英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015新語・流行語大賞

2015-12-09 21:45:39 | 時事
12月1日に、2015年の『新語・流行語大賞』が発表された。

この『新語・流行語大賞』については、いろいろ思うことがあった。
・発表が12月1日……あとひと月もあるのに、早過ぎない?忙しい(せわしい)んだよ!
・候補が50って、多すぎ。私が流行に疎いのか、今年は18も知らない語があった。
 「これが、選ばれないのはおかしい」というクレームを避けるためなのか?
・候補も多いが、トップテン(大賞を含む)も多い
・納得した年(“流行語”の当たり年)と、ピンとこない年との落差が大きい
・よく売れた製品名は、流行語とは違う気がする


 一昨年は豊作で「今でしょ!」、「お・も・て・な・し」、「倍返し」(「倍返しだ」と、「だ」まで付けてほしかった)、「じぇじぇじぇ」(個人的には好きではない)
 今年は不作だった。ちなみに、昨年は「ダメよ~ダメダメ」(お~い、どこへ行ったんだ?)、「集団的自衛権」、トップテン(「ありのままで」「カープ女子」(これは疑問)、「壁ドン」「危険ドラッグ」「ごきげんよう」「マタハラ」「妖怪ウォッチ」「レジェンド」)まで見ると、豊作だったと言える。

 さて、今年の大賞について
「爆買い」
 日本人には流行していないものを、対象に選ぶのはどうなのだろう?

「トリプルスリー」
 プロ野球にあまり興味がないので、≪……ああ、打率、ホームラン、盗塁の…≫と、合点するのに間が空いてしまった。最初は、宝くじや競馬の勝ち馬投票券の新方式かと思った。

「アベ政治を許さない」
 気持ちは分かるが、実際には安倍総理の思うがままことが進んでいるので、これを流行語と言われても……

「安心して下さい、穿いてますよ。」
 「下品なものは選ばない」という姿勢を持って欲しかった。

「一億総活躍社会」
 「赤ちゃんから年配者や病人まで、皆、働け!」と言われている気がする

「エンブレム」
 疑惑のデザイン、疑惑の選考で、大きな損失を出したモノ、その者を選ぶのは変。
 いろいろな問題を総じて、「白紙撤回」を選ぶべきだろう

「五郎丸(ポーズ)」
 流行(人気沸騰)の点では納得。ただ、「五郎丸(ポーズ)」というフレーズは芸がない。
 流行語大賞だけでなく、世間で五郎丸選手だけにスポットが当たるのは、他のメンバーが気の毒。

「SEALDs」
 すいません。勉強不足で分かりませんでした。
 でも、言い訳するのではないけれど、ピンとこなかった人が多いのでは?
 そう言う語を、選ぶのはどうだろうか?

「ドローン」
 これは、事件によって、スポットが当たっただけなのでは?

「まいにち、修造!」
 ワイドショーで「これが売れている」というレポートを見て、≪うん、いいなあ≫と思ったが、商品が売れただけで、「まいにち、修造!」という言葉が流行ったわけではない。
コメント (2)
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『将棋世界』12月号の杜撰な記事について 【その2】~解説に対する疑問点~

2015-12-08 22:15:07 | 将棋
新年号の訂正記事があんまりなおざなりなモノだったので、「その2」に続けます。

 筆者の氏名は明記されていないが、筆者は一生懸命書いたのかもしれない。
 ただ、推敲が足りない。それは、名前の間違い(これも重大ミスだが)だけでなく、将棋の解説についても疑問箇所が多かった。
 まあ、将棋の解説にいちいち難癖をつけていても仕方がないし、私の方が間違えている可能性もあるので、スルーすることが多いが、今回は、予想できたとは言え、訂正記事がおざなりだったので、難癖をつけることにした。

 例えば、第2図(将棋世界誌の記事中では第3図)。

 後手の遠山さん(“遠藤さん”ではない)が6三にいた玉を△7三玉と躱したところ。
 ここで先手の小野(花)さんは、▲5三桂成と後手玉との距離を詰めた。

 解説では
「ここで小野さんは▲5三桂成としたが、△9二飛と手順にと金を払って遠山さんが息を吹き返した。
 第3図(ここの記事では第2図)では、▲9三とと引くか、▲9四金と打って挟撃を目指せば先手ペースの終盤だった」
となっている。
 
