昨年九月、わたしたちの町で保育園児らの列に乗用車が突っ込み、4人が死亡し、17人が重軽傷を負った事故で、業務上過失致死傷罪に問われた運送業手伝い井沢英行被告(38)の判決公判が16日、さいたま地裁で行われ求刑通り懲役5年の判決が出た。
事故以来確かにこの町は変わった。毎日、午後二時と四時には「地域のみんなで子供を守りましょう」との放送が流される。
この間、わたしが裏の空き地を掃除していると4、5人の小学生たちが脇を駆け抜けていった。元気が良くていいなあ、と思っていると、振り返って「あの人怒っている」と言って私に向かって「どうもすみませんでした」と謝る。一体なにに対して謝っているのかわからないまま、笑って「ああ」と返事した。しばらくして下校中の別のグループが通り過ぎていった。わたしは掃除しながら顔をそちらに向けるとその中のひとりの女の子がわたしの正面に立って「こんにちは」と大きな声で挨拶したのだ。虚を突かれたわたしはとまどいながら「こんにちは」と挨拶し返してあの頃を思い出した。あの頃とはロサンジェルスに住んでいた頃である。ロサンジェルスでは見知らぬ人でも顔があえば「ハーイ」と挨拶する。それは多民族社会なのでだれとでもうちとけて敵意のないことを示す良い方法だった。日本ではあまり知らない人に挨拶をすることはないが最近の事件事故を教訓としてあの子供達は大人から身を守るために謝ったり挨拶しているのかと思ってしまった。子供達が大人を怖がらなくてすむ世の中に戻さねば…。
fumio
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