monologue
夜明けに向けて
 

富登  


炎と水、そして風=「水(ミ)」→「火(カ)」→「タタラ・アタタラ」

さて、母、御炊屋姫から「御」父、大歳(ニギハヤヒ)からは「歳」を受け継いだ「御歳」にかけられた封印を解こう。伝承によればかの女は生まれた時は「富登多多良伊須須岐比賣命(ほとたたらいすすきひめ)」であったがホトというのをはばかって比売多多良伊須気余理比賣(ひめたたらいすけよりひめ)と改名したことになっている。一応首肯できそうだがどうも腑に落ちない 。改名するにしても比賣を前にもつけて比賣多多良伊須気余理比賣とするのはいかにも不自然である。なんらかの事情があって富登という文字を隠したかったようだ。
ニギハヤヒがつけた「富登多多良伊須須岐比賣命」という素晴らしい名前を(ホトたたらいすすきひめ)と悪意をもって読むことがおかしいのだ。自分の大切な娘の名前に女陰(ホト)とつける親はいない。だれでもホトから生まれるがだからといってそんなことをいちいち名前につけるはずがない。もちろん「富登」は「ホト」と読むのではない。当たり前だが普通は「フト」と読むはずである。そのとおり、ニギハヤヒは「ふとたたらいすすきひめ」と継承者である末娘を名付けたのである。
「富登(ふと)」は宇宙の回転法則「フトマニ」のフトであり、サルタヒコの「太田」の「太」であり一族の始祖「フツ」のことでもある。
「富」を分析すれば「宇宙」ということばを一字にまとめた文字で下の「田」は十が回転している図。
「富登多多良」とは「たたら」の法を授けられた司式(マスター・オブ・セレモニー)継承者を意味する名前であった。その反対勢力であった古事記編纂者はその名の機能を封じるために無理にホトと読みヒメを前につけてかの女の力を秘め封じてしまったのである。
それでも「御歳」は母、勢夜陀多良比売(せやだたらひめ)から受け継いだタタラの秘法によって神武(イワレヒコ)とともに日本建国を成し遂げたのだ。
fumio

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