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共謀罪 今日は強行採決を見送ったが……

2006-05-19 19:22:46 | 時事
「共謀罪」の採決きょうは見送り
与党


十九日午前の衆院法務委員会理事会では、いったん双方の協議が不調に終わったことから、与党側は単独で再修正案の提出を決定。同日午後の委員会で趣旨説明と質疑に入った。

 しかし、これと並行して、与党側が河野洋平衆院議長に同日中の委員会採決について打診したところ、河野議長は「政争の具にすべきではない」と、強い懸念を表明。与党側も同日中の採決を断念し、引き続き民主党との共同修正協議を続けることにした。


 ……薄氷を踏む思いです。早く廃案にしてくれ~っ。

『自己愛性人格障害』町沢静夫

2006-05-19 19:22:17 | 読書
『21世紀カウンセリング叢書 自己愛性人格障害』町沢静夫(駿河台出版社) リンク先はamazon.co.jp

 ちょこっと感想を交えながら、めもめも。

第一章 自己愛性人格障害
第三節 ミロン(Milon, T.)による自己愛性人格障害の下位分類

以下、項目のみ引用。

・道徳心を欠いた自己愛性人格障害
・自己補償的な自己愛人格障害
・好色的自己愛性人格障害
・エリート的自己愛性人格障害

第四章 自己愛性人格とモラルハラスメント

冒頭
 自己愛性人格ないし自己愛性人格障害の人たちは共感性が乏しく、あるいは人を動かし自分が中心でないと気がすまない。いつもほめられなければ安心できない。
 そのために強引な力の論理や、さまざまな対人関係の技術を使って、多くの人を犠牲にしつつ自分の立場を高めようとしていく人たちである。
 このような自己愛的な人たちの相手になる人たちは、言葉の上でも情緒的なレベルでもさまざまな被害を受け、PSTDに近い精神状態になることもある。
 自己愛性人格障害は実際、社会の上では極めて少なく、日常われわれが目にするのは、だいたい自己愛性人格である。つまり横柄で、力を駆使して人を軽蔑し、自己中心的に動こうとして、共感性に乏しい人たちである。つまりここで自己愛性人格とは、このような自己愛性人格障害の主たる特徴を持っているが全部は持っていない、という人たちを指すものとする。このような人を自己愛性人格の人たちとするならば、われわれの身の回りにも実に多いものと言ってよいものである。
 この自己愛性人格の人たちは、夫婦の関係、親子の関係、会社内の人間関係といったところで目立つことが多い。つまり相手を無力化し、相手を思うがままに動かし、相手が加害者であるかのごとく役割を押し付け、その相手の弱みの上に自分が権力を握る。支配し続け、そしていじめることそれ自体が快楽となっていると思える形となる。


 う~ん、深刻なケースとなると、かなり強烈だ。

 そして、思った通り、この「自己愛性人格障害とはいえないまでも自己愛性人格の人」と、パワーハラスメント・セクシャルハラスメントは関係がありそうだ。

同 第二節 日本の企業とモラルハラスメント

 企業では、上司は部下を侮辱し、力によっていじめるということは実によく見られるものであり、ある意味で当たり前と言ってもよいものである。上のものが部下を叱ったり侮辱したりするのは、通常の日本の組織の姿だといってよいものである。
 しかしわれわれの社会は、いかに封建的なものがバックグラウンドにあったとしても、民主主義の社会であることは憲法に記されているものである。したがって、上のものが下のものを平然として侮辱し叱り付けるということは、あってはならないものであるが、これもまたあまりに当然なために、周りもそのことを問題にすらしないといえるものである。
 このような上司は、自分も昔は上からいじめられてきたという悪しき伝統を、そのまま新しい地位の下の部下に行使するものである。まるでチェーン現象のように、このモラルハラスメントが延々と続くのである。自分がやられた、だから下の者にやる。そしてまた下の者も、自分もやられた、だから下の者にやる、と延々と上位の者が下の位の者をいじめるという姿は、日本の会社にはよく見られる姿である。
 このようなチェーン現象が続くには、単に上・下の地位の違いがはっきりしているだけではなく、上の者が下を思うようにいじめ、力任せに罵倒するということは、その素質の中に自己愛性人格がなければ出来るものではない。


