「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

障害児の被災 (転載)

2011年03月16日 08時16分30秒 | 東日本大震災
 
 僕のブログの 「お友だち」 の方が コメントを下さいました。

 その人は 阪神淡路大震災の被災者であり、

 ご自分の記事の 転載を呼びかけているので、 以下に転載させていただきます。
 

----- 以下転載 ---------------------------

わたしは (中略) 重症心身障害 を有する家族がいます

人工呼吸器下で管理され、電力なくしては生きていけません

停電は致命的であり、避難所では生活できません

阪神大震災で経験したことの中で

もっとも忘れがたいことで

一番大事なことなのに

置き去りにされた問題でした

(中略)

当時ものすごく困っていたことが思い出されてなりません

障がいがある方

または、障がい児たちとその親御さん方々

どんなに困られているだろう

身体障害や知的障害がある方々の親御さんは

その子らを連れて避難場所とされている場所で

生活ができませんでした

オムツがない

薬がない

また

咀嚼、嚥下機能に障がいがある子どもたちの

食糧がない

視力に障がいがある方々の

避難場所でトイレへ行くことの困難さ

耳が聞こえないがために

なお増す不安感

とくに自閉症の方々

あっちこっちで叫びだすパニックの声

泣き叫び走りまわり激しく壁に頭を叩きつける自傷行為

それは障がいからくる混乱です

そういう家族は、無知による偏見差別からの誹謗中傷

冷やかな視線などから、避難所へすら行けず

倒壊寸前の家屋の中でその子を

抱きしめているしかほかありませんでした

悲しいことで

そんな中でせっかく助かった命すら

落としていかれる方もいらっしゃいました

こんなわたしでも何かできるはず

----- 以上 ----------------------------
 

 障害児や親たちの 不幸を聞いて、 大変ショックを受けました。

 震災だけでなく、 由々しい人的な二次被害を 被ることになるとは、

 何と痛ましいことでしょう。

 あまつさえ、 そのために命までも 失わなければならないとしたら、

 あまりにも悲痛なことです。

 自然の猛威は 止むを得ないとしても、 少なくとも 無知による被害だけは、

 一刻も早く なくしていかなければならないと痛感します。
 
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巨大震災に思う

2011年03月15日 00時13分47秒 | 東日本大震災

 
 僕は、 不幸はいつ 自分の身にも 降りかかるか分からない、

 と考えている人間ですが、 普段はなかなか 実感として感じることはできません。

 でも今回は 身の周りに影響があり、 災害を 身近に感じる次第です。

 スーパーやコンビニの棚が 軒並み空になり 〔*注〕、

 電車も間引き運転、 そして 輪番停電です。

〔*注 : にわか防災意識に駆られた人が 何と多いことか。

   あとは 輸送事情の悪化と、 被災地への救援を 優先しているためですね。〕

 今日は銀座に出ましたが、 人通りは いつもより閑散としており、

 各店舗に  「休業」 や 「節電」 の 張り紙がありました。

 でもそのお陰で 電力不足が補え、 計画停電が 取消になったりしているのでしょう。

 市民の協力が 実になっています。


 震災以来、 ずっとTVを点けていますが、

 新しい津波の映像が 次々放送されています。

 各所で こういう無数の被害が、 現実としてあったのだ ということが感じられます。

 一般人が 携帯やカメラで撮影することが 容易になったのもさることながら、

 津波は 地震の揺れから 時間が経ってから来る という事情もあると思います。

 地震に襲われている最中に 撮影できる人はあまりいないでしょうが、

 津波の襲来は 予想がされるので、

 揺れが治まって 高台などから映す人も 少なくないのでしょう。

 それにしても 津波は、 ある意味で 地震の揺れより 恐ろしいのかもしれません。

 破壊力だけでなく、 人も建物も根こそぎ 別の所へ持って行ってしまうため、

 救助や遺体の発見も なおさら困難になるでしょう。

 何百もの遺体が 発見されたという報道に、 悲惨な現実を 見せつけられる思いです。

 個々の 新聞の記事などを見ても、 生々しい惨事が 起きているのだと感じます。

 死者は万単位という、 正に阪神淡路大震災を 数倍上回る、

 我が国最大の 震災となってしまいました。

 原発をはじめ、 まだまだ不詳の出来事が 出てくるでしょう。

 被災者の方々の 安全を祈り、 亡くなった方を悼むと共に、

 自分にできることもするように、 向き合っていかなければと思います。
 
