漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0953

2022-06-09 07:18:22 | 古今和歌集

あしひきの やまのまにまに かくれなむ うきよのなかは あるかひもなし

あしひきの 山のまにまに 隠れなむ 憂き世の中は あるかひもなし

 

よみ人知らず

 

 そこに山があるのにまかせて、そこに隠れてしまおう。山には峡(かい)があるけれども、この憂き世の中には、いる甲斐もないから。

 第五句の「かひ」に「峡」と「甲斐(効)」をかけた、言葉遊び的な要素も含んだ歌。正岡子規的に言えばこれも「駄洒落」の類かもしれませんが、こうした機智も古今集の味わいの一つですね。^^