 まず、▲5三桂成△9二飛と進んで、後手が逆転したように述べられているが、△7三玉自体が問題の手で、局面を悪くさせていたと考えられる。
 △7三玉のから1手戻した第1図を考えてみる。

 △7三玉は、先手からの▲6四金と打たれる手の衝撃を和らげると同時に、飛車の利き筋を通した手で、実戦的な手であるが、玉を6三のままで▲6四金の直撃を受けても、△7二玉で意外と致命傷になっていない。△7二玉に▲5三桂成が痛そうだが、次に▲6二成桂と飛車を取られても△同金で耐えている。
 なので、第1図では△4九角▲6九玉△3八とと攻め合えば、後手勝勢に近かったと思われる。

 また、△7三玉に対しては、確かに、▲9三とや▲9四金が有効で、先手が優勢だったというのは間違いないが、実戦の疑問手とされた▲5三桂成でも先手が優勢だったように思う。
 ▲5三桂成に△9二飛と手順にと金を払われても

 ▲9三歩が利く。△9三同飛なら▲8五桂が絶好となるので、△8二飛と躱すしかないが、ここで▲9四金と挟撃体勢を築けば、やはり先手良しではないだろうか。

 さらに、第4図。

解説は
「(ここで)▲9一角成が敗着で、△6六歩が厳しい叩きで勝負あり。(中略)▲9一角成では▲4八金△6七角成▲同金△5五飛▲9四角の展開なら難しかった」 
と、なっているが、慌てて角を切らなければ▲9四角がないので、▲4八金には△2七角成と躱しておけば、先手の戦力不足で後手玉は大丈夫。
 さらに問題なのは、解説通りに▲4八金△6七角成▲同金△5五飛▲9四角と進んだとしても、以下△7三玉▲6一角成(変化図)の時、

 先手玉には、①△5九銀▲同玉△4七桂や②△8八飛▲7八金△5九銀などの即詰みがある。(▲9四角△7三玉の時、▲8五桂△6三玉を利かせて▲6一角成としても、先手玉は詰む)

 時間がない中で、上記の詰みを読み切るのは大変だが、解説では正確さが必要。
 確かに、実戦的には▲9四角~▲6一角成の筋を見せれば、逆転の可能性もあるかもしれないので、▲4八金と指せば、“勝負のアヤがあった”とは言える。
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『将棋世界』12月号の杜撰な記事について 【その1】~謝罪の気持ちなどないだろう~

2015-12-06 12:45:13 | 将棋
11月30日に「『将棋世界』12月号の杜撰な記事」という思わせぶりな記事を書きました。

予想通り、12月号の記事についての訂正・お詫びの記事が1月号に載りましたが、その“おざなりさ”も予想通りでした。


 問題の記事は、「第47期女流アマ名人戦」。

・P166の中段の3段落目の「……小野ゆかりさん、小野花依さん、佐藤圭さん、遠山侑里さんがベスト4に進出した」と記されていたが、“佐藤圭さん”は“加藤圭さん”の誤り
・同ページ下段の2行目の“後手の小野さんが”は“後手の遠山さんが”の誤り
・同ページ下段の5行目の“先手の遠藤さんは”は“先手の小野さんは”の誤り。“先手の遠藤さん”は小野さんと間違えた上、遠藤さんと名前も誤っている(正しくは遠山さん)
・P167の中段の6行目“遠藤さん”は“遠山さん”の誤り

 これだけ誤記があるのは珍しい。

 それで、1月号の訂正記事を待っていたのだが、
『インフォメーション』(タイトル戦の日程、棋士の昇段や休場のお知らせ、各大会の予告や結果)
一番最後に

【■誤植のお詫びと訂正
 12月号「第47期女流アマ名人戦」の記事で名前の誤記がありました。深くお詫びして訂正いたします。
 P166下段5行目
 誤「先手の遠藤さんは」
 正「先手の小野さんは」
 P167中段6行目
 誤「ここで遠藤さんは」
 正「ここで遠山さんは」】



 ほんのページの片隅……面積にして1ページの1/10もない。それに、訂正箇所も足りない。

 「深くお詫び」という表記があるが、深い謝罪の気持ちは全く感じられない。
 そもそも、「深くお詫びして」なら、まず、「申し訳ありませんでした」と言わなければならない。
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相棒 season14 第7話「キモノ奇譚」

