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このブログを開設して間もない頃に一度紹介しているのだが、写真は、1997年に刊行された、「ウルトラセブン」のキリヤマ隊長にスポットを当てた本。
この本は、「中間管理職としてのキリヤマ隊長」をテーマにし、ヤマオカ長官、タケナカ・マナベ参謀といった上司と、フルハシ、ソガ、アマギ、アンヌ、そしてモロボシ・ダンという部下たちとの間で、キリヤマ隊長がいかに考え、行動し、いかにリーダーシップを発揮していたかというエピソードを紹介する中で、リーダーたる者の在り方、理想像を突き詰めていくという内容になっている。
この本で扱われているテーマの中に、「立場の異なる友人・同僚との付き合い方」というのがあるのだが、そこで引き合いに出されているのが、登場回数は少ないものの、サブキャラの一人として強いインパクトを残した、宇宙ステーションV3の隊長・クラタという人物。
この二人の関係を簡単に紹介すると、二人は士官学校時代からの親友であるが、キリヤマの方が、地球防衛軍の中のエリート集団であるウルトラ警備隊を率いるリーダーであるのに対し、クラタの方は、同じ「隊長」でも、閑職に近い存在であるという位置付けになっている。
この本は、そんな二人の姿を通して、「立場の異なる友人・同僚との付き合い方」というテーマを、キリヤマとクラタ両方の立場から描き、注意すべき点や、立場が異なるからと言って、特に気にする必要のない点などを紹介しているのだが、実はこの4月から、そんな二人のうち、クラタに近い立場に置かれることになった。
どういうことかと言うと、実は今度の人事異動で、同期で年齢も同じ、これまでも普通に職場の友人としてやってきた人が、私から見てすぐ上の上司として赴任してくることになったのだ。
明確に上下関係が付く時点で、キリヤマとクラタとの関係とは異なるのだけど、「立場の異なる友人・同僚」という点は同じなので、別に悩んだりはしていないものの、正直、どうすればいいかと色々と考えている。
この点について、本の中では、クラタの側から見た注意点として、「相手が立場的に上になったからと言って、付き合い方まで変える必要はない。ただし、相手が自分の立場や責任・権限を盾に物を言う場面では、相手に譲歩した方がいい」という趣旨のことが書かれている。
このうち後者の方は、一つ間違うと、単に「長いものに巻かれる」になってしまい、惰性で行動するだけになってしまう恐れもあるが、組織というものは、それぞれが、それぞれの立場に応じた責任のもとに行動することで成り立つということから考えると、これは納得させられる。
そんなわけで、実際にどこまでできるかは別にして、今後、定年までまだ二十年近くある中で、いい勉強をするための一年と思えばいいのかなと、とりあえず今は、思ってます。
実際にスタートしてみたら、また気持ちの変化も生まれてくるかもしれないですからね。