漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 634

2025-01-09 05:24:20 | 貫之集

ゆめをみて かひなきものの わびしきは さむるうつつの こひにざりける

夢を見て かひなきものの わびしきは さむるうつつの 恋にざりける

 

夢で逢っても甲斐がないとわかってはいても、わびしいのは夢が覚めて恋の現実に戻ることであるよ。

 

 夢での心ときめく逢瀬に比べて現実は。。。という切ない歌ですね。
 この歌は新千載和歌集(巻第十二「恋二」 第1153番)に入集しており、そちらでは第二句が「かひなきことの」とされています。