2015-12-03 22:06:19 | ドラマ・映画
愛(西原亜季)は多重人格で、自分と双子の姉の人格を持ち、二重生活で2人分の人生を歩んでいた

 現実に多重人格が起こり得るのか?症例がどのくらいあるのか?医学的な見地など分からないが、ドラマでは使い古されたネタ。
 視聴者は、愛と幸子を画像でずっと追っているし、ネタとして二重人格が頭の隅にあるので、≪愛と幸子は二重人格によるもので、同一人物ではないだろうか?≫と推察しやすい。
 ところが、右京や冠城目線では、二重人格と言う結論に到達し難い。右京は特別なので、割とすんなり到達できた(視聴者に“じれったさ”溜めさせない点では良かった)。

 ただ、真相があまりにもストレート(予想通り)だったのが残念。いや、別にストレートでもいいが、それなら上條一家の葛藤に踏み込んでほしかった
悪戯で姉を死に至らしめた愛、二重(多重)人格になったのは………
 姉の分まで生きるという“償い”か?
 姉の死を認めたくない、姉が生きていると思いたい“逃避”か?
 刑法上の殺人の“罪を逃れる”ためなのか?



そもそも、上條一家の心情や行動が不可解であり、不可能
母親が救急車を呼ばなかったのは、≪救急車で運ばれて、もし蘇生しなかったら、もう一人の娘は姉を殺した妹として生きていかなければならない≫…そう考えた時、もはや息をしていない娘の処置よりも、もう一人の同じ顔をした娘の将来を選んだ
 愛には、“悪い夢を見た”と言い聞かせたのは、姉殺しの人生を歩ませたくない気持ち故だったが、そのまま罪をうやむやにしてしまっては、心の重荷から解放されることはない(罪の意識から心が崩壊しないためかもしれないが)。
 それに、いくら娘のためとはいえ、もう一人の娘の遺体を竹藪に埋め、存在を抹消してしまうのは、非道過ぎる
・社会人になってからなら可能かもしれないが、小学生から二重生活は相当困難。
・長年、罪の意識を持ち続けていたはずだが、現在の愛には罪の意識は感じられない。
 罪の意識の為、多重人格になったと考えることもできるが、それでも、愛の人格の時は、もう少し蔭りがあるのではないだろうか?
 あるいは、愛の人格は幸子の陰に隠れてしまい、めったに出現しないように思える。
 実は、愛と名乗っていたのが本当は幸子の人格だったとか、第3の人格だったとか……そういうひねりがあるのかと思ったが……


上條一家の家族構成や設定も不思議
・双子姉妹と弟・吏玖の年が離れすぎ
・幸子が死んだとき、そして、2重生活を始めた後も、父親は全く関与しなかったようで、既に離別していたのかと思ったが、長い間の後に吏玖が誕生。しっかり子作りだけしたみたいだ。でも、その後、また、存在感無し。
・吏玖の存在意義は、右京たちに愛の多重人格のヒントを与えるためと、ラストシーン(吏玖とジュンが遊ぶシーン)の為なのかもしれない。

今週の捜一コンビ
 捜一コンビは、特命係(主に冠城)の見張り役に転落
 伊丹は、冠城に“顔の長いオッサン”と揶揄されるし…


 なぜ、タイトルを「着物奇譚」ではなく、「キモノ奇譚」とカタカナにしたのだろうか?「死に神」「はつ恋」と同様、タイトルを捻るのが流行りなのだろうか?
 今シリーズは、「序盤、何とかよくしようと、あれこれ工夫するが、その結果失敗する」今期の竜王戦の糸谷竜王みたいで、事件の設定に工夫をするが、それが空回りするか、消化することができずに、空中分解してしまっている。
 今話も、がっかりの出来だったが……

右京がテレビゲームに興じるシーンと、
西原亜季が第3の人格を演じたシーン、「バカっていう方が、ぶぁっかっなんだよ~~だ!」とふざける“やんちゃ坊主ぶり”を見ることができたのが、救いか。

【雑感】
・生地に「いつかおまえがそうしたように、あたしもおまえを殺したい。でも、できない。もどかしい…。幸子」
と書かれていたが、私は「おまえが誰かを殺したように、あたしもお前を殺したい」という意味だと思ってしまった。
 「いつかおまえがあたしを殺したしたように、あたしもおまえを殺したい」と書くのが普通じゃないのかな。

・西原亜季さんは、石田ゆり子さんに似ていると巷で言われているが、同感。
あと、卓球の石川佳純選手とも似ていると思う。

・鈴木杏樹さんの和服姿…いつも思うが、“似合わない”というか、「服(着物)に着られている」と感じるのは私だけ?