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停電時の人工呼吸器

2011年03月14日 11時10分58秒 | 東日本大震災
 
 http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61661776.html への追伸です。

 人工呼吸器のバッテリーは 数時間持つそうで、

 酸素吸入器は手動で 酸素ボンベに切り替えるということです。

 しかし 本当に唐突なことなので、

 その準備や点検が できない場合もあるだろうと 気がかりです。

 厚労省が、 業者や医療機関が ボンベを貸し出すよう 呼びかけ始めたといいますが、

 ということは 現在ボンベがない人も 多いということでしょう。


 せめて我々も 節電を心がけましょう。
 
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停電時間検索

2011年03月14日 09時32分49秒 | 東日本大震災
 
 「停電時間検索」 というページを 紹介してくれた人がいました。

 コピーさせていただきます。

http://bizoole.com/power/

(アクセスが集中して 利用できない場合も 多いみたいです。)

 それにしても  「計画停電 (輪番停電)」 という、 初めて耳にする非常事態。

 戦後の混乱期以来とのことです。

 多くの人が 停電にも協力しようとしているでしょう。

 日本人の良心を感じます。

 上記のページも 善意で作られたページだそうです。

 しかし 文字通り昨日の今日で 実施された緊急対策、 周知は極めて不徹底でしょう。

 電気は溜めておけないので 止むを得ないこととはいえ、

 突然電気が止まって 困惑する人も多いと思います。

 ネットを利用できない人や、 新聞を取っていない人も 少なくないはず。

 特に高齢者, 障害者など、 弱い立場の人たちのことが 心配でなりません。

 家庭で自家発電がなく、 人工呼吸器を使用している人の

 救済策の報道も聞きませんが、 一体どうなるのでしょう? 

 生活や経済に どんな影響が起こるのか 想像できません。

 4月末まで続くそうですが、

 日本発の経済恐慌なども あり得るのでしょうか? 

 とにかく 全体で痛みを分け合い、

 危機に耐えて 乗り越えていかなければなりません。

 この体験を 後世に残していこうとするしかないと思います。

 皆でしっかりやっていきましょう。
 
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(感想.2) 若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (9)

2011年03月13日 21時10分34秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 オーストラリアの BPDに対する取り組みなどの 情報は貴重でした。

 2年ほどの治療で 症状が落ち着いてくるというのは、

 ボーダーは治らないと 思っている人が 少なくない現状に対して、

 希望的な影響を 与えられるのではないでしょうか。

 日本の行政も こういう取り組みを、 参考にして取り入れていくべきでしょう。

 番組では、 日本の治療が遅れており、

 BPD患者を敬遠したがる 医療者の実情も伝えていました。

 ネガティブなイメージを 与えてしまう懸念だけでなく、

 問題意識を持ってもらうために 必要なことでもあると思います。

 ポジティブなイメージを 持ってもらうためとすれば、

 ボーダーの人は 非常に純粋であり、 魅力的な面が 少なくないということも、

 描かれればよかったと思います。

 また、 周りの人も困惑するが、

 誰よりも苦しんでいるのは 本人だということも、 強調してもらえればと。

( 「境界に生きた心子」 では、 それを表現するのに 最も腐心しました。)
 

 ともあれ、 こうして少しずつ TVなどを通して

 BPDの情報が伝えられていくのは、 喜ばしくありがたいことです。

 一歩ずつでも、 着実にBPDは 表に出始めているでしょう。

 BPDは 多様な深い問題を 併せ持っていますが、

 1度や2度の放送で それらを描けるわけもなく、

 正しい理解を 伝えられるはずもありません。

 何事も浸透するには 時間がかかります。

 今現在 苦しんでいる人たちにとっては 待ちあぐむことかもしれませんが、

 ある程度 長期的な展望で 見ていくのがいいのではないでしょうか。

 また今後の伸展を 望みたいと思います。
 
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(感想.1) 若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (8)