以下、カウンセリング事例。

同 第三節 企業とセクシャルハラスメント

 カウンセリング事例の紹介。ただしセクシャルハラスメントを訴える被害者のカウンセリング事例で、加害者の自己愛性人格の特徴に直接斬り込むものではない。先日読んだ『壊れる男たち』金子雅臣(岩波新書)の事例にこそ加害者に共通する自己愛性人格が色濃く表れているので、そちらをお勧めしたい。

 かくて彼女の問題は解決したのであるが、やはりこの日本の会社組織の封建制はきわめて大きな問題であり、そこで一人男女平等と叫んでも、あっという間にもみ消されてしまう社会ではある。しかし今この現代に至ってなおかつ男女平等が成立しないというのは、多くの他の人たちが「強いものには巻かれろ」という形で自己愛的な上司に逆らわず、封建体制を無言のうちに支えているという風土が日本にあるから、このような問題があると考えられる。


同 第四節 病院とモラルハラスメント

 ところで医者の世界も、きわめて封建制が強いものである。各大学の派閥争いは、まるでやくざのように繰り広げられているのが現状である。そしてそのトップに立つ人たちは、医者というよりも政治家といった方がよい人たちが多いものである。


 ……そこまで言っていいのかしらん(苦笑)。まさにマンガ『医龍』の世界って感じですが。

 以下、仮名による事例紹介。凄いので一部だけ引用。

 この医局長の性格は、きわめて眼は鋭く、歩き方もまるでやくざのように横に広がる歩き方となり、「俺の言うことを聞かなければ、どこへでも出してやるんだ」というばかりの雰囲気であり、まさに自己愛性人格の典型であると言えるものであった。実際その医局長は、自分自身が結局能力はなく医局長どまりで、どこかの大学に赴任するなどということはまったくなかったのである。単に政治や権力欲に身を包んだ、自己愛性人格としていたに過ぎなかったのである。
 医学という科学の先端を身につけて働かねばならない場で、科学こそ平等な事実を求める社会であるにもかかわらず、封建的なやくざのような人間関係を続けている医学というのはいかなるものかと疑問にもつものであるが、今もって日本の医学部はこのような学閥主義、権力主義に基づいて人事が動いており、日本人はいつまでたっても本来の民主主義、科学的公正というものに近づくことはなく、権力を笠に着て人事が動いていくという自己愛性性格の人たちが医局を牛耳っている世界なのである。


 ……この節こそ、著者の舌鋒が一番鋭い節だった(滝汗)。

 おおよそわかってきたが、もう少し理解したいので類書を注文した。

ディレールメント

2006-05-19 13:24:45 | しごと
 もう一本、仕事に関連するボキャブラリー。

ブログ「人事コンサルタントのBlog」より
ディレールメント
しかし、有能で高い業績を上げている人達には、コンピテンシーだけでなくマイナスの行動特性もあることがある。例えば、管理職の場合
 ・ 部下の意見や行動に対して常に否定的な対応をする
 ・ 日頃から部下の意欲を下げるような言動がある
 ・ 細かいことまでにいちいち口をはさみ部下に仕事を任せることができない
などである。

 このように優秀な人達が陥りやすいマイナスの行動特性のことを「ディレールメント(レールを踏み外す)(問題行動)」と言う。そして、このディレールメント(問題行動)が機会損失に結びつくと考え、排除する必要が出てきている。


IEC(株式会社アイ・イー・シー)のサイト
連載企画 人事教育の穴 永井隆雄
職場の中の「困った人たち」分析(1) 職場とは困った人との格闘技 !?

職場の中の「困った人たち」分析(2) 困った人にどう対処するか、まさしく管理者の腕の見せ所 !

職場の中の「困った人たち」分析(3) 困った人とは脱線者

このように、成功することが次なる失敗の原因となることは、脱線現象として研究が進んでいます〔※※〕。電車の脱線をイメージするとよいのですが、低速では脱線しにくい。むしろ必要な減速を怠ったとき、電車は軌道を外れてしまうのです。

〔※※〕脱線のことを英語で「derail」―ディレール―という。文字通り、レールを外れることである。仕事上の成功が失敗を導く現象を「キャリア・ディレール」ということがある。