【ストーリー】番組サイトより
 花の里の女将・幸子(鈴木杏樹)が、不審者として身柄を拘束されたという連絡を受け、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は身元引受人として所轄署に出向く。
 事情を聞くと、原因は最近購入した一着の着物だという。その胴裏を張り替えようと剥がしたところ、生地に「いつかおまえがそうしたように、あたしもおまえを殺したい。でも、できない。もどかしい…。幸子」という一文が口紅で書かれていたという。幸子は、この不穏な文章と“幸子”という自分と同じ名前に胸騒ぎを覚え、元の持ち主のマンションまで行ったものの、話をどう切り出したものかわからず周囲をうろついてしまい、不審者と間違えられたらしい。
 この話におおいに興味をひかれた右京と亘は、共に背景を調べ始める。元の持ち主は上條愛(西原亜希)という着付け教室の講師で、双子の姉である上條幸子は、2人の母親が営んでいる高級クラブで働いていることが分かる。実際、幸子に会って話を聞くと、文章は単なるポエムだというが、右京はこの双子の姉妹の言動に引っ掛かるものを感じる。

“ついてない女”月本幸子が再び事件を呼び寄せる
着物に残された不気味なメッセージの真相とは…!?
美人双子姉妹に隠された驚がくの“秘密”が明かされる!

ゲスト:西原亜希

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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暖冬だと言うけれど

2015-12-02 22:07:09 | 気象
 「この冬は、北日本を除いて暖冬」という3か月予報(季節予報)が出た。(11月25日・気象庁)
 その根拠はエルニーニョ現象。
 仕組みはエルニーニョの影響で、フィリピン付近で高気圧が発達しやすくなり、それによって偏西風が蛇行し、日本列島に暖気が流れ込みやすくなる。
 それによって、太平洋沿岸に低気圧が通過しやすくなり、西高東低の冬型の気圧配置が長続きしないという仕組み。
 詳しい仕組みは、文末に引用した『朝日新聞DIGIDAL』の「大規模なエルニーニョ現象、6年ぶり暖冬か 気象庁予想」をご覧ください。

 北陸の私にとっては、暖冬は有難いが、南岸低気圧による太平洋側では降雪。大気の冷たさ(上空の寒気)や低気圧の進路によって大雪になることもある。


 気象庁は、エルニーニョやラニーニャ(エルニーニョと逆の現象)が好きなようだ。
 それを重視して、季節予報が大外れしたことは過去に多い。“暖冬”と予報したのに、寒冬だったことが多々あったという記憶がある。
2015年2月1日記事2013年1月28日記事2012年1月7日記事2010年3月2日記事などなど。(他にもたくさんぼやいている)
 いずれも、エルニーニョを重視しての季節予報だったと記憶しているが、「偏西風が蛇行して寒気が流れ込みやすくなった」という言い訳をしていた。(この冬も、エルニーニョによって偏西風が蛇行して暖気が入りやすいとしているが、その蛇行の仕方とは蛇行の山がずれていた)

 また、今年の夏は「冷夏」と予報していたが、夏の前半は猛暑だった。これは、台風が日本に熱い空気を持ち込んだのと、偏西風の蛇行によるものだったと思う。
 ただ、盆過ぎ辺りからは冷夏の傾向が強くなり、8月下旬、9月は残暑はほとんどなかったので、冷夏の予報は半分近く的中したと言って良いのかもしれない。

 ともかく、地球の半球規模の気象現象(エルニーニョやラニーニャ)を妄信することに、そろそろ慎重になってもいいのではないだろうか?
 もう少し中規模な季節風の蛇行のシステムや北極・シベリアの寒気の溜まり具合などを重視し、解析した方が良いのではないだろうか?



