札幌市内中心部に、かつて5,000円札の肖像となっていた、あの「新渡戸稲造」氏の名を冠した公園があります。
これは有名な言葉ですね。
東京大学入学試験の面接において、「大学で英語を学び、日本と西洋それぞれの長所を伝え合い、世界の国々が仲良くし、共に向上していくための橋渡し役になりたい」という趣旨で発言した言葉だそうです。
そこにある解説版。
「札幌遠友夜学校跡地」とあります。
明治27年(1894年)、当時札幌農学校の教授であった新渡戸稲造と妻の満里子(メリー)は、経済的な事情など様々な事情で就学出来ない児童のために、「遠友夜学校」という学校を開設しました。
他の人への思いやりを持った人間を育てることを目的としていたこの学校は、社会事業に深い理解を持つ人々の寄付金を中心に運営され、教師も北海道大学の学生が新渡戸の意志を引き継いで代々無給で奉仕し、札幌におけるボランティア活動の原点ともなりました。
公園内には、このような自動販売機が設置されています。
売上金の一部を「遠友夜学校記念館」設立と維持管理のための資金に充てる目的で設置されたもので、昨年7月から運営されているそうです。
この公園は、そんな「遠友夜学校」の跡地を整備したもの。
昭和19年(1944年)、戦時政府の命により閉校となってしまったそうですが、もし戦後も存続していたら、札幌ひいては北海道の教育の歴史に、また違った1頁が刻まれたことでしょう。
近年また、夜間中学というのが文部科学省の方針により整備促進されていますが、北海道には「遠友夜学校」という学校が存在したことがもっと広く知られ、その精神が受け継がれていくとよいと思います。
新渡戸稲造と満里子夫人を描いたレリーフ。
北海道に縁の深い彫刻家、「山内杜夫」氏の作品である「新渡戸稲造萬里子両先生顕彰碑」。
「学問余里(より)実行」とい言葉が刻まれています。
この公園に関する情報も掲載されている、こんな本が発売されたので、早速買ってきました。
札幌市政100周年の記念すべき年。
まだまだ知らない場所、情報も多いので、大いに活用したいです。
札幌に新渡戸稲造記念公園という所があるという事を
初めて知り、感動しました。
札幌遠友夜学校という学校があったんですね。
今もあったら良かったのにと残念です。
札幌の文化がもっと素晴らしいものになったのではないでしょうか。(素晴らしい街だと思っていますが)
良い記事をありがとうございました。
こんにちは。
私も、こういう公園があることは知っていましたが、何があるのかということは、行くまで詳しく知りませんでした。
本当、今の時代にも受け継がれてほしい話だなと思いますよね。
こちらこそ、お付き合いいただいてありがとうございました。