漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 494

2024-08-22 04:36:59 | 貫之集

ちはやぶる かみのたよりに ゆふだすき かけてやひとも われをこふらむ

ちはやぶる 神のたよりに ゆふだすき かけてや人も われを恋ふらむ

 

神を祭るおりに木綿襷をかけるように、人も私をここにかけて恋してくれるであろうか。

 

 「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞。第四句「かけて」は、木綿襷を「掛ける」と人が自分を心に「かける」の両義で、021393 など、しばしば登場する手法です。
 この歌は、続古今和歌集(巻第十四「恋四」 第1231番)に入集しています。そちらでは第二句が「神のたむけの」とされていますね。



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