脱線しそうな人、あるいは脱線してしまった人のことを総称して「困った人」と捉えることができるでしょう。困った人にはもともと優秀だった人が多いし、少なくとも自分のことをすごく優秀だと思い込んでいるものです。だからますます周囲は困ってしまうのです。ところが、困った人は、自分のことをそれなりに優秀だし、まんざらでもないとうぬぼれているため、あまり周囲の言うことには耳を貸さない。馬耳東風を決め込み、核心に触れる発言には自己防衛的になることが少なくない。周囲もだんだん相手しなくなり、ますます孤立してしまうことになるのです。


職場の中の「困った人たち」分析(4)脱線現象は防衛によるもの

このような脱線現象は、人間の防衛機制が絡まったものです。防衛機制とは、欲求不満などによって適応が出来ない状態に陥った時に、不安が動機となって行われる再適応のメカニズムを指します。


 以下、防衛機制の種類として「抑圧」「反動形成」「投射/投影」「退行」「摂取/同一化」「否認」「置き換え、転移」「昇華」「合理化」が紹介されています。網羅的なリストでありがたいです。

 あと、この項で面白かったのは、低業績者の自己イメージについて。ある会社で評価の低い社員を集めてアセスメントを行った時に、彼らの自己評価を訊くと驚くべき内容だったというところ。

それ以上に研修に当たった私が驚いたことは、彼らの自己評価です。各自に自分が職場でどのように評価されているかと尋ねたところ、次のような回答が返ってきました。
・少なくとも並以上には評価されているし、上司の依頼事項をそれなりにこなしている
・上司は基本的に的外れな指示をすることが多く、フォローが大変。だが、それなりにはやっているし、今後も上司を支えていきたい。
・私はかなり仕事ができる。上司も分かっているはずだが、もし分かっていないなら上司が無能。

このような回答が大変【白牡丹注・「大半」のtypoではないかと思う】で、自己が並以下、それも最低の評価になっていると素直に認める人はいなかったのです、つまり、自己評価、自己イメージが周囲との大きく乖離していることが大きな特徴だったのです。

【中略】

この点、AGP行動科学分析研究所が実施した調査分析をみても、高業績者よりも低業績者で自己評価は高く、少なくとも周囲との評価では低業績者群で自己評価が上回っていると数社の結果で明らかになりました。つまり、並以下の人材は自分のできていないことに十分な自覚がないのです。


 「私はかなり仕事ができる。上司も分かっているはずだが、もし分かっていないなら上司が無能」とは、まさしく「認知的不協和状態」を修正にかかっている好事例ですわ(苦笑)。

 周囲の認識より自己評価が異常に高いために問題となっている人を、私は何人か知ってるからなぁ……(大苦笑)。これはこれで、困ったちゃんである。

 高業績者のディレールメントに話を戻すと。

職場の中の「困った人たち」分析(5) コンピテンシー+問題特性の両方を見ることが重要

先ほど紹介した職場での脱線現象は、問題特性(ディレールメント)という言葉とともに近年では職場におけるリーダーシップや人材育成を考える際、重要な概念として注目されてきています。つまり、せっかくの才能や能力を活かせないまま終わってしまうこと、持ち前の才覚や自信、意欲など成功のための条件がかえって災いして失敗してしまうことをディレールメントといいます。そしてディレールする人のことをディレーラーというのです。


 コンピテンシーにも詳しい永井さんだけのことはある。コンピテンシーを「理想的行動レベル」「標準的行動レベル」「問題行動レベル」で表現し、ディレーラーの問題行動を逆コンピテンシーという形で見せてくれている。

 そして、過剰行動のリスト。これがありがたい。

傲慢さ
1. 他人の意見に対して、理由をつけて否定的な態度を取ってしまう。
2. 他を軽んじる横柄な態度、高慢なものの言い方をしてしまう。
3. 何もかも自分の実績だと手柄や成果を独り占めしようとする。
4. 物事の解決に当たり、他人の意見や提案を聴こうとしない。
過剰防衛
5. 他人から強く批判されると、苛立ち、反抗的態度を取ってしまう。
6. 自分の過ちや欠点を指摘されると、感情的になる。
7. ミスや不都合があっても、自分はあくまでも悪くないと言い訳に終始する。
8. 些細なことで癇癪を起こし、ヒステリックに反応する。
思い込み
9. 突き詰めれば正しい答えを持っているのは自分だけと思っている。
10. 自分の意見に根拠もなく固執し、修正することができない。
11. 意見の異なる他人の言い分には理由を変えてでも反論する。
12. 自説にこだわり、傾聴姿勢に欠ける。
冷淡さ
13. 同僚や部下に対して思いやりのない態度を取ってしまう。
14. 同僚や部下に対して薄情で、共感的な態度が取れない。
15. 他人の失敗やミスには不寛容で、激昂し罵倒する。
16. 同僚や部下が相談しようとしても、親身に接することがない。


