドを頑張りボールを維持、これを王がシュート!しかし、これを渡嘉敷がブロックショット!これを間宮が保持し、JXに攻撃が移り、岡本が3Pシュート!しかし、これが外れ……吉田がオフェンスリバウンド、JXのオフェンスが続き、王が間宮にファールして間宮がフリースローを2本決めて、ゲームが落ち着く。
 この後、何となくJXペースになり、結局、第3Q終了時は64-45と、第3Q開始時と同じ点差に戻ってしまった。
 第4Qは、JXが伸び伸びプレーをし、着実に点数を重ね、85-56で勝利。
 疲労や今後のことを考え、途中から控えのメンバーを起用。中村の身体能力が高い、可能性を感じさせるプレーが光った。

 
 
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