漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 587

2024-11-23 05:32:33 | 貫之集

きみこふる なみだはあきに かよへばや そらもたもとも ともにしぐるる

君恋ふる 涙はあきに かよへばや 空も袂も ともにしぐるる

 

あなたを恋しく思って流す涙は、あなたに「飽き」られてしまった故の涙だからなのか、「秋」に通じているかのように、空も袂もともにしぐれていることよ。

 

 「あき」を「秋」と「飽き」の両義にもちいるのは古典和歌の常套手段ですが、本歌ややや理屈っぽく感じました。
 この歌は、玉葉和歌集(巻第十二「恋四」 第1667番)に入集しています。