漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 112

2023-08-06 05:28:50 | 貫之集

雪の降れるところ

はるちかく なりぬるふゆの おほぞらは はなをかねてぞ ゆきはふりける

春近く なりぬる冬の 大空は 花をかねてぞ 雪は降りける

 

雪が降っているところ

春が近くなった冬の大空には、やがて咲いては散る花の花びらに紛う雪が降っているよ

 

 降る雪を散る花びらに見立てるのは和歌の常套手段ですね。「春が近い」ということが屏風絵の中にでどう表現されていたのか(特段なく、「春が近い」というのは歌人が設けた想定かもしれまんせんが)、ちょっと気になるところです。
 この歌は、続古今和歌集(巻第六「冬」 第680番)に入集しています。

 

 



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