 このリスト、よくできている……思い当たる案件がある^^;。

認知的不協和理論

2006-05-19 13:24:30 | しごと
 4月21日付の記事「『その言い方では、人はついてこない』原孝」で知った心理学の用語。

ブログEP : end-point 科学に佇む心と体
Pt.1: 認知的不協和理論
自分の考えていたことと結果が違ったとき、自分の言動が周囲の価値基準からはうまく誉められないとき、「認知的不協和」が起きる。

 認知的不協和が起きると、人は居心地が悪くなり、
   ・状況から逃げ出す、無視する、逃避する
   ・自分の中の不協和を解消して納得できるように理屈をコジツケる

 自分がやったこと・自分の状態を、自己正当化しようとする。
 自分の行いを強化・正当化する理屈を編み出して、安住しようとする。
 アレをやった自分は正しかったのだと、自分はいいこなのだと思おうとする。


 わかりやすい説明です。そして、事例集がいいです。

サイト心理学入門講座/臨床心理士指定大学院入試対策講座 より
認知的協和・不協和理論
認知的不協和というのは、矛盾した2つの認知がある状況です。そして、その不協和を解消するために、比較的変えやすいほうの認知を変えて、協和している状態にしようとします。


古典的な例が「すっぱいブドウ」ですね。ブドウを取ろうとして飛びついたものの口が届かなかったキツネが、自分の跳躍力が足りないことを認めるのではなく、「どうせすっぱいブドウだから」とブドウの方を攻撃する。

サイトちょこっと心理学より
認知的不協和理論
 フェスティンガーとカールスミスの実験例が面白いです。
つまり、人間は自分の中で矛盾したことをなくそうとして、一貫性を持とうとするようだと いう理論を 認知的不協和理論 といいます。 どうやら自分のした行動に対して一貫性を求めてしまうのが、人間のようです。

 自分を納得させるための一貫性であって、客観的に見て首尾一貫しているとは限らないという点が面白いのだと思います。

自己愛性人格障害

2006-05-19 13:24:15 | しごと
 いま関心のある概念について、整理かたがたメモメモ。

Wikipedia「自己愛性人格障害」
自己愛性人格障害(じこあいせいじんかくしょうがい、Narcissistic Personality Disorder)とは、ありのままの自分を愛せず、自分は優越的で素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込む人格障害であるとされるが、過度に歪んだルールである内的規範が弱いケースであるため、精神病的に扱われる事もある。境界性人格障害とセットにして扱われる事もあるが、自己愛性人格障害のほうが内的規範は比較的高いとされる。また、境界性人格障害の回復期には、一過性の自己愛性人格障害を経るケースが多いという報告もあり、より安定した状態であるとも考えられる。だが、いずれであっても内的規範がほとんど成長していない事に変わりはない。逆に、自己愛性人格障害から境界性人格障害になる可能性も考えられる。自己愛性人格障害はどちらかと言うと男性に多いとされる。


「無自覚タイプ」と「過剰警戒タイプ」があるのね。

はてな「自己愛性人格障害」とは

・自己満足の為に他人と関わる
・自己陶酔、自分は特別だと宗教的幻想的に思い込む
・自分が中心でいないと満足できない
・他人に否定されると混乱し、対象に攻撃、人間関係の切り捨て、排除を行う
・他人の気持ちを想像できない、傲慢
・他人に自己の100%の受け入れを強要する
・特定の対象以外には愛想良く、甘え上手である


以下のうち5つ以上あてはまると、自己愛性人格障害が疑われます。

1. 自分は特別重要な人間だと思っている。
2. 限りない成功、権力、才能、美しさにとらわれていて何でもできる気になっている。
3. 自分が特別であり、独特であり、一部の地位の高い人たちにしか理解されないものだと信じている。
4. 過剰な賞賛を要求する。
5. 特権意識を持っている。自分は当然優遇されるものだと信じている。
6. 自分の目的を達成するために相手を不当に利用する。
7. 他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない。
8. 他人に嫉妬をする。逆に他人が自分をねたんでいると思い込んでいる。
9. 尊大で傲慢な態度、行動をとる。


