近所にダイエーがあるので必然的に関心を持っている。林・樋口コンビの就任から、せいぜい『日経ビジネス』を通してぐらいの情報しか持っていないが、漠然とした危惧があった。
それが、今回の樋口社長退任で「あぁやっぱり」という感想になった。だが、その「やっぱり」感の裏づけになる情報があるわけではなかった。
この記事を読んで、「あぁやっぱり」感の裏づけが取れたと思った。
孤立深めた権限なき責任
社長の電撃辞任が見せたダイエー再生の限界
鳴り物入りの就任当時から感じた、漠然とした危うさは、まさにそこにあった。
それが、今回の樋口社長退任で「あぁやっぱり」という感想になった。だが、その「やっぱり」感の裏づけになる情報があるわけではなかった。
この記事を読んで、「あぁやっぱり」感の裏づけが取れたと思った。
孤立深めた権限なき責任
社長の電撃辞任が見せたダイエー再生の限界
「私は計画がすべて決まったところに(社長として)ポンと入った。計画をガラガラポンなんてできなかった。given condition(与えられた環境)です」「後ろ向きのリストラと前向きの営業計画を同時に行うのは大変」
8月9日、日経ビジネスの取材に応じた樋口は、社長としての自分の意思が反映されない中で作られた計画に沿って改革を行う難しさを再三強調した。そして、再生機構からの借入金1500億円の借り換えプランについて尋ねると、苛立ち交じりにこう答えた。
「それについては直接はタッチしていない。私のミッションの外です」
借入金の返済や借り換えをどのように行うかというのは、財務の、というよりも経営の根幹を成す話。それについて社長が十分な情報も権限も与えられていないと告白したに等しい。
代表取締役社長であるにもかかわらず、決められた範囲の業務における“執行者”でしかない。しかもCEOの林は社風改革など精神面の担当で、日常業務の責任は自分にのしかかってくる。そんな責任と権限のアンバランスに嫌気が差した樋口が、職務を放り出したくなったとしても不思議はない。
鳴り物入りの就任当時から感じた、漠然とした危うさは、まさにそこにあった。