【引用】
『朝日新聞DIGIDAL「大規模なエルニーニョ現象、6年ぶり暖冬か 気象庁予想」
===========================================

 この冬は6年ぶりに暖冬となる見込みだ。気象庁は、西高東低の冬型の気圧配置が強まりにくく、東日本と西日本、沖縄・奄美地方の12月~来年2月の平均気温が平年より高くなるとみる。昨年6月から続く大規模な「エルニーニョ現象」が予想の根拠という。

 日本から遠く離れた、赤道が通る太平洋の日付変更線付近から南米ペルー沖で、海面水温が平年よりも高い状態が続くのがエルニーニョ現象だ。過去30年間の水温の平年値と比べ、どれだけ高いかで規模を判断する。気象庁によると、過去最大だった1997年春~98年春は最大で3・6度高くなった。82年春~83年夏の3・3度、72年春~73年春の2・7度が続く。

 今回は10月末の海面水温は2・7度高く、過去3位タイだった。気象庁は「12月にかけてさらに発達する。過去最大には届かないが、かなり大規模なエルニーニョ現象になる見通し」としている。

 ログイン前の続き一般的にエルニーニョ現象が起きると異常気象になり、日本では冷夏暖冬になる傾向とされる。

 仕組みは複雑だ。東の赤道付近で海水温が平年より高くなる反動で、①フィリピン付近では海水温が平年より低くなり、高気圧ができやすくなる。②偏西風が日本の東で北に蛇行し、北海道の東にある低気圧の影響が本州付近では弱く、冬型の気圧配置が長続きしない。③本州では、大陸の高気圧から冷たい北西風が吹きにくくなる。この結果、東日本以西の寒さが緩むと考えられている。北海道と東北地方では平年並みの寒さになる見通しだ。

 一方で雨や雪への注意も必要だ。エルニーニョ現象でフィリピン付近で高気圧ができやすくなると、その高気圧の西側を通る形で、本州の南岸を発達しながら進む「南岸低気圧」が発生しやすくなり、太平洋側で雨が降りやすくなる。ここに強い寒気が南下するなどの条件が重なると、首都圏でも大雪が降ることもあるという。

 気象庁によると、97年春~98年春は、西日本や沖縄・奄美で1度、東日本で0・6度高かった。一方、過去2番目の規模だった82年春~83年夏は、西日本と沖縄・奄美で平年値を0・4度下回った。安田珠幾・エルニーニョ情報管理官は「一般的にはエルニーニョ現象の年は暖冬と言われる。ただ、大規模な現象が起きても平年並みの冬になる年もあり、現象の規模と暖冬の関係は十分に解明されていない」としている。(鈴木逸弘)
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ある渡辺ファンによる「羽生名人と渡辺棋王の比較」

2015-12-01 16:59:03 | 将棋
 先日、「第65期 王将戦挑戦者決定リーグ ~最強リーグ戦、残念な日程~」において、九鬼さんから力の入ったコメントを頂きました。
 あまりの力作なので、コメント欄に埋もれさせておくのはもったいないと、ご紹介させていただきます。
 ついでに、私の考察も書き加えます。

【以下、九鬼さんのコメントです】(全文は上記記事のコメント欄をお読みください)

今年度の両者の比較
(1)両者共に早指し棋戦で決勝進出前に敗退している。そのことと関係するが、両者とも、中盤から終盤にかけての捻じりあいで他を圧倒するケースが減ってしまっている印象を受ける。その点で昨年度までとかなり異なる印象を受ける。

(2)羽生名人はそうした中でも名人防衛を果たし、その後も有力な若手の挑戦を次々と退けて、四冠を堅持している。そうして王将リーグもプレーオフに絡むところまで来ている。(その後、最終戦に勝ち、プレーオフに進出している)

(3)渡辺明も、今年に入って(昨年度末に)羽生名人を退けて棋王防衛を果たしているし、今年度は竜王戦で挑戦権を獲得して、番勝負をかなり優位に進めている。ただし、年初時点で二冠だったのが、3月に王将を失冠し、さらに今年度の王将リーグでも星を悪くして、すでに陥落が決まっている。また、この間、他棋戦で挑戦者に名乗りを上げることが出来ていない。