 「他人の気持ちを想像できない」「他人に自己の100%の受け入れを強要する」「特定の対象以外には愛想良く、甘え上手である」という辺り、自分の周囲に思い当たる人がいるんだよなぁ……(汗)。

 チェックテストは、自覚症状として図れる項目と、自己認識と周囲の認識のギャップが出そうな項目が雑居している点が気になる。たとえば「9.」なぞは、自分ではそのつもりがなくても、周りはそう受け止めるということが、ままある。

サイト「境界例と自己愛の障害からの回復」より
自己愛性人格障害とはなにか

自分を愛するという行為は、健全な心の発達のためには必要なものですが、それが病的に肥大化して自分に対する誇大感を持つようになると、それは自己愛人格障害と呼ばれるものになります。健全な人のように、ありのままの自分を愛することができないのです。

・御都合主義的な白昼夢に耽る。
・自分のことにしか関心がない。
・高慢で横柄な態度。
・特別な人間であると思っている。
・自分は特別な人間にしか理解されないと思っている。
・冷淡で、他人を利用しようとする。
・批判に対して過剰に反応する。
・虚栄心から、嘘をつきやすい。
・有名人の追っかけ。
・宗教の熱烈な信者。

 なんでも自分の思い通りになるという空想に耽ったりします。内容的には、自分の万能感を満たすようなものになります。すべて自分にとって都合のいいように事が運んで、最後には自分が絶大な称賛を浴びるといったようなものです


 ぎく。今度は違う人のことを思い出したぞ(汗)。


 他人に対する共感に乏しく、他人を自分のために利用します。他人の業績を横取りして自分のものにしたりします。優越感に浸るために他人を利用します。他人の存在とは、素晴らしい自分を映し出す鏡である、くらいにしか思っていません。ですから、他人から批判されたりすると、すぐにカッとなって怒ります。あくまでも自分は優れた存在なのです。

 もともと、裏付けのない優越感ですので、話のつじつまを合わせるために嘘をつくこともありますが、本人には嘘をついているという意識はあまりありません。ときにはホラ話のように、話がどんどん大きくなっていって、どこまで本当なのか分からなくなります。


自分が抱えている案件に思い出されるところがあるので、ドキドキ。


 なにがなんでも自分が優位に立たなければなりません。自分が劣っていることを認めることは、幼いころの痛々しいくらいに哀れで惨めな自分に結びついてしまいます。ですからどんな卑怯な手段を使ってでも、どんなにつじつまの合わない妄想であろうと、自分を守るためにしがみつかざるを得ません。

 他人から侮辱されたと思い込んだりした場合、自分を守るために、非常に激しく怒ったりします。あまりにも自己中心的な怒り方なのですが、本人は必死です。

 妄想の種になるようなものがないときは、他人の欠点を捜し出して見下したりします。ありとあらゆる理由をつけて他人を見下します。貧乏人の癖に、不細工な顔をしているくせに、頭が悪いくせに……。実際にどうであるかということよりも、とにかく見下すことができればそれでいいのです。

 他人を見下すということは、ときには他人からの報復攻撃として、自分が陥れられるかもしれないという疑いを生み、非常に疑い深くなったりします。他人に心を開くことなく、自分の妄想の殻の中に閉じこもってしまいます。

 こういったことは様々な不都合を生みますが、利点としては自我の崩壊を防ぐことができるということです。もし、妄想が崩れたら一気に鬱状態になったり、あるいはパニックになったりしますが、少なくとも妄想にしがみついていられる間はこのような悲惨な状態にはなりません。

 しかし、現実というものがひたひたと足元に忍び寄ってきます。砂の城は波によって崩されていきます。妄想という砂の城を維持するためには、現実の脅威に対して妄想を補強し続けなければなりません。やがて、妄想が維持できなくなったとき、悲惨な現実にうちのめされてしまうのです。


 ……この辺りは、会社を辞めた別の人を思い出す。

 関連する記事を読み返しながら、結局、何人の人の事例を思い出しただろうか(滝汗)。少なくとも五人は思い出せる事例があったな^^;。

 



『上司と部下の深いみぞ パワー・ハラスメント完全理解』岡田康子

2006-05-19 13:23:48 | 読書
『上司と部下の深いみぞ―パワー・ハラスメント完全理解』岡田康子(紀伊国屋書店) リンク先はamazon.co.jp

