漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 590

2024-11-26 04:41:10 | 貫之集

をしからで かなしきものは みなりけり うきよそむかむ かたしなけれは

惜しからで 悲しきものは 身なりけり 憂き世そむかむ かたしなければ

 

惜しいわけではなくただ悲しいものは人の身であるよ。この辛い世を離れるすべもないのだから。

 

 現世が辛いのでこの身は惜しくはないけれども、さりとて実際にこの世から離れることもできないことが悲しい、という嘆きの詠歌ですね。
 この歌は、後撰和歌集(巻第十六「雑二」 第1189番)に入集しており、そちらでは第五句が「かたをしらねば」とされています。

 

 



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