2011年03月12日 20時15分42秒 | 「BPD家族会」
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61652894.html  からの続き)

 今回 「クローズアップ現代」 の BPDの番組は、

 「おはよう日本」 より 放送時間が長かった分、

 やはり境界性パーソナリティ障害の いくつかの面を

 カバーできていたのではないかと思います。

 登場した母子を見て 共感した人たちもおり、

 BPDの実態を ある程度伝えることができたのではないでしょうか。

 ただ 前回同様、 自殺との関連で 境界性パーソナリティ障害を捉えていました。

 前は、 短い放送時間で 視聴者の関心を得るための 切り口なのだろうか

 とも思いましたが、 そればかりではないようです。

 確かに BPDの自殺は 生命に関わる重要な問題で、

 死んでしまっては全て終わりですが、 BPDの困難さは それだけではありません。

 自殺で亡くなってしまうのは BPDの1割くらいの 人なのに対し、

 感情の変化の激しさや 対人関係のトラブルは、

 ほとんど全ての BPDの人の問題です。

 BPDは今や 誰の近くにいても おかしくない状況で、

 接することの難しさや 人間関係の混乱に、

 苦慮している人も 少なくないと思います。

 それは とてもタイムリーな話題で、 そういう 身近な視点から入っていくと、

 誰しもが自分のこととして 関心を持てはしないでしょうか? 

 自殺防止の観点から 入っていくという捉え方は、

 BPDを丸ごとつかんで 伝えることになるだろうかと考えると、

 違和感を免れないのですが いかがでしょう。

 もっとも 自殺対策の立場から見るなら、

 日本では経済問題など 中高年に重点が 置かれていることに対して、

 元々僕自身も 強く異存を持っていました。

 境界性パーソナリティ障害など 心の問題に、

 もっと目を向けなければならないと 思い続けていたのです。

 その点にスポットが 当てられたことにおいては、 会心のいくところではあります。

(次の記事に続く)
 
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施設で大揺れ

2011年03月11日 23時02分39秒 | 介護帳
 
 今日の地震は、 施設にいるときに見舞われました。

 ちょうど 利用者さんがお風呂に入ろうとして、 パンツ一丁になったときでした。

 この方は 自立で入浴できる人ですが、 急いで服を着てもらいました。

 バスタブのお湯が 大きく揺れて、 外に溢れ出ました。

 こんな周期の長い地震を 体験したのは初めてで、 少々驚きました。

 女性のスタッフは 柱にしがみついて、 わーわー言っています。

 「落ち着いて!」 と σ (^^;)。

 まもなく 揺れはやんで、 併設のグループホームなどとも 無事を確認しました。

 しかし携帯や電話は どこも通じません。

 この日はたまたま デイサービスの利用者さんは 一人だけでしたが、

 その人のお宅では 足に障害のある奥さんが 一人で待っています。

 安否が心配なので、 定刻より早く帰宅してもらい、 車でお送りしました。

 お宅の中まで上がらせてもらい、 被害などがないか確認。

 その帰り、 施設のすぐ近くに 一人でいる利用者さんの お宅にも寄って、

 無事な顔を見て 安心しました。

 施設では初めての体験で、 しかも経験の少ない スタッフばかりだったので、

 適切な対応ができたか 心許ないですが、 幸い大過はありませんでした。

 こういう予期せぬ 災害にも対応できるよう、 心がけておかなければと思います。
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (7)