 「パワー・ハラスメント」という言葉を造語したクオレ・シー・キューブ代表取締役による著作。

 以下、役に立ちそうなところを抜書き。

著者によるパワー・ハラスメント定義
・職権などのパワーを背景にして
・本来の業務の範疇を超えて
・継続的に
・人格と尊厳を傷つける言動を行い
・就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること

パワハラの四段階

第一段階……最初は仕事のミスを指摘したり、なんとなく肌が合わない。コミュニケーションがうまくとれない、といった小さなことから始まります。この段階はどこの職場にもあることで、パワハラとはいえません。

第二段階……同じことを何度も指摘するといった「繰り返し」があらわれると、パワハラの始まりです。また直接の業務内容ではなく、「あいさつができない」「口のききかたが悪い」といった「態度」を攻撃するようになり、その攻撃のしかたが、たった今のその態度ではなく、「お前はいつもそうなんだ」「まったく何をやらせてもダメなやつだ」「だいたいお前は」といった、「いつも」「どこでも」という注意のしかたに変わってきます。また、過重な労働や高度すぎる仕事を与えたり、反対に誰でもできる雑用をやらせたり、存在自体を無視したり、といったことが始まります。

第三段階……本人が直そうとしても直せないこと、たとえば出身や学歴、身内のことなどを非難するようになります。また、その人の「行動」を注意するのではなく、「お前の性格が悪いんだ」という非難のしかたが始まります。仕事を与えず、無能扱いしたり、「俺の言うことをきけないのなら、今すぐ会社をやめろ」「ノルマが達成できないのなら、窓から飛び下りて死ね!」といった脅迫や暴力も出はじめます。こうなれば、完全なパワハラです。

第四段階……被害者に心身の不調があらわれはじめます。仕事が手につかなくなるので、ますます無能のレッテルをはられ、辞職を強要されたり実際に解雇されたりといったことも起こります。ここまで来るともう修復不可能の段階といえます。

パワハラの四つのタイプ

攻撃型……このタイプの加害者は、「他の社員たちの前で怒鳴る」「一人だけ呼び出して怒鳴る」「机や壁などを叩いて脅す」「ねちねちと嫌みを言う」「肉体的暴力をふるう」など、業務の範疇かどうかにかかわらず、被害者に対して直接的に攻撃を行います。周囲の目があるかないかはおかまいなし、その時の気分で行動する傾向もあります。

否定型……このタイプは「仕事のすべてを否定する」「人格を否定する」「能力を低く評価する」「病人扱いをする」など、その人の存在そのものを軽視し「被害者の職場における存在を否定する」傾向にあります。陰湿な嫌がらせを通して被害者を追い込む傾向があり、爆発型と違って職場の雰囲気が一変するような緊張感はありませんが、反対に周囲にはっきりわからないところでジワジワと攻撃するので、被害者は孤立しやすく、ダメージも大きくなります。

強要型……このタイプは「自分のやり方を無理矢理押しつける」「責任をなすりつける」「サービス残業を強要する」といった、上司という権限・威厳を誇示したがる傾向が強いパワハラです。独善的なワンマン経営者や、過去の自分の偉業にすがりつき、そのやり方に間違いなどないと信じきっている人もいます。

妨害型……このタイプは「仕事を与えない」「必要なものや情報を与えない」「辞めさせると脅す」「休ませない」など、被害者の仕事そのものだけでなく、仕事に向かう意欲や向上心も妨害しようとするものです。仕事熱心で一生懸命な人が、その熱心さのあまりに上司から疎まれ、被害を受ける場合もあります。

あなたの「パワハラ加害者度」チェック
1. 出来の悪い部下ばかりを割り当てられる気がする
2. 目障りに感じる部下がいる
3. 部下の仕事の内容を把握していないことがある
4. 部下によく説教をする
5. 部下を叱るとき、人前かどうかは気にしない
6. 部下の人間性まで攻撃することがある
7. 部下は自分の顔色を見て行動する
8. 自分に異を唱える者はいない
9. 病気がち、休みがちな部下が多い
10. 何人か一緒に辞めた部下がいる

