雪の降れるところ
はるちかく なりぬるふゆの おほぞらは はなをかねてぞ ゆきはふりける
春近く なりぬる冬の 大空は 花をかねてぞ 雪は降りける
雪が降っているところ
春が近くなった冬の大空には、やがて咲いては散る花の花びらに紛う雪が降っているよ
降る雪を散る花びらに見立てるのは和歌の常套手段ですね。「春が近い」ということが屏風絵の中にでどう表現されていたのか(特段なく、「春が近い」というのは歌人が設けた想定かもしれまんせんが)、ちょっと気になるところです。
この歌は、続古今和歌集(巻第六「冬」 第680番)に入集しています。