2011年03月10日 18時44分37秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

山室 「オーストラリアの施設では、 患者の 考え方の癖を改めて、

 自分で感情をコントロールできるようにする カウンセリングなど、

 心理療法を中心とした 治療を進めています。

 この施設のスタッフが、 各地の医療機関で 研修会を頻繁に開いて、

 地域の精神科医に 患者との接し方とか、 心理療法を教えているんです。

 精神科医と臨床心理士が チームを組んで 治療に当たっています。

 これまで2500人が 治療を受けてきて、

 ほとんどが2年ほどで 自傷行為をやめ、 症状も落ち着いているということです。

 患者や家族には 電話でもアドバイスをするなど、

 様々な形で 支援を進めているんです。

 オーストラリアでは、

 患者の治療費や 医師の育成を 公的な資金でまかなっています。

 日本では、 自殺対策は中高年に絞られており、

 境界性パーソナリティ障害は 重視されてきませんでした。

 また日本では、 心理療法は時間がかかるわりに 診療報酬につながらないため、

 積極的に取り組む医療機関が 少ないのが実情です。

林 「境界性パーソナリティ障害の治療は、

 世界ではここ数年で 急速に進歩しているんです。

 この治療で治るんだということが、 次々と確認されています。

 それを日本にも持ってくれば、 何とかなるのではないかと考えます。

 日本でも 名だたる精神科医が このテーマに取り組んできて、

 成果も上げているんです。

 でも 診察室での活動に留まっていて、 家族を取り込んだり、

 地域の社会資源と一緒になる 体制になってないんですね。

 いわば 点で支えている体制だったんです。

 それを 面で支える体制を 作り上げなければいけないですね。

 準備はまだまだ不足していて、

 私たちこれから 相当に頑張らなければいけない段階にあります。」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (6)

2011年03月09日 19時42分25秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 NHKが 全国の大学病院を対象に 行なったアンケート調査。

 ほんとどの病院が、 患者との関係に 問題があると捉えていました。

 「自傷行為が改善せず、 治療意欲に乏しい」

 「社会的規範に則った行動ができず、 スタッフや他の患者に 迷惑をかける」

 「できればかかわりたくない」

〔国立精神・ 神経医療研究センター (東京・ 小平)〕

 こうした現状を 何とか改善しようと、

 医療スタッフを対象にした 研修が始まっています。

 本人の考えを否定せず、 じっくり話を聞くなど、

 接し方を知ってもらうのが目的です。

 しかし日本には、 この病気に詳しい 医師がまだ少なく、

 模索は始まったばかりです。

参加者 「本当に対処法が 分からないところがありまして」

参加者 「試行錯誤というか、 難しいところがあると思います」

〔スタジオ〕

 取材に当たった 山室桃記者。

 都立松沢病院・ 林医師。

林 「(病院が消極的なことに関しては) 非常に残念なことです。

 しかしながら、 ゆとりのある診療ができないという 状況もあるんです。」

山室 「厚生労働省は、

 境界性パーソナリティ障害が 自殺と深く関わっていることは 認識していますが、

 今のところ 具体的な対策の動きは ないのが実情です。

 一方 欧米などでは、 自殺を予防するという観点から、

 行政として 取り組んでいる国もあります。

 中でも注目されているが オーストラリアで、

 境界性パーソナリティ障害の治療を 専門に行なう施設があります。」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (5)

2011年03月08日 21時20分04秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 治療に関しては、 日本では本格的に 広まっていないのが実情です。

〔BPD家族の会〕

 東京都内で開かれた、 患者の家族会です。

 月に2回、 境界性パーソナリティ障害の家族を 持つ人たちが、

 互いの悩みを相談しています。

 3年前にできた この会には、 およそ50人が参加。

 その多くが、 医療から見放された 経験を持っています。

参加者 「20歳前後から30歳くらいまで、 8ヶ所くらいの病院に行って、

 断られて かなりしんどかったです。

 今は何をすべきかという 手詰まり感があるんです。」

 頼るべき医療から拒絶される 患者と家族。

 インターネットや本などの情報を、 頼りにせざるを得ないのが実情です。

〔精神科の病院〕

 ある精神科の医師は、

 境界性パーソナリティ障害の患者の対応に 苦慮してきたといいます。

医師 「一番難しいのは、 患者側からの攻撃性が強い。

 攻撃性が 時には私たちにも向くし、 そのリスクも含めて、

 非常に大変な 患者さんだと考えられます。」

 医師のささいな言動から、 見捨てられたと感じる 患者もいるといいます。

 診察中に突然 外に飛び出し、 近くの川に飛び込んだ ケースもありました。

医師 「病室の2階からジャンピングされて、 骨折されたりとか。

 そういう場面が 2度3度と起きてくるので、

 非常に緊張の連続で 治療していかなければならない」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (4)

