ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

ダイエー社長退任劇に「やはり」感

2006-08-29 19:36:30 | 時事
 近所にダイエーがあるので必然的に関心を持っている。林・樋口コンビの就任から、せいぜい『日経ビジネス』を通してぐらいの情報しか持っていないが、漠然とした危惧があった。

 それが、今回の樋口社長退任で「あぁやっぱり」という感想になった。だが、その「やっぱり」感の裏づけになる情報があるわけではなかった。

 この記事を読んで、「あぁやっぱり」感の裏づけが取れたと思った。

孤立深めた権限なき責任
社長の電撃辞任が見せたダイエー再生の限界


 「私は計画がすべて決まったところに(社長として)ポンと入った。計画をガラガラポンなんてできなかった。given condition(与えられた環境)です」「後ろ向きのリストラと前向きの営業計画を同時に行うのは大変」

 8月9日、日経ビジネスの取材に応じた樋口は、社長としての自分の意思が反映されない中で作られた計画に沿って改革を行う難しさを再三強調した。そして、再生機構からの借入金1500億円の借り換えプランについて尋ねると、苛立ち交じりにこう答えた。

 「それについては直接はタッチしていない。私のミッションの外です」

 借入金の返済や借り換えをどのように行うかというのは、財務の、というよりも経営の根幹を成す話。それについて社長が十分な情報も権限も与えられていないと告白したに等しい。

 代表取締役社長であるにもかかわらず、決められた範囲の業務における“執行者”でしかない。しかもCEOの林は社風改革など精神面の担当で、日常業務の責任は自分にのしかかってくる。そんな責任と権限のアンバランスに嫌気が差した樋口が、職務を放り出したくなったとしても不思議はない。


 鳴り物入りの就任当時から感じた、漠然とした危うさは、まさにそこにあった。

ホワイトカラー・エグゼンプションと兼業禁止解除

2006-08-29 13:00:00 | 時事
 興味深いコラム。

森永卓郎
小泉改革をどう生きるか
~成果主義・拝金思想を疑え!~
第46回
残業代なしでただ働きを強制される時代の到来
~ ホワイトカラー・エグゼンプションって何? ~

 一見、なるほどと思えるが、そこにはおそろしいワナがある。経団連は規制除外とするホワイトカラーを年収400万円以上と提言しているのだ。つまり、ほとんどのサラリーマンが含まれてしまう。

 経団連側の本音はホワイトカラー・エグゼンプションによって、残業代を払わずにすむことにあるのだろう。そうなると、深夜12時までただ働きで残業をさせられるおそれがある。サービス残業どころの騒ぎではない。

 経団連は「残業代不払いや労働時間の長時間化が目的ではなく、裁量ある働き方を目指すのがホワイトカラー・エグゼンプション導入の狙いである」といっているが、そう簡単に納得できないほど課題が多い。

(中略)

 私はこの制度に関し、個人的には反対ではない。というのも、確かにクリエイターやマーケッター、デザイナー、インベストメントバンカーなどの専門職の仕事を労働時間で測ることは難しいからだ。

 だが、彼らの収入は400万円という水準ではないだろう。1000万円~2000万円以上という年収の専門職にはホワイトカラー・エグゼンプションを適用すればいいが、年収400万円のサラリーマンと一緒にするのは乱暴な話だ。


 同感だ。年収400万円レベルのサラリーマンが残業代を払われなくなったら、それこそワーキング・プアと過労死とメンタルヘルス問題が拡大してしまう。

 労基法の改正では、もう一つの議論もある。これはいい話だと思うが、大半の企業で就業規則に盛り込んでいる「兼業禁止規定」を無効にする改正だ。無効にすることはほぼ確定だという。

 これまでも企業側が兼業した社員を処分し、社員が処分取り消しを求めて争う裁判が何度か行われてきた。その中で、一定の条件が満たされれば処分の取り消しを認める判例も生まれてきた。それは「ライバル企業で働かない」「勤務時間中に働かない」「本業に悪影響を与えない」という3条件である。


  私は会社の就業規則が「承認がない限り兼業してはいけない」というものだったので「会社の事業と直接競合しない」「会社の勤務時間に支障を与えない」「会社のノウハウは漏らさない」という条件で兼業を許可してもらっている。

 上記の条件であれば兼業禁止が解けるのはいいと思っている。ただ、森永さんが言うように、ホワイトカラー・エグゼンプションが年収400万円以上のすべてのサラリーマンに適用になってしまったら、収入を上げるためのアルバイトをする時間もひねり出せない人が続出するかも知れない。

興味深い記事だから貼っておく

2006-08-29 07:00:00 | 時事
 東京新聞はなかなか面白い記事を書く。

特報 鎮霊社『靖国』の回答検証

 靖国神社との一問一答、識者の解説も面白いが、末尾が強烈。

<メモ>鎮霊社 靖国神社の本殿脇に1965年、ひっそりと建てられた。現在は鉄柵で囲まれ、一般参拝者は存在にすら気づかない。本殿とは対照的に、明治維新の“逆賊”やイラク戦争などで亡くなった「万邦諸国の戦没者」も祀っているとしている。本殿でのA級戦犯合祀を回避するため、A級戦犯を一時的に祀っていたという指摘もある。

<デスクメモ>

 “逆賊”たる会津武士の末えいで、戦後右翼の大物だった故田中清玄氏は生前「(靖国参拝とは)長州藩の守り神にすぎないものを全国民に拝ませているようなものなんだ。ましてや皇室とは何の関係もない」と言い切った。靖国問題は「右左」で語れるほど単純ではない。まずは事実の把握が何より大切だ。 (牧)


 「“逆賊”たる会津武士の末えいで、戦後右翼の大物だった故田中清玄氏は生前『(靖国参拝とは)長州藩の守り神にすぎないものを全国民に拝ませているようなものなんだ。ましてや皇室とは何の関係もない』と言い切った」という一文が強烈ですね(苦笑)。まぁ私も本質はそうだと思ってましたが(爆)。