豊平館～１～

 

札幌の中島公園にある、国指定重要文化財「豊平館」。

前を通りかかったことは何度もあるものの、中には一度も入ったことがありませんでしたが、先月行われていた「さぁ！まわろうSAPPORO～見どころ施設無料化キャンペーン～」の対象施設の一つだったので、この機会にと思い、入ってみることにしました。

 

 

「豊平館」は、明治初期、北海道開拓が本格化した時期に、旅行者の新たな宿泊施設を建設する必要性から、明治１３年（１８８０年）１１月に、現在の中央区北１条西１丁目に建設された建物。（その跡地がこちら）

工事の最中に、時の開拓長官であった黒田清隆が、北の都札幌が豊かに平和に発展することを願って「豊平館」と命名したと言われています。

翌１４年（１８８１年）、明治天皇行幸の際の行在所として使用され、やがて開拓使が廃止されて、建物が当時の「札幌支庁」の管理となった後も、札幌を代表するホテルや宴会場として、広く利用されてきました。

戦後、社会教育推進の観点から、「豊平館」に公民館的機能を持たせるべく、昭和２３年（１９４８年）２月に「札幌公民館」として新たな歴史を刻むこととなり、翌２４年（１９４９年）には「札幌市民会館」と改称されました。その後、同３１年（１９５６年）、市民会館を、市民の文化活動の総合センターとしたいという運動の高まりを受けて、札幌市が、新しい市民会館を豊平館がある敷地に建設することを決め、「豊平館」は同３３年（１９５８年）５月に中島公園に移築保存され、現在に至っています。

 

 

正面にも扉はありますが、観覧の出入口は、正面から見て右横にあります。

私も実際に行くまで、正面から入れるとばかり思っていました。

 

 

中では、建築中の様子が映像として流されています。

 

 

 

見どころは、ぶっちゃけ館内全部かと思うけど、一つ一つ見ていきましょう。

 

 

 

西洋風の立派なシャンデリア。

 

 

千鳥の絵が刻まれています。

これは、漆喰を盛り付けて立体感を表す「こて絵」という技法だそうです。

 

 

 

 

ドイツ製という立派な時計。

こういうタイプの時計も見なくなってきましたね。

 

 

立派な赤じゅうたんの階段。

建築当時の様子を再現して作られているそうです。

 

 

館内で最も広い「広間」。

先ほど書いた明治天皇行幸の際には、謁見所として使用されました。

 

 

建設当時の太政大臣であった三条実美の揮毫による扁額。

上から二枚目の写真にある正面の物も同じだそうです。

 

 

 

 

戦前、まだ天皇が国家元首であった時代の行幸（皇太子の行啓も）というのは、現在の感覚では想像がつかないほど畏れ多いものだったと聞いたことがあります。

それだけに、このような施設が滞在の場として使用されたということは、歴史上大変な名誉あることだったと言えるのでしょうね。

 

 

 

このような場で、どのような話し合いが持たれていたのか、大変興味深いですね。

ということで、写真の数が多いので、今回はここまで。次は、各部屋を個別に紹介していきます。