パワハラをしやすい人
・性格が攻撃的
・威厳の誇示をしたがる
・嫉妬深い
・自己中心的
・しつこい
・潔癖症
・自己保身に走る

環境要因
・ストレス過多
・自分もパワハラを受けてきた
・リストラがらみ
 

「民間人を含む戦争犠牲者すべてを慰霊する無宗教の」施設

2006-05-19 12:50:52 | 時事
メモメモ。

立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第73回 ポスト小泉を呪縛する靖国問題と竹中問題


経済同友会の提言では、靖国神社に代えて、「民間人を含む戦争犠牲者すべてを慰霊する無宗教の追悼碑」を国が作るべきだとしているが、これは、かつて福田官房長官(当時)の私的諮問機関が出した提言と同じライン上の提言だから、まあ、いってみれば、経済界からの福田支持発言といってもよいだろう。

そして、ここにある「民間人を含む戦争犠牲者すべて」という表現が大事なところで、靖国神社は軍人軍属の神社だから、民間の一般人の犠牲者は祀られていない。このままでは日本の国家はあの戦争犠牲者すべてを追悼するよすがを持っていないということになるのだ。靖国神社があれば、国立の追悼施設など必要ないという人たちはこの点をどう考えるのだろうか。

経済同友会に続いては、アメリカからも福田支援の矢が飛んできている。米上院議院外交委員会のハイド委員長(共和党)が、ハスタート下院議長あてに、靖国神社参拝をつづける小泉首相の訪米に懸念を示す書簡を送ったのである。


かねてから述べているように、「民間人を含む戦争犠牲者すべて」のための追悼施設……鳥羽伏見~戊辰戦争まで遡って、いや歴史をすべて遡ってもいいと思う。また、日本に限らずアジア全体、世界全体を含めてもいい。そういう施設であれば日本国の首相が参拝することに意味があると思う。

それが日本国憲法の前文に書かれた「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という精神を実行することに他ならないと思う。

いやな時代になってきた

2006-05-19 12:50:26 | 時事
 今日はそれが気になってしょうがない。

共謀罪創設法案、19日採決へ

「共謀罪」19日にも採決…民主党は審議拒否の構え
(読売新聞)


巨大与党の『強行採決』考
(東京新聞)

教育基本法改正案 強行採決避ける道探れ
(中国新聞)


 絶対多数の力でこういう危ない法案をどんどん通す、戦前の大政翼賛会を思わせるなぁ……。


もう一本、堀田力さん「ストレスマネジメント」

2006-05-19 12:50:09 | 雑記
第1回「『働きざかりのストレス』とどう付き合うか」

 仕事柄、ストレスへの対処方法についても知っておく必要があるので注目。

まとめて言えば、職場のストレスを消してくれるのは、生きがいを感じる大きな目標か、親しい人への深い愛情ということであろうか。


 ごもっともで(^^ゞ。あとは適度に軽い運動、マッサージ、お風呂ですかね。

堀田力さんインタビュー続編

2006-05-19 12:49:53 | 時事
“男社会”の中で、女性はどう働けばいいか
堀田力さんに聞く、女性のキャリアアップ法(後編)


また、男性が女性に対して「女性は視野が狭い、感情的だ、長期的プランが立てられない」という指摘をすることが多い。これについては堀田さんは、「こういった男性の偏見がはびこっている。しかしこれは、男社会に女性を入れないためのエクスキューズになっているのです」と答える。「実は男にだって、感情的で、長期的プランを立てられない人はたくさんいる。男も女も同じ比率で欠点を持っている。しかし男は、自分たちのことを忘れて言っているんです。もともと偏見にとらわれているから、女性が少しでもそういう部分を見せると『それ見ろ』と金科玉条にしてしまうのです。男がこのような行いをしても個人の問題として片づけられるのに、女性の場合は1人でもそういう人がいると女性全般に広げて見られてしまうのです」


 特に最後の部分に同感。

 仕事でお付き合いのあるコンサルタント(男性だが)が去年の研修で「『女性』とひとくくりにされているうちはマイノリティ」と言っていたのが、すごく心に残っている。

 堀田さんの意見も同じだなぁ。

「私は組織が大事なんです。いい組織にしたければ、いい人を登用しなければいけない。男だけを登用すると半分になってしまう。それは組織にとっても社会にとっても損だ。それだけの話です」、堀田さんは最後にこう締めくくった。


 女性の味方ということを前面に押し出すのではなく、あるいは公正さということを前面に出すのでもなく、「いい組織にしたければ……」というスタンスなのが、人事畑の人間には共感し易いスタンスだ。