(4)今年の両者が一番違っているのは、今年一気にブレイクした感のある佐藤天彦八段とのめぐり合わせと、対局結果かもしれない。
 羽生名人は銀河戦で佐藤八段に敗れたものの、王座戦では絶好調の佐藤八段を挑戦を退けた。その他の棋戦では(軒並み冠位保持者であることもあって)佐藤八段と当たっていない。
 渡辺明は、王座戦と順位戦、いずれも波に乗りかけたところで佐藤八段に当たり、痛い敗戦を喫している。昨年度末(今年2月26日)には棋聖戦(本戦1回戦)でも佐藤八段に敗れている。渡辺明は今年度、しきりに若手台頭を気にする発言をしているが、一番気にしているのはやはり佐藤天彦八段の勢いだろう。ひょっとすると、棋聖戦と王座戦で佐藤八段に立て続けに敗れたことが、その他の棋戦の戦い方(特に若手との戦い方)にも微妙な影響を与えているかもしれない。

ここまでの考察のまとめ
 羽生名人も渡辺棋王も今年度は絶好調ではなく、むしろ両者とも『不調』に近いのかもしれないが、今年度の成績には表面的にかなり開きが生じている(王将リーグの星取にそれが象徴的に表れている)。
 けれども、もう一歩踏み込んで考えてみると、両者の差は意外と小さいのかもしれない。両者の差を実際以上に大きく見せているのは、佐藤天彦八段とのめぐり合わせなのかもしれない。

羽生渡辺戦(王将リーグ最終局)の考察
 羽生名人にとっては王将挑決プレーオフ進出をかけた戦いですが、既にリーグ陥落が決まっている渡辺明にとってはほぼ完全な消化試合、しかも竜王戦番勝負の最中で、できれば手の内は隠したい状況と思われます。
 それならば、「米長哲学」の否定者である渡辺明は、この対局に本気で挑まないのでしょうか? そうかもしれません。しかし、そうでないのかもしれない、いや私はそうでない気がしています。

 その理由は、渡辺明にとっての羽生善治は特別な存在であり、渡辺将棋の全体が「羽生善治に如何に勝つか」をテーマとして形作られてきたもの、少なくともそうした性格を色濃く有しているもの、だからです。渡辺明自身、ところどころで、「羽生さんと5割に戦えれば、他の結果も自然とついてくる」という趣旨の発言をしています(引用省略すいません)。
 私は渡辺ファンであるにもかかわらず、この手の発言にはちょっと複雑な感情を抱いているのですが、それはともかく、王将リーグ最終局に関する限り、このところ調子を崩しがちなだけに、かえって渡辺棋王にとって羽生名人との対局が重要になるのではないか、また本人もそのように認識しているのはないか、何となくそんな気がしています。王将リーグの日程、英さんがご指摘の意味では確かに「残念」なのですが、それでも羽生渡辺戦がこのタイミングに来たのに、改めて何か因縁めいたものを感じた次第です。
【引用 ここまで】

 このまま記事を終えても良いほど、詳細で鋭い考察です。
 でも、九鬼さんの熱い気持ちには応えねばなりません。
 上記の九鬼さんの考察は、ほとんど納得のいくもので、反論する意思は全くありません。違う見解の部分は、並列して存在する解釈だとお考えください。


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 まず、ここ一年の両者の成績についてですが、九鬼さんの考察順とは異なり羽生名人、渡辺棋王の順で考察します。それと、本来は年度単位で考えるところですが、今日で11月も終わり、2015年もあとひと月だけとなったので、今年の1月からを考察範囲とします。

羽生名人
 タイトル戦関連では、棋王位挑戦失敗(0勝3敗、対渡辺)、名人位防衛(4勝1敗、対行方)、棋聖位防衛(3勝1敗、対豊島)、王位防衛(4勝1敗、対広瀬)、王座防衛(3勝2敗、対佐藤天)、竜王挑戦トーナメント準決勝敗退(対永瀬)、棋王位トーナメント準々決勝敗退(対阿部健)、王将リーグプレーオフ進出(5勝1敗)。

 棋王位挑戦に関しては、前年が敗者戦決勝で永瀬六段に敗れて挑戦権を得ていないので比較できないが、0勝3敗で敗れてしまったことは、印象としては悪い。
 名人、棋聖、王位、王座と連続防衛は昨年と同等、棋王トーナメントはややダウン(昨年は敗者戦決勝敗退)だが、王将リーグのプレーオフ進出は昨年と同じ。
 まあ、タイトル戦関連では昨年とほぼ同等と考えてよいだろう。

