漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 570

2024-11-06 05:43:24 | 貫之集

しきしまの やまとにはあらぬ からころも ころもへずして あふよしもがな

しきしまの 大和にはあらぬ 唐衣 ころもへずして あふよしもがな

 

日本ではなく唐の衣(ころも)ではないが、その頃も(ころも)経ずにまた逢うことはできないものだろうか。

 

 「しきしまの」は「大和」にかかる枕詞、上三句は次の「ころ(も)」を導くための序詞になっています。従って実質的な歌意は下二句だけということで、こうした手法はきっと現代短歌では使われないのでしょうね。(現代短歌にはまったく知見がないので、私の勝手な想像です ^^;;)
 この歌は、古今和歌集(巻第十四「恋歌四」 第697番)に入集しています。