2011年03月07日 21時19分47秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

〔スタジオ〕

 松沢病院・ 林直樹医師。

林 「境界性パーソナリティ障害の 主な症状の発現の場が、 対人関係なんです。

 患者さんがよく、 感情のジェットコースターという 表現を使う。

 それに 家族も巻き込まれて苦労します。

 見捨てられる不安や 怒りの感情に押し流されて、 とことんいってしまう。

 それで自傷行為をしたり、 空虚感, 虚無感,

 生きていてもしょうがないという 気持ちを抱き続けます。

 原因の解明は不充分ですが、 次々と新しい知見が 明らかになっています。

 脳の機能異常が 反映しているのではないか、とか。

 逆に、 社会・ 文化的な要因も 関与しているのではないか。

 例えば、 先進国にはあるが 発展途上国にはない、

 都市部には多いが 農村部には少ない。

 無視してならないのは 養育環境です。

 ストレスが多い 養育環境に育つと、

 病気になりやすいという 知見も明らかになっています。

 20~30代に多いのは、

 その頃には 衝動的な行動に走りやすい 傾向があるからです。

 40~50代になると、 落ち着いてくることが期待されます。

 もちろん、 治療によって もっと早く良くなる人も いらっしゃいます。

 アメリカの研究では 人口の1~2%と言われていますが、

 日本でも同じくらいの発症が あるだろうと考えられています。

 私たちの病院では 患者さんの数は、

 自傷行為や自殺未遂の数と 軌を一にして増えています。

 患者の身近な人たちは、

 患者のジェットコースターから降りるということが 正しい方向だと思います。

 簡単にはできませんが、 患者も家族も、 冷静さを取り戻すトレーニングをするとか、

 ひとつの見方をしたら 別の見方もすることを 習慣づけていくことで、

 だんだん回復していく。

 家族の協力があると、 患者の回復も早いと思います。

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (3)

2011年03月06日 18時45分08秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 境界性パーソナリティ障害と若者の自殺に、

 深い関わりがあることが 分かってきました。

 東京都立松沢病院・ 林直樹医師の調査です。

 自傷行為や自殺未遂で、 1年間に入院した 150人を診察したところ、

 およそ60%が 境界性パーソナリティ障害でした。

 その全てが 20~30代の若い世代でした。

 退院後の追跡調査では、 患者の10%が 自殺で亡くなっています。

 退院から2年以内に 再び自殺しようとした再発は、

 うつ病や統合失調症では 35%、

 それに対し 境界性パーソナリティ障害では 67%に上りました。
 

 19才だった香枝子さんは、 境界性パーソナリティ障害と診断されていました。

 高卒後、 第一希望の会社で 働き始めましたが、

 3ヶ月後、 突然気分が落ち込み、 職場へ行けなくなりました。

 休職し、 週に1度 精神科に通院していましたが、 症状は重くなる一方でした。

 広い砂漠に たった一人 置き去りにされたような、 絶望感に襲われていたのです。

父親 「死なせてほしいと、 泣きながら叫ぶことがありました。

 死にたいではなくて、 死なせてほしいと。

 娘が眠りに就くまで、 妻はベッドに付き切りの 日々でした」

 次第に感情のコントロールが できなくなっていった香枝子さん、

 自殺で亡くなったのは 発病から1年後でした。

父親 「遺書には 『ごめんなさい』 って。

 何も謝ることはないのにね ……。

 これ以上生きていたら、 自分がどうなってしまうか 分からないということが、

 心の中にあったんじゃないかと ……」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (2)

2011年03月05日 20時45分01秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 かおりさんは、 常に自分を見てほしい という思いが強く、

 母親から離れられない 時期もありました。

 かおりさんのお母さんは、

 何気ない一言が引き金になり、 感情を高ぶらせるかおりさんに 翻弄されてきました。

 買い物帰りの 車の中でのこと。

 楽しそうに はしゃぐかおりさんに、

 お母さんがからかうつもりで  「わざとやっているの ?」 と言った途端、

 かおりさんは突然 怒りを爆発させ、 「私が邪魔なんでしょ !」 と叫びながら、

 シートベルトで 自分の首を絞め始めたのです。

お母さん 「何でこんなことをするんだろう ? 