 一般棋戦は、朝日杯優勝(年度としては前年度)、銀河戦本戦ブロック決勝敗退(初戦敗退)、NHK2回戦敗退(初戦敗退)、日本シリーズ2回戦敗退(初戦敗退)。一般棋戦は今年度に限ると、なんと0勝3敗と未勝利。
 ちなみに昨年は、朝日杯優勝、銀河戦決勝トーナメント準決勝敗退、NHK杯3回戦敗退、日本シリーズ準優勝と上々の成績。昨年も4月以降の3棋戦では6勝3敗とやや物足りないが、今年は未勝利、後退感が著しい。

 九鬼さんも指摘しているが、早指し棋戦(上記3棋戦)が振るわない。このことは、読みの反射神経については落ちている(不調)ではないかという可能性が考えられる。
 ただ、NHK杯の北浜戦の将棋は、精密な指し手を積み重ねておきながら、最後の最後で着地を失敗したのであって、北浜八段の快勝譜ではないことを、声を大にして言いたい。確かに北浜八段の攻めを凌いでいる局面が続いたが、きっちり余しての一手勝ちの局勢だった。屋敷九段のどっちつかずの解説(形勢判断を明示しなかった)もあり、専門誌においても「北浜八段の会心譜」のような表現があったのは残念である。
 それより気になったのは、王座戦第2局、第3局での完敗(惨敗)など、良いところなく敗れてしまう将棋が増えてきたこと
 しかし、強力メンバーに対して4連続防衛し、勝局(他の棋戦を含む)の内容は素晴らしいので、“取りこぼし”の範囲で、“やや不調かも”ぐらいが妥当であろう。

 そもそも、羽生名人の“例年並み”というハードルが高すぎるのである。11月現在の今年度(“今年の”ではない)の成績が22勝11敗、勝率.667は通算勝率.721の羽生名人にとっては、“不振”レベルだが、トップ棋士(特にタイトル挑戦者は最強レベル、また王将リーグもA級+竜王)を相手にこの成績を誰が挙げられるのだろうか?……佐藤天八段がいるなあ。
 とにかく、「4連続防衛+王将リーグ5勝1敗でプレーオフ進出」で不調と言われるのは、酷である。


渡辺棋王
 タイトル戦関連では、棋王位防衛(3勝0敗、対羽生)、王将位失冠(3勝4敗)、順位戦プレーオフ2回戦敗退(昨年=前々期は3位)、棋聖戦本戦1回戦敗退(対佐藤天、昨年=前々期も1回戦敗退)、王座戦本戦準決勝敗退(対佐藤天、昨年は本戦1回戦敗退)、王位戦リーグは前年の予選3回戦敗退で不参加(昨年のリーグは3勝2敗で陥落)、来期のリーグ入り予選3回戦勝利(昨年は予選3回戦敗退)、竜王位挑戦中(1組から2組に陥落)、王将リーグ1勝5敗(王将位在位中)、今期順位戦3勝2敗(2敗は佐藤天、森内によるもの。昨年は3連敗後2連勝の2勝3敗)。
 王将位失冠でタイトルは棋王のみとなったが、竜王位挑戦権を獲得し、現在3勝1敗で復位まで1勝となっており、復位を果たせば王将戦主催者には申し訳ないが、お釣りがくる状況。
 棋聖、王座、王位をひとまとめに考えると、出入りはあるがプラスマイナスゼロ。王将リーグの1勝5敗で陥落はマイナス材料。
 総合すると、王将リーグの分だけマイナス(イメージはかなり悪い)だが、竜王位を奪取すれば、プラスに転じる。

 一般棋戦は、朝日杯準優勝(年度としては前年度、その前の年も準優勝)、銀河戦決勝トーナメント1回戦敗退(昨年は準優勝)、NHK2回戦敗退(初戦敗退、昨年も同様)、日本シリーズ準決勝敗退(昨年は優勝)。
 今年度の3棋戦に関しては、羽生名人ほど顕著ではないが、かなりの退潮傾向。

 以上までを考えると、渡辺棋王も「やや不調」と言えよう。
 しかし、新年度に入って15勝4敗と好調だった渡辺棋王が、九月下旬から王将戦で3敗、順位戦、日本シリーズ、竜王戦第1局、順位戦、NHK杯で敗局が続き、自己ワーストの7連敗を記録。王将リーグも1勝5敗と陥落。ここら辺りは、“はっきり不調”と言っていいように思う。
 NHK杯の対局日は不明であるが、7連敗について分析してみると、王将リーグの糸谷戦は手の内を明かしたくないという意識があったと考えられる。その次の深浦戦(王将リーグ)も若干の同様な意識あったかもしれない。三浦戦(日本シリーズ)は公開対局の早指し将棋なので、指運がなかっただけと言える。竜王戦第1局は、糸谷竜王の指し回しに幻惑され、負けが続いたところで、順位戦の佐藤天戦を迎えた。この将棋、逆転負けを喫してしまったが、直前の連敗、佐藤天戦の連敗、竜王戦の最中、順位戦との相性の悪さなど、マイナス要素の多さが関係していたように思う。
 その後4勝3敗と復調してきているが、そのうちの3勝が対糸谷戦(竜王戦)ということ、さらに、連敗脱出後の敗局の内容も悪いことを考慮すると、復調説の信用度も割り引きたくなる。
 ただ、竜王戦での勝ち方は、乱調気味の糸谷竜王であると言え、あの竜王を完封勝ちしてしまうのは渡辺棋王しかいないのではないだろうか?


対佐藤天彦八段
 今期30勝10敗、勝率.750。対戦相手のほとんどがA級棋士、元A級棋士(しかも長期A級在籍者が多い)、若手強豪。
 A級順位戦5連勝と独走状態、王座戦挑戦、棋聖戦本戦決勝進出、棋王戦本戦準決勝進出、銀河線準優勝と、まさに“勝ちまくり”状態の佐藤天八段


渡辺棋王
 その佐藤天八段に、棋聖戦本戦1回戦で敗れ、王座戦本戦準決勝で敗れてしまった。
 この時期、既に勝ちまくっていた佐藤天八段であるが、まだ“勢いで勝っている”という評価であり、渡辺棋王も「あれ?」という感じでやられてしまったという感じではなかったか?
 とにかく、九鬼さんの仰るように佐藤天八段に活躍の場を刈り取られ、渡辺棋王が好調だった流れに乗り切れなかった要因だったと考えられる

 そして、互いに3連勝で迎えたA級順位戦4回戦。
 角換わり腰かけ銀で、後手番の渡辺棋王が桂銀交換の駒損を敢行し、先攻、主導権を握る。終盤、緩急をつけた指し回しで優勢になる(勝勢に近かった)。「佐藤玉を上から抑える△8四桂」or「下から追う△6九角成」……≪どちらを指しても良さそう≫と、安易に上から抑えたが、玉を引いてその押さえに打った桂の勢力から遠ざかられてみると、意外に決め手がなく、混戦に。
 逆転負けを喫した渡辺棋王のダメージは相当のモノだったはずだ。
 ただ、心に隙が生じた敗局で、力負けしたわけではない点が救いとも思える


 参考記事はこちら(二者択一の局面は、この記事の第7図より△7七歩成▲同玉と進んだ局面)


羽生名人
 羽生名人も佐藤天八段には、王座戦で苦しめられた。
 しかし、タイトル戦というじっくりした環境で、作戦的や精神的な備えもできた点が大きかったと考えられる。
 佐藤天八段が、このまま名人挑戦権を獲得したら、名人戦七番勝負が楽しみでもあり、脅威でもある。


渡辺棋王にとっての羽生名人
 九鬼さんのコメントそのままでいいように思います。
『渡辺明にとっての羽生善治は特別な存在であり、渡辺将棋の全体が「羽生善治に如何に勝つか」をテーマとして形作られてきたもの、少なくともそうした性格を色濃く有しているもの』

 羽生ファンの私が言うのもなんですが、現代棋士すべてが、≪羽生名人に自分の将棋を全力でぶつけてみたい≫はずである。
 ≪強者と将棋を指したい≫というのは、棋士の本能である。

 また、渡辺棋王は≪羽生名人の独走を許してはいけない≫という使命感に似たものを持っており、如何に消化試合で竜王戦七番勝負の最中とは言え、全力を尽くさないはずはないのである。まあ、多少、戦法の選択はすると思われるが。
 それに、羽生名人の大事な一局に勝てば、自分の信用度もアップするはずと思いそうだ。



渡辺棋王が竜王位を獲得し、来年、羽生名人が挑戦権を獲得し、渡辺竜王と竜王位を争うのが、今から楽しみである。
コメント (2)
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