 どうしたらいいんだろう?  分からなかった。

 ガラスを割ったこともあるし、 熱湯を 自分の手にかけてしまったりとか ……」

 突如として沸き上がる 怒りの感情に、 かおりさん自身 戸惑ってきました。

 日記には、 「愛してほしい」 「離れて行かないで」

 「感情をどうしたらいいの」 「助けてください」 などと 綴られています。

かおりさん 「生きてる価値がないと思う。

 自分がいなくても、 何か変わることがあるのかと 考えると、 ないわ ……」

お母さん 「私なんかいないほうがいいんでしょ、 という言葉を聞くと、

 涙も出てくるし、 胸が潰れてしまいそうになりました」

 
 かおりさんは週に1度 病院に通い、 医師の診察と カウンセリングを受けています。

 社会とつながりを持ちたいと、 アルバイトも始めました。

かおりさん 「1%理解してくれる人が 100人いたら、

 100%ということじゃないかと、 ちっちゃい希望を持ってる」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (1)

2011年03月04日 21時28分12秒 | 「BPD家族会」
 
 3月3日の 「クローズアップ現代」 で放送された、

 パーソナリティ障害の番組の 内容を紹介させていただきます。

 「おはよう日本」 と同じく、 自殺に焦点を当てた 切り口でした。

( いつもの国谷裕子キャスターでは ありませんでしたね。 (^_^;))

--------------------------------------

 自殺者が13年連続で 3万人を超える日本。

 なかでも このところ深刻なのが、 20~30代の 若い世代の自殺です。

 その数は この1年間で7836人。

 過去最悪の水準が続いています。

 若者の自殺の 多くに関係しているとして 注目されているのが、

 境界性パーソナリティ障害という精神疾患です。

1. 見捨てられることへの不安

2. 激しく変化する感情

3. 衝動的な自傷行為

 これまで 性格の問題として片付けられ、

 どのような病気か 知られてきませんでした。

 この病気を もっと知ってほしいと、 患者と家族が 取材に応じてくれました。

 かおりさん (仮名・19才) は 2年前、

 境界性パーソナリティ障害と診断されました。

〔 本人と母親が 素顔を出して登場しています。 〕

 きっかけは9年前、 小学校5年生の時でした。

 学校で 友だちの輪に入れなくなり、

 辛い気持ちに気付いてほしいと、 カッターで 手首を傷つけるようになりました。

 かおりさんのカルテには、 「見捨てられ不安が強い」

 「調子の落差が激しく、 予測が困難」 などと記され、

 「境界性パーソナリティ障害」 と診断されました。

 かおりさんは 言葉にできない 不安に襲われるたび、

 手首や腕を 自ら傷つけてきました。

 これまでに縫った傷口は、 300針を超えています。

かおり 「なんか、 切ったら、 不安が取れる。

 一時的だと分かるけど、 はまってしまってやめられない」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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☆ 緊急告知 ☆  「クローズアップ現代」 でBPD放送

2011年03月03日 08時34分13秒 | 「BPD家族会」
 
 本日7:30pm. NHK 「クローズアップ現代」 で、

 BPDの番組が放送されます。

 以前NHK 「おはよう日本」 の中で、

 BPDのコーナーを 担当した方が 制作したものです。

(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61140701.html )

 「おはよう日本」 では 10分足らずのコーナーでしたが、

 今度は 30分の番組全体で扱っています。

 「クローズアップ現代」 で取り上げられることは、 大きな意義があると思います。

 この番組は視聴率も高く、 問題意識を持った視聴者が 見るでしょうから、

 より多くの人に 正しく理解されることを 期待したいものです。

 番組の一部で、 僕も参加している  「BPD家族の会」 のことも紹介されます。

 参加者はプライバシー保護のため、 全員映像処理をされています。

 (いずれ関係者や BPD本人の方も、

 素顔を出して 放映できる時代が 早く来てほしいと思います。)

 こうして少しずつ、 BPDのことが 広まっていってほしいと願うばかりです。

 是非  「クローズアップ現代」 をご覧になってみてください。
 
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